結婚・子育て資金の一括贈与の意味不明。

結婚・子育て資金の一括贈与は意味不明と言う他ありません。

CIMG2691結婚・子育て資金の一括贈与という制度ができたのですが、あまり話題になりません。

巷間の話題からすると「贈与って税金がかかるんだ、へえーっ」といったところです。

だれも親から結婚資金の援助をしてもらって贈与税がかかるとは思いもしません。

贈与税の認識効果はあるようですが、基本的によくわからない制度です。

① 一括贈与制度の狙いと人気

平成27年4月1日から平成31年3月31日までの時限立法ですが、親や爺婆から子や孫の結婚資金や子育て資金を1000万円まで贈与しても贈与税が非課税になるという制度です。

意味不明と申しあげたのは、それってもともと非課税じゃん、ということです。

子や孫の教育資金の一括贈与の非課税措置という時限立法もありました。教育資金の一括贈与が人気だったので後から結婚・子育て資金として追加された制度です。

確かに教育資金の一括贈与は金融機関の宣伝効果もあり、意外と利用者が多かったことも事実です。

平成25年4月1日から施行された教育資金の一括贈与の非課税措置につづき、その後平成27年4月から結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置がスタートしました。どちらも平成31年3月末までの時限立法となっています。

② 一括贈与税殿縛りとメリット

どちらの制度も金融機関にお金を預けて領収書にも厳しい縛りがあります。元々非課税ながら制度を利用すると、がんじがらめになるようなことにもなります。

価値があると言えば一括で資産を動かせるということ。つまり暦年贈与のような悠長な節税対策はやっていられない場合とか、贈与の3年持ち戻しがヤバイようなときには有効です。

生命保険を活用した暦年贈与で確実に節税するにも時間がかかります。また生命保険に加入するには被保険者としての健康状態も問われます。

まとめて資金移動が出来ることがメリットといえるでしょう。

③ 早く死んだら儲けものとも言えない微妙さ

変な話になりますが、教育資金の一括贈与は贈与者死亡時に残額があっても相続税の対象から除外されますが、結婚・子育て資金の一括贈与の場合は贈与者が亡くなると贈与を受けた資金を使い切っていなければ残額は相続税の対象になります。

但し孫に贈与した分が例の一代飛ばし相続税の2割加算になりません。

また相続発生前の3年持ち戻しは受贈者が孫でなく相続人であってもありません。

結婚・子育て資金の方は早く死んだら儲けものとは言えないですが、長生きした分は若干なりとも節税できる訳ですね。

国税庁のサイトには以下の様に記載があります。(教育資金の一括贈与には当てはまりません。)
・資金管理契約期間中に贈与者が死亡した場合の取扱い
贈与者の死亡による課税関係は生じない。 死亡した贈与者に係る資金残額は相続
又は遺贈により取得したものとみなされ、贈与者の死亡に係る相続税の課税対象
となる。

注1 当該資金残額については、相続税法第18条(相続税額の2割加算)は適用しない。
注2 当該資金残額以外に相続税の課税対象となる取得財産がない場合には、相続税
法第19条(相続開始前3年以内に贈与があった場合の贈与加算)は適用しない。

④ 暦年贈与との併用が可能。 

相続時精算課税制度は暦年贈与と二者択一であり一度相続時精算課税制度を選択すると暦年贈与には戻れませんでした。

しかし資金の一括贈与はどちらの制度も暦年贈与と併用可能です。

暦年贈与を活用しつつ、教育資金や結婚・子育て資金は非課税で援助しつつ、それでも追い付かない場合やいざとなったら一括贈与制度を使い一気に相続財産動かすというような感じですね。

⑤ 老後資金の確保、他の親族への配慮、援助はほどほどに。

一括贈与をご検討の方に申し上げたいのは、ええかっこせずに老後資金はしっかり残しておくことです。生命保険もしっかり掛けたうえで余力があればの話です。

また贈与はもらう方にも不労所得が発生しあれこれと弊害が出ます。

援助はあわてず騒がず、最後にすることです。

また爺婆は孫には盲目になりますが、自分だけが爺婆でないことも忘れないでください。

孫一人に普通ご健在なら贈与したいと思う爺婆は4名いることになります。くれぐれも一人よがりの贈与にならないように。

まとまって資金移動する必然性が低い場合は、小出しにぼちぼち援助してあげてください。

もちろん教育費も結婚資金も子育て資金も非課税です。領収書がどうのこうの、金融機関との契約も届け出も何もいりません。

制度を使わない方がよほど気楽なものです。

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