経営者の保険は多目的、法人保険の有効活用で緊急資金。

経営者の保険は多目的、法人保険の有効活用で緊急資金。

本サイトでは、法人保険という言葉をよく使いますが、契約者が会社で、被保険者が社長や役員という企業向けの経営者保険のことを意味しています。

企業にも、個人と同じようにリスクがあり、想定外のまさかがあります。そういう万が一に備えて、会社で保険をかけることは重要な意味があります。

中小企業では、とくにオーナー経営者に決裁権が集中していることが多いと思います。それだけに、経営者万が一のリスクも大きくなります。

それに見合うだけの経営者保険をしっかりかけておくことが、企業の存続という意味において大きなことなのです。

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◆ 経営者保険の目的と役割。

経営者の保険は、単に死亡保障だけでなく多目的な機能を期待できます。会社を経営していると、様々な難局に直面します。経営者死亡という一大事だけでなく、急な資金需要や事業承継での相続税の納税資金などが必要になります。それぞれの目的と役割を整理しました。

・事業保障対策

一番重要な役割は、経営者が死亡した場合に、経営上で発生しうる損失を生命保険金で補填するという事業保障です。保険金が、経営体制を立て直すまでのつなぎ資金として、役に立ってくれます。

会社を契約者として、経営者を被保険者とする生命保険契約を締結します。もちろん保険金の受取人は、会社になります。

・役員退職金準備

役員退職金は、一時に多額の資金を必要とします。これを会社で契約する生命保険で準備すれば、事業保障を確保しつつ積立てていくことができます。まさに一石二鳥のほかに、一部損金処理も可能ですから、節税効果もあります。

経営者を被保険者として会社を契約者とする生命保険を契約し、退職時期に合わせたピーク時期に解約すれば、解約返戻金を役員退職金に充当することができます。

・事業承継対策

後継者に事業を引き継ぐ場合、自社株を相続させるための相続税の納税資金を準備しておく必要があります。

また、経営者の遺族の生活を保障するという意味もあります。経営者を被保険者として保険をかけます。

保険料を負担する契約者を経営者とすれば、保険金は相続財産となり相続税の対象となります。契約者が後継者であれば、保険金は一時所得となります。

・福利厚生と緊急予備資金

従業員の福利厚生を充実させつつ、簿外に緊急予備資金を蓄えることができます。契約者を会社、被保険者を従業員とするハーフタックスなら、満期金や解約返戻金は会社受取りですから、解約すれば緊急の資金不足に対応することができます。

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◆ 経営者保険の種類。

経営者保険に加入する主な要因のひとつは、経営者が死亡した際の企業側のリスクをカバーすることです。

経営者の遺族に対する生活保障や、自社株買取りなどの後継者への事業の引き継ぎ、事業再建までの必要資金を保険で準備できます。

事業保障と役員退職金準備を兼ねた保険では、4割損金の長期平準定期保険が適当でしょう。解約返戻率の山になる時期と、退職を考えている時期を一致させられる契約を探します。

4割損金の場合の最高解約返戻率は、85%以下に決められていますので、なるべく解約返戻率の高い時期が長い契約の方が融通か利くようです。

事業承継で生命保険を考える場合は、外貨でも円建てでもよいのですが、基本は終身保険となります。終身保険であれば、最後には必ず保険金が出ますので取りはぐれがありません。手持ちの資金があれば、一時払いを考えてください。

単に事業保障や資金の運用を考えるのであれば、外貨建ての一時払の終身保険や変額保険が予定利率的に有利になります。円建てでは、いまどき保険で資産運用は期待できません。

従業員を被保険者とする場合は、養老保険になります。養老保険では、半分損金処理が認められるハーフタックスとなっていますので、課税の繰り延べ効果があります。解約返戻金や満期金は会社が受け取れますが、保険事故が発生した場合の死亡保険金は、社員の遺族が受け取ることになります。

上記に述べた保険は、会社がキャッシュに困ったときに解約すれば、早期に現金化が可能です。社長万が一のときも、会社もしもの時も力強い味方になってくれます。それこそ入ってて良かった法人保険という日が来ます。

■法人保険の経理処理は間違いの落とし穴、解約管理が必須な理由。

◆ オーナー経営者は会社と一心同体。

オーナー経営者にとっては、会社も個人も同じことと言う感覚があります。中小企業の経営というものは、多くの場合オーナー経営者が、すべての実権を握っています。金融機関も、経営者個人としての信用で貸し付けています。

ゆえに、経営者万が一の法人保険の重要性は大きくなります。一方では社内に反対勢力はいないわけですから、リスク対策も保険加入も経営者の一存で決めることができます。

これは同時に公私混同につながりますが、経営者にしてみれば会社の株はすべて自分が押さえています。個人と会社を区別することに、意味はあまりありません。それゆえワンマン経営者は、会社の資産も自分の所有物として考える傾向があります。

良い悪いは別にして、期間で成果を求められる社長ではないですから。中長期的視点での施策も可能になります。

中小企業の経営者にとり、法人契約の生命保険の解約返戻金は、自分のものと考えても無理ないところがあります。実際、解約返戻金は会社受け取りですから、正しい手順を踏まないと退職金として支給できません。退職金税制を利用して税金負担が最小になるようにします。

◆ 法人保険は中小企業の生き残りに有効。

中小企業のオーナー経営者は、私物欲が強くなくてはなれません。

こういう立場のオーナー経営者になると、巨額の退職慰労金を受け取るより、会社に資金を残しておいて後継者の一助になればそれでよいという考えも生まれます。個人として一定の資産もあり、相続対策もそれなりに準備できていればこその余裕でしょうか。

法人の保険契約は、基本的にどれもこれも会社受け取りです。福利厚生だのハーフタックスだの言ったところで解約返戻金は、常に会社の資産でありオーナーにとれば自分の貯えと同じです。

普通の中小企業には、そこまでの余力はなかなかないでしょうから、無い袖は振れない退職慰労金ということもあると思います。

しかしどちらのケースにしても、経営者の判断で節税も保険加入も名義変更すら容易にできますから、ここを活用すべきところです。中小企業の強みはオーナー経営者が、全権を握って自由自在に経営できるところにあります。

誰からも助けてもらえない、自分のリスクは自分でカバーするという気概がないと経営はできません。孤独なオーナーにとって、保険というのは無機質ですが、契約すれば好き嫌いも恫喝も必要ありません。

そういう意味では中小企業のオーナーは、一般人とアウトローの境界に位置します。人間的にかなり問題があるから経営者をしているのです。ちょっと言い過ぎですが・・

法人保険は、ある意味でこういう中小企業の生き残りのためにあるように思います。

■解約控除とは、法人保険の解約にからむ欲得人間模様。

◆ 経営者保険の活用、まとめ。

法人契約の生命保険は、会社として経営のリスクを考えて必要性を判断した上でかけているものです。ですから課税当局から、とやかく言われる筋合いはありません。

生命保険契約が過大であるかどうかは、それほど心配することではないと思います。保険料を払う余裕があれば、生命保険契約は安全な投資でもありますから、多いほど安心感があります。

注意することはいくつかありますが、全額損金でも半額損金でも解約返戻率に着目して判断しておけば、法人保険は会社にとっても経営者にとっても思いがけない価値があるものです。全額資産計上の保険ですら事業保障的には十分意味があるのですから。

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