医療費控除、10万円ちょっとでは意味ない理由。

医療費控除、10万円ちょっとでは意味ない理由。

検索されるキーワードを見ていると「医療費控除で10万円ちょっとでは意味ない。」というのがあり結構な数、検索されているのです。

言い方は人それぞれだと思います。しかし10万円を越えた部分にかかっている所得税が還付されるとすれば、せいぜいその1割程度(人によって税率が異なります。)です。

たとえば1,000円超えたなら100円と言うわけですから、10万円ちょっとでは意味ないという気もちはよくわかります。

■医療費控除とは、わかりやすく超簡単に!基本のキまとめ。

◆ 医療費控除の確定申告も費用対効果を考える。

サラリーマンのように年末調整で済んでいるような場合、医療費控除の確定申告は結構余計な手間がかかります。それに見合うだけの還付金がゲットできなければ、取り組んでみようという気にならないと思います。

医療費の領収書を合計してみたところ10万円はかろうじて越えるような場合があります。大した金額でない場合は、費用対効果がよろしくないので医療費控除の確定申告は見送るという選択もあると思います。

いくらからなら意味があるかは、人それぞれによって違います。11万円ならダメでも12万円ならお昼ご飯の足しになる程度なので、やる気が起こるかもしれません。

医療費控除の確定申告に取り組むかどうかの線引きは費用対効果を考えるべきとは申しあげています。しかしそれだけではなく知らないことにチャレンジすることは、還付される金額以上に学びが多いということは言えると思います。

医療費控除とは、やり方、確定申告の外せない15の注意点を総まとめ。

◆ 税金を取り戻すという意義と気概が大事。

本来、支払わなくてもよい税金はきっちりと取り戻すという気概が大事ではないかと思います。税金というのは、還付の場合自己責任で、それなりに手間がかかります。でも徴収する方は、厳しく取り立てる仕組みになっています。

サラリーマンなどは断りもなしに有無を言わさず給料から天引きされます。事業者などは指定の期限までに自主的に申告し納税しなければ延滞税などのペナルティーが加算されます。

ところが取り過ぎた税金は、納税者が気付いて還付申告をしない限り放置され、取り込まれてしまいます。

さらに還付するお金には、取り込んだ期間に応じた利子がつかないのです。本来払わなくてよい税金、還付されるべき金額は国全体で見れば、膨大になっていることでしょう。納税は国民の責務です。しかし納めすぎた税金は一円たりとも取り戻すことに意義があり、庶民の気概と言うべきかと思います。

むきにならなくてもよいとは思いますが、還付金は金額の多寡にかかわらず、妙にうれしくて、してやったりの感があり、家族に自慢したくなります。

◆ 抜けがないか見直し、関連費用を積み上げる。

医療費を集計してみたところ10万円ちょっとでは意味ないとお考えの方へ、いくつかのアドバイスが可能です。医療費控除というのは、結構奥が深く、見落としや間違いがたくさんあると推定されます。

医療費控除についてはかなり深く調べ、関連記事を10以上書いていても知らないことや見落としが出てきます。それだけに以下のアドバイスをご参考にされて、上積みできる経費がないか、別の仕組みは使えないか再度検証されることがおススメです。

その1)医療費の明細書(医療費のお知らせ)に頼らない。

健康保険組合などから送られてくる医療費の明細(医療費のお知らせ)以外に治療として支払った費用はないか確認することが先決になります。

あん摩、鍼灸、柔整、整骨などの自費診療はないか見直してください。予防接種、健康診断は対象外です。通院のための交通費も整理して、医療費控除の明細書を作成しておくととてもわかりやすくなります。

■医療費控除で自費診療が使える理由。

その2)医療費の領収書から交通費などの関連費用を類推する。

医療費の領収書を頼りに医療機関までの交通費を割り出して加算してください。薬局までの交通費も含めて下さい。マイカーのガソリン代や駐車場代は対象外です。メモ書きでもよいのですが公共交通機関に限ります。

■医療費控除で交通費はどこまで、還付留保と真実。

その3)ドラッグストアの領収書は残しておく。

治療目的の医薬品は医療費控除に使えます。治療又は療養に必要な医薬品の購入ということで考えれば市販の風邪薬や下痢止め薬、頭痛薬などの痛み止めは医師の処方や指示がなくても医療費控除の対象となります。

もっと事例をあげれば、虫刺されでもかゆみ止めでも治療です。ただし一般的支出される水準を著しく越えない部分の金額という条件付きです。ここではスイッチOTC医薬品という制限はついていません。

■医療費控除で医療費通知書が役に立たない理由。

その4)セルフメディケーション税制が使えないか検討する。

そもそも10万円に遠く足りない方は、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)を検討してください。令和8年12月31日までの期限付き税制で12,000円以上から88,000円までの範囲となります。健康診断を受けているなどの条件付きで、スイッチOTC医薬品の出費に限定されます。しょぼい税制ですが、意味ないとも言えません。

■セルフメディケーション税制の注意事項。

◆ 医療費控除は10万円ちょっとでも意味がある、まとめ。

医療費控除で意味があると思うことは、自分が支払っている所得税や住民税を意識することができることです。

また社会的な医療保険制度などの仕組みの理解も必要ですから、自分や家族が病気をしたときの助けになります。

それ以外にも確定申告や年末調整の仕組みと限界を知ることができ、少しは知恵を絞り節約志向が身につきます。

また、日々進歩するマイナンバーカードやe-Taxなどの新しい仕組み、いわゆるDXにチャレンジすることで学びが広がります。老後に備えてライフプラン、キャッシュフロー管理のテクニックが身につくと思います。

医療費控除には10万円というバーがあります。ちょいとばかり金額的に越えても意味がないとお考えの方に、少しばかりのテクニックと医療費控除の意義をお伝えするために書きました。

一番良いのは家族が元気で医療費控除など考えなくてもよいのが理想なのです。そうは言っても、誰しも寄る年波にはあがらえないもので、大病はしないまでも、いくつかの医院にかかります。毎日朝晩サプリメントと何種類かの薬を服用せざるを得なくなります。そうなると医療費控除という仕組みのありがたさを感じることになります。

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