相続税の申告が必要な理由|生命保険、不動産のリスク。

相続税がかからなくても相続税の申告が必要な理由があります。

CIMG2863平成27年1月1日以降に発生する相続について、相続税は基礎控除が縮減され結果として相続税が増税されました。

このサイトでは何度も触れていることではありますが、意外とこの影響は広範囲に及んでいます。

相続税の大衆化時代がやってきた。

① 相続税の基礎控除縮減は相続税対象者のすそ野を拡大。

もともと基礎控除が5000万と相続人一人当たり1000万の控除があった時代はざっくり1億円が、相続税がかかるかどうかのバーでした。

改正後、基礎控除が3000万と相続人一人当たり600万の控除になってからは、計算上は4割増税ですが、実感としては相続税対象者の資産バーが5000万まで下がった印象があります。

無自覚の相続税対象者が大量に存在しているように思います。

少子化で家族が少なくなり相続人が少ないために一人当たりの基礎控除の額が少なくなるからだと思います。

子供一人では配偶者と合わせても4200万の基礎控除ですから、住んでいるところによっては実際家屋敷の評価だけでも基礎控除を上回ることもあり得る時代です。

地下が上がり目の昨今なら、今はギリギリ大丈夫でも先行きの相続発生時期には相続税がかかるかどうかは不透明になります。

このため新たに増大した多くの新参小金持ちは相続税の影に不安を募らせることになります。

二次相続、家なき子、生命保険、代償分割。

② 生前の節税対策は生命保険がベスト、不動産はハイリスク。

生命保険は最も手軽で効果的な相続税の節税対策になります。死亡保険金控除が相続人一人当たり500万と、これはありがたい仕組みです。

相続税がかかりそうなときまず生命保険、次に暦年贈与などの生前贈与で相続財産を減らします。

ここまでは生前に行う申告不要の対策です。(申告を必要とする生前贈与もあります。)

決してうまい話に乗って不動産に手出しをしないことが肝要です。

銀行から金を借りて賃貸アパートを建てるなどというのは、素人の悲しさで必ず行き詰まり老後の虎の子を失い借金だけが残ります。

こんな事なら相続税を払った方がはるかに良かったということになりかねません。この手の事例は腐るほどあります。

資金豊富で駅前の換金性の高い物件を手に入れるなら意味もありますが、そうでなければ不動産には手出ししないこと、話に乗せられないことが何より大事です。

相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由。

③ 相続税の節税対策は申告が必要な理由。

以下に詳細を書いておりますのでご覧下さい。
◆相続税がかからなくても相続税の申告は必要。

相続税がかかるかどうかのギリギリのケースでは相続発生後、小規模宅地等の特例(小規模宅地の評価減)や相続時清算課税制度などを使うことはありますが、いずれも申告を前提とした制度です。

ある意味で税務署に手の内を明かすことにもなりますから、慎重さが必要です。

(申告を必要とする制度の例)
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
・広大地の評価減

相続税の申告をしなければならないにも関わらず、期限までに相続税の申告を提出しなかった場合には、特例を利用することができなくなり、結果として相続税が発生する場合が考えられますから注意が必要です。

わずかの手間と税理士費用を惜しんではいけません。ちゃんと申告しておけば相続税が掛からなかったのにもかかわらず、です。

④ まとめ

相続税がかかるかどうかの判断は相続税に強い税理士さんに相談することが重要です。

特に不動産や株式がある場合、相続発生時期により評価額が変わります。今はよくても、その時にどうなっているかわからないのが相続です。

相続税の申告などは素人では無理がありますので早めの専門家相談が必須だと思います。

税務署は資産家の状況はある程度把握していますから、明らかに相続税の申告が必要な相続人(代表者)には相続税の申告書が送られてきます。すそ野が広がった新参の小金持ちには例のコケ脅しの「お尋ね」が来るかもしれません。

何も来なければ一安心として、「お尋ね」は蛇ににらまれたカエルと思って税務署に相談に行って誠意を見せてください。(その前に税理士さんに相談)

物納問題の深刻さは相続を追い詰める理由。

相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

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