老後不安時代の親の生命保険。

老後不安時代の親の生命保険の見直しは。

CIMG3098時代は大きな変化の潮目を迎えています。

老後の不安は若い世代にまで広がっています。政府日銀がいくら低金利政策を続けても消費はある程度以上好転せず、デフレ傾向を脱却して本格的な景気回復につながりません。

インフレ状態が良いとは言えませんが、漠然とした高齢化時代の暗雲がこうした膠着状態の原因であるように思います。

今はまさに少子高齢化、老後生活を支える年金はどんどん減少し逃げ水のように支給年齢が上がっていきます。長寿化に伴い医療費は肥大し、非正規雇用の増加は老後資金として本来あるはずの退職金が確保できないという三重苦の時代です。

生命保険は誰に相談するか┃選び方まとめ。

◆ 40歳の派遣社員の相談

先日たまたま、40歳になる独身の派遣社員に将来のビジョンやライフプランを聞く機会がありました。

彼には明確な将来のビジョンはなく漠然とした老後の不安を感じながらも、現状から抜け出す選択肢が見えていないようでした。

ひところ流行ったキーワードにパラサイトシンガー(親に依存する独り者)と言う言い方がありましたが、独り身ですから近い将来の親の介護も不安材料のようです。

幾人かの相談内容を総合すると、親は結構な年金をもらい持ち家に住み、預貯金もそれなりに残しているのに、その子らの世代は経済的に厳しい実態があります。

もちろん若い時は誰しも金銭的余裕があまりないのは普通のことですが、それだけではなく、老後資金のめどが立たないのです。

FPとして収支を将来的に組み立ててみてもファイナンシャルプランが組めないのです。資金不足が老後にもろにかぶってくるのですが、現状の収入では打つ手がありません。

もちろん生命保険にも加入していませんからアドバイスの切り口が見つかりません。

老後難民とならないための生命保険活用

◆ 親の生命保険を見直す重要性。

ところが、その親世代は持ち家率も預貯金も年金も高いのです。意図したことではないですが時代の変化で親子間の資金格差は確実に開いているのです。

最近では新聞も取らないし固定電話も引かない若い世代が多いと聞きます。高度成長時代を経験した親世代は案外旅行を楽しんだり、趣味にお金を使ったりと思いのほか裕福な暮らしをしているのです。

また高度成長時代の親世代は余裕がありましたから、結構大きな生命保険に加入していることが多いのです。予定利率の良いころに一千万以上の太い終身保険に加入しています。企業年金をしっかり受け取りつつ、保険会社で終身年金(今はほとんどなくなりましたが・・)を確保している方もいらっしゃいます。

こうなると子の毎月の収入より年金生活の親の収入のほうが多いことになります。子にしてみれば親の年金額を正確に知る事もなく、親子間の資金格差が拡大するという妙な事態になりつつあります。

ただ、親世代は多くのケースで言えることは、子が独立しても保障額をも見直すことなく口座振替で保険料が知らないうちに落ちていることもよくあります。

生命保険はライフプランに合わせて人生の節目で見直していかないと必要な保障が確保できなかったり、無駄な保険料を払うことになったりします。

親の生命保険を見直す重要性がここにあります。親の保有する財産をしっかりリスト化し無駄な相続税を払うことがないよう整理し、しっかり見直すことがこれからの若い世代の知恵でなくてはならないと思います。

親孝行保険の親不孝。

◆ 親の財産の把握、親の老後と自分の老後

CIMG3102相続税の基礎控除が引き下げられて、思いがけない相続税がかかるケースが増えています。

一次相続、二次相続と対策をしないと虎の子の相続財産を税金という全く見返りのないコストで目減りさせることになります。

相続財産が家屋敷のような換金性の低い不動産ばかりだと相続税のために借金せざるを得ないことも起こります。

一次相続で子が一人の場合4,200万を越える相続財産には相続税が課税されます。二次相続で子が一人の場合3,600万以上の部分にはやはり相続税が課税されます。不動産や株式がある場合は評価が変わりますから注意が必要になります。(相続税の死亡保険金控除は見ていません。)

生命保険は保険料の払い込みが残っていれば以後の保険料負担がなくなるよう「払済(はらいずみ)」に変更して下さい。不用な保障がある場合は解約を検討するなり、特約を解約して下さい。但し平成7年以前に契約している保険は予定利率がよいお宝保険の可能性がありますから解約は慎重にお考え下さい。

まずは親の財産を知ることが先決です。そういう話がフランクにできる関係を築いておく必要があります。日頃、何も言わない子が財産の話を持ち出すと親は警戒してはぐらかそうとします。

親の老後を守り無駄な相続税を払うことがないよう相談したいと誠心誠意話すことが大切です。できれば親が元気なうちに話をしておくとスムーズに進みます。

親に感謝し、得して見送るのが子の務めと心得ましょう。

親御さんは子の将来をどこまでも案じているものです。きちんと改まって話すことでコミュニケーションのきっかけは必ず作れます。

FPとはファイナンシャル・ディレクターという意味について。

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