医療保険ほど損な保険はない。

医療保険ほど損な保険はない、終身保険ほど確実なものはないと申し上げてよいと思います。

損か得かの判断基準は払込保険料合計に対して受取保険金が上回るかどうかです。

金融商品に関していえばいくら儲かるかですが、保険の場合は儲かるという言い方は不適切ですのであえて「払込保険料<受取保険金」公式が成り立つものはどれかで考えます。

もちろん途中解約はどのような金融商品でも損をするか元本を割り込む場合があり得ます。保険でも途中解約は大きな損失につながるような初期低解約返戻金型の保険商品もありますから注意が必要です。

まず、くどいですが説明の前提として生命保険の基本的な分類を理解する必要があります。

[保険の基本構造は大きく5タイプ]CIMG2097
①終身保険
②定期保険
③養老保険
④年金保険
⑤医療保険

上記の5つのタイプに分類できます。大方の保険はこれで分類可能です。主契約に様々な特約が付加されてバリエーションが広がっているのです。ややこしい保険でもこの変形タイプになりますから基本形に分類できるものです。

実はこの5タイプの中で最も払込保険料に対して元がとれないリスクが高い保険が医療保険です。ほとんどのケースで「払込保険料>受取保険金」となります。

医療保険の単位は入院給付金であり医療費がいくらかかろうが入院日数×入院給付金とそこから派生する手術給付金であったり通院給付金であったりします。

詳細な計算は各自でお願いしますが、ほとんどの場合何百万円かの保険料を払い込んで入院が長くて10日ほど、受け取った保険金は何十万に程度なるケースが多いと思われます。同じ病気で再入院しても180日以内の場合は継続カウントされます。CIMG2088

元を取るケースを考えれば、全身病気持ちで入退院を長期に渡り繰り返すような不幸にして特異なケースでないと払込保険料に対して受取保険金がプラスに転じることはないと考えて間違いありません。

その次に元が取れない確率が高い保険が定期保険となりますが、もともと安い保険料で一定期間の保障を確保していますから目的は達成しています。

一度保険事故が起これば図らずも元はとれるというか、払込保険料に対してはるかに大きな保険金が支払われます。保険事故がなければ損得で考えるべきものではないはずです。(火災保険のような感覚です。)

確実に損をすることがない保険と言えば終身保険や養老保険、年金保険です。

これらの保険は解約しない限り払込保険料に対して損をするということは基本的にはありません。保険料を積み立てながら保障を同時に買っているような仕組みだからです。

積立貯金だけなら万が一の時には積み立てただけのお金しか戻ってきませんが、保険の場合は契約成立の瞬間から払込保険料の金額や回数にかかわらず契約しただけの満額の保険金が支払われます。ここが保険の保険たるゆえんです。

ただ難儀なのはわずか保険料で大きな保障を、というわけにはいかないので、保障額に対して保険料は割高になります。

払っただけは確実に戻ってくるのですが、払えなければ土俵にも上がれていないことになります。

医療保険はそもそも採算割れ、安心保険です。

したがってお金がなければ定期保険、貯金をするお金があれば終身保険や養老保険、さらに余裕があれば年金保険で老後の生活資金に備えると言った順番です。

医療保険は元が取れないと申し上げましたが、これも考え方次第という面があります。どうせ貯金はできないから医療保険で保障でも買っておくというスタンスか、恐ろしく運が悪くて大病で長期の入退院を繰り返し、それも異なる病気で何度も入院をするようなリスクに備えるというなら医療保険は心強い味方です。

それとか両親をがんで亡くしいるので、自分ががんに罹ったら高度先進医療を受けるためにがん保険に入るというならそれなりに話はわかります。CIMG2091

日本は社会保険制度が充実していますからその面での条件も考慮に入れて医療保険の必要性を検討いただければよいのではないでしょうか。

自分の例でいえば、がん保険には加入していますが今はやりの医療保険には加入する気はありません。家族に対する責任は重いですから定期付終身保険でリスクをヘッジしますが、生存給付型の医療保険にはそれほど必要性を感じません。

人それぞれですが、保険の理屈をわかって選択するのとすすめられるままに加入するのとではやはり大きな違いがあると言わざるをえません。

医療保険の致命的なデメリットを3つあげると

貧乏人は医療保険、金持ちは終身保険

 

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