
医療保険は必要なのでしょうか。
医療保険がいらないかどうかは、その人の貯蓄や働き方によって異なります。
一般的には、貯蓄が十分ある人、高額療養費制度を理解している人
は医療保険が不要な場合があります。
一方で、貯蓄が少ない人、自営業の人、長期療養による収入減が不安な人
は検討する価値があります。
ネットでは「医療保険はいらない」「入らない方がいい」という意見も多く見かけます。一方で「入っておけばよかった」と後悔する人がいるのも事実です。
私は保険営業時代、多くの保険契約や保険金請求の現場を見てきました。
その経験から言えば、医療保険は万人に必要な保険ではありません。
ただし、だからといって誰にとっても不要とは言えません。
この記事では、医療保険がいらないと言われる理由と、
入らないことで後悔するケースを保険の仕組みから解説します。
◆ 医療保険がいらないと言われる4つの理由。

医療保険不要論には、それなりの根拠があります。
代表的な理由は次のとおりです。
理由① 高額療養費制度がある
理由② 傷病手当金がある
理由③ 入院日数が短くなった
理由④ 貯蓄があれば対応できる
日本は公的医療保険制度が充実しています。
医療費が高額になっても、高額療養費制度によって自己負担額には上限があります。
また会社員であれば、傷病手当金が支給される場合もあります。
そのため、昔ほど長期入院による家計破綻のリスクは高くありません。
こうした背景から「医療保険はいらない」という意見が出てくるのです。
◆ 医療保険に入らないと後悔するケース。

医療保険不要論はありますが、実際には「入っておけばよかった」と後悔する人もいます。
例えば、貯蓄が少ないとか自営業で傷病手当金がない場合やがんや持病のリスクが高く、入院や療養による収入減少が家計に大きく影響する場合は、医療保険があればと後悔することもあります。
医療費そのものは高額療養費制度で抑えられても、
差額ベッド代や交通費、家族の付き添い費用などは別です。
また長期間働けなくなれば生活費も必要になります。
実際のケースでは、うつ病で長期休職した社員や、がんでステージ4と診断された
社員を見たことがあります。そのときは会社側の窓口担当の立場です。
治療のために仕事は休むことになります。休業中は傷病手当金が支給されますが、
収入はおおむね給与の3分の2程度になります。
さらに会社と折半になっている社会保険料は、全額本人負担です。
その上に医療費が毎月かかってくるのですが、復職の見込みが立たないまま
傷病手当金支給期限の1年6ヶ月が迫ってきます。会社からは社内規定の
見舞金1万円だけです。
期限がくれば、自然退職となり、会社と縁が切れます。
家族があり、賃貸住まいでは追い詰められてしまいます。
せめて、医療保険にでも入っておけば、少しは助けになったかもしれません。
医療保険は医療費を補填するだけでなく、不測の出費への備えという面もあります。
◆ 医療保険は元を取りにくい。

医療保険は、保険料と給付金だけを比較すると元を取りにくい保険の一つです。
ここからは保険の仕組みの話です。
私は以前から、医療保険ほど元を取りにくい保険はないと思っています。
損か得かの判断基準を、「払込保険料 < 受取保険金」と考えた場合です。
もちろん保険は儲けるための商品ではありません。しかし保険の特性を理解するためには、一度この視点で考えてみる価値があります。
なぜ医療保険は元を取りにくいのかを考えてみると、よくわかります。
医療保険の給付は通常、入院給付金、手術給付金、通院給付金などです。
例えば入院日額5,000円の場合、10日入院しても受取額は5万円です。
手術給付金を加えても十数万円から数十万円というケースが多いでしょう。
一方で医療保険は何十年も保険料を払い続けます。
その結果、払込保険料の総額が100万円を超えているのに、
受取保険金(給付金)は数十万円ということも珍しくありません。
そのため多くの場合、医療保険では「払込保険料>受取保険金」となります。
仮に元が取れるケースとしては、重い病気や再発を繰り返した場合などが考えら
れます。そのため医療保険は、保険料に対する給付金だけを見れば元を取りにくい保険なのです。
◆ それでも医療保険は無意味ではない。

ここで誤解してほしくないことがあります。
元が取れないから不要というわけではありません。
火災保険もそうですし、自動車保険もそうです。
保険とは本来、損を覚悟して安心を買う商品だからです。
火事にならなかったから火災保険が無意味だったとは言いません。
医療保険も同じです。病気になったときの不安を減らすために加入するという考え方は十分に成り立ちます。
| 医療保険が不要な人 | 医療保険を検討したい人 |
|---|---|
| 貯蓄が十分ある | 貯蓄が少ない |
| 会社員で福利厚生が厚い | 自営業 |
| 独身 | 扶養家族がいる |
| 医療費を自己負担できる | 収入減少が家計を直撃する |
◆ 私が医療保険に積極的ではない理由。

私自身は、がん保険には加入しています。
しかし、現在医療保険には加入していません。
これは公的保障や貯蓄状況を踏まえた個人的な判断です。
その理由は、日本の公的医療保険制度が比較的充実していることと、
一定の貯蓄があるためです。もし医療費が発生しても、貯蓄から対応できると考えているからです。
ただし、これは私の場合です。誰にでも当てはまる話ではありません。
◆ 医療保険を検討した方がよい人。

次のような方は、医療保険を検討する価値があります。
①貯蓄が少ない
②自営業で所得補償が弱い
③持病や家族歴が気になる
④病気への不安が強い
保険は損得だけで決めるものではありません。
安心料として考えるのであれば、十分に意味があります。
人それぞれの考え方によっては、どうせ貯金はできないから、
医療保険に入っておくというスタンスはあるかもしれません。
◆ 医療保険は必要か?まとめ。

医療保険が必要かどうかに、万人共通の正解はありません。
ただし保険営業の経験から言えば、医療保険は元を取るために入る保険ではありません。
医療保険がいらない人は、十分な貯蓄があったり公的保障を理解していたり
する人で、医療費を自己負担できる人です。
逆に、現在の貯蓄に不安があり、病気による収入減少が怖いなどという方は
不安を軽減したいと考えるでしょう。
そういう人には医療保険は有効な選択肢になります。
保険は勧められるまま加入するのではなく、
自分にとって本当に必要かどうかを理解したうえで選ぶことが大切です。
FAQ
①医療保険はいらないと言われるのはなぜですか?
高額療養費制度や傷病手当金など、公的保障が充実しているためです。
②医療保険に入らないと後悔しますか?
貯蓄が少ない人や長期間働けなくなった人は後悔する場合があります。
③医療保険は何歳から必要ですか?
年齢だけで決まるものではありません。貯蓄額、家族構成、働き方、
自営業か会社員かなどによって必要性は変わります。
④がん保険と医療保険の違いは何ですか?
医療保険は入院や手術全般、がん保険はがん治療に特化しています。
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