生命保険の更新型とCVが批判される理由と正当な弁護を整理しました。
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1)生命保険には更新型と全期型があります。
生命保険契約をするとき、たとえば10年ごとに見直す契約になっていれば更新型の生命保険に加入していることになります。
がん保険でも更新型が一般的です。一方保険料の払込満了まで保険料が変わらない契約が全期型の生命保険ということです。
更新型の生命保険は一定の期間で保険を見直すということを前提にした期間限定の安値型保険と定義できると思います。
全期型は保険期間の通期のリスクを平準化して保険料に割り付けていますから月々の保険料は必然的に高くなります。
2)更新型の生命保険は更新ごとの契約見直しとなり保険料が高くなります。
更新型の生命保険に加入していると更新ごとに保険料が高くなっていきます。若いときは病気死亡などのリスクが低いですから保険料も安くなります。当然の結果として更新すると保険料はその時点の死亡リスクに応じて跳ね上がります。
何度か更新していると最後にはとても払えない高額の保険料となり泣く泣く更新を断念し無保険になることもよくあります。
3)保険料を決定する要素は年齢の他に予定利率という要素もあります。
保険会社が預かった保険料をどれだけ効率よく運用できるかで保険料が変動します。かって5%代の予定利率の時代は更新型の生命保険のデメリットもそれほど目立ちませんでした。
それがいまや予定利率1%代の運用ですから同じ保障を買うのでも保険料はグンと高くなります。マンションローンのステップアップ償還みたいなもので右肩上がりが前提の更新型です。
4)更新型は予定利率の高かった時代の考え方、今ではやり玉です。
更新型の生命保険を主力に販売する国内生保は外資系生保などから更新型の生命保険をターゲットにして攻められ今ではやり玉と言ってよいでしょう。
更新型は安い保険料で大きな保障を若い時期に一定期間用意するものです。
保険業界の側からすればそういう意味のほかにCV(コンバージョン/契約転換)という意図があります。全期型なら一度契約すればよほどの環境変化がないと見直しません。しかし更新型の保険はいやでも10年ごとに見直すほかありません。
一件CV(契約転換)すれば営業職員の成績としてカウントされます。こうして契約を回して成績を維持する仕組みです。
CVの説明はこちら。
◆保険のCV・SEOのCVの使い分けができれば専門家
5)更新型生命保険は意味を理解して加入すれば一つの選択です。
更新型は安い保険料で大きな保障を若い時期に一定期間用意するものでであることは前項で説明しましたが、それだけで批判を受けるいわれはないのです。
問題は更新型の生命保険を売る時の説明の仕方にあると思います。
先のことはわからないからとりあえず今必要な保障を確保し、更新になったらまた考えればよいというような安直な話法を展開するから問題になります。考えてみれば営業職員にしても10年後に自分が担当しているとは限らないのですからその場しのぎの売込みもあると思います。
6)基本的には払える保険料の範囲で全期型がベターです。
更新型の生命保険は保険料というリスクを先送りするものです。ここで間違うと一番保障が必要な時期に保障を失うという最悪の事態になりかねません。
ベストとは申しませんが、よりベターな方法が全期型の生命保険を検討することです。保険料は高くなりますがもともと必要な保険料だと割り切り通期で考えれば更新型よりお得になるようになっています。
自分と自分の家族のリスクを将来にわたってしっかり把握し自分が払える範囲で契約する全期型生命保険がおすすめであることは間違いありません。
7)更新型か全期型かは是非ではなく選択するものです。
よって結論的に申し上げるなら生命保険は更新型か全期型かどちらがよくてどちらが悪いというものではなく人生設計に基づいた保険設計の選択であるということができます。
更新型はそのデメリットを知ったうえで子供の成長を考え期間を設定して選択すれば是非を言うことはできません。生命保険の契約は問題の先送りをやめて“とりあえず”ではなく更新型か全期型かを自己責任で選択することが大事ですね。
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