医療保険はそもそも採算割れ、安心保険です。

医療保険はそもそも採算割れ、安心保険です。

法人契約の生命保険を扱っていると個人の医療保険やがん保険は無駄が多いことが見えてきます。医療保険で元を取ろうという発想が間違っていることは、少々社会保険の制度や医療費の仕組みを理解していればわかることです。

たまたま納税協会の指定商品にアフラック生命が加わるという意味不明に出くわし一言申し上げたくなりました。

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1)そもそも高額療養費制度でカバーが可能。

日本の社会保険制度はしっかりしています。ご存じの通り健康保険からかかった医療費の7割は自動的に出ます。

さらに自己負担分の3割も最大で8万7430円までで、それを越える分は高額療養費制度から支給されます。

要するに健康保険があれば、保険適用の範囲の医療である限り、一か月に支払う医療費が
8万7430円を越えることはないわけです。

基本的に医療費は急性期の治療にお金がかかります。病状が安定すれば医療費も比較的安定します。健康保険に加入していれば医療保険に加入していなくても経済的に破たんするようなことにはならないものです。

医療保険ほど損な保険はない。

2)がん保険の診断給付金でも採算割れ。

毎月の保険料が仮に4000円で25年間払い続ければ総額はなんと120万円、ガンの診断給付金が100万円だとすれば、支払った保険料より診断給付金のほうが少なくなります。

普通の医療保険では損得勘定から見れば採算割れが常識です。風潮に踊らされずにそろばんをはじけば加入しない選択肢も十分あるわけです。

経済的に余裕があり、がん治療の先進医療を特約目当てに契約を考えるなら、一理あります。また医療リスクに備えて貯蓄ができるかと言えば、自信がないという御仁は採算割れ覚悟の掛け捨てでも医療保険で準備する手がないとは言えません。

3)持病があっても入れる保険は保険料が高い。

最近は告知や加入要件のハードルが低くなり引受基準緩和型の医療保険もあります。当然のことながら保険会社もリスクの高い保険契約を引き受けるわけですから保険料は高く設定します。

持病があるからと言って保険で備えるのがベストなのか、貯金で備えるのがよいのかは慎重に考える必要があります。保険会社によれば、指定の状態になれば保険料免除という特約が付いているものがありますが、同じく保険料は割高になります。

保険というのは、決して保険会社が損をすることがないように厳密に設計されています。甘い話はないとお考え下さい。

貧乏人は医療保険、金持ちは終身保険

4)保険は相互扶助の精神が基本、医療保険も同じ。

生命保険は医療保険を含めて根本の精神は相互扶助にあります。たまたまそれをビジネスにして事業化したのが保険会社です。「万人はひとりのために、ひとりは万人のために 」といいますが、多くの方が保険料を負担し運悪く亡くなったり病気になられた方を支援する相互扶助の精神が根本です。

固いことを言うわけではありませんが、自分が保険料を払い、運よく健康であればお陰様でと思う心で、損得勘定を離れ人助けとお考えいただくと医療保険にも加入する意味があります。

5)医療保険は安心保険。

そう言うわけですから、医療保険で元を取ろうとは思わないでください。医療保険で費用補填しようと考えずに単なる安心保険として考えれば、納得できる部分もあるのではないでしょうか。

ただ、掛け捨てではない医療保険もあります。東京海上日動あんしん生命の「メディカルKit R」などは所定の年齢まで払った保険料が戻ってきます。その間給付金として受け取った分は差し引かれますが、掛け捨てではないわけです。言ってみれば医療貯金のような仕組みです。自分で貯金できれば同じことになります。

6)アフラック生命が納税協会の指定商品に。

一般の方にあまり関係がないかと思いきや、そうでもないのです。納税協会と保険会社の関係はこの際説明しませんが、自分の勤務されている会社が納税協会の会員であるなら、個人で契約しているアフラック生命の既契約が一定の割引を受けることができるそうです。

アフラックのがん保険はずいぶん多くの方が加入されているはずです。最新情報ですからほとんど情報が回っていないと思いますが、ルートがあればこれはお得になります。

元の金額が大きくないと思いますから、割引額はそれほど大きくないかもしれませんが、これから先支払う保険料がずっと割引になる仕組みですから一考の余地ありです。

ガン保険、上皮内がんはあきらめなさい。

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