相続はみんなに訪れるが、相続対策は実行する人にしか効果がない。
ダフネ・セルフ流に相続対策をもじってみましたが、意味は伝わるものと思います。
相続は人の死亡により発生します。人は生物ですから、いかに長命であろうともいつかは死に至ります。
ところが相続対策は取り組まなければ何も起こらないというより、争続を未然に防止することはできないということです。
クリックできる目次
■ 老後不安と相続
誰しも一定の年齢に達すると老後のことを考えるようになります。生活資金のことやら子供たちへの援助、まだ残っている住宅ローンなどが頭をよぎります。親の病気や死去などにより財産構成が変化することもよくあります。
それと同時期に心の内には自分の人生と、後残り何年生きられるか、残りの時間でなにが出来るかを考え始めます。老後のことや老いのあり方などの記事や書籍が目に留まり出します。若い頃には決して想起しないようなセンチメンタルな気分がわき上がることもあります。
年を重ねるというのは、そういう思いを自分の中に積み上げて来るべき人生のエンディングに向け心仕舞を始めるということでもあります。
■ 老後資産と生命保険の行方
その連鎖として親からの相続、自分の資産具合、そして生命保険の内容を整理するまでになります。概ねこの頃の生命保険は大きな死亡保障が終わり、わずかばかりの終身保険が残ったり、80歳までの医療保障が残ったりと、ほとんど資産と呼べるようなものがあまりないのがサラリーマン家庭です。
それでも相続があり、相続税の申告が不要でも相続対策は必要なのです。
子供がひとりで、しかも親孝行で、何も問題がなければ相続で問題が発生することはそれほどないでしょうが、普通は何かの引っかかりがあるものです。
■ 相続対策は誰にも必要
相続は何もしなくても誰にも確実に起こります。相続対策は事前に準備をして然るべき対策を具体化した人にしか結果は訪れません。
それは一通の遺言書かも知れないし、生命保険の加入や整理かも知れないし、あるいは家族との生前の話し合いかも知れません。ちゃんと調べれば自分に適した出来ることは一杯あります。
相続税のかからないサラリーマン世帯の相続は生前に調整し、できる対策を早めに行うことがとても大事です。
■ お金がなくても争続
小金ほど争いがし烈になるというのは世間の事例が示しています。相続争いが身内の話し合いだけでまとまらなければ、わざわざお金と手間をかけて家庭裁判所での遺産分割調停にもちこまれます。
データによると遺産分割調停は相続財産が5000万以下の案件が全体の75%を占めています。で5000万といえば平成27年1月以降の基礎控除の減額で相続税がかかるかかからないかのボーダーラインです。
その辺クラスの人はより金銭執着が強く、お金の必要性がひっ迫していることが多いこともあるでしょうが、推察するところきちんとした相続対策ができていないことが原因のように思います。
見回せば実際は家庭裁判所までいかない身内の泥仕合と金銭の争いのなんと多いことか。遺産分割調停の件数はこのところ増加の一途で、ここ3年は横ばいです。
平成26年のデータで15,261件に上っています。平成27年以降のデータがあれば、たぶん争いのすそ野が広がり、遺産分割調停の件数としても興味深いところです。
■ くどいようですが結論を繰り返します。
それでも相続があり、相続税の申告が不要でも相続対策は必要なのです。
具体的な方策は以下のページに詳しいのでご参考までに。
◆相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。
「相続は皆に訪れるが相続対策は実行する人にしか成果がない」への3件のフィードバック