相続時精算課税制度の使い道マトリックス。

相続時精算課税制度の使い道を相続税がかかるか、かからないかで整理しました。

相続時精算課税制度は相続税の節税効果がないとか、一括非課税で贈与できてローン返済の肩代わりが出来るとかいろいろ言われています。

自分の場合は本当に贈与税が非課税になるのかどうか、どういう使い方をすれば有利なのかわかりにくい制度です。また相続時精算課税制度を一度選択すれば暦年贈与に戻れないと聞いているが、一体どちらが正しい選択なのかどうもよくわからない、と言う声が聞こえてきます。

お持ちの財産や年齢、健康状態、相続人の間の関係などがからみ相続税がかかる場合とかからない場合は、それぞれ相続時精算課税制度の意味と使い方が変わってきます。CIMG1956

WordPress初心者がようやく表組のプラグインを使えるようになったところですのでつたないながら初の枠付きマトリックスです。

やはり縦横に枠をとり整理すると全体像の把握は容易になります。マトリックスの列ごとに解説を書いていますのでお読みいただければ理解しやすいものと思います。

基本的に本ページは相続時精算課税制度の基本知識をある程度お持ちでありながら、どうもよくわからない、あるいは自分のケースはどうすればよいのかわからないという方のために選択に際してのパターンを示しています。実際のケースではもっと複雑に事情が混在しますし、情報の精度を吟味する必要もありますのであくまでの一つの目安とお考え下さい。

 相続税のかかる人(その1)相続税のかからない人(その2)相続税がかかるかどうかわからない人(その3)
節税効果基本的に節税効果なし贈与税の節税効果ありまず暦年贈与、相続税がかかるかどうかの見極めが必要
贈与物件値上がり物件贈与
収益物件贈与
住宅取得資金の非課税制度活用
非課税で現金贈与
資金援助
相続時精算課税制度の特例&住宅取得資金の非課税制度活用
相続時精算課税制度の特例&住宅取得資金の非課税制度活用
活用可否できるだけ長く暦年贈与、頃合いを見計らって相続時精算課税制度積極的に活用する価値あり相続財産を基礎控除以内に
不動産の評価を専門家に
その他自社株贈与など特殊なケースに効果大贈与税の申告手間が発生不動産は贈与でなく相続で取得するほうが有利

その1)相続税のかかる人は特殊なケースでないと相続時精算課税制度を選択するメリットが見えてきません。値上がり物件や収益物件を贈与すれば現在評価と相続時評価との差額に対する相続税は節税になりますが10年先か20年先か、もっと先かもしれない相続時発生時に予定通りの評価になっているということは保証の限りではないのでギャンブル的な要素があることは間違いないと思います。

それよりはできるだけ長く暦年贈与して生命保険に加入しておく方がよほど利口だと思います。

特殊なケースというのは中小企業の事業承継で行う自社株贈与です。これは相続時精算課税制度を使う価値があります。新株予約権付社債を発行し評価額を大きく下げておき、できるだけ暦年贈与で移動しつつ、最後にエイヤ!で一気に相続時精算課税制度で贈与税を納税しつつ自社株を後継者に移してしまいます。そしてじっと7年間辛抱して時効を待ちます。別に違法ではないですが何事も用心用心です。このスキームは相続税の前払いをしても十分な価値があります。

その2)相続税のかからない人はたくさんいらっしゃいます。

まとめて贈与したいと思っている相続税のかからない人は相続税かかる人の10倍以上はいらっしゃるのではないかと思います。

贈与税は相続税の補完税と言いながら相続税がかからなくても贈与をすれば贈与税が課税されます。これでは子や孫に住宅資金などのまとまった資金援助ができません。

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だからこそ相続税のかからない大多数の人こそ相続時精算課税制度を活用し堂々と贈与すればよいのです。一度相続時精算課税制度を選択する2500万円まで贈与税は課せられませんが、それ以降の贈与は発生するたび毎年贈与税の申告が必要です、などと固いこと言わずに小分けして現金で渡しておけばその都度喜ばれるし感謝されるし、課税当局も感知するところではなくなります。

その3)相続税がかかるかどうかわからない人というグループもかなりいらっしゃるのではないかと思います。今はかからなくても土地や住んでいる家が思いがけず道路が通り値上がりすることもあるでしょうし、税制が変わり相続税の基礎控除が変わるようなことがないとは言えません。相続人が宝くじに当たったとしても相続税はかかるでしょうから先のことは誰にもわかりません。

できることはまず暦年贈与で生命保険に入ることです。

万が一相続税がかかるようになった時の納税資金です。ある程度相続が近づいて来たら思い切って相続時精算課税制度を使うことを考えます。一つには財産の分割を生前にしておくような意味もあります。遺産分割を生前に行う意味は争続を防ぐこともありますが、特殊関係人(愛人と認知している実子)にきちんと遺産がわたるよう配慮する意味もあります。遺言書や生命保険の受取人指定と同じく確実に財産を渡してしまうことができます。

注意すべきことは他の相続人の遺留分を侵害しないよう適切な配分を考えることです。争続を防ぐために相続時精算課税制度で生前に財産分与を図ったことが自分の死後争いの元になったのでは死ぬに死にきれないところです。

まとめとして

相続税がかかる人とかからない人では相続時精算課税制度は使い勝手が異なります。将来の予測も含めて慎重に検討する必要があります。相続時精算課税制度の特例&住宅取得等資金の非課税制度は項目に上げてはありますがここでは触れないこととします。また不動産の贈与は登録免許税と不動産取得税が絡んで損得関係の判断を難しくします。実際は親が不動産を購入し評価を下げて相続時精算課税制度で子に贈与するほうがお得になります。この辺もまとめて次回に別ページで説明する予定です。

 

 

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