法人契約のがん保険、給付金請求。

法人のがん保険、給付金請求の手順と難しさ。

CIMG3735 法人で契約するがん保険については下記のページに詳しく書きました。

個人で加入するがん保険と法人が節税目的(国税庁の通達によりもはや全損も半損もできません。)で加入するがん保険とは仕組みは同じですが基本的に別物です。

別物でありながら被保険者ががんに罹患すると、会社は保険会社に対して給付金や保険金を請求することができます。

■法人契約のがん保険は保険金請求が難しい。

本来は節税目的ですから解約して解約返戻金を受け取ることが目的なのですが、がん保険の場合、診断給付金や手術給付金、通院給付金があり死亡保険金でなくても給付金が解約返戻金よりずっと大きくなることが多いのです。

◆ 法人契約のがん保険、保険金の受取りは会社。

法人契約のがん保険の給付金や死亡保険金請求にはあまりかかわりたくないのですが、扱った保険契約であれば粛々と処理するほかありません。

個人契約のがん保険と法人契約のがん保険の最大の違いは受取人です。

個人契約なら給付金は被保険者が請求し被保険者が非課税で受け取ります。しかし法人契約は給付金も死亡保険金も会社が受取人です。被保険者の家族でも遺族でもありません。名目は福利厚生ですが、実態は社員の名義を借りて会社の利益を簿外に貯金しているだけなのです。

利益が出ていれば複数の保険会社にがん保険の契約があるのが普通です。出始めのころは入院給付金日額の制限がありましたが、途中から青天井になり一人当たりの入院給付金日額が複数社の契約で10万越えもあちこちで見かけました。入院期間が短くなったと言っても10日入院で100万、診断給付金は千数百万、手術給付金が数百万、3社合わせて数千万という給付金額になることもあります。もうべらぼうです。がん死亡であればこれにさらに数千万の死亡保険金請求権が発生します。

ただ、法人契約のがん保険は社員の知らない契約になっていることがほとんどですから給付金や保険金請求は難しくなります。必ず保険会社指定の診断書をもらう必要があり、保険会社によれば被保険者(社員)同意の署名捺印が必要になります。社員に知られずに保険金請求をすることは不可能です。

◆ 各社の給付金請求書を請求してみました。

M社、N社、A社の給付金請求書の一件書類を請求しました。今は便利になっていますが、保険会社のWebサイトから項目を選択すると自社の条件にあった給付金請求書の一件書類が出力できるようになっています。

A社だけはサポートに電話して、法人の本人確認と保険証券番号、被保険者名、病名、入院期間と時期を確認し郵送となりました。会社の電話で病名等は言えないので別室での電話になります。

M社はWebサイトから出せるのですが、出力した診断書のピントがずれたように文字が見にくいのでサポートに電話して郵送を依頼しました。郵送の場合の方が、書類が多くて分かりやすくしっかりしています。返信用封筒も入っていますので便利です。いずれのサポートも申し込んだ翌日発送になるとのことですから意外と迅速です。

給付金請求や必要書類は簡単ですが、診断書をもらう手はずは慎重になる必要があります。社員に聞かれても必要以上のことは答えられませんから、事務的に業務指示としてお願いするだけです。法人のがん保険の特殊性を説明しても普通の社員に理解していただくことは期待できるものではありません。結局のところ、経営者や会社に忠実な社員以外は無理をしないことですね。

◆ 法人契約のがん保険の死亡保険金請求は断念すべきか。

実際、法人契約のがん保険の死亡保険金請求は経験がありません。こればかりは難しい判断になると思います。経験された担当者がいらっしゃれば話を聞きたいところです。

考えられるひとつの方法としては、遺族にお願いして事情を知られずに死亡診断書を取り寄せる必要があります。四十九日がすぎて落ちついたころになるでしょうが、なかなか難しい面がありそうです。

もう一つ考えられるのは、事情を明らかにして死亡退職金の上乗せを条件に死亡診断書の取得をお願いするという手法です。ただ手の内を明かすとなると相手によってはもめることも想定できます。

仮にうまくいっても社内規定から大きく逸脱する例外を作ることにもなり、この手の情報の漏洩は防ぐことはできないとしたものです。そうなるとやはり法人契約のがん保険では死亡保険金の請求は断念して、解約返戻金で満足しておくべきところかもしれません。

◆ まとめ

目の前にぶら下がっている給付金や保険金請求を断念できる経営者はいないとしたものです。一般のサラリーマンより金銭に対する執着心が強いから経営者になっているわけです。目の前にぶら下がっている大金をみすみす見逃すような鷹揚な方はおられません。

その結果、もめた例もあります。結局、被保険者は自分の体にかかっている保障額を知る権利は当然ありますから、被保険者が保険会社に確認すると保障内容は全部暴露されます。暴露は言い過ぎですが、被保険者が意図すれば保障を知ることは容易です。

その例では保険料払込免除になった契約そのものを退職金代わりに個人に渡しました。ゆえに何度でも申し上げたいことは、欲得もほどほどにして、よくよく被保険者の忠誠心を見極めた上で判断されるようお願いしたいと思います。そこまで申し上げても、請求権を諦めて解約返戻金で満足できないのが経営者というもののようです。

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