相続財産|知られたくない親心。

相続財産を知られたくない親心を分析すると。

CIMG2895これまでご相談をお受けしたケースでは、相続財産に関しては、ほとんどの方が秘密主義です。

誰に秘密かというと家族にということですが、実際は相談している税理士にもすべてを話さないこともあるのです。

何もかも秘密というわけではなく、言わないところがいくつか残るのです。

無意識か意図的かは定かではありませんが、手の内はすべて明かさないという不思議な心理が働きます。

相続、親の気持ちは不公平秘密主義。

◆相続秘密主義はなるほど。

何故かはご当人にお話を聞けば、なるほどという気持ちは分かります。

世間の相続本では家族でよく話し合っておくことが重要です、などと書いてありますが、そんなに相続財産をオープンに話し合うことは、実際の場面では少ないのかなと言うのが実感です。

資産家でも、節税するほどの財産がなくても親は子にきちんと財産を説明しないことが多いのです。

子どもたちがお盆に集まって相続について話し合おうとしても、親がはぐらかすことが普通にあります。特に兄弟姉妹が二人以上いる場合に抵抗感があるようです。

相続、親の気持ちは不公平秘密主義。

◆争続の原因はできるだけ作りたくない親心。

というのは、子どもたちが親の財産状況を知ると相続税対策と称して生前贈与を提案してきます。孫に金がかかり、マンションのローン負担が過重になっている世代の子は親の財産をあてにしだすということがよくあります。

子どもだけではなくその配偶者までからんで、まるで生前贈与を権利のように主張しだすばかりか、果ては兄弟姉妹の争いにまで発展します。

相続が発生する前から争続とは情けない話ですが、財産が少ないほど厳しい争いが起こります。

ゆえに親は自分の遺産の扱いには慎重になり、わが子と言えどもほどほどの話でお茶を濁すのです。

相続は兄弟でもめる不公平、説得できない親の理由。

◆親の本音は。

子にすれば、相続税などは払いたくないですから、相続税の節税対策一本で言い寄ってきますが、親にすれば相続税を払うのは自分ではない、それより手持ちの金を生前に贈与して減らすのは心配です。

後々の生活資金や病気入院や家の改築、老人ホームの費用など、どこでどんな大金がいるやもしれません。

少しでも多く手持ち資金を残しておきたい本音があります。

またまた申し上げますが、金の切れ目は縁の切れ目、これは親子でも他人でも同じことです。

財産さえ手許に残しておけば、たとえ相続財産目当てでも、盆暮れには孫を連れて土産の一つもぶら下げて顔を見せるというものです。

◆資産家心理の微妙な違い。

相続税が大枚にかかる資産家にも同様の心理が働きますが、微妙に違う機微があります。

自分の子供たちにはきちんと相続税対策をして遺言書で受取を指定しようとします。

しかし皆さんそうとは限りませんが、子の配偶者に相続財産の全容を知られるのを嫌がる傾向があります。

我が子にも相続財産を知らせたくない心理と、我が子の嫁に相続財産を知られたくない心理は重なり合って被相続人の相続財産に対する秘密主義が生まれます。

相続か争族か争続か、一度もめると終生の争いになる怖さ。

◆相続財産は思いがけない不労所得。

相続財産は相続人たる子供たちすれば思いがけない一時の不労所得と言えるでしょう。

世知辛い世の中で汗水たらして生きている子供たちに財産をあてにするなと言うほうが無理なのはよくわかります。

しかしなんぼなんでも、指折り数えて相続を待たれるのも気持ちの良いものではありません。

時折は生前贈与のまねごとをして手持ち資金が痛まない程度に、10万でも20万でも現金を公平にあげてください。

ただし、大いに喜ばれますが、これの効果は長続きしません。次も同様の期待を
されるうっとうしさは残りますが、例えばお盆の間だけは円満です。

◆相続税がかからないのに生前から争族です。

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