実質返戻率を理解できる人はいない|法人保険の真価について。

実質返戻率を理解できなくても、法人保険の真価は理解できます。

生命保険の解約返戻金を見るとき単純返戻率実質返戻率とがあります。多くの方が判断材料にはなってもその意味を理解している訳ではないと思います。CIMG2439

できるだけわかりやすく説明を試みます。理論的な説明や計算式は下記サイトが詳しいですが、私が読んでもよく理解できないレベルです。

◆法人生命保険の注意点実質返戻率のウソ!

1) 単純返戻率について

単純返戻率は「いくら戻るか」です。払った保険料が何パーセント戻るかが単純返戻率です。減ったお金が保険会社の取り分です。

最初は単純返戻率が悪い、戻りが少ないのが普通です。生命保険の募集手数料が引かれるからですね。結構大きい金額です。

2) 実質返戻率について

説明が難しくなるのが実質返戻率です。実質という言い方が誤解の元です。言うなれば参考返戻率です。戻ってきて得をしたわけではなく、損金として解約返戻金の使い道があれば節税になりますから、税効果ありとなります。

確かに税効果を考えると実質返戻率と言いますが、あくまでも出口対策がきちんとできていての話です。その計画も無しにとりあえずの繰り延べは節税としての妙味がありません。

3) 経営と繰り延べの意味

ただ経営者としては今期に落とせるものは集めてでも今期に費用で落とすという考えもあります。毎年利益が出ている企業であれば経理的には、どこで落とそうが同じように見えますが経営的視点から見れば甘い考えという他ありません。

経営はいつどんな事態が発生するかわかりません。いくらこれまで順調でも来期も同じ利益が出るとは限らないのです。少しでも可能性を広く構えて利益はできる限り繰り延べて、あわよくば投資の穴埋めや役員退職慰労金などの損金出口につなぐことです。それ以上に儲かればその時に税金を払うだけです。

4) キャッシュフローに対するリスク管理

ここをとことん緻密に考えることが経営の理にかなっています。利益が出たからといって、いい顔をして安易に税金という見返りゼロ、不遇のコストを支払いすぎることがないよう考えなくてはなりません。払うなではなく払いすぎないようにと申し上げています。その目的で法人保険を活用する手法はキャッシュフローに対するリスク管理でもあります。

契約する生命保険会社に手数料を払って繰り延べているのです。おまけとして保障がついてきます。他のページでも経営は泥縄と申し上げております。転ばぬ先の杖とも申します。

◆経営は泥縄、保険は命綱、体験を側近が語ると。

法人保険の解約管理は破綻している。

5) まとめ

法人保険はうまく組み合わせて使えば経営者の心強い味方になります。実質返戻率の意味がわかっても意味がありません。経営リスクとキャッシュフローの重要性、そこから導き出される繰り延べの効果を理解しなければ法人保険の価値はわかりません。ただし実質返戻率は保険の中身を比較するときの資料としては有効です。

CIMG2438今となっては法人保険の選択肢も狭くなりました。

リスク覚悟で外貨建ての投資型保険を試してみるか、解約時期の管理が必要な全損型定期保険か、半損ながら単純返戻率のよい長期平準定期保険を選択するかぐらいでしょうか。

法人保険を買う側から見れば、安全な選択肢は長期平準定期保険ですがポイントを申し上げると下記になりましょうか。

・実質返戻率が5年以内に100%超になること。
・単純返戻率が20年以内に100%超になること。
・退職時期の単純返戻率が95%超であること。
・長期的に信頼できる生命保険会社を選択すること。

ゆえに管理が難しい法人保険は避けられた方が賢明かとアドバイス申し上げます。

生命保険とは言え変額保険にだまされない方法。

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