生命保険の受取人が先に死亡したら、相続がややこしくなる原因。

生命保険の受取人が先に死亡したら、相続がややこしくなる原因。

人間生身ですから、被保険者より受取人が先に亡くなることもあり得ることです。保険金を受け取るはずの受取人が、空白になりそのまま保険事故が発生すると、保険金はどうなるのでしょうか。

■生命保険の受取人変更手続きを具体的にわかりやすく。

◆ 受取人死亡後の変更は契約者の自己責任。

生命保険の受取人死亡ということになれば、契約者は、新たな受取人に変更することになります。そうすれば何も問題になることはないのですが、受取人を変更することに思い当たらないことがあります。

保険会社は、受取人死亡を知り得ません。さらには受取人変更が必要であることを、誰も教えてはくれません。受取人変更は他の人が代わりにできないので、契約者が自己責任で手続きしなくてはなりません。

生命保険の受取人は、親というケースもありますが、多くの場合配偶者か子になります。受取人の方が若いことが多いですから、先に亡くなるようなことは少ないと思います。しかし不幸にも順番が逆になった場合は、その後の相続がややこしくならないよう、早めに受取人変更をしておくことが大事です。

◆ 受取人死亡後変更しないとどうなるか。

受取人死亡の場合、受取人の法定相続人が死亡保険金受取人となります。契約者や被保険者の相続人ではなく、受取人の相続人です。

わかりやすい事例で説明します。生命保険の契約者(保険料負担者)を父親、被保険者も同じ父親とします。父親が自分の体に保険をかけて保険料を負担し、自分が万が一のとき保険金が受取人に渡るようにしているケースです。

配偶者と子が3人いる場合で、その内の子1人が受取人となっているケースを考えます。子である受取人が親より先に亡くなると、受取人不存在となります。

この場合、受取人を変更せず、親の相続が発生すると保険金は相続人である配偶者と子2人が受取ることになります。

この場合、法定相続割合ではなく均等割となります。配偶者が半分、子2人がその半分ずつではなく、三人が三等分に分けることになります。

実際はそれほど固い話ではなく、遺産分割協議で決めれば良いのですが、権利としては受取人不存在の場合、相続人均等割となります。

◆ 受取人死亡後、変更しないと相続扱い。

生命保険金は、受取人の固有の財産という考え方が定着しています。相続税はかかりますが、受取人の立場で保険会社に請求すれば、それだけで受け取ることができます。

しかし受取人が先に死亡していて、受取人がいないときは相続人共有の相続財産となります。相続財産を引き継ぐためには、いろいろな手続きや書類が必要になります。

相続人の戸籍謄本や相続関係図、保険金の割り振りを決めた遺産分割協議書に実印を押し印鑑証明まで必要になります。保険会社によっては、差入証というものがあり、相続人全員が納得していることを書面で提出する必要があります。

受取人を指定している場合と、受取人不存在の場合では、手続きがまるで異なります。

■生命保険の受取人変更でかかる税金をわかりやすく。

◆ 受取人が先に死亡、まとめ。

保険金の受取人の変更は、契約者の意思であることと同時に、被保険者の同意があることが条件になります。

契約者は死亡保険金の支払事由が発生するまでは、何度でも被保険者の同意を得て、死亡保険金の受取人を変更することができます。ただし、被保険者の死亡後(保険事故発生後)は受取人変更ができません。

亡くなった被保険者の同意は得られませんから、当然ですね。

受取人が先に亡くなった場合は、速やかに変更を保険会社に申し出て、手続きを進めてください。

死亡保険金の非課税枠と受取人の絶対お得な組み合わせ。

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