法人保険の解約と管理のポイントをまとめました。

法人保険の解約と管理のポイントをまとめました。

法人で契約する保険の管理と言えば、保険料の支払いだけではなく保険積立金の管理、解約の時期の管理などが重要になってきます。すすめられるままに、あるいは節税目的で、期末ぎりぎりにとりあえず契約するような場合は出口対策どころか、解約時期の管理さえできていないということがあります。法人契約の保険は事業保障だけが目的ではありませんから、しっかりとした解約管理が重要です。

知らなければ損するがん保険の解約返戻金減額。

◆ 保険会社は指定の書類が提出されれば支払。

保険会社は解約返戻金の支払いに必要な要件がみたされてた書類が揃い、それが真正であればためらいなく支払います。CIMG1993

保険の解約に必要な書類は各社微妙に異なります。保険証券を必要とする会社、必要としない会社があります。

最近では保険証券は重要な意味をもつものではなく契約の覚えのような機能になりました。紛失すれば再発行の請求をすればよいし、解約するときに保険証券がなくても実印と印鑑証明があれば事足ります。最近では印鑑も必要なければ保険証券も発行しない会社もあり、より管理がやりにくくなっています。

実印は金額により不要な会社と必ず実印と印鑑証明を求める会社があります。金額により不要な会社では解約返戻金が少額の場合(例:100万以下)証券面の印があれば解約は可能です。すなわち実印でなくても解約返戻金は入金されるケースがあります。

解約返戻金の振込口座はもともとの引き落とし口座になりますが、別口座を指定することも可能です。ただし「※契約者様名義の口座に限ります。」と記載されていますのでここで一応の歯止めがかかります。契約者様名義の口座に限ります。と記載されていない解約請求書を見たこともありますが、これは同じく契約者様名義の口座かどうかの確認が入ることでしょう。

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◆ 経理責任者の印鑑管理と保険契約。

実質的な結論として経理責任者に実印管理から銀行印も一切任せていれば、これは保険の解約返戻金だろうが売掛金だろうが自由に動かせます。経営者自ら実印管理をされていれば大口の保険の解約返戻金は勝手に手続きすることはできません。中小企業では決済印だけは経営者自らが管理し捺印するケースがあります。これは保険の解約管理でも有効です。

法人保険の解約返戻金は会社の継続に必要な緊急資金です。また法人で契約している保険を解約するということはその分の保障がなくなります。様々な責任が伴う保険契約の管理ですから経理責任者任せにせず、経営者自らの責任と判断で解約時期を押さえておくことが望ましいと言えます。

保険管理のポイントは、きちんと保険契約をリスト化し、

  1. 短期で解約すべきもの

  2. 長期的に管理すべきもの

  3. 解約時期が比較的自由なもの

に区分して定期的に管理すべきです。

またもう一つの管理の切り口として事業保障の合計額と解約返戻金の推移も時系列で一覧表にしておくと全体像が把握しやすくなり処理忘れがなくなります。これは手間がかかりますが、簿外のキャッシュフローが明確になり設備投資などの計画が立てやすくなります。

この辺は自分の使い勝手が良いようにフォームを設計すればよいのですが、解約返戻金の集計表は、毎年の解約返戻金額をエクセルに入力することで契約している保険全体の概要がつかめます。解約返戻金を含めて総合的な保険管理には専門的な知識と経験がある程度必要になりますが、解約返戻金の集計表を作る過程で理解が深まるものと思います。

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「法人保険の解約と管理のポイントをまとめました。」への9件のフィードバック

  1. ピンバック: 法人保険の減額と失効は使える手ではあるが要注意。 – 保険は相談するな!

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