法人保険、後継者へ譲渡のウラ技。

退職金支給ではない法人保険の後継者への有償譲渡。

CIMG3328特に法人保険の譲渡はウラ技とか裏ワザというレベルのものではなく、普通に役員退職金の現物支給として行われています。

しかし法人保険を活用するにはいろんな選択肢があり企業の状況や事業承継・相続設計の事情によりケースバイケースと言えるでしょう。

意外な盲点になりやすいのですが、法人保険の後継者への有償譲渡のメリットについてわかりやすく順を追って説明しました。

◆ 生命保険の名義変更とは!?

生命保険の契約者を変更することを名義変更と言います。保険会社の書類も契約者を変更する場合「名義変更請求書」となっています。個人から個人へ変更する場合も法人から個人へ名義を変更する場合も同じく名義変更です。

名義変更すれば契約者が変わりますから、生命保険という財産が譲渡されたことになります。個人間では有償譲渡はあまりないでしょうから贈与か相続になるでしょう。いずれにしても課税の対象となります。

法人から個人へ名義変更する場合は、給与か退職金か有償譲渡になります。給与か退職金で保険を支給されると解約返戻金相当額に所得税が課税されることになります。解約返戻金相当額で有償譲渡する場合は売買ですから課税関係は発生しません。

◆ 引退する経営者の生命保険を整理する。

会社には経営者がいて、企業を継続するためには事業承継は避けて通れません。経営者が会社の責任を負っているときは事業保障が必要です。

しかし後継者が育ってきて社長の座を運よく譲ることができれば、それまでの経営者にかけていた生命保険は役割を終えることになります。新しい経営者に事業保障を集中し、それまでの経営者を被保険者とした生命保険は整理する必要が出てきます。

会社の状況や契約内容にもよりますが、以下の選択肢が考えられます。

・払込満了の終身保険は会社で保持する。
・長期定期保険は解約するか払済を検討する。
・医療保険は引退する経営者に支給を検討する。
・解約して経営資金に充てる。
・解約により多額の雑収入が見込まれるときは役員退職金に充当する。
・後継者や相続人に有償譲渡する。

◆ 後継者への有償譲渡が美味しい理由。

なかでも意外な盲点が後継者への有償譲渡です。ベテランの保険代理店でも会社契約の保険を個人に名義変更すると言えば、引退する社長である被保険者に退職金として現物支給すると考えてしまいます。名義変更請求書には新しい契約者名を前もって印字してきますから、再度サポートに電話して書類を取り寄せることになります。何も代理店にこちらの狙いと事情を教える必要はありませんからね。

これまでの経営者に法人契約の生命保険を退職金の現物支給とすれば、退職所得税がかかり相続発生時には相続税の課税対象となります。解約すればキャッシュにはなりますが、死亡保険金ではないので額は大幅に少なくなることが多いと思います。

一番お得な名義変更が後継者への有償譲渡であるという理由は、保険金が相続税の対象とならない点です。あくまでの財産としての保険の所有者が後継者になりますから、相続発生時に受取保険金から買い取り資金を引いた額が一時所得となります。一時所得は50万の基礎控除があり、差額としての儲けの半分は非課税ですからかなりお得になるのです。

◆ 後継者へ買い取り資金の集中と融資。

後継者には早くから買い取り資金を集中することが必要です。役員報酬を増額したり贈与を活用したり、本サイトのテーマの一つである逓増定期の名義変更スキームを活用したりと、あれこれ手はありますが、法人契約の生命保険の解約返戻金は長年の積立ですから結構巨額になっていることがあります。

その場合は買い取り資金を会社から融資するか金融機関から借りる必要があります。後継者には資金がありませんから返済は親からの暦年贈与でまかなうことになります。

これでレバレッジの効いた保険を後継者が手にすることができます。もちろん受取人は後継者に指定します。

◆ 保険会社は名義変更に神経質。

保険会社は名義変更する場合、新しい契約者と新しい受取人が被保険者とどういう関係にあるかを気にします。親族であれば問題ないのですが、それ以外はモラルリスクが問題となります。

後継者が子であれば全く問題はないですが、親族以外を後継者に指定するとこの名義変更は使えなくなると思います。

◆ まとめ

法人保険、後継者へ有償譲渡のウラ技ということで説明しましたが、実際は裏ワザでも何CIMG3329でもありません。しかし保険代理店にしても保険営業にしても名義変更を積極的に提案することはあまりありません。手続きそのものに自分の利益が伴わないからです。

しかしよく考えてみれば、事業承継・相続設計の一環としての名義変更は後継者への保険提案が見込めます。組織が動くときは保険営業にはチャンス到来なのです。

解約しなくても個人に有償譲渡で名義変更すれば、当然会社には雑収入が発生するでしょうし、これまで支払っていた保険料の費用枠が空くのです。この保険提案のチャンスが見えないと法人保険の営業はできません。

事業保障目的の法人保険は代が変われば役割も変わるということです。会社の信用と責任を負う人に事業保障は集中すべきです。そしてこれまでの経営者にかけていた生命保険は役割を終えたわけですから整理していかなくてはなりません。しかし単純に解約したり、退職金として現物支給したりするだけが手ではないのです。

役割を終えた経営者保障は相続対策へ、言うは簡単ですが、さっさと解約できない経営者心理という問題もあります。この辺は後日にまとめさせていただきます。

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