遺言書はシンプルに、よい遺言よくない遺言。

遺言書はシンプルに、よい遺言よくない遺言。

今回の遺言書の記事はhokenfpの情報整理のために書いているようなところがあります。遺言書の記事を書きながら、相続税がかからず家族仲も問題がない自分のケースは遺言書不要と考えていました。

しかしそれでも遺言書は書いておいた方がよいということに思い当たりました。あの世の老婆心になりますが、後の残る相続人にいくばくかの指針と思いを残す方がしこりが残らず円満に事が収まるというものです。

◆ 遺言書はシンプルに、民法の要件を満たすこと。

自筆証書遺言書はできる限りシンプルにしておけば、失敗が少ないと言えそうです。ついつい士業の専門家が作った見本を参考にして立派な遺言書にあれこれ書きたくなりますが、最小限の情報に限定し、相続人や財産が特定できればよいので余計なことは入れないことが間違いをなくすことにつながります。

遺言書の最低限の項目は、誰に、何をどれだけ相続させるかを特定できるように書くことです。日付は西暦でも和暦でもかまいませんが、日にちが特定できる日付、あとは遺言者の署名と捺印があればそれで立派な遺言書です。特定できればよいので相続人の続柄や生年月日は必須ではありません。印鑑も実印でなくてもシャチハタでなければ有効です。

遺産の明細は別紙のエクセル作成の相続財産目録に書いておけば、財産構成や内容が変わっても手書きが必須とされる遺言書の本文は修正しなくてもよいのでミスも少なくなります。財産目録はササっとエクセルで作成してプリントアウトし署名・捺印すればあとは法務局保管です。財産の内容が変わればエクセルを修正して法務局に出し直すだけです。どうしても心配な場合は遺言執行者を指定することもできます。

民法で定められた自筆証書遺言の要件と注意事項:

・遺言本文はご自分が手書きで書く(財産目録はエクセルのプリントアウトに署名捺印)。
・ご自分の戸籍に書かれている名前を正確に書く。
・日付は西暦でも和暦でもOK、令和4年3月10日のように日にちまで特定する。
・印鑑を押す。シャチハタはダメですが認印でもOK。
・エクセルで作成する財産目録は、特定できるよう地番や口座番号などを正確に書く。
・相続人には「相続させる」又は「遺贈する」、相続人以外には「遺贈する」と書く。
・訂正する場合は箇所を示し、訂正又は追加した旨を付記し署名、押印する。(これは書き直したほうが良いかもしれません。)

遺言書の財産目録はパソコンOK、それでも書けない被相続人。

◆ 法務局の自筆証書遺言保管制度の細かいルールとは。

相続手続きで必要になる遺言書は、法律文書として形式要件が厳格です。とくに注意すべき点は民法で定められた自筆証書遺言の要件に従うことなのですが、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する場合には要件が別にあります。

自筆証書遺言書保管制度を利用しないで金庫に保管しておくなら民法で定められた要件だけでよいのですが、法務局保管制度を利用する場合は用紙のサイズ指定や余白指定など事細かに従う必要が出てきます。別に難しい指定ではありませんので、法務局のサイトをじっくり読めば間違うことはありません。法務局に預ける場合は、指定通りにできていないと保管してくれません。面倒でもやり直しをしなくてはならないので間違いがないよう作成してください。

自筆証書遺言書保管制度を利用する場合の要件(民法の要件に追加):

・用紙サイズ:A4サイズ(297×210mm)
・余白は上部5mm、下部10mm、左20mm、右5mmを確保(財産目録も同様)。
・必ず片面に記載(財産目録も両面は不可)。
・各ページに1/2、2/2のように総ページ数がわかるようにページ番号を記載。
・ホッチキス止めや封筒は不要(バラでスキャナー読取りのため)。
・ボールペンや万年筆などの消えにくい筆記具を使用。
・遺言者の氏名は、ペンネーム等ではなく戸籍どおりの氏名を自署。

まったく法務局らしい細かさです。融通はききませんから事前にしっかり確認です。

■法務省、自筆証書遺言書保管制度(03遺言書の様式等についての注意事項)

遺言書の法務局保管開始、検認不要で費用激安。

◆ 遺言書はシンプルに、まとめ。

遺言書を書き残す場合の注意事項としては遺留分に配慮するとか、遺言書の開封に際しては家庭裁判所で検認が必要だとか法的なことはありますが、円満な一般家庭ではそこまで気にしなくてもよいかもしれません。

相続人間でもめそうなケースや、お金に困窮している相続人がいるような場合にその調整を目的として遺言書を書くという場合は、財産目録を整理して専門家にご相談いただき、遺留分や特別受益、代償分割のための生命保険契約などについて検討しておく必要があると思います。

相続財産目録は、何と言ってもエクセル管理がベストです。PC作成OKとなりましたのでご自分でできなければ他の人に頼むこともできます。財産を握って秘密主義は困りものですが、エクセルが使えればとても便利です。全体を書き直す手間がかからず、追加修正、分割整理などは自由自在なところがあります。でも遺言書の本文はすべて手書きが条件です。手書きは書き損じのリスクがありますから、できるだけシンプルに最低限に絞ります。

財産の内容が変われば、エクセルのデータを修正しプリントアウト、署名捺印でOKです。遺言書を書き直す必要はありません。本稿の主張では、遺言書はシンプルに書くことですが、それよりも相続財産の正確な目録作成には相当の手間がかかります。不動産関係は固定資産税納税通知書を頼りに法務局で物件の登記簿と公図をあげて実際の物件との照合をしておいてください。遺言書の作成よりも財産の正確な情報を集めることがよほど大変かもしれません。

改正民法2019|遺言書の法務局保管、PC作成。

遺言書を法務局に預けると失敗する理由。

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