相続税の税率は高くない、税率表にだまされると節税ビジネスのカモになります。
相続税が平成27年1月1日から基礎控除の減額により増税となりました。
子ども2人の標準的なケースでは以前は基礎控除5000万、相続人一人当たり1000万の合計8000万が相続税の分岐点になっていましたが、それが基礎控除3000万、相続人一人当たり600万の合計4800万へと大幅に削減され相続対策セミナーは各地で大盛況です。
◆ご主人+奥様+子1+子2(ご主人万が一の相続税の基礎控除)
平成27年1月1日以降に相続発生
基礎控除 3000万+600万×3人(相続人の数)=4800万
※生命保険控除が使える場合500万×3人(相続人の数)=1500万加算
4800万+1500万=控除額合計6300万となります。
相続税の税率表を見ると6億超のラインは55%の高い税率になっていて一見一般の小金持ちが見ると驚くべき一大事に見えます。
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これが相続税率表の見せかけの落とし穴です。
キチンと基礎控除を相続人ごとに計算して生命保険控除を相続人一人当たり500万織り込み、一次相続と二次相続ごとに税率を計算すると一次相続では奥様が半分相続するとすると実質税率が5億円の資産で12.47%、二次相続で半分を子2人が相続すると実質税率は18.16%と差ほどでもないことに気がつきます。
◆5億円の時の相続税額(配偶者1/2税額軽減) 6236.25万 12.47%
二次相続で2億5000万の相続税額(子2人) 4540万 18.16%
◆実質一次相続と二次相続を合わせた税額は
5億円に対する税額合計 10776.25万 21.53%
これは相続税が累進課税になっているのと一次相続では配偶者の税額軽減が働き税負担が先送りされ2度めの基礎控除が使えるからです。
また相続税の計算は法定基準で分けたとし相続人ごとに税率計算をし合算しますので税率の低いラインで見ることが可能になります。
実際の自分の資産を集計し相続税を計算してみると高額所得者の所得税の方がよほ高いことがわかります。税率に慌てずあおり商法にのらず冷静に納税資金を確認することが先決ですね。
相続税の節税ありきで商売をする人は相続税の税率や贈与税の税率を強調し不安心理をあおります。平成27年1月1日から相続税の最高税率が55%になったことをことさら強調する話法はご注意です。
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