生命表見直しで保険料が下がる!?

生命表見直しで保険料が下がる!?そんなにうまい話ではない。

CIMG2319日経新聞の社説で生命表見直しに関して保険料が下がるという記事が掲載されました。

それほど単純な問題ではないのです。標準利率が改訂されて0.25まで下がっても予定利率をどこまで下げるかは保険会社各社の自主判断になります。

生命保険事業は相互扶助の仕組みといいながら競争を伴う事業です。

もはや自由競争になった電気やガスのように保険料も横並びの時代でもないのです。情報公開は遅れていますがね

◆そもそも生命表って何よ?

Wikipediaによると、
生命表(せいめいひょう)または死亡表(しぼうひょう)あるいは死亡生残表(しぼうせいざんひょう)とは、人口統計学の分野においては年齢別・男女別などに類別し、それぞれの年齢別・性別に次の誕生日までの間の生存率・死亡率および平均余命などを示した表のことである。 イギリスのチャールズ・バベッジによって作成された。

これは生命表の説明としては妥当ですが、保険数理学の発展に強い影響を及ぼしたブレスラウの生命表はエドモンド・ハーレーによりバベッジが生まれるより以前に作成されています。

生命表の説明はこの厚生労働省のPDF一枚でわかりますね。

◆保険料が決まる仕組み

●生命保険の予定利率が史上最低に|生命保険業界裏表。

簡単に説明すると、生命保険会社が保険料を算出する根拠となる数字は、予定利率、予定事業費率、予定死亡率と言われるものです。

予定利率は保険会社が契約者から預かった保険料を運用して得る利益、予定事業費率は保険会社が事業を展開するにつけてかかってくる経費ですね。

もう一つの予定死亡率の根拠が厚生労働省から発表される統計値としての生命表です。生命保険は人の死亡に対して保険金を支払いますから、平均寿命が延びれば、死亡保険金の支払いが抑制される傾向が現れます。

その分保険料を引き下げることが可能になるという理屈です。

生命保険事業も今や過当競争ですから、少しでも保険料を安くすることで顧客獲得につなげたいと思うのはどこの生命保険会社も同じです。

保険料が下がる?!ウソホント。

◆保険料はどうなるか?

生命保険会社の思惑や事業戦略も絡みますから、上がるか下がるかと言う結論的なことは申し上げられないというのが本当のところです。

しかし一般的な傾向で言えば、被保険者が長生きすれば、死亡保険金としての支払いは減少するし、保険会社の運用期間も伸びますから、生命保険会社に利潤が残りやすくなるはずです。

ところが第三分野の医療保険や最近はやりの介護特約、生活習慣病に関する特約付きの定期保険などは保険金支払いが増加する可能性があります。

すくなともがん保険をはじめとする医療保険の生前給付型保険金は長寿リスクをもろにかぶると思います。

生命保険会社にはアクチュアリー(保険数理人)という頭の良い方が大勢いらっしゃいますからきっちり予測して、新商品を開発されるものと思います。

ただ生命保険契約は契約時点の条件が最後まで適用されます。

保険料が上がり目の時は知らない顔で過ごしておけばよいのですが、今回のように保険料が下がり目の時には見直しということもあり得るかもしれないですね。

ただ生命保険というものは被齢(契約年齢)が上がれば保険料が高くなるようになっていますので、早とちりをしないよう慎重に見極めてくださいと申し上げておきます。

得する保険いらない保険でまとめるのは無茶でっせ!

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