忘れてもよい保険と忘れてはいけない保険があります。
保険の分類にも色々ありますが法人保険でも個人の保険でも忘れてもよい保険と忘れてはいけない保険があります。
別の言い方をすると長期的に管理すればよい保険と短期的に管理すべき保険に別れると言うことです。
長期的とは平たく言えば忘れていても大事に至らない保険です。人生の節目に思い出す程度で普段は意識する必要はないという保険契約です。
保険証券のある保険会社ない保険会社がありますが、オンラインで契約内容が確認できたりご契約内容のお知らせと称する郵便物が年に一度は届きますから、それを見ておく程度で大丈夫です。
年末近くなると生命保険料控除証明書も届きますからこれだけでも保険の存在は確認できます。
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◆通常の個人が契約する保険はおおむね忘れてもよい保険に属するタイプです。
更新時期や保障が満了するときは、保険会社からやいのやいの言ってきますから忘れていても大丈夫です。
ただし解約するときは要注意です。初期低解約返戻金型の保険では損失が大きくなる場合があります。
法人保険では個人の場合と異なり忘れてはいけない保険があります。解約返戻金のピークを役員退職金にあて込むような保険や逓増定期保険などは忘れたら大変です。
比較的緩やかでピークに数年の猶予がある長期平準定期保険のようなものもありますが、総じて言えることは解約返戻率を意識する保険は忘れてはいけない保険になります。
最近は個人でも保険で相続対策をするようなケースでは、変わり種の医療保険などに手を出すと忘れてはいけない部類に入ったりします。
基本的に保険を投資案件と見なせない方は忘れるリスクの方が大きくなりますから手を出さないことが肝要です。
◆わかりやすくするために一般の保険名称で個別に説明します。
その1)終身保険=一生涯の死亡保障があります、忘れても保険料が引き落とされていれば大丈夫です。
その2)養老保険=一定期間の死亡保障と満期金があります、これも忘れても大丈夫、満期がくれば手続きをして満期金を受け取っておしまいです。
その3)定期付き終身保険=これも忘れても問題ありません。ただ更新型になっている場合は更新後の保険料に注意ですね。
その4)医療保険(ガン保険含む)=特殊なものでなければ忘れていても大丈夫です。やはり更新時期に保険料が上がりますから早めによく考えて設計する必要があります。
その5)年金保険=全く忘れていても心配ない保険です。
その6)定期保険=いつまでの保障かを自覚していれば忘れても問題にはなりません。
個人契約は概ねこのどれかの分類に入りますからあまり心配はいらないように出来ています。
◆法人契約になると途端にそうはいかない難しさが出てきます。
また時期によって名義変更を活用して相続対策をするような場合、解約返戻金はその時点での保険の評価額になりますから、解約返戻金の増減に合わせた時期というものが重要になります。
また法人契約の医療保険でも個人に付替えることが目的なら法人と個人のキャッチボールも必要になりますから人間ドックのたびに思い出す必要があります。問題があれば個人に名義変更し精密検査の結果異常なしであれば法人契約に戻します。
法人契約で忘れてよいのは終身保険ぐらいになります。法人契約の長期平準定期保険は数年の猶予はありますが完全に忘れるといけません。
それ以外のガン保険も逓増定期保険も資産運用形の保険も忘れるリスクは軽く考えてはいけません。忘れて解約時期を失すると返戻率が大きく低下して損失が大きくなります。
◆法人保険は管理が大事な訳について。
法人の保険管理で重要なことは保険を活用して資産を移転したり節税したりすることが目的ならそれ相当の管理が必要になります。そういう視点からみれば事業保障目的以外の法人契約の多くは忘れてはいけない保険になります。
中小企業の実体を見るとこの辺は心もとないと感じます。保険は財務担当者が退職などで代われば多くの場合その目的と意味が引き継がれることがないように思います。やはり保険は日常的でなく難しいのではないかと思います。
◆オーナー経営者への保険管理アドバイスです。
オーナー経営者自らが保険契約の目的と意味、手順を把握し自分のスケジュール帳に記入して自己責任で管理が必要な投資であることを自覚すること。
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