生命保険では払える保険料と必要な保障を考えると見えてくることがあります。
生命保険の善し悪しをまことしやかに解説した書籍やWebサイトは数ありますが、生命保険と言うものは人それぞれにより嗜好も異なれば必要とする環境や価値観も違います。生命保険の特性を数字で論じるのは電卓があれば良いですが、単に定期付終身保険や定期保険、あるいは更新型の保険が悪くて終身保険や養老保険は良い保険であると言えるものではないのです。
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① 払える保険料と必要な保障額(リスク)を考える。
良いのはわかっていてもない袖は振れません。払える保険料をどこまで見込めるか。結局リスク評価による必要な保障額を理解することが基本です。しっかり家族のリスクを計算し理解すると払える保険料が変わってきます。それが本当の役に立つ保険です。「誰のための生命保険か」「何のための生命保険か」を明確にすることが生命保険の考え方の土台でなくてはなりません。人は誰しも一人で生きているものではありません。親があり配偶者があり子があります。自分のための保険という考え方は悪くはないですが生命保険の本質から言えばピントがずれています。
② 目的に合わせて保険の種類を選ぶ。終身保険、定期保険、定期付終身保険、養老保険。
お金があれば損のない終身保険、短期の貯蓄代わりに保障をつければ養老保険、期間限定で一定の保障を安い保険料というなら定期保険、葬式代としていくばくかの終身保険がほ
しいなら間を取って定期付終身保険というふうに懐具合と必要な保障額を天秤にかけて保険の種類を選びます。ただ普通の給料取りには太い(高額な)終身保険は保険料が高くなりすぎてなかなか入れるものではないので定期付終身保険が一般化したのです。
③ 医療保険は無駄が多いのでお金は貯蓄に回す。それでも余裕があればがん保険に入る。
医療保険では元は取れないことを理解し大病による長期入院に備えるなら考え方の違いとして意味あり。それ以外ではお守り程度のことにしておくべきです。
④ 特約も保険料のうち、保険にサービスはないので無駄特約を削除する。
見てくれだけの特約で保険料が肥大します。最悪のケースに必要なものは何か。それは死亡保障でありそれ以外の特約は売らんがための飾りです。余裕があれば特約で飾り付ければよいのですが本末転倒にならないように気を付けてください。P免(保険料免除特約)でさえちゃんと保険料をとられているのですから、特約注意です。
⑤ 更新型と全期型は通期保険料を比較し自己責任で選ぶ。
通期保険料で比較すれば全期型が安いのは当たり前、今払える保険料と必要な保障を考えると更新型もありです。ただし更新型は問題先送り型、先のことはわからない楽天型です。そのことを理解したうえで人の責任にしないことです。
⑥ 保険設計以前にライフプランを設計する。
ライフプランがないとリスク評価ができないし払える保険料も分かりません。結婚するのかしないのか、子供は何人予定しているか、将来の収入の見込はどうか、人生には様々なイベントがあり、大きな買い物もあります。遺産相続などというタナボタ収入もある場合があるでしょう。ざっくり見込を立てて人生の節目で見直していきます。
⑦ 初期低解約返戻金型のリスクを納得して自己責任で契約する。
最近はやりの初期低解約返戻金型は波乱の人生には不向きです。後で見直すにも問題がありますから慎重に。
⑧ 生命保険加入は早ければ早いほど若ければ若いほど有利です。
いつまでも健康で保険加入できるとは限りません。年齢が若ければリスクが低いし保険料の支払期間が長くなりますから月々の保険料負担が安く感じます。ただ若いということは
とても素晴らしいことでリスクに気づきにくいという特性があります。こればっかりは仕方がないのでその日まで待つよりないですが。
このページは法人保険を離れて思いつくままに個人保険の選び方、考え方を書きましたので不十分なところもあるかと思います。また書下ろしのため内容が順不同ですがご容赦ください。
折に触れて加筆修正していく所存です。少々の脱線は大目に見て下さい。できるだけわかりやすい言い回しにしましたが、もともと保険屋ですから専門用語を惜しげもなく使っています。その点は配慮不足と反省しています。
「生命保険|払える保険料と必要な保障のギャップをどうまとめるか。」への3件のフィードバック