指定感染症と特定感染症の保険的相違。

コロナは指定感染症、特定感染症とどう違うのか保険的視点。

新型コロナウイルス感染症は政令により指定感染症に指定されました。保険で災害割増扱いになるのは特定感染症です。どうもよくわからないのが指定感染症と特定感染症の違いです。

保険の営業ならここは理解していないといけません。一般の方ならどちらでもよいことですが、「指」と「特」一文字違うだけで、保険金の支払い要件としては重要な意味があります。

感染症法をみればわかることではありますが、相も変わらず法律文書の様にわかりにくく読む気力も起こりません。できるだけわかりやすくシンプルにまとめてみました。

新型コロナウイルス肺炎と生命保険の災害割増。

 ◆ 感染症法と特定感染症。

 感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)では、罹患した場合の重篤性、感染力、感染経路等により一類感染症から五類感染症まで5つに分類しています。そのうち一類感染症から三類感染症までを特定感染症と言います。

■各分類の病名はこちら。

ところが、感染症法では特定感染症などという言葉は出てきません。ウィキペディアで特定感染症を調べても特定感染症指定医療機関が出てきますが、ここで使われている特定感染症は意味合いが少し違います。

どうも特定感染症は保険業界用語のような気がします。ちなみに“特定感染症”で検索すると保険会社や保険関係の情報が中心になります。保険会社は約款のなかに特定感染症として病名を列記しています。しかし「特定」とは言いながら感染症法と照らし合わせても、特定できていないのが特定感染症のようです。

◆ 指定感染症とは、わかりにくい定義。

 実は指定感染症という言葉は感染症法に規定されていますが、その定義はかなりわかりにくいのです。

あえてわかりやすくするために端的に言えば、感染症法の一類感染症~三類感染症に指定されていない感染症であるが、それらと同等のリスクがある感染症を指定したものであり、一類感染症から三類感染症並みの強権的な対応等をとらないと国民の 生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症と定義できると思います。

 したがって指定感染症に指定された時点で保険業界の特定感染症に含まれていると解してもおかしくはないわけです。ただ約款には特定感染症として病名が記載されていないわけですから、災害割増などの特約条件をあてはめるとすれば例外的な対応になるように思います。生損保を含めた保険業界の足並みがそろわない原因もここにあるようです。

 指定感染症は政令で1年以内に限定して指定されます。終息すればもはや指定感染症でも特定感染症でもありません。もちろん長引けば指定感染症は延長される場合もありますが、あくまでも時限立法的な、法律レベルの強権的措置なのです。

コロナ危機と保険の自殺免責、自殺大国復活か?!

 ◆ まとめ

 怖くて恐くない指定感染症が新型コロナウイルス感染症です。たかが風邪と言い切ってしまう国家指導者もいるようですが、インフルエンザと違って未知の恐怖と社会的制裁が待っています。感染症は読んで字のごとくウイルスなどに感染することにより発症します。見た目は病気ですが、厳密には「急激」「偶然」「外来」という条件を満たす災害に近い事故のようなものです。

 人類の対策をあざ笑うかのように世界に蔓延する、なかなかにずるがしこいウイルスということができるのではないかと思います。しかしインフルエンザの様にじきに慣れてしまい、日常生活に溶け込んで共生するようになると思いますが、落ち込んだ景気とマインドは簡単に元に戻るとは思えませんが。

 これまで見てきたように指定感染症は特定感染症とはイコールではありません。言ってみれば、指定感染症は同等のリスクありとみなされた期限付きの特定感染症と言えるのではないかと思います。

 実はそれより気になることがあります。保険業界も営業活動自粛とテレワークにより成果が上がらない中、疲弊していると聞きます。無理からでもアポ取りに来る代理店もあります。本音の部分では、コロナに感染するより、契約が取れなくて資格ダウンのほうが怖い保険営業です。指定感染症でも特定感染症でもどちらでもよいから、今一番欲しいものは一件のアポであり一件の契約であると思います。

 ■新型コロナウイルス肺炎と生命保険の災害割増。

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