贈与あれこれと生命保険。

贈与あれこれと生命保険。

CIMG3112贈与は相続以外の唯一の財産移転手段です。被相続人から相続人へ、言い換えれば親から子へ財産を移す方法は相続するか贈与するかのどちらかになります。

税率の高い相続税を少しでも節約しようとするならば、贈与の基礎控除(110万/年)を活用した生前贈与が王道と言われます。

これに生命保険をからめて毎年保険料を贈与する暦年贈与が安全確実、効率的な節税対策です。

贈与と一言でいっても色々な贈与があります。知っていると知らないとでは相続対策の選択肢が大きく異なります。相続と贈与の本質的な違い、贈与のバリエーションについて
解説します。しっかり理解されて早めの対策が大事です。

◆ 相続と贈与の基本的な違い。

相続と贈与は一定額以上であれば課税対象であり、親から子へ資産を移すという点では同じですが、その違いは贈与が贈与者の意思によって行われるのに対し、相続は被相続人の死亡によって強制的に開始されます。

もうひとつの相続と贈与の大きな違いは、相続は民法で定められた相続人にしか行うこと
はできませんが贈与は相手を選びません。相続人以外の誰にあげても贈与です。

またほとんどの贈与は生前に行われますから、贈与の相手だけでなく贈与者が時期を選べるということもあります。

◆ 贈与のバリエーション

贈与には単純な贈与から条件付き贈与など様々な贈与パターンがあります。知らなくても
良いのですが、こういう贈与もあるという参考になさってください。

実際の親子間では条件を付けてもあいまいな口約束だったりします。もともと子に相続させるつもりの財産の一部ですから、書面で条件を明確にして契約書で残すようなことも普通はしないものです。

生前贈与:

生前贈与には贈与税の基礎控除(110万)を活用して行う暦年贈与のほかに教育資金の一括贈与、結婚子育て資金の一括贈与、住宅取得等資金贈与などの制度化されたものを活用すると大幅な節税になる場合があります。

またケースによっては相続時精算課税制度を利用した一括贈与という手段も有効なことが
ありますが、節税効果を見極めた上での慎重な選択が必要です。

負担付き贈与:

贈与に対して何かしらの負担を求めると負担付き贈与になります。家を贈与するから老後の面倒を見てほしいなど、受贈者に負担を条件として贈与を行うことがこれにあたります。

条件付き贈与:

贈与に条件を付けると条件付き贈与になります。例えば国立大学に合格したら車を買ってあげるとかいうのも条件付き贈与です。親子間ではよく見かける空約束です。第三志望の私立大学に合格しても車を買う羽目になるのはどこの親も同じです。

◆ 遺贈と死因贈与

生前贈与と異なる特殊な贈与があります。相続と同じで死亡することで発効する贈与契約
です。贈与には違いないので贈与の相手は相続人でなくても構いません。贈与ですからお世話になった隣のおばさんでも昔からの友人でも構いません。

遺贈:

遺贈とは遺言書によって行う贈与のことです。遺贈によれば相続人以外に財産を渡すことができます。もともと相続財産は被相続人のものですから自由に処分する権利があります。(ただし相続人の遺留分は侵害できません。)内縁の妻や愛人など相続権のない人に財産を残すには遺贈が確実です。

死因贈与:

死因贈与とは遺言書によらず、自分が死んだら財産をあげるという約束です。死因贈与は口約束でもOKですが、生前に贈与者と受贈者が合意し契約が成立していなければなりません。二人だけの口約束だけではもめるもとですから、書面で契約書を残すくらいが必要なところです。

◆ 口頭の贈与と書面による贈与

贈与は「あげる」「もらう」の合意があれば有効です。本来別に書面で契約する必要はあ
りません。親子のやり取りではいちいち贈与契約書などむしろ不自然です。とは言え、しかしながら税務署対策で贈与契約書などを作成される方もあると思いますが、名義預金とか定期金贈与などと言う課税当局の無理筋に反論するためには贈与契約書も意味があります。

贈与は口約束だけで成立します。しかし遺贈だけは必ず遺言書で行わなければなりません。また口頭の贈与はいつでも解消できるのに対して、書面による贈与は解消できません。さらに口頭の贈与であっても贈与が完了していれば解消はできません。

親子間では「あげるもらう」は当たり前、「あげない返せ」も日常茶飯事、贈与の口約束を反故にするくらいは驚くにあたりません。面倒をみると言った娘に一時払い終身を名義変更して贈与して贈与税知らんふりはよく見かけますが、親子喧嘩の結果、名義変更した保険を返せとなり再度親に名義変更するなど、実際にあります。付き合う保険営業も大変ですが、課税当局も相続発生までは放置です。

贈与は知識をしっかりと押さえ時間をかけて行うことが必要です。うまく使えば結構大きな資金を移動することができます。計画的によく話し合い相互に理解・納得の上で贈与を始めてください。

注意点が3点あります。

その1)子や孫かわいさに贈与のし過ぎにご注意下さい。老後資金が枯渇するばかりか不労所得を持たせると子や孫の道を誤らせることになります。キャッシュを持たせるとろくなことはありません。生命保険のように換金にハードルがあるものをご検討ください。

その2)暦年贈与は相続発生前3年分が相続財産にもち戻しになり相続税の課税対象となります。計画的に早めに始めてください。

その3)めったにないとは思いますが、遺贈された財産は受遺者(もらう人)が相続人でなくても贈与税でなく相続税が課税されます。また受遺者が被相続人の配偶者、父母、子以外の場合は相続税の2割加算があります。あっさりもらえるわけでもないのです。

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