利益相反と保険、保険募集人の悩ましい立場による違い。

利益相反と保険、保険募集人の悩ましい立場による違い。

保険募集人のホントの事情を暴露するといささか暴論になりますが・・
一抹の真理をお伝えできるかと思います。

■保険営業の壁、行くところがないときの効果的な見込み客探し。

◆ 保険募集人のホントの事情。

保険を売る人を保険募集人と呼ぶなら、保険の代理店も保険会社の営業職員も保険募集人です。さらに言えば保険ショップの委託型募集人も、保険販売のコミッションで生計を立てる保険募集人です。

保険を売ってなんぼ、締め切りまでに規定の保険販売が達成できなければ資格降格、はたまた退職、いわゆるクビになります。クビにならないまでも贅沢どころか金欠になり生活できないことにもなります。まことに厳しい世界なのです。

これが募集人のレベルに応じて、ステイタスという生活レベルを維持するために必死になるような仕組みになっています。

MDRT(百万ドル円卓会議)連続で、ベンツで保険営業をするような人ですら、レベルは違いますが一件に泣くことがあるのです。後一件が決まらなくて賞与が大きく減額になることもあるのです。

夜討ち朝駆け拝み倒しまでする、そこに保険募集人のお家の事情が隠されています。一件でも多く、できればさらに保障額が大きく保険料が高い保険をすすめたいという本音があります。

契約の多寡はそのまま成績になり給料に直結しますから、業界を問わず営業の本能のようなものです。本音は晒すものではありません。賢い営業はお尻に火がついていても涼しい顔でお客様のためにお客様第一で、お役に立つ保険をおすすめするのです。

そんなー、と思うのはアナタだけ、そういう仕組みだからこそ保険業界はここまでの隆昌を極めたのです。保険会社は、何千億もの契約者の保険料を投じて、格付けの低い保険会社を買うようなことができるのです。

何故そんなことが言えるのかって、そりゃかつては当事者ですから、身にしみて業界の厳しさ、本音の事情はわかります。

だれも本当のことは言いたくないのは当然ですよね。

◆ 生命保険を取り扱う人は様々。

保険会社所属の営業職員、保険会社の代理店、金融機関の営業(証券会社・銀行等)税理士などの士業、FP(ファイナンシャルプランナー)、保険ショップなどがあります。

生命保険は、契約の条件によって割引はありますが、値引きはありません。同じ保険で被保険者の性別・年齢が同じであれば、保険募集人の立場の違いによる差はありません。コストとしてはどの窓口でも全く同じです。当然のことですが、物販のように安く仕入れる裏ルートは基本的にありません。

また、保険会社所属の営業職員は自分の属する会社の保険商品以外は取り扱うことはできません。それでも、売る保険によって成績に差が出ますから、保険提案の内容は大きめになりがちです。

◆ 乗合代店が扱える保険。

それ以外の代理店や金融機関、保険ショップ、FPなどは乗合となり、代理店契約をすれば、どこの保険会社でも取り扱うことができます。ただ結果の出ない代理店には、保険会社は冷たいので共同募集などという手もあります。

乗合代理店は一見すると比較購買ができて、有利なように思いますが、他のページで何度も申し上げているように、そういうものでもないのです。

実際は、複数の保険会社の商品を取り扱うことは煩雑になるだけでなく、コミッションの率が一定しないと言う問題が発生します。取り扱いは一社に集中するほうがコミッションは大きくなるような仕組みができているのです。

とすれば、悩ましい問題として、保険販売における利益相反の可能性が生まれます。FPの立場で受け取ることができるフィーより、一般的には保険販売のコミッションの方がビジネスとしては大きくなります。それゆえFPとしてのライフプランより、保険提案に力が入ってしまうのです。

◆ 保険会社の営業が利益相反とは言えない理由。

実際の生命保険提案の場面ではメインの提案をお勧めするために他社の提案を使います。ビジネスですから売る側にとって有利な商品(儲かる商品)を無意識にお勧めするようになります。しかし決して利益相反などと思いもしないし、意識もしていないケースがほとんどでしょう。

生命保険会社の営業職員にとっても自分にとって有利な商品を売りたいのは同じですから利益相反がないとは言えませんが、取り扱う保険商品が自社の商品だけであることを考えると「利益相反」とまでは言えないと思います。

車や衣服や食べ物なら自分の好みで選んでお金を払いますから、売る側のおすすめがどうあろうと利益相反などとは言いません。

◆ 利益相反と保険、悩ましい立場まとめ。

生命保険は形がありませんから売る側のアドバイスに頼るほかないので、利益相反がクローズアップされます。

特に税理士さんは節税保険のおすすめをするにしても、税理士業務において利益相反が絡みます。生命保険のおすすめを潔しとしない税理士さんもよく見かけます。

知り合いの独立系FPは生命保険の取り扱いをするとき、どうしても利益相反になりFPの倫理規程に反するからといって資格を返上した人までいます。

保険ビジネスではあまり表ざたにはなりませんが、深遠なテーマである利益相反は売る側にとって悩ましい問題でもあります。

生命保険を買う側にはうかがい知ることが出来ない側面ですが、比較購買できる代理店であってもセカンドオピニオンを探して裏とりをすることが必要です。

最後は相手の人柄を見て、自分で決めるほかないですが・・

◆乗合代理店の事情と本音

 

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