還付金型医療保険のデメリットと使い道。

還付金型医療保険のデメリットを明らかにすると見えてくる落とし穴について一応専門家としての見解を申し上げます。

よろしければお読みください。

幻冬舎メディアコンサルティング発行の「続税をゼロにする生命保険活用術」中に健康還付金型医療保険の説明があります。この事例だと解約返戻金がずっと0円という相続対策の名義変更ねらいが見え見えの医療保険となっています。CIMG2016

解約返戻金がずっと0円ということは贈与しても相続が発生しても税金がかからないのは当たり前なのですが40年目にしてこれまで支払った保険料相当額を健康還付金として契約者に返しますという医療保険の新機軸です。

還付金は支払保険料相当額となっていますからそこまでたどり着けば損をするとはなくなり医療保険の権利だけが残ります。

名義を引き継いだ人は保険料を払いつつ医療保険の権利を被保険者兼契約者として続けます。気になるのは保険料が終身払いと言うことと健康還付金までの道のりは40年という気の遠くなるような長さです。人生山あり谷ありではとても40年後は予測できませんがね。(別のパターンで設計できるかもしれませんが。)

医療保険はそもそも採算割れ、安心保険です。

医療保険も様々ですがほとんどケースで元が取れないことは過去のブログで申しあげている通りです。

その批判に対応するような保険商品であることは言えると思います。

同じような医療保険ですが、M社の有力代理店が相続対策にと生存還付給付金付終身医療保険を提案してきました。一定期間過ぎるとそれまでに支払った保険料が健康還付金として全額以上(104.45%)戻ってくると言うものです。

保険の常識的な感覚から言うとすごいというかヤバいというか素直に信用できない話でもあります。

しかもM社のケースでは解約返戻金が0ではありませんが到底元が取れないほどの返戻率になっています。資産家相手の提案ですから15年の全期全納で解約時期により未経過保険料が戻ってきます。

解約せずに持ちこたえれば15年目に生存還付給付金という名目で払込保険料に利子がついて戻るというわけです。すごいと思うのはそれ以降は保険料不要で医療保障だけが終身に渡り確保されるというとんでもない医療保険です。

M社の場合よいことづくめに見えますが途中で被保険者死亡の場合死亡保険金はわずか100万ポッキリです(前期全納保険料15年分で3900万の場合)。CIMG2088M社のケースでは100万プラス未経過保険料の返還となり15年の手前では下手をすると元が取れないどころか大損になります。万が一満期までに死亡事故が起こったら内緒にして満期金をうけとりたいところです。

それが出来るか出来ないか、保険金は請求しない限り支払われません。しかし満期金としての健康還付金や生存還付金の請求には被保険者生存を証明する住民票のような添付資料を求めてくるでしょう。

そんなに上手く裏をすり抜ける方法は通常ないとしたものです。とすれば、この種の還付金付き医療保険がお得かどうかはお手持ちの財産と考え方によります。

医療保険の致命的なデメリットを3つあげると

本来保険は思いがけない早期の死亡事故に対しお金という手段でヘッジするものです。でもこの医療保険はまれなこととは言え早期死亡の場合大損をすることがあり得るわけです。

保険の常識から言えば真逆の商品です。資金余力があり保険管理がきちんと出来るならおもしろい商品です。医療保険とは言え医療部分がかすむような投資節税型の保険ですね。幻冬舎の事例には被保険者死亡時の死亡保険金の記載はありませんが医療保険の死亡保障は目的が違うのでM社と大差ないのではないかと推測できます。

おすすめするも何も相続対策をきちんとやって資金余力があれば確かに面白い保険商品です。いずれにしても還付金型医療保険は一般庶民向きでないことは確かです。

外貨建て一時払終身保険の使い道。

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