
FP(ファイナンシャル・プランナー)という資格があります。
生命保険や不動産、金融機関などで働く人にとっては比較的なじみのある資格ですが、実際に何をする人なのかは意外と知られていません。
ファイナンシャル・プランナーは、顧客の幅広い課題に対して総合的に提案やアドバイスを行う専門資格です。
私はFPという資格を単なるプランナーではなく、むしろ「ファイナンシャル・ディレクター」と呼ぶ方が実態に近いのではないかと思っています。
なぜそう考えるのか、保険営業とFPの両方を経験してきた立場からお話ししたいと思います。
◆ FPは、ファイナンシャル・ディレクターという理由について。

もともとディレクターとは、監督、総責任者、指揮者です。例であげると、デザ
インビジネスの世界で指揮を執る人がアートディレクターと呼ばれます。
アートディレクターは自分で全体のデザイン構想は行いますが、イラストは
イラストレーター、撮影はカメラマン、タイトル文字はレタリングデザイナーや
書家に依頼して、これを取りまとめて一つのデザインに仕上げる役割です。
ディレクターとはそういう意味で申し上げています。
FPという資格はライフプランに基づき、リスク管理や資産運用を設計することで、
人生におけるファイナンシャルプランを提案し、その実行を支援する役割が主です。
FPの業務範囲は広く、知識に偏りがあると提案に抜けや漏れが生じる可能性があります。
私がFPをファイナンシャル・ディレクターと考えるのは、個々の専門家が優秀であっても、相談者の人生全体を横断的に見渡す役割は別に必要だからです。
それを網羅する資格がFPです。
まさにライフプランに関係する様々な問題を、総合的な視点でコントロールしてくれるディレクターであると言えるのではないかと思っています。
◆ FPの業務範囲は広範囲、専門家と連携。

個人のライフプランから資産運用を設計し、顧客から受け取るフィーで生計を立
てる資格です。(企業所属のFPはフィーを受け取ることはありません。)
しかし現実は、独立して相談料を受け取るFPもいますが、実際には保険会社や
金融機関、不動産会社などに所属して活動しているFPが多数を占めています。
税理士や弁護士等の士業や証券アナリストのような特化型の専門資格と異なり各
分野の専門家と連携して顧客の幅広い問題に対処します。
この資格の特色として言えることは、広く浅く全体を網羅しつつ、特定分野だけを深く掘り下げる資格というより、家計・保険・税金・相続・不動産などを横断的に見渡すことを得意としています。
必要な場合にはそれぞれの専門分野の専門家と連携することで、よりレベルの
高い結果を提供します。
ファイナンシャル・プランナーの6分野(ライフプランニングと資金計画/リスク管理/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継)を総合的に
ディレクションしながら顧客のファイナンシャルプランを支援します。
FPの6分野のうちリスク管理に保険設計も含まれます。
生命保険や損害保険の設計もライフプランにおいては重要なテーマになります。
それ故に保険会社所属のFPも大勢いるわけです。
FPとしての知識とアドバイスを保険販売に活かすことができます。
◆ FPの資格要件。

日本FP協会では、AFP・CFP認定者に対して次のような倫理基準を求めています。
・顧客利益の優先
・利益相反の開示
・守秘義務
・継続教育
とまあいろいろ厳しい条件や規定があります。FP資格では、継続教育として一定期間ごとに研修や講演などにより所定の資格ポイントを取得することが資格更新の
条件になっています。国家資格であるFP技能士には、更新制度はありません。
◆ ファイナンシャル・ディレクターまとめ。

FP資格の特色は保険設計とか不動産だけでなく、守備範囲が広いということです。
ただその分専門性は低くなります。
また所属する業界や本人の経験によって得意分野は異なります。
能力や人脈、専門家とのネットワークにも大きな個人差があります。
米国ではFPは一般的になっています。日本でもFP資格の知名度は高まりましたが、
独立FPだけで安定した収入を得るのは容易ではありません。
FPへの相談を検討する場合は、その辺の事情も斟酌する必要が
あると言えるでしょう。
FPの業務を考えると、その守備範囲の広さからディレクターと定義しましたが、
どうしても得意分野に特化する傾向があります。
またFPは全体を見渡しコントロールする立場ではあります。でも個々の業務は、士業などの有資格者でないと出来ないような決まりになっています。
税金のことは税理士、法律問題は弁護士、不動産は不動産会社が専門です。
しかし相談者は自分の問題が税金なのか相続なのか保険なのか区別できないこと
が少なくありません。その全体像を整理し、誰に何を相談すべきかを交通整理す
る役割がFPにはあります。
FPは万能の専門家ではありません。しかし、複数の専門家をつなぎ、
相談者の課題全体を整理する役割を担える資格です。
その特性を理解したうえで活用することが大切だと思います。
■税理士と生命保険の利益相反を体系的に解説したページ
→税理士と保険の利益相反|なぜ正しい助言が得られないのか。
■保険営業が活用すべき刺さる情報をまとめたページ
→保険営業が活用すべき生命保険周辺情報、医療費控除・相続登記・保険ブログ。
「FP(ファイナンシャル・プランナー)の役割とは、専門家をつなぐディレクターという考え方。」への4件のフィードバック