贈与税の配偶者控除はローン返済に使えるか?

贈与税の配偶者控除はローン返済に使えるかという熟年夫婦の問題を検証しました。

配偶者(妻)が遺産相続でもらった資金を贈与税の配偶者控除で夫のローン返済に充てることがでできれば、これはありがたい仕組みです。自分にそのまま当てはまるだけに真剣に検証してみました。CIMG2359

贈与税の配偶者控除というあまり知られてない制度があります。国税庁のサイトにはNo.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除を特例として案内しています。

これによると配偶者間で一年に2,000万と贈与税の基礎控除110万を合わせると2,110万まで非課税で贈与することができます。

何かと条件が厳しいですが、このケースに当てはまりそうな人は、サラリーマン末期の住宅ローン返済がまだ10年以上残っている人です。もう少し実態に即して書けば継続雇用で定年ながらかろうじて首がつながったものの収入がガタ減りという方が今回の話題の対象者になります。

下記に国税庁の制約条件を上げます。
(1)婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
(2)特例を受けるための適用要件
A) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
B) 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
C) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
(注)配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

それほど資産がなくてローン返済を続けてきたが、まだ10年ほど残っているのにいよいよ定年になり、先行きのことを思うと住宅ローンを払いきれない不安や老後の困窮、破産が頭をよぎります。

そういう時親が亡くなり遺産が入る場合があります。自分の親ならそのまま一括返済に充てれば長年苦しんでいたローン返済はなくなります。親が亡くなって喜んでいる場合ではないですが、返済できると気持ちはとても落ち着きます。CIMG2121

ところが自分の親ではなく配偶者の親が亡くなり、遺産が入った場合は配偶者は相続で受け取っていますから(相続税がかからないレベル)税金はかかりませんが、夫名義のローン返済に充てると贈与と言うことになり贈与税の対象となります。

普通に考えれば同じ財布でしょうから夫の収入はローン返済に充てて配偶者の遺産は生活費に充てれば贈与ではなくなりますが、できれば一括返済し返済額の削減もしたいし、何より楽になりたいとは誰しも思いす。それで配偶者から夫にお金を貸し一括返済し夫からは毎月返済してもらうようなことになります。(うちはこのパターンです。)

夫にすればローンは返済したものの今度は配偶者という債権者に責められることになります。(苦笑)

ひょっとしての思いつきで贈与税の配偶者控除を考えてみると夫も配偶者ですからこの制度を使えれば一気に問題が片付き肩の荷がおりるのではないかと思います。これはしめたと思いつつさらに調べると条件に「居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合」とあります。言っていることは

住宅ローンの返済は「居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与」にはならないと言うわけです。取得するための費用ではなく取得が終了し借入金の返済をしているので取得費用ではないという例のお上の筋論です。

どうも腑に落ちない話ですが、専門家に確認しても同様の回答ですから仕方がないです。

そんならとこちらも知恵を絞ります。思いつく必殺の贈与は今住んでいるマンションを贈与税の配偶者控除を使いローン丸ごと配偶者に贈与してしまいます。(20年近く住んでますから二束三文です。)それで配偶者が相続したお金で繰り上げ一括返済するなら贈与にはなりません。どうせ同じ財布ですからなかなかの名案ですが、マンションの名義は配偶者に変わります。

それと勿論のことながら登記の変更を伴いますから所有権移転登記コストが発生します。なんか名案のようでばからしいとこもあります。夫婦で貸し借りはなくなりますが、夫としての発言権は著しく低下しそうです。

それは困るとお思いの向きには、やはりぼちぼち返済し、年間110万円ずつ贈与税の基礎控除の範囲で借金の支払いを配偶者にまけてもらうと返済は早く済みます。

金銭借用書をきちんと書いてハンコも押して、この程度の手間を惜しんでいる場合ではないのであとで問題にならないよう手順を尽くすことです。

どちらにしろ配偶者の遺産に助けられたわけですから。老後破産リスクが軽減されたことにここは感謝しつつも大きな顔はできないわけです。これからずっと。

ということでこのブログ始まって以来初めて「保険」という言葉が含まれていません。

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