高齢社長が引退しないと困る理由、本音はやめたくない。
引退間際の高齢社長の本音は、引退は格好だけ、本音ではやめたくはないのです。ホラ吹き3兄弟といわれるカリスマ経営者である孫正義・永守重信・柳井正の3氏は、実は引退など頭の中にないのです。
オーナー社長はみな同じで、本音で引退したいとは思っているわけではないのです。
中小企業のオーナーの本音は、後継者にそれほど簡単に任せることはできない、と思っているとうことです。
◆ オーナー社長の引退計画と本音の先延ばし。
自分は65歳で引退し、後継者に後を任せてとか言いますが、実態はそうすんなり引退するケースは珍しいのではないでしょうか。せっかく生命保険で退職金を設計し65歳で解約返戻金をピークにもってきているのに、引退を先延ばしするので無理な組み直しと無駄な雑収入がでることになります。
それでようやく70歳で引退するかと思いきやそれも延期、せめて見なし退職で退職慰労金をうけとり、形だけでも引退すれば良いとアドバイスします。しかし死亡退職金の方が税金がやすくなるからという理由で、またまた引退の先延ばしです。
◆ 引退のジェスチャーは、後継者の意欲を削ぐ。
これでは保険で準備した退職慰労金の原資が、そのうち費えてしまいます。どこの高齢社長も似たようなものでしょうが、社長である経営者の引退の弁を真に受けてはいけないということです。
ただ、そういうやめるジェスチュアは、継者にとりはなはだ迷惑になり、経営意欲をそぐ原因になります。また幹部社員にとっても頭が二つあればどちらの指示を仰げばよいのやら、宮仕えの身には困ったことになります。
表向きは後継者が未熟で経験不足なのでアドバイスと相談相手になるといいながら、後継者の決裁を次々ひっくり返します。
自分も同じ未熟な時期を乗り越えて経営してきたことは忘れてしまい、横やりのし放題になります。アドバイスと口出しの区別がついていないと老害と言われても仕方がないところです。
■経営権移譲の難しさ、アドバイスと口出しの違いがわからない経営者。
◆ 高齢社長が引退しないと困る理由、まとめ。
中小企業の事業承継は、後継者不足が大きな問題となっています。M&Aの仲介業者も乱立しています。しかし、後継者がいれば、事業譲渡など考える必要はありません。
言ってみれば、後継者に会社を任せて引退できると言うことは、誠に幸運なことなのです。実の息子がいても会社を継いでもらえない時代に、今は未熟でも将来を託せる後継者がいることは、社員やステークホルダーにとってもありがたいことなのです。
そのことをしっかり押さえて、後継者のやる気をそいでしまわないよう、さっさと引退することが社長の最後の仕事なのです。
後継者のかじ取りは、まだおぼつかないかも知れません。しかしそれは次の代の後継者の経営運によるのです。山あり谷ありの経営運の中で、後継者が自分の運をつかんでくことを見守る度量が、引退間際の高齢社長には求められると思います。
人間引き際を誤ると、誠にみっともないことになります。引退間際の経営者の皆様に辛口の進言をしてしまいました。でも誰もいさめはしませんが、自分は裸の王様ではないかと自問自答することがあってもよいように思います。
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