10連休、保険料口座振替27日の恐怖。

10連休、27日保険料口座振替の落とし穴は知らないと一大事。

CIMG3471今回の天皇陛下の退位と皇太子さまのご即位に伴う、降ってわいたような10連休は、4月決算企業には重大な影響があります。

節税保険に加入して口座振替にしていると大きな落とし穴に陥りかねません。

それは多くの保険会社の保険料口座振替日が契約月の27日になっていることに原因があります。

これを今年のカレンダーにあてはめると、まず4月27日は土曜日ですから金融機関は休みとなります。翌週の29日は昭和の日で祝日、普通なら30日が平日ですから口座振替が行われて問題はおこりません。

ところが今年ばかりは下記のカレンダーのように休日が10日間も連続します。10日続くと振替日は5月7日(火)ということになります。これでは4月決算企業は保険料の振替が決算に間に合わず翌期扱いとなり当期の費用にできないという重大な問題になります。

要するに5月1日に新天皇陛下の即位に伴う休日が入ったためその前後を含めて国民の休日となり4月27日以降の月内に金融機関が営業する平日が一日もないのです。

これは節税対策で全額損金の法人保険に加入している4月決算の企業は、まさかの一大事です。経理担当者としては、ぼんやりしている場合ではありません。何とかしないと納税額が増加し予定外のコストとなります。

2019年、ゴールデンウィーク10連休カレンダー

1)4月27日(土)休日

2)4月28日(日)休日

3)4月29日(月)昭和の日

4)4月30日(火)退位の日(国民の休日)

5)5月1日(水)即位の日・改元

6)5月2日(木)祝日と祝日の間の国民の休日

7)5月3日(金)憲法記念日

8)5月4日(土)みどりの日

9)5月5日(日)こどもの日

10)5月6日(月)振替休日

◆ 特例法が参議院を通過し、法案が成立。

皇太子さまが即位される5月1日と「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日をその年一回限りの祝日扱いとする特別法案が成立しました。それによりなんと10連休となりさまざまな問題が取り沙汰されています。

想定外の不都合の中でももっとも影響の大きなものが保険料口座振替27日の恐怖です。

利益の出ている4月決算の企業は、今年だけのこととは言え、いわれのない大ピンチです。普通では気がつきにくいところですが、情報の早い代理店からは情報提供がありました。この時点では保険会社も寝耳に水、サポート対応も後手という有り様です。

今回の件では他にも資金繰りに影響が出ると思います。ギリギリの資金運用では乗り切るにも厳しい場合があります。降ってわいた災難のようなものですが、クリアしなければなりません。

◆ 5月の口座振替が4月扱いにできない厳しい理由。

利益が出ている企業は期末にはいろいろ経費となるものを集めます。社員旅行で海外に行ったり決算賞与を考えたり、全額損金の節税保険を契約したりと利益の圧縮に努めます。

その要件は税務上「支払ったこと」が要件になっている経費です。たとえば決算賞与や年払いの生命保険料など、他には倒産防止共済の前納掛金などがあります。

この条件を満たすためには法人保険の年払いの生命保険料などは注意が必要です。

たとえば4月決算の会社で、年払いの生命保険料を4月中に払っている場合に当てはまります。年払保険料は法人税では「短期前払費用」という取り扱いになります。保険料は前払いになりますから条件が厳しいのですね。

<引用です。>
前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。

例のお得意のそれ以外は認めませんよという口調です。ここにも「支払った場合において」「その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める」とあります。税務的な期限までに支払っていないとその期の損金としては認めませんと言うわけです。

繰り返しになりますが、4月決算の会社の場合、「4月末までに払って」「その期に経費処理していれば」経費にしていいよ、ということなのです。すなわち5月7日になったのではその期の損金には認めませんというつれない回答なのです。

よって4月決算企業であって年払い保険料口座振替の場合は、保険会社に連絡して、今年は口座振替ではなく振込みに変更してもらうことが必要になります。ただし口座振替日が月末ではない保険会社もありますのでご確認下さい。

手続きが間に合わないと、4月中に保険料の支払いができなくなりますのでくれぐれもご注意下さい。

仮に処理が遅れて振込みと口座振替が重複しても二重になった保険料はどの保険会社でも速やかに返金してくれますので心配は無用です。いわゆる保険料の戻りですね。しばらくでも二重に保険料を払うと問題は資金繰りだけです。

こういうネタに関して税務署から特別の対応をするようなことは言わないです。規定通りで判断されることになると思います。4月決算の会社は、直ちに保険会社に連絡し保険料を振込みに変更しましょう。

本件は顧問の税理士に確認しましたが、ひとこと「それは絶対ダメ!」とのことです。つまり4月決算の企業は5月7日に口座振替になった保険料を4月の費用にすることはできないのです。いずれにしても、ギリギリになってからでは手遅れになることもありえます。甘く考えずに万全の体制で10連休を迎えましょう。

法人保険の解約と管理のポイントをまとめました。

◆ まとめ

今からできることは、すぐに保険会社に連絡して振込みに変更して下さい。ある保険会社では、口座振替はそのまま残しておいて今回だけ振込みにすることができるそうですので、振込用紙の郵送を依頼しました。口座振替は半月以上前に保険料の収納をする会社から銀行に通知が行くので早めに手続きをする必要があります。

節税保険はその性格上保険料を会社の費用として落とせるところに魅力があります。とすればどの企業も当期の利益予想が見えてから検討を始めます。それゆえ加入時期は決算月に集中します。その決算が運悪く4月という場合、今回のような事態が発生します。

取り急ぎの情報提供になりまとまりがなく。失礼します。

法人保険の売りっぱなしに正義をと言っても無責任。

Pocket

「10連休、保険料口座振替27日の恐怖。」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です