保険がきかないコロナショック、企業の対応策。

保険がきかないコロナショック、最悪の事態に備えるBCP。

CIMG3626中国武漢発の新型コロナウイルスは、いまだ未知の要素が多く、人類の英知をもっても手のうちに入れるのはまだ時間がかかりそうな様相です。

このまま感染拡大を抑止・制御できないと最悪の場合、日本中に蔓延し2020年東京オリンピックが中止になるばかりか、減速がささやかれる世界経済を奈落に引き落とす可能性があります。

今もっとも恐れるべきは新型コロナウイルス感染症の致死率ではなく感染を恐れるあまりの経済活動の停滞です。

国会の質疑を見ていると危機感がないというか的外れな議論に終始しています。野党に至っては現状認識が欠落した烏合の衆です。このまま手をこまねいて事態を見誤ると消費増税の痛みから回復する間もなく景況感は悪化することになります。

国際世論などを気にする暇があれば、徹底したコロナウイルス感染拡大抑止策に全力を挙げるべきです。そしてインバウンド停滞だけでなく物流・情報・交流の停滞を克服すべく手を打ち、苦境の中小企業対策を早急に打ち出すことが必要です。製造余力があっても中国からの物流が停止していればコスト高を覚悟しても別の調達ルートを探さねばなりませんから、痛みを伴う打撃は同じことです。すべてがスムースに回転してこその経済なのですから、コロナウイルスによるボトルネックが発生すれば景気は必然的に悪化し、最悪のシナリオである “コロナショック”へつながっていきます。

最悪のシナリオを予測し、それに対してできるうる限りの対策をすることがコロナショックへの正しい選択肢になるでしょう。運よく重大なコロナショックに見舞われることなく新型コロナウイルスの猛威が終息すれば、それはそれで結構なことです。しかし、無難な終息を期待するだけではリスクをコントロールしたことにはなりません。

生命保険では最悪の事態を想定し、経済的に必要なリスクヘッジを行います。コロナショックはリスクが大きすぎて、かけることができる保険はありませんが、現在の余力を結集して想定されるリスクを軽減することはできるはずです。

コロナ不況、最初に削る保険料。

◆ 感染拡大の中、保険営業のあり方。

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保険営業とはお客様と合わなくては仕事になりません。新型コロナウイルスが拡散しているからと言って休んでいることはできません。すでにバレンタインショックから1年余り、厳しい保険営業の環境にさらに追い打ちをかけられたような状況です。

マスク持参で、お客様の状況に合わせてマスクをいつでも着用できるよう準備する配慮が必要です。社内入室の条件として手指のアルコール消毒とマスク着用を来客に要請している会社が多くなっています。感染拡大の中、新型コロナウイルスで契約が1件取れるわけでもないのですが、保険営業の配慮のあり方が問われるようになります。

何が起こるかわからないのが人生という切り口で保険の商談をすすめても経験的に言えば、世間が騒々しい時は顧客が落ち着いて考えられないので、契約の成立までのハードルが高くなるようです。

◆ コロナショックBCP(Business Continuity Plan)、企業財務への影響。

こういう時こそBCP(事業継続計画)という視点で起こりうるリスクを分析し、最悪の事態に備えることが企業防衛です。原材料が買えない、製品が売れない、工場操業停止などという非常事態が十分想定できる状況になっています。

例えば中国から調達していた原料が入荷しなければ製造はできなくなります。今回のドラッグストアパニックでは売り切れ続出もありますが、外食産業やホテル業界は売り上げ減少で大きな打撃が考えられます。

もっと憂慮すべきは工場の製造要員からコロナウイルスの感染者が出たら拡大を抑えるためには操業停止は避けられなくなります。いくらおすすめいただいても製造業ではテレワークなどできはしないのです。その結果、風評被害が拡大し売上大幅減少、減収減益決算になると考えるべきです。企業財務にとれば想定外の青天の霹靂(へきれき)です。資金繰りも当然圧迫されると思います。

そのようなことにならないよう、しっかりとしたBCPを立案し不測の事態に備えるというのが経営の環境適応業たるところだと思います。それでも想定以上に財務が圧迫されれば節税保険で簿外に積みたてた緊急予備資金が役に立ちます。節税保険はこういうときのための簿外積み立てですが、昨年契約では解約返戻率がまだ低いので、その点は慎重にご判断いただきたいと思います。

生命保険の残高証明は出せるわけがない。

◆ 従業員に対する安全配慮義務。

他にも注意すべきことがあります。会社は、労働契約法第5条によりまして、従業員に対して安全配慮義務がありますので、先ず感染防止の措置を取っておく必要があります。

社員に発熱者や感染者が出た場合の出勤停止基準、職場復帰基準、労災支援等を考えておく必要があります。今回の場合出勤停止を会社が命じるならノーワークノーペイでは解決しない労務問題が発生すると考えられます。また、とくに営業活動は移動を前提としますから感染リスクが大きくなります。来客対応だけでなく営業活動にも一定の歯止めとなるルールが必要になるでしょう。

また原料調達の遅れなどから、引渡日の遅れ等に対する損害賠償請求を避けるため、取引先との覚書きを準備する必要も出てきます。仕方がないね、では済まないビジネスもありますから。

◆ コロナショックまとめ。

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コロナ・ショックなどと日経の記事にもありましたが、実際の株価の暴落も始まってしまいました。ドラッグストアに行ってもマスクやアルコールだけでなく中国に製造を依存しているものは品薄感があります。

オイルショックのときのようにドラッグストアの開店前の大勢の人が並んでいます。開店早々マスクどころかトイレットペーパーやティッシュペーパーも売り切れる始末です。不確定な情報による先買い心理が買占めに走らせているようです。

またあちこちで展示会やイベント中止が相次いでいます。届くメールは中止のお詫びばかりになりました。感染防止のため外出を控える消費者心理もあり2月23日の天皇誕生日の一般参賀が中止され、東京マラソンも一般参加なしに大幅に縮小されました。相撲もサッカーもプロ野球のオープン戦まで観客なしになっています。

このままの状態が続くと、まさに東京オリンピックも中止・延期等の可能性も出てきそうです。4月に予定されている中国の習近平主席の来日は中止になっても重大なことにはなりませんが、東京オリンピックの中止は国家の莫大な損失につながります。それはとりもなおさず巨額の国民の税金が無駄になるということですから、何とかして避けたいところです。一番恐れるべきは景気の悪化が決定的になることでしょうか。完全に新型コロナウイルスが株式相場下落のトリガーを引いた形になっている現在、景気の先行きは全く見通せません。顧客心理として保険どころではないと言ったところです。

2020.3.29追記 本当に東京オリンピック2020が来年に延期になってしまいました。果たしてそれまでに新型コロナウイルス感染症は終息するのでしょうか。

法人保険を制するものは企業財務を制す。

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