相続は兄弟でもめる不公平、説得できない親の理由。

相続では兄弟姉妹が不公平でもめるが、親にも理屈がある。

相続では被相続人である親の意志が優先されます。なぜなら相続財産は親のものであるからです。親にすれば慈(いつく)しんで育ててきたわが子ですから公平に財産を分けてやりたいという気持ちはあります。しかし相続では公平ということはもともとあり得ないと考えるべきです。

相続では兄弟姉妹が複数いれば、その配偶者も同じだけいます。いくら可愛くても長年の間に親としての好き嫌いや世話になった思いがありますから、その思いを反映した財産分けが親にとっての公平になります。でも兄弟姉妹にとってはまさに不公平であり、納得できるものではありません。ましてや相続が発生し親と言う重石がなくなれば、兄弟姉妹が相続でもめることは避けられないところです。

 ◆ 遺言書が書けないフツーの家庭。

 相続での遺産分割は、遺言書などで親の意志を示すことができますが、なかなか遺言書も書けないのがフツーの家庭の相続です。相続税がかかるかかからないかにかかわらず遺言書は争族を防ぐためには必要なのですが、財産が少ないから遺言書はいらないだろうと考える方が多いのです。財産が少ないほど争族は熾烈(しれつ)になるということは過去のデータが示しているところです。

 相続では親には親の理屈があるのですが、残念ながら遺産と言う棚ぼた財産を前にして、生活がかかっている兄弟姉妹には理解できるものではありません。もめることがないよう親が細心の注意をはらって相続対策をしたとしても、不思議に相続には配偶者やその知人などが出しゃばってきてもめ始めます。そうなると相続は混とんとし兄弟でもめるだけではなく、家族を巻き込んだ悲劇に発展することもあります。それゆえフツーの家庭でも遺言書が必要な理由があります。

 ◆ 兄弟争族のなれの果て、兄弟は他人の始まり。

 遺言書も何もなくて相続人が遺産分割協議をしてもまとまらなければ、法定相続と言う選択肢があります。しかしそもそも法定相続になったとしても特別受益(とくべつじゅえき)や寄与分(きよぶん)を言い出すと、納得できない相続人にとれば公平な相続などということは夢物語になってしまいます。相続人で主にもめるのは兄弟姉妹です。「兄弟は他人の始まり。」とはよく言ったもので兄弟の争いは財産のことになるとことさらに根深くなります。親の思いをよそに兄弟は遺産分割協議で剣呑(けんのん)を極めます。結局、それまでの親せきづきあいを一切絶縁し、盆暮れも法事も顔を合わすことすらありません。親の墓参りも日をずらすほどの念の入れようです。

◆ 兄弟でもめる理由、お金がかかる理由。

 親にすれば我が子は誰でも皆、目の中に入れても痛くないほど可愛いもの。孫に至っては目の中に入れて3回まわしても痛くないほど激カワなのです。そのわが子も成長して世間の荒波にもまれて人並にお金の苦労をすると人間として擦(す)れてきます。そこには欲得という仮面が張り付きます。普通のサラリーマンをしていれば、ボーナス以上のお金を一時に手にすることはまずありません。虎の子の退職金があってもローンの繰り上げ返済に消えてしまいます。

だれでも老後の資金は心配です。子供の学資や車の買い替え、家の修繕費用などまとまったお金がいります。大病すれば収入が途絶えることもあるかもしれません。お金やお金に変わるものはいくらあっても困りません。思慮深い思いやりのある人間なら道は譲るかもしれませんが、相続では人間性にかかわらず損得勘定が優先します。他人なら遠慮もあるかもしれませんが兄弟姉妹では感情露骨で本音の争いに発展しやすいのです。兄弟でもめる原因は、そもそも身内ですから感情の抑制がきかなくなるということのようです。

 ◆ 生命保険は受取人固有の財産、でも納得できない不公平。

 生命保険は相続対策としてはとても有効な手段です。受取人を指定すれば遺言書に書かなくても受取人固有の財産として受け取れます。しかし受取れない他の相続人にとれば、生命保険金は納得できない不公平と感じるのも無理ないところです。

 そこで生命保険金は特別受益だから相続財産に持ち戻して公平に遺産分割を求められたりするわけです。ただ、他の相続人が納得できなくてもよほどのことがないかぎり生命保険金は受取人の固有財産として認められます。もちろん相続税の対象になりますから受取人は納税する必要があります。

 ◆ まとめ

相続では兄弟がもめることがよくあります。生前の親の意向や配慮にはお構いなく双方の主張が繰り返されます。相続での財産分けは、相続人全員が納得する分け方などあろうはずがありません。兄弟姉妹でも遺言書があればまだ渋々でも治まるところがあります。

 しかし遺言書がない相続では、言ったもの勝ちの風潮があります。親の世話をしてきた子もいれば、生前にローンの援助を受けた子もいます。親にしてみれば生前の子への支援は、それぞれに内緒にすることが多いので暴露合戦のようになることもあります。親は自分の財産の内訳はできるだけ知らせないで自分の思い通りにしたいと考えますから、親に相続税の節税対策を提案しても先送りされる理由がここにあります。

 相続とは遺産分割とは言いますが、要するにお金の奪い合いです。これが兄弟となると遠慮がないだけに激しくなります。はるか彼方に見える円満相続の難しさはここにあります。

 被相続人たる親はあらゆる思いを込めて遺言書を書こうとします。しかし人間は生き物ですから突然の事故死ということがあります。また大病をすれば気力がなえ、相続などは意識の中で重要度が下ります。はっきり言って自分の死後のことだからどうでもよくなるのです。それまでは税理士さんに相談して着々と相続対策をしてきた経営者の方でもある程度の高齢になるとエクセルは使えない、文字は見にくくなるなどで財産目録の整理をするのが億劫になるのです。多くの場合、老化は自覚しないうちに物忘れから認知症のリスクへ進んでいきます。そこに遺言書が書けなくなる親の理由があり、遺言書がないばかりに相続で兄弟がもめる原因があります。

相続に非協力的な相続人の本音と3つの落とし方。

相続手続きに非協力的な相続人の本音。

CIMG3742相続税がかかる場合の相続では10カ月以内に遺産分割協議をまとめなければ相続税の申告ができないので、相続人となった人は非協力的でも嫌顔でも相続に巻き込まれざるをえません。

ところが相続税がかからない場合は、不動産の登記も含めて一次相続の遺産分割協議は先送りされることがよくあります。

もともと売買もできない資産価値の低い土地は相続しても固定資産税がかかるだけで困りものですから、慌てて所有権移転登記をする必要もないわけです。

そうして何代にもわたり相続時に所有権移転登記がなされない結果、所有者不明土地問題につながりました。相続時に価値があるのは現金または換金性の高い資産であり、換金性の低い田舎の土地屋敷は相続人に敬遠されます。様々な事情が絡み合い不信が重なると相続に非協力的な相続人の登場です。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けての休業要請に抵抗して、営業を続けるパチンコ屋のように、相続に非協力的な相続人にもそれなりの言い分があります。

 ◆ 時間が経つと考えが変わる相続人。

相続税に申告期限があるため、相続に非協力的な相続人も巻き込んで遺産分割協議は強引に進んでいきます。この時点ではまだ親の意向や威光が残っていますから、相続人にとっても遺産分割協議は円滑とはいかないと思いますが、期限までに妥結するしかありません。

ところが相続税がかからない場合は申告期限の10カ月に縛られませんから遺産分割協議は無期限となります。当面のお金に困っていなければあえて一次相続では争族になりがちな遺産分割協議をせずに先送りするケースが多くあります。

先送りすると厄介な問題が起こることがあります。本来、まとまる話がこじれるようになることが往々にしておこります。それは相続人も人間ですから、時間がたつと経済状況や考え方が変わるからです。

相続税がかからないケースほどややこしい相続になるのは、この辺に原因があるように思います。二次相続までの間に金銭援助や親の介護などがあると相続はさらにややこしくなります。

 ◆ 非協力的な相続人の胸の内。

いまや交通網の発達で相続人は日本中に散らばっています。疎遠になっている相続人もいます。それぞれに忙しい日々の生活を抱えていると相続のことを考えるのは後回しになりがちです。信用しないわけではないですが、よく理解できない遺産分割協議書に実印を押す気になれません。

納得できるよう説明がしてほしくても疎遠になっていると、連絡するのも問いただすのも億劫になります。多くの非協力的な相続人はそんなつもりがなくても消極的に対応するだけで誤解を受けてしまいがちです。

また相続人同士の仲が良いとも限りません。人には好き嫌いがあります。親族の仲にも気の合う相続人とそうでない相続人がいます。距離と時間はますます疎遠感を深くし、お互いの疑心暗鬼が事態を深刻にします。

 ◆ 相続で見えない生命保険と内緒の保険。

また重要なことですが、相続財産の目録を作成しないと生命保険が見えてきません。被相続人が契約していた生命保険は、相続税の申告をしなければ見えてきません。保険金は受取人固有の財産ですが、相続税の対象になります。

相続税を申告する必要がなければ、被相続人死亡で受取る死亡保険金は他の相続人に知られずに受取ることが可能です。生命保険に限らず、財産評価は見解の相違があり、相続に非協力的な相続人の疑念は、こういった不信感もあり尽きることがないのも無理ないところなのです。

 ◆ 相続税がかからない二次相続の混とん。

一次相続で遺産分割協議を先送りすると二次相続になったとき話がこじれやすくなります。これは実感ですが、二次相続という状況は両親ともに他界し重石がなくなったなかで、残された兄弟姉妹で遺産分割協議をまとめなくてはなりませから、それぞれ別の生活基盤を持つ兄弟姉妹が豪雨するにはかなりハードルが高くなります。

兄弟は他人の始まりと言いますが、仲の良かった兄弟姉妹が相続の話からギクシャクし始めるのです。一次相続で登記していなかった不動産も、固定資産税の支払いを引き継がなくてはなりませんから改めて引き継ぐ相続人を決めなくてはなりません。

相続人がお互い欲しい財産はキャッシュや株式、生命保険契約です。相続税がかからないレベルだと一般的には、換金性の高い不動産はほとんどなく固定資産税だけが重荷になるような、それも売れない不動産が譲り合いになります。田舎相続の田畑の譲り合いとなると、登録免許税や固定資産税がかかる耕作放棄田や老朽化した田舎住宅を引き継ごうとはだれも思いません。そうなると二次相続はますます混とんとしてきます。

 ◆ 疎遠な相続人の扱い方。

日ごろから行き来がなく疎遠になっている相続人でも、相続を完結させるためにはパスしたり無視したりすることはできません。一人でも実印を押さない相続人がいれば、登記はもちろんのこと相続手続きを行うことはできません。何度、連絡をしても無視したりする相続手続きに非協力的な相続人がいると、こればっかりは何とか納得してもらわないと手続きが滞ってしまいます。

 1)相手の価値観で相続を考えてみる。

相続に非協力的な相続人の立場で考えてみることをおすすめします。公平な立場でジャッジしているつもりでも立場が変われば価値観が変わります。相手の価値観で考えることは難しいのですが、譲るところは譲らないと落としどころが見えてきません。こちらの進め方に納得できなかったり、財産目録や評価方法に疑問点があったりするものです。相続に非協力的な相続人の3つの落とし方を下記にまとめました。

 2)相手の言い分をとことん聞く。

相続人同士の話し合いは、相続に関する限り最終的には金銭の取り分の話に行きつきます。いくら話し合っても容易に納得できるものではないのですが、それでもお互いの言い分を主張することから始めるしかありません。しかし疎遠な相手にはこちらの言い分は後回しにして、非協力的な相続人の言い分を本音で言うまでとことん聞くことが必要です。そうすることで折り合うヒントが見つかることがあります。

 3)第三者に調停を依頼する。

相続人同士ではお互いの利害や感情、これまでの経緯が絡み合い話し合いはまとまりにくくなります。理路整然と冷静にはなしあうことが、そもそもできない関係になってしまいます。

そういう時は費用がかかりますが司法書士などの第三者に橋渡しをお願いすると非協力的な相続人も冷静に聞くことができます。相続税がかからなければ税理士の出番はありません。弁護士は依頼者の代理人であり、相続人誰かの利害を優先する仕事ですから本質的に調停には不向きです。

ですから相続登記も絡みますので経験豊富な司法書士あたりが適任のように思います。直接の利害関係者ではなく連絡役として手続きに必要な書類を作成する立場ですから、客観的な立場で説明することができます。

 ◆ まとめ

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今回の記事は田舎の相続登記を前提にして、経験をもとに考察しています。

相続登記が進まないために所有者不明土地が増加し社会問題になっていますが、それを改善し相続登記をしやすくするために相続登記では登録免許税に関して時限立法ですが免税措置が適用されます。

 ■相続登記の登録免許税の免税措置について(法務局)

相続というのは財産分割ですが、突き詰めると親の資産の山分けです。資産とは端的にお金ですから本音の奪い合いになるのも、生活に追われる相続人としては仕方がないところです。非協力的な相続人の本音を見てきたところですが、本当のところは本音をぶつけ合う前に、お互いが折り合うことが賢明と言えるでしょう。

本音を言い合ってしまうと、もはや人間関係の修復が難しくなります。もともと財産は不動産と現金が少々ということが多いと思いますが、現金を減らしてまで弁護士や税理士などの調整役を依頼するほどでもない相続では、もめ事を他人に知られたくない、内輪で治めたいという日本人独特の恥の文化があります。

遺産分割調停や審判にすすむと亀裂は決定的になります。それを望むわけではないのならもつれた感情の糸を丁寧に解きほぐし、冷静に忍耐強く話し合いで治める努力をすべきところです。

OB税理士、驚きの相続税調査裏事情。

OB税理士先生のピンキリ、相続税調査の裏事情。

CIMG3656法人保険は閑話休題のような内容になりますが、税理士という職業はOB税理士であろうと税理士試験合格組であろうと保険の知識は避けて通れないところがあります。

しかし今回は保険のことはさておき、そもそもOB税理士とは何者なのでしょうか。

OB税理士とは何か、知らない方には意味不明です。

◆ OB税理士とは何者か?

OBとは一般に税務署のOBを指します。税務署に一定期間勤務すると退職後税理士資格を得ることができる仕組みがあります。例えば何々署の署長を務め定年後は税理士として開業されます。

それまでかかわりのあった企業や優良申告法人を顧問先をとして取り込み、税理士としてこれまでの税務署内の経験とコネクションを活用して主に税務署と企業の橋渡し業務を生業とされます。ものの例としてはよろしくないですが、警察と泥棒が入れ替わったような感じです。

なにしろ元署長ですから、税務署に顔が効きます。税務調査のツボと落としどころを心得ています。税務調査の場面でも「もうその辺でやめといたらどうや。」などと統括官に言える立場なのです。OB税理士とは税理士のOBではなく国税庁や税務署のOBなのですね。

 ◆ 切れ者のOB税理士とはったりのOB税理士。

OB税理士の先生は税務署内での職務により得意分野が限定されます。法人担当や資産税などの調査担当、酒税担当など様々です。ですから税理士にはなったものの試験合格組ではないですから得意分野以外はそれほど詳しくないわけです。その結果、はったりで乗り切るOB税理士も見かけます。しかし、切れ者のOB税理士もまれに存在します。税務署の事情にも詳しいし専門知識も豊富となれば鬼に金棒です。ただし、ピントの外れたOB税理士は大勢いますが、切れ者のOB税理士はほとんど見かけません。

 ◆ 税務調査の調査率が低下。

その切れ者のOB税理士に聞いた話ですが、相続税の税務調査では8割以上が指摘を受けるそうです。しかし最近は税務署でも人手不足が深刻になり、相続税の税務調査の調査率は20%~12%に低下しているとのことです。ということは8割以上が調査なしのお咎めなしということです。裏を返せば申告内容が怪しいもの、資産家、無申告のような問題があるもの、海外資産が絡むものなどに絞り相続税の税務調査を行っているということになります。

申告内容がしっかりしているもの、書面添付制度による税理士の意見書がついているものは調査対象になりにくいそうです。ひと手間かかりますが、やはりしっかりした申告書というイメージがあるのですね。

一般的に相続税の税務調査は申告後2年から3年で来るそうです。三回忌の法事も済んだ頃、言ってみれば相続の内容を忘れたことに来るイメージです。

 ◆ 調査官の出世要件は成果だけではない。

OB税理士によれば調査官は調査で成果を上げても賞与加算は10万までだそうです。調査官の成果とは申告の誤りや不正を発見して如何に多額の追徴課税を課せるかが問われます。いやな仕事ですが、若手調査官は出世ルートにのるために厳しい調査、成果求めてくるそうです。

税務署での出世は税務調査での成果より人間関係と所属部署がものを言い、30歳過ぎで出世ルートに乗れるかどうかで人生が決まるとのことです。銀行のようにわりと振り分けが早いのですね。

 ◆ OB税理士の本音のアドバイス。

切れ者のOB税理士は手広くやってますから話題も豊富です。その税理士によると相続を取りまとめるとき一番困るのが弁護士の登場だそうです。弁護士は相続がもめればもめるほど金になり、依頼人である相続人だけの利益の最大化を目指しますから、他の相続人にすればまとまる話もこじれてしまします。

税理士報酬は相続財産の0.5~1%なのに対して弁護士は成果報酬ですから結局財産が減少します。例えば成果報酬20%もの財産がなくなります。相続人の誰にとっても分け前の減少にしかなりません。こういう争いをすると果ては家族の後の付き合いまでなくなる羽目になるそうです。お互いが譲りあう心を持ち、争族にならないよう心掛ける方が取り分が増えるということです。言うことは簡単ですが、できないからこそ争族は後を絶たないのですね。

誤解のないよう申し上げておきますが、決して弁護士の先生方に恨みがあるわけではございません。弁護士と言えども士業としてのビジネスですから、依頼人の利益を最優先に考えるのは当然のことです。

◆ OB税理士、まとめ。

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切れ者のOB税理士のアドバイスは納得できるものが多いです。実際に相続税調査をした実績がある元調査官ですから裏事情にも詳しいのです。とにかく大事なポイントとして挙げていたのは相続には外部の人間を入れないこと、相続人だけで話し合うことが大事だそうです。

外部の人間とは相続権のない相続人の配偶者とかその知り合いの弁護士などを指します。間接的に利害関係がある人が相続に絡むと話が難しくなります。これは正直、実感します。

あと付け足すことは、遺言書は家族に意図を説明することが必要だということです。せっかく遺言書を書いたのですからそのままにしないで、自分の思いと意図することを生前に伝えることが争族を抑制する力になるそうです。

また遺言信託という制度があるそうですが、もめているあるいはもめそうな案件は引き受けないし、コストの割には何もしてくれないと嘆いていました。遺言信託では遺言の執行は粛々と行いますが、もめ事の調整や節税対策は期待できないということです。

畑違いの専門家ですが、経験に裏打ちさた話は価値があります。税務調査での経験から一言ありましたが「真実ほど強いものはない。」なるほどです。

みなし相続財産と生命保険。

相続以外で課税されるみなし相続財産と生命保険。

CIMG3652相続財産と言えば、親などの被相続人が所有していた財産を指します。所有者が死亡したためその財産は相続財産として配偶者や子らの相続人に受け継がれます。しかし実際の相続の対象となる財産には「みなし相続財産」があります。

被相続人の死亡を原因として発生する財産として生命保険金や死亡退職金があります。また被相続人が生前に所有していた金銭の受給権などの権利も死亡を原因として消滅しない場合、引き継ぐ権利も相続財産となります。

 ◆ みなし相続財産の4パターン。

被相続人がなく亡くなったときに相続人に受け渡される財産は生前にキャッシュでなくても実質的に相続財産と同様の資産的価値がありますので「みなし相続財産」として相続税に合算されます。大きく分けると以下の4パターンがあります。

・生命保険金。

被保険者死亡により保険金を請求する権利が指定された保険金受取人に発生します。生命保険金は受取人固有の財産として判例が確定していますが、相続財産としての課税対象になります。知らん顔はできません。

 ・生命保険契約に関する権利。

被保険者(親)が相続人(子)を被保険者として保険料を負担する契約者である場合、相続発生時に生命保険契約は保険金にはなりません。相続財産として生命保険契約を解約返戻金相当額で引き継ぐことになります。

 ・死亡退職金や弔慰金。

被保険者が会社を経営していたり、会社に勤務していたような場合、在籍中に死亡すると死亡退職金や弔慰金が支払われたり、経営者などか功労金などという名目でお金が支払われることがあります。これも被保険者死亡を原因として発生する「みなし相続財産」となり相続税に合算され課税の対象となります。

 ・個人年金などの定期金に関する権利。

個人年金の受給権なども確定保証期間があれば残りの定期金の受給権も「みなし相続財産」となります。個人年金では被相続人が働いていたときに積み立てておいたお金を定期金で受け取っていたわけですから、受給権者が亡くなった後は遺族に支払われることになるため相続発生時にはお金に変わっていませんが、相続財産とみなして課税対象となります。

実は上記のほかにもいろいろあります。単純な例では債務の免除なども該当します。

遺言で親から借りていた借金を免除してもらっても、お金は動きませんがみなし相続財産として課税対象になります。みなし相続財産は見落としがちなので注意が必要です。なんとなく得をしたような感じ、ずるいような感じがすればみなし相続財産の可能性があると思いください。

■みなし相続財産としての保険について。

上記の記事はみなし相続財産としての生命保険について詳しく書いています。生命保険はいかに相続の場面では威力を発揮するかがよくわかると思います。

  ◆ みなし相続財産の申告忘れは追徴課税へ一直線。

みなし相続財産は見落としがちですが、税務署は見落としません。みなし相続財産の申告忘れは、意図的か失念かは別にして追徴課税は避けとおれませんので、慎重に財産目録の洗い直しをお願いします。

みなし相続財産のうち生命保険金と死亡退職金には相続税の非課税枠という特典がついています。死亡保険金控除の500万円や死亡退職金控除の500万円枠はみなし相続財産に対する課税庁の特別の配慮でしょうか。しかし将来的には非課税枠の見直しが行われる可能性があります。

改正民法2019|相続法改正まとめ。

改正民法2019|相続法改正、ポイントまとめ。

DSCF1773民法のなかに相続に関して規定した部分があり、別に相続法と呼びます。

相続法では、相続人の指定、遺産分割のルール、被相続人の権利義務などがどのように受け継がれるかなどの相続に関する基本的なルールが定められています。

相続とは本質的には私的な行事です。法令で規定しなくても個人の自由な裁量で決めればよさそうなものですが、それではおさまりがつかないので相続法で事細かにルール決めがなされています。

相続法に従わない相続をしても、それでもめなければ誰も何も言いません。法律違反として逮捕されるわけでもありません。相続は遺産というお金の奪い合いでもありますから、相続法で基本的なルールを示すことにより遺産分割に合理的な説明をつけて納得できるようにしているのです。

生命保険を販売する保険営業は相続に関係することがあります。直接介入するようなことはありませんが、相続に関する基本的な知識は避けて通れません。相続とは人の生死に関係して財産の移動が発生しますが、生命保険も人の生死に関係する金融資産です。今回の民法改正は40年ぶりの大改正です。

生命保険や相続・事業承継設計に関わる人は基本的な改正点を押さえておき、アドバイスできると顧客からの信頼も高まるというものです。

民法改正の主な項目をあげました。今回は1)~6)までのポイントをまとめた総集編です。各項目からそれぞれのページへ飛ぶリンクがはってあります。

1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。
2)預貯金の仮払い制度の創設。
3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。
4)遺留分制度の見直し、金銭請求。
5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。
6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

本サイトは民法改正のポイントや問題点について実際の場面や庶民の立場で解説しています。改正内容は士業の先生方のサイトの方が分かりやすく詳細に書いてあります。詳細な条件や事例などを確認されたい場合はそちらをご参照ください。

◆1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。

■改正民法2019|配偶者居住権。

DSCF1883遺産分割で配偶者が住む家を追われることがないように配偶者居住権が設定されました。世の中が世知辛くなると思いもしない制度が必要になります。親の住む家を売ってでも金欲しやの相続がまかりとおるから配偶者居住権が必要になるのですね。配偶者居住権を利用した節税スキームは後日アップ予定しています。

◆2)預貯金の仮払い制度の創設。

■改正民法2019|相続時、預貯金の仮払い制度。

DSCF1881ややこしい手順はさておき、当座に必要なお金はさっさとキャッシュカードで下ろしおけば安心できます。もめそうな家庭の場合は、念のため相続時のお金の引き出しは預貯金の仮払い制度が安全なようです。便利になったのか不便になったのかはまだわかりません。

◆3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。

■改正民法2019|遺言書の法務局保管、PC作成。

DSCF1887自筆証書遺言が法務局で保管できるようになったので、家庭裁判所での検認は不要になります。公正証書遺言と法務局保管制度の違いはまだこれから明らかになりますが、公正証書遺言のほうが精度と信頼度ではまだ優位のようです。財産目録のPC作成はクリーンヒットです。

◆4)遺留分制度の見直し、金銭請求。

■改正民法2019|遺留分の現金支払と特別受益もち戻しの時効。

DSCF1917遺留分の怖いところは特別受益という生前にもらった援助はすべて持ち戻して分けなおすというとこです。分けられない財産を無理やり分ける遺留分から現金支払いもOKになり融通が利くようになりました。遺留分に関する特別受益の元戻しも時効が設けられました。金銭となると譲渡益課税がどうなるかです。

◆5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。

■改正民法2019|相続財産の所有権は登記優先。

DSCF1766せっかく受け継いだ相続財産も登記を先送りすると第三者に対抗できないなど、相続より登記を優先するようになりました。所有者不明土地の拡大に歯止めをかける目的だと思われますが、相続時に引き継いだ土地の登記を相続人が先送りしないようやんわり圧力がかかっています。

◆ 6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

■2019|相続人以外の特別寄与料の請求権。

DSCF1768相続人以外の親族に特別寄与料の請求権が認められるようになりました。特別寄与料とは被相続人の療養看護などの貢献を無償で行ったとき相続人に請求できる権利です。相続権のない息子の嫁に介護の苦労が報われるのでしょうか。相続人の特別寄与の権利は残りますが、どうも不公平感が残ります。

◆ 民法改正2019まとめ。

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相続の本音を言い表した昔の川柳に「泣く泣くも良い方をとる形見分け」というのがあります。形見分けと言っても意味が分からない世代の方もいらっしゃるかもしれません。

遺産分割協議などしなかった時代には、親が亡くなれば身の回りものや衣服などを相続人や親族が親の形見として分け合ったのです。その時代の相続はそれで終わりです。家を継ぐ者がすべての家と財産を引き継ぎ、嫁に出した娘には嫁入り道具一式と持参金で終わりです。次男には余力があれば親の生前に新屋を立てて田んぼをいくばくか渡して終わりです。三男以下は自力で家を構えるしかありません。

家長相続でもめないとは言いませんが、親の権限が強い時代ですから親の意向に逆らうものは少なかったと思います。

相続で財産が民主的、公平に分割されるよう民法が変わると争族はいたるところで激化するようになりました。

相続とは不労所得、一括千金の金銭の奪い合いですから権利を最大限主張するのも無理からぬところです。

「道は譲れても相続は譲れないのです。」と申し上げると多くの資産家は笑いながら首肯されます。財産というお金が人間を変えてしまうことを経験的にご存じなのですね。

民法改正について偏見を交えながら私見と概要をまとめてきました。改正の内容に意義を唱えるつもりは毛頭ありませんが、実際の相続の現場では役に立たなかったり、余計にもめ事の原因を作ったりするような改正もあります。もちろん時代と実務に照らし合わせて、とてもよくなった改正もあります。個別の改正の内容や問題点は各記事をご参照ください。

まだ詳細が不明で施行されてない改正もあれば、すでに施行され有効になっている改正もあります。施行後に運用上の不都合があればさらに修正的なルールが追加されることもあるかもしれません。被相続人にすれば死期は自分で選べませんので、相続発生時の法令で判断しなくてはなりません。その都度、内容をご確認いただく必要があります。

本サイトは士業の先生方が発信される情報とは立場が異なります。情報の細部の精度は下がるかもしれませんが、ビジネス視点や売込みを意図していません。ネット時代ですから少し調べれば誰でもある程度の専門家になれます。時間があれば簡単なことは自分で処理すれば節約になります。実務的な貧乏人の視点で話を進めていますから、必要のないことまでお金をかけることはないという立場です。

相続対策は資産が多い方やどうしても複雑な事情がおありの場合は、やはり専門家に依頼する方が時間の節約になると思います。もちろん本サイトの趣旨としては相続対策あるいは争族対策に生命保険が有効な切り札となることは当サイトの各記事で何度も取り上げています。

民法改正の内容については、今後の成り行きによっては私見がまちがっていることも起こり得ると考えています。実際、遺留分を金銭で渡すとなると相続では本来かからない譲渡益が発生する可能性があります。まだ判断できない要素も残っていますので、くれぐれもご自身の責任でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

改正民法2019|相続人以外の特別寄与料の請求権。

改正民法2019|相続人以外の特別寄与料の請求権ができました。

DSCF1768相続では特別寄与とか特別受益とか耳慣れない言葉を使います。こういう話が相続で出てくると遺産分割協議が紛糾することが多いようです。

はっきり言って内輪もめや財産の奪い合いを小難しく言うと特別寄与とか特別受益になります。今回の民法改正では特別寄与の部分が相続人以外の親族に拡大され、要件も緩和されました。

特別寄与とは、相続人のうち誰かが特別に親の面倒をみたり会社を手伝ったりしたことで資産の増加に貢献したとき、その分お金を請求する法的な権利です。あまりにもハードルが高かったので要件を緩和し請求できる親族の範囲を拡大し「特別寄与料」と呼ぶようになりました。生命保険の受取人は姻族に拡大するとモラルリスクがありますが、特別寄与料の請求権の範囲を拡大することで争族の範囲も拡大したというわけです。

民法改正の主な項目をあげました。今回は「6)相続人以外の特別寄与分の請求。」についてです。

1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。
2)預貯金の仮払い制度の創設。
3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。
4)遺留分制度の見直し、金銭請求。
5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。
6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

従来からの特別寄与あるいは寄与分と言われているものは相続人に認められた権利ですが、今回新たに創設された特別寄与料とは相続人以外の親族が相続人に請求します。遺産分割協議で話がまとまればよいのですが、そうでない場合は家庭裁判所に調停をお願いすることになります。

それでも納得できない場合は裁判で白黒つけることになりますが、こうなればもう完全に争族突入です。今回の民法改正は本来ならおさまっていた相続がいきおい争族化する可能性をはらんでいると言えそうです。

◆ 特別寄与分と特別寄与料。

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特別寄与分と特別寄与料とは相続以外では使わないので聞きなれない言葉です。

そもそも被相続人にそれほど貢献していれば、被相続人(亡くなった人)は、その特別寄与者に遺言書で遺贈の指示をすればそれでよいのですが、何かの事情で遺言書が書けなかったか、あるいは被相続人はそれほど自称特別寄与者が貢献したとは考えていなかったかのどちらかです。

とは言え、特別寄与者にすれば被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたという自負がありますから、遺産を多めにもらう権利を主張する気持ちもわかります。自分の生活を犠牲にして尽くさないと介護などできるものではないからです。

費用も時間も体力もかかりますが、なにより先の見えない介護は精神的にも追い詰められますし、苦しい日々が続きます。介護はそれをする人にしか苦労を理解することはできません。特別寄与は介護だけではありませんが、多くのもめるケースは介護なのではないかと思います。

ただ、これまでは相続人が人生を犠牲にして必死の介護をしてもほとんどのケースで特別寄与とはみなされませんでした。いくら介護を一所懸命しても被相続人の財産の増加に特別の寄与をしたとはならないからなのです。相続人は立場上特別の寄与をしても報われないのですが、今回の改正では相続人でない親族に有利な改正になっています。

改正の要点は、相続人でない親族(息子の嫁など)が親の介護をした場合、特別寄与料が請求できるようになったということです。

特別寄与の条件:相続人

被相続人の事業に関する労務の提供又は「財産上の給付」、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をすること。

特別寄与料の条件:相続人以外の親族

被相続人の事業に関する労務の提供、被相続人に対する無償の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をすること。

特別寄与料の条件では「財産上の給付」は要件とされていません。特別寄与料の条件は、貢献の程度が一定程度を越えることでよしとされました。一定程度とはかなり線引きが難しいと思いますが、特別寄与料での持ち出しは要件ではなくなったのです。

特別寄与料の特別寄与者となり得る親族は、相続人を除く6親等内の血族と3親等内の姻族でとなります。子の配偶者はこの中に含まれることになります。

6親等内の血族と言えば、たとえばいとこの孫まで、3親等以内の姻族と言えばひ孫の配偶者、甥姪の配偶者あたりまで広がります。親族と言えどもそこまで縁が離れた人が、療養看護してくれるとは思いませんが遺産分割協議では特別寄与料のおかげで争族の範囲も広範囲になりました。しかしここでも民法では内縁の妻や愛人は除外されています。法的に血縁がない内縁の妻などに財産を残すにはやはり遺言書が必要だということになります。

遺産分割協議がまとまらないときは、被相続人が亡くなったこととその相続人のことを知ってから6ヶ月以内又は被相続人が亡くなってから1年以内のいずれか早い日までに、家庭裁判所に審判の申し立てを行うことができます。 内輪で話し合いがまとまるなら期限はありません。

忘れてはならないのは特別寄与料にも相続税がかかるということです。相続税がかからないレベルの相続なら何もしなくてよいのですが、そうでない場合は相続税の申告が必要になります。

◆ 相続に口出しできない親族の胸の内。

今回の改正では、相続人以外の親族を交えて遺産分割協議をすることも起こり得ます。相続人でない息子の嫁が口出す相続という場面はできれば避けたいところですが、たまりにたまった胸の内もあるでしょう。相続での遺産分割協議では理性がおいてきぼりになることも少なくありません。

話が決裂すれば調停か裁判しかないわけですが、世間の常識と家庭裁判所の常識が、一番食い違うものの一つが、この特別寄与と言われています。 相続人や特別寄与料を請求しようとする特別寄与者に対して裁判所は、特別寄与は「財産形成の対価」に過ぎないととらえるのですが、普通の感覚では特別寄与は「被相続人への貢献に対する恩賞」と考えるのが自然な感覚です。家庭裁判所や調停委員会は理詰めですから、人の気持ちはわかりません。この食い違いは今回の改正によりわずかながらも人間的な判断が下る可能性はあります。

世の中はなんでもそうですが、言いたいことを言ってしまってはまとまる話もまとまりません。相続に口出しできない親族の胸の内は察するに余りありますが、できる限りの辛抱も大事ではないかと思います。

◆ 特別寄与料のまとめ。

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裁判所は特別寄与にすこぶる厳しい立場です。息子の嫁が義父や義母を懸命に介護したとしても特別寄与とはなりません。昔から家の嫁という立場は相続人から相手にされない悲しさです。

自分の親なのに何の世話もせずほったらかしでも、相続人という立場があれば遺産相続の権利があります。親の世話をしない相続人を責める気もありませんし、そんな時代でもないのでしょうが、それでも誰かが老親の世話をし、最後は介護に身を尽くし看取らなければなりません。

相続とはわかりやすく言えば元家族の財産争奪戦なのです。それが家族から親族まで拡大されたのが今回の特別寄与料の請求権と言えると思います。特別寄与料の請求権がある親族の範囲は広いですが、通常は親と同居している場合の嫁になると思います。まれには兄弟や甥や姪の世話になる方もいらっしゃいますが、まずは親族と言ってもこの辺までのことかと思います。

これまでは如何に介護や看病で貢献しようが相続人でなければ遺産分割協議で物言うことはできませんでしたが、公式に特別寄与料に関する発言権が嫁に認められたようなことでしょうか。裏で糸を引いていた相続人の配偶者にも権利が与えられたわけです。

遺言書があれば、世話になった相続権のない嫁や親族に財産を遺贈しても問題は発生しにくいと思いますが、遺言書がなければ泥沼争族の範囲が広がっただけということになりはしまいかと危惧するところです。

くどいようですが、相続はむき出しの本音で自己主張をするところです。日頃の建て前が剥がれ落ち人間の本性が出てくる場です。仲の良かった兄弟が相続を境に法事にも呼ばないような争いになる事例も見ています。自分だけは大丈夫などと思わないことです。うちの家族に関しては心配ないなどと思わないことです。

大人げないことですが、それが人間の本質ではないでしょうか。どうも相続となると悲観的性悪説に傾倒するのはhokenfpのこだわりのような気がします。それゆえかどうかわかりませんが、感情論が入る余地のない、権利関係が徹底して明快な生命保険に傾倒するのかもしれません。

改正民法2019|相続財産の所有権は登記優先。

改正民法2019|相続財産の所有権は遺言より第三者の登記優先。

DSCF1766相続財産の所有権を主張するためには登記が必要になりました、と言っても普通の相続ではあまり関係がありません。今のところではまだ相続で不動産を引き継いでも登記するかどうかは自由です。

何かの事情で第三者に対して相続した不動産の所有権を主張するためには登記をしておいた方が有利になりましたということです。財産の所有権を判断するうえで、登記や登録などの客観的事実が遺言書よりも優先することになりました。

ただ今後は、相続による不動産の所有権の移転は名義変更登記を求められるようになる可能性があります。少子高齢化と人口減少、都市部への人口集中は相続時の登記にまで影響が及ぶ時代になりました。

民法改正の主な項目をあげました。今回は「5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。」についてです。
1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。
2)預貯金の仮払い制度の創設。
3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。
4)遺留分制度の見直し、金銭請求。
5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。
6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

◆ 所有者不明土地問題が改正の発端。

所有者不明土地問題は、今回の民法改正と直接の関係はないのかもしれませんが、改正の発端というか要因の一つにはなったと思います。日経新聞によると東日本大震災後の復興事業で用地買収の妨げとなり、所有者不明の土地は全国で約410万ヘクタールにも上り、2040年には北海道本島に匹敵する約720万ヘクタールにおよぶというべらぼうさです。

損失額の推計でも約6兆円とか、机上の計算ではありますが、相続登記の先送りが大変な経済的損失を招いたというわけです。

それは相続人が登記を放置するから悪いと言う問題ではなく、不動産価値が都市部に集中し、土地活用ができない価値の低い地方が見捨てられた必然的結果です。国家的な仕組みを変える以外に方法はないと言うことだと思います。

ネット上の情報によると最後の登記から50年以上経過した土地は大都市で6.6%、中小都市などで26.6%などとなっています。実感から言えば、田舎の田畑ではもっと相続登記未了は多いかもしれません。

■不動産登記簿における相続登記未了土地調査について(法務省)

50年という歳月は人間の人生で考えると、相続も2回転する期間です。相続
人は散らばり子や孫、ひ孫にまで権利関係が及んでいることもあるでしょう。そう
なると縁遠い親族も多くなります。相続の手続きをお願いするときには一苦労も二苦労も予測されます。

民法改正による相続財産の所有権登記優先は、所有者不明土地問題の解決策の切り札ではありませんが、一抹の効果は期待できるかもしれません。

◆ 相続の時、登記を変更しない理由。

特別な事情がない限り相続の時に名義変更登記はしないのが一般的です。相続の時登記を変更しない理由は、登録免許税や司法書士などに登記を依頼すると結構なお金がかかることも理由の一つですが、当面放置しておいても、とりあえず何の問題も発生しないということがあります。

一次相続では、相続税がかからない場合は、相続が発生しても当座の葬式代などのお金が手元資金で足りれば、遺産分割協議書すら作る必要はありません。相続人同士の仲が良くないとか、争族がなければ、遺産分割協議書のように大げさなものがなくても金融機関が用意する書面に相続人が実印を押せば処理が済んでしまいます。不動産として評価が高い駅前の土地などは相続を機に売却したり、換金の必要性に迫られたりすることもありますから名義変更登記は必要になりますが、評価の低い田舎の土地や田畑、山林は名義変更登記をすれば、売れもしないのに固定資産税が毎年来ます。

それだけではなく放置すれば雑草が繁茂し近隣からクレームが来ます。固定資産税だけではなく、手入れや管理費用もばかにならないのです。相続人にすればかかわりたくない遺産なのです。

◆ 名義変更登記の重要性。

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しかし相続での名義変更登記は放置しておくと所有者不明土地問題になるよりも前に、二次相続で困ることがあります。一次相続で相続税がかからなければ、田舎に住む母親に遺産をすべて相続してもらい、不動産登記などは何もせずそのままに放置することが多いと思います。

そのまま二次相続を向かえると数次相続という問題が発生することがあります。相続人の一人がなくなっていたりすると、とてもややこしくなるのでここでは触れませんが、たとえ少々費用はかかっても一次相続で遺産分割協議をまとめて名義変更登記を済ませておく理由があります。これがさらに放置されると所有権不明土地問題につながります。

◆ 遺言書より登記の権利が優先に。

これまでは、有効な遺言書で相続人を指定してあれば第三者の登記に対しても一定の対抗ができたのですが、それが現実的な登記に記された権利の方が遺言書の指定より優先になったのです。やはり遺言書を書く前に、財産目録をエクセルで整理するときに不動産関係はすべて登記簿を上げて権利関係を精査しておくことが大事です。

考えてみれば、所有権不明土地問題に端を発した社会問題への対応の一環として、相続時の名義変更登記を促進する狙いがあるものと思われます。不動産の名義変更登記をすれば、役に立たない土地の固定資産税の支払いが相続人に回ってくるだけでなく、登録免許税や登記の手続き費用が発生しますから引き継ぐ相続人にすれば面白くない話ですが、登記を先送りすることはまたそれなりのリスクがあるということです。

◆ まとめ

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もともとは不動産を購入した際、不動産登記をしなければ他の者に対して、不動産の所有権を主張することができませんでした。

しかし、相続で不動産を譲り受けた場合は、登記をしなくても第三者に所有権を主張することができました。これまではそれで特に問題は発生しなかったので、相続での不動産登記は売買するような事情がなければ先送りして忘れてしまうケースが多かったわけです。

所有者不明土地問題は、経済発展を重視し地方と地方に暮らす国民の生活を軽視した政策の誤りです。これは今後さらに深刻になると予測される国家的な大問題です。相続を原因とした不動産の所有権移転登記の義務化で解決する問題(まだ義務化されていません。)ではないと思います。

確かに不動産は登記しないと売却できませんが、田舎の活用度の低い土地や放棄田、荒れ果てた畑は、所在確認もできないような原野になっていたりしますから登記する動機がありません。このような売却できない資産価値の低い土地を相続したいと思うはずもありません。

自分の子や孫の代に複雑な不動産登記手続きを残さないと言う理屈はよくわかりますが、現実はもっと深刻な事情があります。相続登記を義務化して罰則までもうけるという案もあるそうですが、それは現実を無視した無茶というものです。

本題からそれていますので軌道修正をすると「相続財産の所有権に登記や登録を重視する。」という改正が行われました。このことが直接、影響するケースがどれほどあるかということになると相続時の登記を先送りする理由から考えれば、あまりなさそうです。

相続時の登記を否定するものではなく、できれば登記をする方がよいに決まっ
ていますが、そうはできない事情があるから放置されるのです。水は高い方から低い方へしか流れません。もう少し知恵を絞った政策で、相続登記にインセンティブを与える工夫ができないものでしょうか。

改正民法2019|遺留分の現金支払と特別受益もち戻しの時効。

改正民法2019|遺留分の現金支払と特別受益もち戻しの時効。

DSCF1917相続税の法律の中でもややこしいのが遺留分です。せっかく苦労して遺言書を書き上げても相続人の遺留分を侵害していると遺留分減殺請求に発展する可能性があります。

民法では遺留分は遺言に優先することが法律上でもはっきり示されています。

遺言書で被相続人が遺産分割割合を決定する権利を認めている一方で、その但し書きにおいて「ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。」と明示されています。相反することですが、遺留分は遺言書に優先するので争族の原因になることが多いのです。

遺留分を甘く見てはいけません。その遺留分に関してこれまでの縛りから一歩進んで金銭請求ができるようになりました。生命保険で遺留分支払いをするような対策をすすめることもります。今後さらに遺留分減殺請求が想定される相続人は支払いの原資として生命保険を活用することも考えなくてはいけません。

民法改正の主な項目をあげました。今回は「4)遺留分制度の見直し、金銭請求。」についてです。

1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。
2)預貯金の仮払い制度の創設。
3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。
4)遺留分制度の見直し、金銭請求。
5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。
6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

遺留分に関しては減殺請求する方もされる方も遺留分の権利について知識が必要です。知らなければ遺言書が優先されて、それで終わりです。遺留分減殺請求にも期限と時効がありますから、注意が必要です。

遺留分権利者が、相続の開始を知った時から1年間権利を行使しないときは時効となり、また相続開始の時から10年を経過したときも時効となります。

◆ 遺留分減殺請求は弁護士の出番、遺留分侵害額請求。

一般には「遺留分」とは聞きなれない言葉です。相続の時にだけ出てくる専門用語と言えるでしょう。法定相続人には遺言で財産分けを指定されたとしても、最低限の遺産の取り分が規定されています。通常の法定相続枠の半分と覚えておけばよいと思います。二分の一が法定相続なら四分の一、三分の一が法定相続なら六分の一という具合です。

遺留分減殺請求は他の相続人に対して行います。現在では言い方が変わり「遺留分侵害額請求」というそうです。こちらの方がわかりやすい言い方ですがなじみがないですね。

遺言書の指定に従い多く遺産を引き継いだ相続人に対して自分の遺留分を主張して侵害している分をすんなり返してくれれば問題は起こりませんが、大抵の場合は込み入った話し合いが必要になります。利害がからむ当事者同士では話がまとまらないことも多くあります。その場合遺留分減殺請求調停や訴訟に進むことも珍しくありません。

そうなると話し合いは素人ではまとめられなくなり、弁護士などの士業の先生の出番になります。遺留分の割合が決まっていれば、それに従いおとなしく渡せばもめることもなさそうに思います。

しかしそうはいかないのは財産が金銭ばかりではなく、不動産のように評価が分かれるものがあり、また特別受益のもち戻し(後述)という厄介な問題があるからなのです。また遺留分減殺請求を申し立てると遺産の分割が成立していないことになり、すべての財産が相続人全員の共有状態になってしまいます。

◆  遺留分減殺請求(遺留分侵害額請求)とは争族のなれの果て。

遺留分減殺請求は遺留分侵害額請求と言い方は変わりましたが、相続人間の話し合いで決着できれば遺留分侵害額請求は必要がないわけです。それができないから遺留分侵害額請求を内容証明郵便で送達することになるわけですから、もらった相続人にしても気分のよいものではありません。

一般の相続の素人が遺留分侵害額請求の知識を持ち、正確に手続きをできるとは限りませんから、やはり弁護士などに依頼することになります。そういう時は相続人同士の争族が激化することがあります。片方の相続人が弁護士に依頼をすると、もう片方の相続人も弁護士に依頼せざるを得なくなります。そうすると弁護士は依頼者の利益の最大化を目指すのが仕事ですから、双方の主張が衝突し、争族が激化することもあります。

その方が弁護士は収入が増えるため、中には辛辣な内容の書面を作成する弁護士もいます。言ってみれば遺留分侵害額請求に進むということは円満相続とは縁遠い、やはり争族のなれの果てと言えなくもありません。

◆ 弁護士は正義の味方ではなく依頼人の味方。

弁護士の利益を最大化するためには成功報酬を大きくすることです。依頼人の利益を最大化することが自身の利益に直結します。弁護士もビジネスですから決して公平なジャッジをする立場ではありません。

また弁護士は法律には明るくても不動産鑑定の専門家ではありません。不動産の鑑定評価は不動産鑑定士により評価額が変わるものです。それだけではなく不動産鑑定には評価額を下げる裏技もあります。相手方が提出してきた不動産鑑定書をそのまま公式書類のように、うのみにする必要はありません。

遺留分減殺請求に弁護士が絡んできたからといって弁護士の主張に巻き込まれてはいけないのです。物事には常に別の見方や意見もあるということを押さえておく必要があります。

◆  遺留分の金銭請求と現金支払いが可能に。

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一般的な感覚ではピンとこないのですが、遺留分を請求者に渡すルールは現物返還が基本的なルールだったのです。

遺産が家屋敷ならその持ち分を共有することになります。自社株だったら自社株の現物を渡すことになります。

遺留分の金銭での支払いは例外だったのです。これはもめ事を先送りしているようなものです。遺留分権利者にしても現物支給では厄介な荷物を抱えることになりかねません。売れない不動産を引き継げば逆に固定資産税などの負担が増加してしまいます。

今回の改正で「遺留分侵害額請求」と呼称がリニューアルされましたが、遺留分権利者は、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いのみを請求することができるようになりました。これまでのような現物返還は一切認めないということなので、支払うべき現金がないと逆に困ることも起こります。

遺留分権利者から遺留分侵害請求を受けた相続人はキャッシュで支払うことができない場合、支払いを猶予してもらうほかないです。これは裁判所に請求して認めてもらうことができます。こういうことがあり得るからこそ生命保険でキャッシュを用意する必要があるのですね。

契約する生命保険は基本的に終身保険でよいのですが、被相続人が契約者でかつ被保険者、受取人指定は遺留分侵害請求を受ける可能性のある相続人にしておきます。被相続人が自分の書いた遺言書で後に残る相続人が遺留分侵害額請求を受けて困るようなことを避けるには、生命名保険で対策をされるのがベストです。

◆  遺留分の特別受益もち戻しの時効。

遺留分の計算というのはそれまでの家族の清算でもあります。遺留分の算定の基礎になる特別受益のもち戻しは時期や金額にかかわらず、すべてもち戻しに算入されていました。嫁入り道具からローンの頭金、海外留学の費用まで含まれます。当然、事業承継のために贈与した自社株も含まれます。もち戻しで自社株は現在の時価評価になります。自社株を安い時期に後継者に贈与していても、遺留分を侵害してもち戻し評価になると、自社株はとんでもない額になっているはずです。

相続における特別受益の恐怖については以下の記事をご参照ください。

■特別受益と遺留分減殺請求は経営者の落とし穴。

■特別受益の泥沼相続。

■相続┃特別受益持ち戻しの恐怖。

今回の改正では遺留分に算入される特別受益(生前贈与)のもち戻しの範囲が相続開始前10年間に限って遺留分の対象財産とするとされました。ということは10年以上前なら特別受益にあたる生前贈与は遺留分算定に関して時効となるということです。この10年が長いか短いかはわかりませんが、自社株贈与をするなら早いうちが良いわけです、それも相続発生の10年以上前がベターというわけです。

死期は自分で選べませんから、生命保険の加入と自社株贈与はできるだけ早い時期にされると後々の憂いが少なくなるというものです。

◆ まとめ

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遺留分制度の見直しに関する改正民法は、2019年7月1日より施行されています。

遺留分の現金支払いは一見、使い勝手のよい改正に思えます。しかしよく考えれば、換金が難しい家屋敷のような不動産を相続した相続人にとれば、遺留分権利者に遺留分を請求されると手許キャッシュが足りないときは困ったことになります。

やむを得ず不動産を売却すれば、譲渡所得税までかぶることになります。仮に相続した不動産を売却して換金することで遺留分侵害額請求に応じるとしても、不動産の売買は買い手も必要ですし、売買には時間もかかれば、こちらの希望価格で売却できるわけでもありません。足元をみられて買いたたかれるのがオチです。

特に相続する財産が家屋敷だけの場合、今回の改正は、相続した人にとっては逆に苦しくなるかもしれません。やはり法改正後も遺留分侵害額請求という事態を念頭におきながら遺言書を書くこと、そして生命保険で対策をしておくことが重要です。

改正民法2019|遺言書の法務局保管、PC作成。

改正民法2019|自筆証書遺言の法務局保管・財産目録PC作成。

DSCF1887民法の中の相続に関する規定が改正され、相続のための手続きが簡素化されたり便利になったりしています。

中でも自筆証書遺言の法務局保管という新しい遺言管理制度と遺言の中の財産目録をPC作成可能に変更されたことは大きな改正と言えると思います。

民法改正の主な項目をあげました。今回は「3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。」についてです。

1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。
2)預貯金の仮払い制度の創設。
3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。
4)遺留分制度の見直し、金銭請求。
5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。
6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

遺言作成で手間がかかるのが財産目録ですが、財産は時間が経過すれば変化します。その都度全文を書き直すのは骨が折れます。PC作成なら変わった部分のデータだけを修正しプリントアウトすれば簡単です。

自筆証書遺言の法務局保管制度と財産目録のPC作成により遺言書を作成する人が増えることが期待できます。まだ施行されていない制度もありますが、できるだけわかりやすくまとめてみました。

◆ 遺言書が一般的でない理由。

被相続人の意思は遺産分割協議より重いので、被相続人の意志を明文化した遺言書には相応の法的な拘束力があります。形式要件が揃って家庭裁判所の検認を受けた遺言書があれば遺産の名義変更などはスムーズに進みます。

しかし遺言書は思っているほど一般的ではありません。55歳以上を対象とした遺言書に関するアンケートでも85%の人が遺言書を作成したことがなく、60%以上の方が作成する気もないという結果が出ています。実際に有効な遺言書を作成される割合は2割もないのかもしれません。

この結果は意外というより普通なのではないかと思います。なぜならhokenfpは相続税がかからなくても、今すぐ遺言書を書くように言い続けてきましたが、自問すると作成する気もない60%に入るのかもしれません。全く矛盾しますが、遺言書が一般的でない理由の本質があります。

被相続人にすれば遺言書を書くことは結構ハードルが高いというだけでなく、自分の家族だけは争族にはならないという楽観があり、さらには自分の死後のことですから真剣になれないと言うこともあるように思います。

◆ 遺言書のまとめ記事はこちら。

■遺言書の誤解、遺書の無力まとめ。

遺言書に関してずいぶん記事を書き貯めました。でもまだ自分の遺言は書いたことがないのですが、書き方のポイントはわかりました。

相続人にすれば遺言書は判決文書のようなもので、親が自分のことをどう評価していたかはっきりわかります。

遺言書を書くべき経営者が遺言書を先送りする理由もわかるようになりました。親は相続人やその孫に対して判決など下せないのです。そこに悩みが深まる理由があります。揺れ動く被相続人の気持ち、遺言書の重要性、遺言書を書けない理由が記事にはまとめてあります。書けそうで書けない遺言書、せめて財産目録だけでも整理すれば気持ちの整理もつくというものです。

◆ 自筆証書遺言のリスクを軽減する法務局保管制度。

公正証書遺言は安全確実ですが、証人2人が必要ですし費用が財産額に応じてそれなりにかかります。また遺言の内容を修正するときにも同様の手間と費用がかかります。よほど莫大な財産があるか、もめそうな家庭でもない限り簡単には使いにくい制度です。使いにくい理由の本質は意外と自分の財産を証人や公証人に知られたくないという人間不信に根差していることがあるような気がしています。

公正証書遺言の費用と証人(遺言書に書く財産の合計額)

手数料
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円

総財産が1,000万の方が1,7000円払って証人を2人も頼んで公正証書遺言を残そうとするでしょうか。財産が仮に1000万としても財産の内訳には家屋敷もあるでしょうから手持ちのキャッシュはそれほど余裕があるとも思えません。やはり公正証書遺言は事業承継などがからむ資産家向けの制度としては有効だと思います。

今回の改正により自筆証書遺言の弱点が補われることになります。単に保管するだけでなく自筆証書遺言の弱点である形式要件を確認してくれます。

また法務局が受け付ける段階で作成者の本人確認や形式要件の確認を行うため家庭裁判所の検認は不要になります。もちろん紛失や偽造、破棄などの心配をする必要がなくなります。

まだ始まっていない制度ですので、運用手順の詳細はわかりませんが、これは遺言書を書こうとされている方には朗報です。いまから財産目録を整理し遺言書をかいて準備しておくとちょうどよいのではないかと思います。

自筆証書遺言の法務局による保管制度は、作成した遺言書とエクセルで作成した目録に自筆で日付と署名・押印したものを封筒に入れ、封をせずに法務局に持っていけば相続開始まで保管してくれます。法務局では原本を保管するだけではなく画像データとしても保管してくれます。また相続が開始すれば相続人の申請によって写しを送ったりデータを公開したりすることになっています。

誰か一人の相続人が申請を行ったら他の相続人にも通知されます。抜け駆けはできないようになっています。費用面ではまだ明らかでないところもありますが、公正証書遺言よりははるかに安価であると予想できます。また保管された遺言書の内容は相続が開始しない限り相続人が申請しても公開されません。

◆ 財産目録のPC作成は超便利。

DSCF1890遺言書の一部をPCで作成することができるようになりました。

財産目録のPC作成とは、財産のリストをエクセルで作成すると言い換えてもよいと思います。

財産というものは毎年変化していくものです。正確な遺言書にするためには見直し・修正が必要になりますが、財産目録のリストを手書きで作成していると書き直しの手間が半端ではありません。

財産目録をエクセルで作成するときれいに作成できますし、内容の修正や追加が容易です。遺言書の本文は被相続人本人の自筆でないと認められませんが、財産目録をエクセルで作成し、添付できるので、財産内容が変わればエクセルを修正してプリントアウトすればOKです。

これだけでも価値ある改正です。遺言書作成のハードルを下げる効果があると思います。

遺言書を書く気のない方でも財産目録は一度整理しておく必要があります。所有する財産をエクセルのシートにまとめると頭がすっきりします。精度をあげるためには所有する不動産などの登記簿をあげて確認するとよいと思います。また生命保険なども「契約内容のお知らせ」が毎年届いていると思いますから、保険証券と照らし合わせて証券番号ごとに整理すると生命保険の見直しが必要になったり、問題点が見えてきたりすることもあります。

田舎などでは耕作放棄田や山林がありどこにどれだけの不動産があるが把握できていないこともあると思いますが、一気に整理がすすみます。できれば若干お金はかかりますが、公図もあげて位置を把握しておくとよろしいかと思います。

遺言書を書くのがベストですが、仮に遺言書は書かなくても財産の整理ができていると遺産分割協議がスムーズに進みます。

hokenfpも遺言書を書くような資産家ではないですし、争族になるような家庭でもないのですが、自分と家内と合わせた田舎の不動産を整理し固定資産税納税通知書をたよりに登記簿を上げて確認しました。整理ができるとそのことは頭の中の引っ掛かりがとれてすっきりします。エクセルのリストと登記簿、公図を残しておけば、一旦忘れても差し支えなくなります。

従いまして、相続財産が多ければ多いほどありがたい改正です。財産目録のエクセル作成は超便利と申し上げておきます。

ところが、資産家ほど秘密主義でPC苦手で、エクセルが使えなかったりします。財産リストは人任せにできないが(相続人に見せたくないという心理があります。)、自分で作成するほどのPCスキルがないという場合は一刻も早くパソコン教室に通ってください。エクセルで財産目録を作成できるという改正はそれだけの価値があります。

◆ 遺言書の法務局保管と財産目録のPC作成、まとめ

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財産目録のPC作成に関する改正施行時期は2019年1月13日ですから、以後の遺言書作成には有効です。

エクセルのフォームや書き方、項目などは他のサイトに譲りますが、きれいに枠を作成する必要はありません。

財産としてその物件が確実に特定できることが重要です。生命保険でしたら保険証券番号、不動産なら地番が一番大事な項目になります。

作成した財産目録を相続人に見られるのが嫌な場合は、PCかエクセルファイルにパスワードをかけておいてくださいね。パスワードは付箋に書いてモニターに貼り付けたりせずに、忘れないようにご自分の手帳にメモしておいてください。

自筆証書遺言の法務局保管制度はまだ施行されていません。予定では2020年7月10日から施行されることになっています。それまではお書きになった自筆証書遺言は金庫にしまっておいて健康に気を付けて下さい。

この制度が有効に機能するのであれば、わざわざ高いお金を払って公正証書遺言にする必要がなくなります。公正証書遺言は変更手続の手間が大変です。よほどの財産家で、もめ事が予測される場合とか、事業承継に関係する内容が記載されているような場合に限定されるのではないかと推測しています。

また法務局で遺言書の管理が完結しますので、家庭裁判所の検認が不要になれば相続手続きがスムーズにすすむものと思います。

改正民法2019|相続時、預貯金の仮払い制度。

改正民法2019|預貯金の仮払い制度の創設。

DSCF1881生命保険を扱う立場の方は売る側でも買う側でも相続に関する基本的な知識が有益です。相続に関する決まりごとは民法に規定されています。

その民法が2018年7月に40年ぶりに改正されることになりました。前回から改正民法のポイントを順に、実務話を交えながら解説しています。

hokenfpは保険を買う側であり税理士や弁護士、司法書士のような士業でもありませんので、手続きを売り込んで金にしようという立場ではありません。検索していると解説しながらも実は売込みのビジネスサイトがほとんどです。情報を入手するためにはよいのですが、実際は手間のかかるそんなことまでしなくてもクリアできることも多いのが本当のところです。

民法改正の主な項目をあげました。今回は「2)の預貯金の仮払い制度の創設。」についてです。

1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。
2)預貯金の仮払い制度の創設。
3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。
4)遺留分制度の見直し、金銭請求。
5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。
6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

◆ 葬式代は早めに下ろしておくこと。

突然の事故や急病による死亡では、事前の準備ができていないと思いますが、通常は病気をされ入院されておれば病状は把握できているものです。医師の判断を聞きながら、早めに必要な額のお金を手元に置いておくことが安心です。

金融機関は立場上相続が発生したことを知れば被相続人の口座を凍結せざるを得ません。相続税がかからなくても相続財産は相続人に権利がありますから、相続人が勝手に引き出したのでは公平性を欠くことになります。固いことを言えばそうなりますが、相続人となった兄弟姉妹で、相互不信がない限り誰かに任せて信用するのが普通の家族です。

金融機関はこちらから通知しないと相続発生を知ることはありません。役所からも葬儀屋からも通知したりしません。ただ新聞に訃報が掲載されたり、地域のケーブルテレビなどで訃報を流したりするような地方では知ることができる可能性はあります。

普通、金融機関は相続発生を家族から知らせないとわかりませんから、相続が発生してもキャッシュカード(金融機関により限度額はありますが。)で下ろせばよいのです。田舎のJAやゆうちょ銀行なら家族が代理人となり印鑑と通帳持参で下ろしに行けば委任状がなくても顔パスで手続きしてくれるところもあります。

注意すべきことは、平成28年の最高裁の判決で預貯金債権が遺産分割の対象となる判例から金融機関は融通を利かしにくくなってきています。もともと相続人は、法定相続分に応じた払戻しを請求する権利があり、配偶者や子は相続人として当面の生活費や葬儀費用の払戻しをすることができると考えられていました。しかし最高裁決定において、預貯金債権が遺産分割の対象に含まれるとされたため相続人全員の同意が証明できなくては払い戻すことが認められないとされたのです。

裁判所は実情を知らないので無茶な判断をします。結局、配偶者や子の相続人が当面の生活費や葬儀費用に充てるため当座のお金を下ろすことが難しくなったわけです。

その穴埋め制度として仮払い制度ができたわけですが、よくよく考えると葬式代を残しただけの貧乏家族には役にたたないなまくら制度です。たぶん実際の場面では新しくできた預貯金の仮払い制度を活用するケースはそれほど多くないのではないかと推測します。

結論から先に申し上げますが、金融機関に気づかれないうちにさっさと必要額を下ろして用意することです。

◆ 預貯金の仮払い制度の内容と手続き。

DSCF1886仮払い制度以外に、家庭裁判所に仮払いの申請をすることができますが、相続人全員で審判や調停の申し立てを行わねばならず実際に使える仕組みではありません。

ただ預貯金の仮払い制度と言っても金額の制限もありますし、法定相続情報をそろえる必要があり通常の相続で金融機関に提出するのと同じだけの手間がかかります。比較的シンプルな家計でも相続情報をそろえるためには相続人全員の戸籍謄本と履歴をさかのぼった原戸籍を被相続人の親元の役場まで取りに行く必要があります。

込み入った家系だと時間も手間もはるかにかかります。金融機関にも平日に2度3度行かなくては処理が終わりません。会社勤めに方には相当な時間的負担になりますし、こんなに手間がかかったのでは葬式代の支払いが間に合いません。

仮払いの限度額は金融機関ごとに150万となっていますが、これは余裕の預貯金があっての話です。計算では預金残高が900万以上ないと150万が下ろせないのです。

計算式は預金残高三分の一が対象額となりそのうちから相続人の法定相続分に限られます。子が2人なら半分ということになります。預金残高が900万で、対象額が300万、その法定相続分は半分で150万というわけです。

預金残高×1/3×法定相続分=上限額(相続人一人あたり)

家族葬が多くなったとはいえ葬式代はなかなか150万におさまりませんし生活費も必要です。残高が葬式代という方は、例えば300万残高があったとしても50万しか下ろせないことになります。長年老後生活をして病気をすると家屋敷があってもキャッシュはそれほどない家庭がほとんどでしょう。年金生活でお金がたまるわけではありませんからね。

考えてみれば、多くの老後貧乏所帯には役に立たない制度というより下手をすれば足かせになりかねません。聞くところによると金融機関は仮払い制度導入に合わせて従来の「便宜払い」を見直すところもあるそうです。庶民の実態を知らない制度改革は悲劇です。

◆ 金融機関は相続発生を知りません。

そういうわけですから、せっかくの民法改正で預貯金の仮払い制度がスタートすることになりましたが、実務的には金融機関を含めて対応はこれからになると思います。

相続はいつ発生するか予測できませんが、近々にご予定がある方は預貯金の仮払い制度に期待せず金融機関の残高を確認しながら早めの引き出しをされることが大事かと思います。

何度も申しあげますが、金融機関は相続発生を知り得ません。暗証番号は必要ですが、キャッシュカードなら下ろせます。ただ一日の利用限度額が最大で50万だとすると何日かにわけて下ろす必要がありますのでご注意を。

また老婆心ながら申し上げておきますが、士業の方に相談するとビジネスですからあらゆるリスクを並べたてます。お金を必要額下ろすだけなら士業の先生に相談することもありません。

金融機関などの相続の手続きは手間がかかりますから、時間がない方は自分の時間をお金で買うつもりで士業の先生を利用されることは否定しません。

◆ 介護費用も葬儀費用も領収書をきちんと残す。

念のために申し上げておきますが、下ろしたお金を何に使ったかきちんと領収書を残しておくことです。領収書がない場合でも別紙に出金記録を必ず残します。介護費用も葬儀費用もわかりやすく整理しておくことが大事です。もめる家庭も、もめない自信がある家庭もお金の出入りを明確にすることが円満の秘訣ですね。

◆ それでももめそうな家庭は預貯金の仮払い制度を活用。

下ろしたお金の管理がきちんとされていてももめるときはあります。預貯金の仮払い制度は必要な情報さえそろえば相続人一人で手続きできます。(相続人の戸籍謄本を依頼するので目的は明かす必要があります。)たとえ一人で自分の権利だけを仮払い制度を利用するにしても他の相続人に連絡して了解を取っておくことが大事です。

葬式やその後の法事で顔を合わせるでしょうから、預貯金の仮払い制度で下ろしたお金の使い道まで説明しておくと安全ですね。

◆ 預貯金仮払い制度の使い勝手、まとめ。

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預貯金の仮払い制度は新しく始まりますから、金融機関も対応に追われているところでしょう。実務的には使い勝手が必ずしも良いとは思えません。当座の葬式代と生活費があれば使わずに済ませたいところです。

金融機関がどのような対応をするのか今のところ見えていません。例えば「便宜払い」をやめてしゃくし定規に口座凍結をして遺産分割協議書を求めてくるのか、預貯金仮払い制度を前面に立てて融通を利かさなくなるのかわかりません。

金融機関によっても手続きの手順や手間が変わりますから、それにも影響を与えると思います。圧倒的に手間がかかるのがゆうちょ銀行、JAは組合員相手には丁寧に対応します。一般の銀行も似たようなものですが、預貯金仮払い制度で必要になる相続情報は、仕事を持つ身の上では有休を2日~3日ぐらい取らなくては進みません。相続が発生すればそんなことをやっている時間はなく支払いが来ます。

ゆえに手元資金が心もとない時は、早めの引き出しで必要額を工面することが大事であるとアドバイス申し上げます。

改正民法2019|配偶者居住権。

改正民法2019|配偶者の生活を守る配偶者居住権を新設。

DSCF1883生命保険にかかわることは人の生死にかかわることでもあります。そのため人が死亡することで保険金が支払われたり、生命保険契約そのものが相続財産になったりと、生命保険と相続は切っても切れない関係があります。

生命保険を扱うものは保険の知識だけではなく、相続の知識も深めておかなくてはなりません。その相続を規定する民法が2018年7月、40年ぶりに改正されることが決まりました。改正の内容によって施行開始は、2019年1月から順次適用が進み、2020年(令和2年)7月にはすべての制度が改正民法に移行することになります。

保険の話も交えながら、改正民法のポイントをチェックします。この改正によって今後の相続はどのように変わるのでしょうか。報道などからなんとなくわかっているつもりの内容を、いざというときに困ることがないようできるだけコンパクトにまとめてみました。

◆ 民法改正の主な内容は以下のようになっています。

 1)配偶者の居住権を保護「配偶者居住権」の新設。

2)預貯金の仮払い制度の創設。

3)自筆証書遺言の法務局保管制度の新設。財産目録のPC作成。

4)遺留分制度の見直し、金銭請求。

5)相続財産の所有権に登記や登録を重視。

6)相続人以外の特別寄与分の請求権。

今回から、項目ごとに順次記事をアップする予定です。専門家というわけではないので、詳細な内容は他のサイトに譲り、コンパクトかつ実務的な内容を心がけました。参考になれば幸甚です。

◆ 配偶者居住権とは。

配偶者の生活を守るために新たに配偶者居住権が創設されました。居住権とは住み続ける権利であり、所有権とは異なります。平たく言えば家賃がいらない生涯借家権のようなものでしょうか。この制度では相続に不公平が出ないよう配偶者が得るのはあくまでも居住権だけで、不動産としての家の所有権は別個の資産として分割して相続できます。

ただ所有しているからと言って売り飛ばして現金化することはできないわけです。相続したのは不動産の負担付所有権ということになります。

相続税がかからない方々のほうに影響が大きい配偶者居住権と言えると思います。相続税を払うほどの資産家であれば、遺産分割で残された配偶者が住む家を取り上げられるようなことになりません。住む家以外に分けるものが少ない相続で、現金や生命保険などの代わりに渡すものがない時に配偶者居住権がものを言います。

ただこの制度は内縁の妻など法的な配偶者でない人には適用されませんから、そういう場合は先立つ被相続人が、連れ添った内縁の妻や愛人に配慮した遺言書を残す必要があります。

◆ 配偶者居住権がない相続では。

配偶者居住権がないからと言って母親を追い出すような相続人はそんなにいないとは思いますが、後妻だったり、仲が悪かったりすると家を売らざるを得ないとか、家に住み続ける代わりに生活に必要な資金をそっくり渡さざるを得ないとかいうことが起こります。相続人の中には金に困っている子もいるかもしれません。事業に失敗して急場の資金が必要な子もいるかもしれません。マンションのローンの残債に苦しんでいる子もいるかもしれません。

背に腹は代えられない骨肉の争いも相続では発生します。家裁の調停まで行く事例が多いことでもよくわかりますが、配偶者居住権がない相続では、もめることが多かったため創設されたと言うことができるのではないかと思います。

◆ 他の相続人は負担付所有権を相続。

DSCF1880他の相続人は法定相続に従い相続すれば負担付所有権を相続することになります。

金に困っていなければ一旦配偶者(母親)に相続しておき二次相続の時に売却すれば問題は起こらないのですが、相続人にすれば、それができない金銭的事情があるから相続の権利を主張するわけでしょう。

そういう相続で配偶者居住権を主張されたら負担付所有権というのは、借家と同じで価値がずいぶん低くなりそうです。

金に困っている相続人は負担付所有権を担保にお金を借りることはできるのでしょうか。居住権を相続した配偶者がなくなれば権利は喪失すると考えられますが、借家権のように権利の期限が明記されていればいいですが、配偶者居住権は半永久的、配偶者が存命している限り続きますからお金が借りられるとしても担保価値は下がるでしょうね。

◆ 配偶者のもち戻しの優遇条件。

相続には相続人間の公平を図るため「特別受益のもち戻し」という怖い制度があります。特別受益とは生前に被相続人から贈与を受けた分も相続財産に持ち戻して公平に再分割しなさいという制度です。誰にも覚えがあると思いますが、親からローンの援助をうけたり、家の頭金を出してもらったり、海外留学の費用を負担してもらったりというような費用はもち戻しの対象になります。

しかし被相続人がなんだかの方法でもち戻しを免除するという意思表示があればもち戻しは不要になります。これを拡大解釈して生前に配偶者に対し居住用の不動産が贈与されていた場合に、被相続人がこのもち戻しの意思表示をしないで亡くなった場合でも配偶者だけは婚姻期間20年以上であれば居住用不動産のもち戻しが適用されないという優遇条件が加わりました。

メモでも口頭でも贈与契約書でもよいので一言「もち戻しを免除する。」と被相続人としての意思表示をしておけば、もともと問題になることはありません。

◆ 配偶者居住権のまとめ。

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今回は改正民法の項目の中から配偶者居住権について書きました。こういう制度は施行後、実際の場面ではいろいろ未設定の問題がでてきます。

しゃくし定規にいかなかったり抜け道があったりすることがよくあります。今後の高齢化社会に向けて必要な法整備が一歩進んだといえるのではないでしょうか。

補足として申し上げることがあります。遺言書や遺産分割協議の結果、もし住居に関して配偶者の相続分がなくなったとしても「短期居住権」が与えられることになりました。これは最低6か月間、それまでの住居に継続的に住まいする権利を保証するものです。この権利は相続財産として評価されません。

6か月後の後はどうするのか、いらざる心配をしていますが、今回の改正で配偶者の老後の住居には一定の保証が加わりました。

これにより家族関係が円滑でないような家庭で相続が発生した場合、配偶者が突然住むところを失い路頭に迷うことはとりあえず防げるようになりました。ここは過去形で書いてはいけませんでした。この制度は2020年4月1日までの施行が予定されていますので「防げるようになる予定です。」と書くべきです。ただ相続発生時期は配偶者に選ぶことはできませんから雲行きが怪しくなる前に遺言書を書いてもらうことが重要ですね。

遺言書の誤解、遺書の無力まとめ。

遺言書の誤解、遺書の無力、記事のまとめ。

CIMG3614遺言書については過去に何度か記事に書きました。そして遺言書は元気なうちに!と何度も進言しました。それでも遺言書が書けない理由を問いただすと、なんと遺言書と遺書の区別がついていないのです。

遺書の間に「言」の一字が入るだけで遺言書は意味も役割も機能も全く異なります。

関連記事を検索しても専門家以外のサイトでは完全に混同が見られます。誤解の多くは遺言書も遺書扱いで最後に言い残す言葉になっています。

世間一般では遺言書が家庭裁判所の検認を必要とする厳格な法律文書であるという認識がありません。故人の思いを伝える私的な手紙と区別ができていないのです。考えてみれば遺言書にかかわる専門家でもないとエンディングノートと同じで単に最後に書き残す家族への手紙としか考えないと思います。

Wikipediaには遺言のことを「日常用語としては形式や内容にかかわらず広く故人が自らの死後のために遺した言葉や文章をいう。」とあります。民法で言う遺言と日常用語としての用途が混同を招いているようです。

世間には無理解からくる遺言書の誤解があります。手順を踏んだ遺言書には法的な拘束力がありますが、遺書は遺産分割において個人の気持ちは伝えられますが、ほぼ無力です。

遺書と遺言書の区別がつかないと遺言書を遺書のように死ぬ間際に書くものと思いがちです。遺書は病気で先が長くない人や自殺者が思いを書くもの、遺言書は民法に定められた遺産の分割を指定することができる法律文書です。

◆ 遺言書記事のまとめ

今回は過去に書いた遺言書に関する記事のまとめになります。読みかえしてみると重複する部分もありますし、誤字脱字も見かけますが、我ながらよく切り口を変えて書いてきたものです。

その中で主張していることは、遺言書が世間にいかに理解されていないか、いかに有効に利用されていないか、そして遺言書が手遅れになるケースがなんと多いことか、ということです。興味がある記事があればご一読ください。

 ■遺言書は保険。

CIMG3381遺言書が書けない理由を箇条書きにしました。遺言書が書けない、取り掛かれないあなたの自己分析に役立つと思います。普通の家でこそ書いてほしい遺言書。遺産5,000万以下で76%の争いがあり、家裁調停まで進んでようやく遺産分割成立となっています。

 ■遺言書の勘違い総まとめ。

CIMG3316ゆえに田舎でも都会でも遺言書。金持ちでも貧乏でも遺言書。悲しいかな人は道はゆずり合えても財産はゆずり合えないのです。二次相続にこそ遺言書。えっ!過料を払って遺言書を確認する、奥の手まで書いています。

 ■生命保険の見直しと遺言書はお盆に!

CIMG3200お盆は遺言書を書くチャンス、ついでに生命保険の受取人も見直すことが必要です。相続は家族の札束の奪い合いです。なんと言っても争族防止の切り札は遺言書です。お盆はご先祖様を迎え供養する厳かな時です。

■遺言書が絶対必要な理由。

CIMG3122遺言書が絶対必要になる7つのケースをまとめました。配偶者、内縁の妻、おひとり様遺贈、自社株相続、不動産、お二人様相続など遺言書がないと起こりえる悲劇があります。遺言書を書くことで、家庭円満と世界平和が維持されるということです。

 ■遺言書が書けない本当の理由。

CIMG3086やる気がでない本当の理由、遺言書が書けない理由を応用行動分析の視点でまとめました。遺言書を書くメリットを強化する必要があります。まず財産目録をエクセルでまとめることから始めてください。

 ■遺産分割協議は法律行為|遺言書は法律文書。

CIMG2909遺産分割協議や遺言書は民法に定められた法律行為。生命保険の確認と遺言書の検認はお早めに。遺言の検認には2か月かかります。遺言があったとしてもゆっくりしている時間はありません。10か月以内に話をまとめ申告する必要があります。

 ■遺言書優先の原則と遺産分割協議の矛盾について

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遺言書と遺産分割協議の優先度を検証しました。遺言でも遺産分割協議でも争いさえなければどちらが優先でも誰も文句は言わないのですが、骨肉の争族になるなら遺言書が優先になり法律文書としての力を発揮します。

 ■遺言書、書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

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遺言書が絶対必要なのにどうしても先送りして遺言書が書けない経営者の話です。遺言書と遺書は区別が必要、遺言書を書くには気力と体力と知力がある元気なうちに書くことです。認知症や物忘れは静かに密かに近づいてきます。

■遺言書とはグレーなものに白黒をつけること。

cimg2517遺言書が書けない本当の理由は、相続人への思い、孫の可愛さが日々揺れ動くからです。遺言書を書くためにはグレーな心の内を白黒はっきりさせることです。ご自分の気持ちに決着をつけないと迷い続けて遺言書を書くチャンスを失います。

 ■遺言書は元気なうちに遺書は間際に生命保険は早めに!

CIMG1759遺言書は頭が明晰で体力のあるうちに、遺書は間際に書けばよろしい。生命保険の保障額や受取人は早めに見直しておくことです。遺言書がないと争族になり、情けないことですが果ては縁切り法事になります。

 ◆ 遺言書の誤解と威力、まとめ

遺言書があると開封せずに家庭裁判所の検認を受ける必要があります。検認とは難しい言葉ですが、相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせるとともに、家庭裁判所で遺言状の形式要件を確認します。

遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名などを確認して遺言書の偽造、変造を防止するための手続きですから遺言の有効性や無効を判断する手続きではありません。たとえば検認では本人の筆跡確認とか相続内容の承認というようなことはしません。相続はあくまでも民法で言われる「私的自治の原則」が基本。裁判所は訴訟にならない限り介入しません。

しかし検認を受けた遺言書は有効な法律文書として相続手続きで活躍します。財産があってもなくても遺言書は争族を防ぐとても有効な手段です。エンディングノートや遺書を書くくらいならぜひ、今すぐ遺言書をおかきください。

家督相続から法定相続が招いた家族崩壊。

家督相続から法定相続が招いた家族崩壊について。

CIMG3774交通網と情報網が発達し、経済構造が地域農業から都市集中型に変わり家督相続時代の家族は崩壊し核家族化が進みました。

地方の都市や村落では人口減少が進み、シルバーマークの車ばかりが目立つようになり、耕作放棄田と人が住むことをやめた家があちこちに放棄され社会問題にまでなっています。

確かに生活は便利になり、居ながらにして世界中の情報が手に入ります。よほどの離島か山間部でもない限り流通網が発達していますから、欲しいものは手に入れることができます。

しかし家族はバラバラに住み盆暮れに顔を合わせる程度になります。親は子の心配をし、子は親の老後生活を憂いつつ、自分たちの生活を優先するしかないので、できることは限られます。

この日本社会の有り様は正しい選択だったのでしょうか。老いて気が付く社会構造への疑念はどんどんふくらんできます。保険には直接関係がありませんが、保険から相続、そして家族とつながると家族崩壊の深刻さに気が付きます。

 ◆ 家督相続時代の家族。

親に相続の話をするなど家督相続に時代にはあまりなかったのではないかと思います。家がありそれを継ぐものと、それ以外のものに分かれていた時代ですから相続の在り方も決まっていたようなものです。

他家に嫁に出した娘には嫁入り道具と持参金一式で実質的な相続放棄です。次男は分けるお金があれば近所の敷地に家を建て新屋として村入りです。それ以外は自分の器量で独立して家を構えることができれば運がいい方で、どこかの家に養子に入ることで糊口をしのぎます。

結局、地域の共同体としての村組織に力があり、その枠をはみ出ては生きていくことが難しい時代だったと言えるのではないかと思います。

それはその時代の長所であり短所でもあります。少なくとも家族は一つ屋根の下に暮らすか近所に住まいしています。老親は孫の手を引きながら散歩しています。若者の自由は制限されましたが、親が老いることに心配のない社会であったと思います。

 ◆ 法定相続時代の家族。

昭和22年に民法で家督相続が廃止され法定相続制度が導入されました。これにより配偶者や長男以外の子に相続権が与えられました。家という概念が廃れ個人の権利が伸展した結果、年齢や性別を問わず均等に財産を分ける「諸子均分相続」が始まりました。

田舎ではそうはいっても稲作農業が主体でしたから田を分けると家としての生計がなりたたなくなるため、長子相続を基本とした分け方が残っていました。「たわけもの」愚か者の意味をもつこの言葉は田を分けることはおろかであることを意味しています。

法定相続は確かに公平な財産の分け方のように思います。ところが、この法定相続は家の崩壊を促進させる一因になったのではないかと思います。

モータリゼーションが進化した時代では、日本全体が一つの枠組みとなり、高収入を得るためには学歴社会で結果を残し、有名大学を卒業し優良企業に入社することが成功への近道でした。田舎に残っても社会で飛躍することができないし、家を継ぐという概念や責任感が薄れ、長男といえども親の代からの財産を引き継ぐことができないのですから、仕方がないかもしれません。

権利が分散すると昔からの本家を維持することすら難しくなることがあります。こういった事例は相続の現場で多数見られます。いまでも長男の責任という感覚は残っています。

 ◆ 家族崩壊時代の相続。

家族が最小単位に分散し、日常のコミュニケーションが弱くなると相続での意思疎通も難しくなります。お互いを思いやる心がなくなり権利の主張が幅を利かせてきます。

家族崩壊時代の相続が争いになりやすいのはこの辺に原因があるのかもしれません。マンションに住んでいるとお隣のご主人の顔も知りません。15年住んでいても、です。ガレージであいさつもしないほど、隣人のことを知らないのです。家族崩壊だけでなく地域社会のコミュニティも崩壊の危機に瀕しているといえると思います。

一人一人は誰もフレンドリーでよい人です。でも触れ合う機会がないと知らない他人なのです。近所の人でも知らない人は他人です。他人には妙に冷たい態度をとるのが日本人の特性です。

 ◆ 親の心配は相続よりお金と孤独。

親の心配ごとは相続税の節税とは限りません。よく考えてみれば相続税を払うのは相続人です。被相続人として親が相続税を払うことはないのです。親が相続の話を本気で聞けない理由がこの辺にあるように思います。

老いていく身の心配事は老後のお金、経済力と孤独なのです。どうしても若い時のように体は無理がきかなくなり、あちこちに人には言えない不具合が生じます。生命保険の告知でひっかかるような病気も経験します。

子供たちが独立して家庭を持つと親二人暮らしになりますが、いずれどちらかが介護され先立ちます。老いての一人暮らしは、やはり孤独になります。そうなったときに必要になるものはまとまったお金です。お金がなければ老人ホームにも介護施設にもはいれません。

老いて行く親にすれば心配事の優先順位から言えば、お金と孤独、相続のことはそのあとのことです。

 ◆ まとめ。

CIMG3775子供の将来を思い一生懸命勉学の支援をし、塾に通わせ、受験に一喜一憂し有名大学に合格することが子供と自分の将来に大きく花開くと信じていた親御さんは多いと思います。

ところが有名大学に合格し一流企業に合格すると我が子は自分の手元から離れていきます。ついでに息子の嫁も孫も年に数度しか会えなくなります。

我が子の将来を思い骨身を削って支えてきたことが果たしてよかったのかどうか、気が付いた時には遅いという現実があります。

勉強なんかできなくてもよい、一流企業になんか就職しなくてもよい、近くの工場で働いて近くの嫁をもらってくれたら毎日孫と散歩できたものを。親とは悲しいものですね。

法定相続がすべての原因とは言いません。しかし法定相続は家と家族を崩壊させる一因には違いありません。せめて生命保険だけでも家族がつながるようにしっかり受取人を見直しておいてください。

借金の法定相続には理屈がある。

借金の法定相続には債権者保護の理屈。

CIMG3772相続と借金は常々関連があります。会社を経営していれば借金は避けて通れません。

また身内や親戚は借金の保証人としてかり出されることでしょう。

中には債務超過に近い会社もあると思いますから財産はあっても差し引きプラスかマイナスか判断が難しいケースもあります。

借金が遺産を上回るなら相続人は相続放棄を考えなくてなりません。

相続放棄は短い期間(3ヶ月)で判断をしなくてはなりませんし後戻りが許されません。より慎重な判断が求められます。ただ債権者としては相続人に債務を引き継いでもらわないと取りっぱぐれになり自分が苦しくなります。相続人の相続放棄と債権者の権利を見ていきます。

◆ 民法は債権者保護の立場。

日本の民法のなかに相続について定められた項目があり、相続法と呼ばれています。この民法における相続の考え方は債権者保護の立場に立っています。

お金を貸している人を債権者、借りている人を債務者とすると債務者から借金を取り立てる人が債権者と言うことになり、いかにも悪者のイメージがあります。しかし親切にもお金を貸してくれた善意の第三者ですから債務者が亡くなり相続が発生したからといって債務がなくなるわけではありません。相続財産があればそこから債権者に弁済するのが筋です。

相続人は遺産より借金が多いときは相続放棄をすることができます。しかしそれで済むわけではありません。相続順位が第一位の相続人(配偶者・子)が相続放棄をしても借金はどこまでも追いかけてきます。相続の第二順位の相続人(親)、第三順位の相続人(兄弟姉妹)に相続権が移り借金が引き継がれることになります。

仲がよくても悪くても、後々憂いがないように世界中どこにいようとも事前にきちんと相続放棄したことを伝えなくてなりません。

 ◆ 借金を集中して自己破産は奥の手か。

浅知恵が回るといろいろ考えます。遺産分割協議で事業に失敗した相続人に債務を集めて自己破産させておいて、他の相続人は相続放棄せずプラスの遺産を引き継ぐという作戦です。

遺産分割協議の知恵が勝つか債権者の権利が強いかですが、これでは債権者がたまりません。遺産があればそれで弁済せよと言うのはあたりまえです。

言い方をかえれば、相続人同士で決めた遺産分割協議の割合が第三者である債権者に有効かどうかですが、民法は債権者を保護する立場ですから、債務の分け方を遺産分割協議でどのように決めようとも遺言で一人の相続人に集中させようとも法定相続分で債務は引き継がれることになっています。

 ■生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

 ■生命保険で同居の嫁の相続悲劇は救えるか。

◆ 連帯保証の恐怖、借金も法定相続。

借金で恐いのは連帯保証人です。単なる保証人と違い抗弁ができず無条件で取り立てを受けてしまいます。知人や親戚に頼まれてよく考えもせずにハンコを押すことは危険です。連帯保証人の責任はとても重く、それは相続にも影響してきます。その辺は以下のページに詳しく書きましたので参考になさってください。

連帯保証人としての責任と覚悟を決めて連帯保証人になったとしても、そのまま相続になれば迷惑を被るのは相続人です。

■保証人の地位は相続されるという理不尽。

 ■相続人の連帯納付義務は重い。

上にも書きましたが債権者は相続人全員に対して法定相続分に応じた部分を請求することができます。もうひとつ連帯保証でやっかいなことがあります。連帯保証している債務は借金ですから相続財産から差し引けそうなものです。ところが理屈があります。

借金はもともとの債務者が返済すべきもので、連帯保証人が肩代わりするようなことになった場合は、この時点ではマイナス財産ではなく債務者に責任を持って返済してらうべきものですからプラスの財産と考えます。

債務者が破産したり死亡したりすることで返してもらう見込みがなくなってはじめて相続税の課税対象から差し引くことができるようになります。連帯保証人などは家族が知らない場合もあり、後になって連帯保証人としての債務責任が判明することもあります。

◆ 後戻りできない相続放棄。

相続放棄は相続の発生を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。一度相続放棄をすると、後で撤回することはできません。3ヶ月は長いようで短い期間ですので、その間に被相続人にどのような借金があり、連帯保証人としての債務がどれだけあるかを見極めなくてはなりません。

間違って相続放棄をしても、相続放棄をしなくても後戻りできません。後悔先に立たずですから、有給をとってでも徹底的に洗い出すことが必要です。

うちの親に限って無いと思っていても、あるのが隠し子と連帯保証人と心得て下さい。

知らぬは相続人ばかりなりです。ただ後からわかった連帯保証人としての債務は諦めるしかないのでしょうか。実際はそうとばかりも言えないので、やり方によっては諦めるにはまだ早いと覚えておいてください。

 ◆相続、生命保険が有利な理由、まとめ。

「保険は相談するな!」は保険の情報サイトですから、相続に関して生命保険がいかに有利な仕組みかについては以下にも書きました。

 ■親の借金は相続放棄しても受け取れる保険金の有り難さ。

なにがすごいかと言ってもすごいのは相続放棄しても生命保険金は受取人の立場で受けCIMG3773取ることができると言うことです。

親の借金や連帯保証による債務が遺産より大きくて相続人全員が相続放棄せざるを得ないようなときでも、生命保険金は受取人固有の財産として堂々と受け取ることが可能です。

相続財産に合算されない個人的な生命保険金を受け取る権利なのです。

ただ相続により請求権が発生しますから相続税は払わなくてはいけません。さすがに丸取りはできないのです。ただ契約者(保険料を払ってきた人)が親(被相続人=亡くなった人)で被保険者(体を提供する人)も親の場合で、生前に親が指定した受取人だけが保険金を受け取ることができます。

生命保険金と言えばサラリーマンでは一生手にすることができない一財産になることもあります。だから借金が多い親であっても、虫が好かない親であっても、親孝行は形だけでもしなくてはいけないのです。

お盆は保険を見直す好機です。

お盆は相続の話と保険を見直す好機。

CIMG3755不思議なものでお盆は相続の相談をするには最適な時期です。同じ家族が集まる長期休暇でも、お正月やゴールデンウイークでは雰囲気がしっくりこないのです。お盆と言えばやはりご先祖様を供養する時間があり、お精霊さんに手を合わせるおごそかな気持が満ちています。

普通の会話から相続の話になっても違和感を感じさせないのは、お盆という独特の雰囲気のせいだと思います。

過去にもお盆は家族で相続のことを話し合ったり、生命保険の見直しを相談したりするにはとても良いタイミングであると申し上げてきました。毎年申し上げていますが「今年のお盆こそ相続の話を!」

 ◆ 生命保険を見直すポイント。

相続では親が被相続人、配偶者や子らが相続人となると思います。親が相続のことを考える年になると、生命保険はたいていアンバランスになっています。もう子も独立して孫もできているとすれば、配偶者の生活さえ確保できれば死亡保障はいらなくなります。

保険料が負担になっているなら払込が終わっていない保険を払済にするなど、状況に合わせて見直す必要が出てきます。生命保険は人生のライフスタイルや時期に合わせて見直していくことで無駄なコストが削減できます。保障額と保険料のバランスを考えて、保障額を下げて保険料負担を軽減することが生活の安定につながります。

保障額の見直しと同時に大事なことは受取人の見直しです。保険契約時にはそのときとりあえず配偶者や子を受取人にしますが、時の経過とともに受取人を見直す必要が出てきます。たとえば受取人が配偶者になっていれば二次相続の課税対象になりますから子に変更します。また受取人が長男ばかりになっていれば、相続のバランスを考えて他の相続人に変更することも考えます。

 ◆ 保険契約の明細をエクセル管理。

保険契約の管理はエクセルがとても便利です。実は財産目録管理でもカード管理でも数が複数あるものはエクセルに整理するとすっきりします。保険契約をエクセルで管理する場合に大切なのは管理すべき項目です。参考までに項目の例をあげておきますので試しに情報を整理してみてください。頭の中もすっきりすると思います。エクセルで財産目録を作成する手始めとして、保険契約を整理してみてください。

項目としては下記のものがあれば大丈夫です。

保険種類(例 終身保険、養老保険、定期保険、がん保険、年金保険etc.)
保険名称(例 長割終身保険、みらいのカタチ、ジャスト健診断割、キュアetc.)
契約年月日(例 契約応当日を西暦で表記、2005/7/28etc.)
契約者(例 保険の所有者、保険料を支払っている契約者名を記載)
被保険者(例 加入するとき診査を受けたり告知書を書いた人)
受取人(例 契約者が指定した保険金受取人、2親等以内の血縁者)
年間保険料(例 月払保険料、半年払保険料、年間保険料、一時払保険料)
保険金(例 死亡・高度障害保険金額、保障額)
終身保険金(例 一生涯保障される保険金、定期保険部分を除く)
特約(例 払込免除、高度先進医療、医療特約、介護保障特約etc.)
払込満了(例 保険料払込が終わる年齢、65歳払込満了、終身払込etc.)
証券記号番号(例 N36572435、356-253647等各社毎の保険証券に記載)
取扱保険会社(例 ニッセイ、オリックス生命、メットライフ生命etc.)

生命保険契約の整理はある意味で相続準備ですから、みなし相続財産と引き継ぐ保険契約の区別もされるとなおわかりやすいと思います。

 ◆ 保険契約者の変更は贈与。

保険を見直すついでに契約者を変更すると贈与になる場合がありますから、下記を参考にご注意下さい。

 ■保険の支払調書で隠れ贈与がバレバレに!

念のため申し添えておきますが、生命保険契約の名義変更に贈与税の時効は適用されません。名義変更とは契約者変更です。保険会社との間で保険契約者を変更しただけでは課税当局にとっては贈与したことになりません。

生命保険がお金にかわるとき、すなわち解約返戻金や保険金を受け取った時点で贈与もしくは相続が発生したと見なします。税務署はその時点で保険会社から送られてくる支払調書を確認して贈与税なり相続税なりを課税すればよいだけです。残念ながら抜け道はありません。

 ◆ まとめ

お盆には相続の話をと申し上げておりますが、これがなかなか難しい。遺言書に書こうCIMG3757と考えている遺産分割の内容を話そうものならまだ相続も始まっていないに争族にならないとも限りません。

そうなれば生前争族とはありがたくない話です。争いにならなくても相続人どうしの関係がギクシャクすることは避けられないかもしれません。

お盆に相続の話をする場合は、相続の大きな枠組みと親の思いを伝えるだけにとどめることが無難です。詳しくは遺言書で指定することです。遺言書に指定してあれば内容に多少異存があっても生前に聞いていた親の意向として諦めがつくものです。

しかし事業承継がからんでくる場合は特別です。後継者と事業承継に必要な資産は、生前に十分親の意思を説明してはっきりしておかなくてはなりません。事業承継では単に経営者個人の相続ということだけでなく、経営している会社にかかわるステークホルダーに重大な影響が及びますから、ここは別枠で考えないといけないのです。

また相続の話になると必ず出てくるのが生命保険です。不動産や銀行預金、債券などは誰に相続させるかを考えればよいだけですが、生命保険には受取人を指定する仕組みがあります。また、生命保険金は受取人固有の財産と見なされますが、みなし相続財産として課税対象になります。お盆には保険証券や保険会社から送られてくる契約内容のお知らせをしっかり読み込んで整理しておく必要があります。

その辺は下記を参考になさって下さい。

■みなし相続財産としての保険について。

相続の話はやはり重い話になります。親も子も気になりながら切り出せないのです。それに相続権がない息子の嫁や娘婿(むすめむこ)まで納豆のようにウラで糸をひくようになると話が混沌とします。

相談とは言いながら親の気持ちをどう伝えるか、いっそ何も言わずに遺言書という選択肢も出てきます。「今年のお盆こそ相続の話を!」と申し上げつつ、無責任な自己矛盾に満ちたまとめになり失礼しました。

相続人の憂慮をよそに、親はテキトーなことを相続人それぞれに言いつつ、日々忘却の度合いがひどくなっていくというのが大方の現実ではないかと思います。

みなし相続財産としての保険について。

相続財産としての生命保険の分類について。

CIMG3748相続財産に合算される生命保険は2種類に分けて考えたほうがすっきりします。

相続財産の目録を作るときには、評価する基準が違うので別枠で書いて集計します。どこで区別するかを分かりやすく一言でいえば相続の時、死亡保険金というお金になるかならないかです。

相続財産の目録作成でみなし相続財産と引き継ぐ生命保険の違いを説明しつつ、慣れない方には意外と理解がすすまないことに気がつきました。生命保険を扱う人にはあたりまえのことなのですが、そうでない方にわかりにくいということ。

そこでできるだけみなし相続財産としての生命保険と相続財産として引き継ぐ生命保険の違いについてかみくだいて書いてみました。

 1)みなし相続財産(死亡保険金額で評価)

ひとつは親(被相続人=相続をする人ではなく死亡して財産を相続される人)が契約者で保険料を負担しており、親(被相続人)が死亡し相続が発生した時に保険金が支払われる生命保険です。

 2)引き継ぐ生命保険(解約返戻金相当額で評価)

もう一つは親(被相続人=相続をする人ではなく死亡して財産を相続される人)が契約者で保険料を負担していますが、被保険者(生命保険で体を提供する人)は被相続人でない場合(例えば被保険者が配偶者や子)です。まだ被保険者が存命中ですから死亡保険金は受け取れません。

どちらも保険料は親(被相続人)が払っていますから契約者は親(被相続人)です。みなし相続財産としての生命保険は相続発生時に生命保険金が契約で指定された受取人に支払われます。しかし引き継ぐ生命保険では相続時にはまだ保険金にはなりません。しかし引き継ぐ保険契約は相続時に保険金にはならないけれど、相続財産に含まれるということになります。

それぞれ相続財産として評価する基準が異なるので、相続が発生した時に死亡保険金としてお金になる保険と相続が発生したときお金にはならず保険契約のまま相続財産として引き継ぐ保険を区別して考えることがわかりやすくするコツですね。

生命保険は契約者が毎月、毎年保険料を払いますが、被保険者が死亡した時は受取人に保険金が支払われます。契約者が被保険者ということはフツーにあります。契約者が受取人ということも当然ありますが、被保険者が受取人ということはありません。

生命保険を確認するときに大事なことは

「契約者は誰か?=保険料負担者は誰か?」
「被保険者は誰か?=体を提供している人は誰か?」
「受取人は誰か?=保険金を受け取る人は誰か?」

ということです。ここを見れば、みなし相続財産としての生命保険か引き継ぐ生命保険かの区別をすることができます。

 ◆ みなし相続財産としての保険。

生命保険金は受取人固有の財産です。しかしみなし相続財産として相続税がかかります。生命保険金は保険契約で指定された受取人の固有の財産として判例がほぼ確定しています。相続発生で受け取る保険金ですが、相続財産ではありませんから他の相続人と分ける必要はありません。それで民法上では相続財産と考えないので、みなし相続財産というのですね。

保険料負担者(=契約者)は親(=被相続人)ですから受け取った保険金は相続財産と見なして相続税が課税されます。ただ相続税がかからない方は、生命保険金の受取りは個人で行う単独行為ですから生命保険契約の存在を知らなければ他の相続人に知られることはありません。しかし相続税がかかる場合は、他の相続人に内緒で保険金を受け取ることはできない相談です。

 ◆ 相続財産として引き継ぐ生命保険。

親が契約者(保険料負担者)で子が被保険者という保険があります。平たく言えば、親が子にかける生命保険です。親が亡くなっても保険金は出ません。子(=被保険者)が亡くなった時に保険金が出ます。相続の時には保険金になりませんから保険契約そのものを相続することになります。その場合の相続では保険契約が解約返戻金相当額で評価され相続財産として課税対象となります。相続が発生してもお金にならない保険契約も相続財産なのですね。

でもその保険契約の金額的価値を決めなくてはならないのですが、まだ受け取ってもいない死亡保険金額で評価するのはおかしいですから、相続発生時点で解約した場合いくらのお金になるかで相続財産に合算します。つまり解約はしなくても解約返戻金は保険会社に問い合わせればわかりますから、解約返戻金の評価額を証明する書類をもらっておけば大丈夫です。

親が子に変わって契約者となり子に保険をかけます。親としては子の死亡保険金が欲しいからではなく、保険契約を子に引き継ぐつもりで保険をかけます。親がかけてくれていた保険を子が相続すると子が新しい契約者となります。子は相続した生命保険の受取人を配偶者や子に変更することで、自分が万が一の保険として継続することができます。もし保険料が払えなければ解約して現金化することもできます。

 ◆ 遺言書の財産目録には保険証券記号番号をお忘れなく。

CIMG3752遺言書の財産目録を作成されている方は便利になりました。相続税法の改正により財産目録だけはPC等で作成することが認められました。

何故便利はすぐわかります。財産内容が変わった時、いちいち遺言書を最初から書き直さなくてもよくなりPC内のデータを部分的に修正するだけで完了しますからとても便利です。

ただ、相続が近い高齢の方にはこれがかなり大変な作業になる場合があります。まずPCの操作がよくわからない、人任せにできないし知られたくない、PCのモニターが見えづらい、ということがよくあります。今までPCが得意でない方はかえって手間取りハードルが高くなってしまいます。

また作成された財産目録を拝見すると、保険の区別(みなし相続財産か相続財産としての保険契約か)ができていない、保険証券記号番号が書いてないので保険契約の特定があいまいになっていたり、あるいは解約返戻金相当額の確認が出来ていなかったりなどがよくあります。また生命保険には「契約者」「被保険者」「受取人」がありますが、この関係がはっきりしないと相続財産の指定が難しくなります。

PCで財産目録が作成できるようになったとはいえ、保険契約の目録を正確に書くのは骨が折れるところです。ただ、生命保険は契約の中で受取人を指定しています。何もしなければ受取人が保険金を受け取ります。

問題になるのは保険契約で指定した受取人と遺言書で指定した受取人が異なるときは遺言書の指定に軍配が上がりますが、遺産分割協議がまとまる前に保険契約の受取人が保険会社に保険金を請求すれば保険金は支払われます。ですから、保険金の受取人は保険契約での受取人と遺言書での受取人指定を一致させておくと話がややこしくならないのです。

 ◆ 遺言書で保険金の受取人を指定。

遺言書で保険金の受取人を指定できます。しかし受取人を変更する場合は保険会社に連絡して生命保険契約の中で受取人変更をしておくことがベストです。受取人変更に費用はかかりませんし、何度でも変更可能です。受取人を複数指定することもできますし、受取割合を指定することもできます。

例えば長男に50%、次男に50%という細かい指定も可能です。保険契約の中で受取人を指定しておくことは一番確実です。保険会社は指定された受取人以外には絶対払いません。

遺言書は相続を円満におさめるためには財産の多い少ないにかかわらず是非とも作成すべきものです。遺言書では生命保険契約の受取人と食い違うことがないように、保険証券や契約内容のお知らせなどを確認し、正確にお書きいただくことが大事です。

 ◆ まとめ

CIMG3750遺言書の財産目録がPC等でも良くなったというものの、生命保険契約を正確に書くことは案外難しい面があります。

生命保険は他の財産とは違い金銭的な評価が見えにくかったり、受取人の確認が必要だったりと保険契約の中身を理解していないと財産目録に書いても明確に指定できないことがあります。

遺言書を書くお立場の親御さんは自分が死んだとき保険金が出るのか出ないかだけを見極めてください。ご自分が死んだとき保険金が出るなら生命保険金としての見なし相続財産ですので保険金の受取人を確認して保険金を相続させたい相続人に変更してください。

ご自分が死んだとき、ご自身が被保険者ではないので保険金にならない生命保険契約は権利ですから「引き継ぐ生命保険」として誰に相続させるかを決めて下さい。その引き継ぐ生命保険契約は次の代で保険金というお金にかわり子や孫の生活の助けになります。感謝されるのはずっとずっと先の法事のころですから、あきらめてください。

争族は「相続メモ」で回避できる。

争族回避は生前相続で親の意思表示が肝心です。

CIMG3669

相続と言えば遺言書のように申し上げてきましたが、庶民感覚では遺言書はまだ一般的であるとは思えません。

特に二次相続で遺言書はあまり見かけません。法律文書としての形式要件が厳しいですし、そうかといって専門家にお願いしてお金かけてまで遺言書を残そうとは思わないのが普通の感覚のように思います。

でも被相続人が何も意思表示をせずに相続をむかえると、仲のよい兄弟姉妹でも場の空気が変わり波風が立つとしたものです。親の責任として残す「相続メモ」を提案します。その際の注意点として、生命保険の名義変更・受取人変更を含めてご案内しました。ご一読ください。

◆ 争族を未然に防ぐ「相続メモ」のオススメ。

相続税がかかるか、かかからないかにかかわらず親としては遺産の分け方をご自分の意思として残しておく必要があります。誰しも寄る年波には逆らえず、いざとなったら首尾一貫したことを説明できるとも限りませんからできる限り日付の入った書面で残すことをオススメします。

遺言書でも遺書でもありません。「相続メモ」とでも呼ぶ感じで結構です。特別な経済的事情や普段から仲が悪くない限り親が「相続メモ」にご自分の意思として分け方を生前に指示しておけば争族はある程度まで回避できると思います。

相続が発生する前ではなく、さらに認知症になる前にとも言えると思います。気力もありご自分の意識や気持ちがクリアなうちに書面にしたためることが大事です。そしてお盆とか年末年始とか家族が集まるときに「相続メモ」の内容を説明しておくのです。

もりろん「相続メモ」には財産の一覧として生命保険契約も証券番号入りで指定する必要があります。それだけで安心できると言うものです。

◆ 生命保険の生前相続は受取人変更と受取人割合変更。

生命保険にはお金を払う契約者と体を提供する被保険者がいます。その他に何もしないで保険金を受け取る受取人がいます。契約者と受取人が同じことはよくありますが、被保険者と受取人は同じ人になることはあり得ません。被保険者死亡時に自分で生命保険金を受け取ることはできませんからね。

契約者と受取人は何度でも変更することができます。保険会社に言えば無料で何度でも変更OKです。赤の他人を受取人に指定することはモラルリスクがありますから変更できない場合があります。

相続が近くなると、頭がしっかりしているうちに生命保険の受取人を見直す必要があります。人生の時期により相続人のかかわりや重要性が変化し、受取人を見直す必要が出てくることがあります。受取人は何人でも指定できます。受取りの割合も変更できますから、微妙な差をつけることも可能です。

まったく遠慮なく何度でも保険会社もしくは窓口の営業職員に申し出てください。これにより絶対に費用が発生することはありません。

親が年老いても家に寄りつかない長男もいます。何かと言っては親の金を無心する次女もいます。一生懸命世話をしてくれる娘もいます。公平に受取人を指定していてもだんだんとそうはいかなくなります。少しでも世話になった子には多く渡してやりたいのが人情、自分が指定しておかないと兄弟姉妹が相続の分配で喧嘩するようなことにならないとも限りません。

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生命保険の受取人は最後に一度見直して、納得のいく分け方を指定することが、よろしいようです。生命保険の受取人は固有の権利として守られます。保険会社は契約者が指定した受取人に指定の配分以外は絶対に払うことはありませんから確実です。

保険会社の受取人指定は正式な遺言書並みに確実なのです。ただ相続メモで保険金の受取人を変更しても遺言書のような効力はありませんから、受取人は保険会社に申し出て受取人変更の手続きをしてください。その結果を相続メモに書くようにしていただければよろしいかと思います。

◆ 家屋敷などの不動産は相続メモで意思表示を明確に。

家屋敷、土地などは生前に誰に渡すかを意思表示することです。遺言書が書ければ一番良いですが、身内を納得させるだけなら自筆のメモ=相続メモでもよいのです。自分で書いて子らにきちんと説明しておくのです。不満がある子もいるでしょうが、親の意思であればまだ納得させやすいのです。生前に、それも認知症になる前に遺産の分割を指示しておくと争いは起こりにくくなります。

◆ 一次相続の所有権移転登記がまだなら生前相続のチャンス。

一次相続でまだ相続による所有権移転登記をしていない方は大勢いらっしゃると思います。特に相続税がかからないような方は片親が死んで相続が発生しても家屋敷・土地などは費用がかかるので登記を移転していないケースが多いと思います。これが二次相続の時にもめる元になります。

一次相続の時、相続税がかからない場合は10ヶ月リミットがないので登記は放置されるケースが大半です。これが実は問題になるのです。二次相続が発生する前の生前に引き継ぐ子を決めて一次相続の処理として所有権移転登記をしておく二次相続発生時にもめることが少なくなります。これは生前にできる相続メモよりもの確実な対策です。登記できるものは引き継ぐ子を決めて登記してしまいます。

相続による所有権移転登記は司法書士さんなどの専門家に依頼すると費用が発生します。また登録免許税等の費用が発生します。お金にならない家屋敷や土地を相続して費用を払うのはつらい面がありますし、その上その後の固定資産税も相続した子にいきますから、サラリーマン家庭では負担になります。

しかし、片親が生きていて頭がしっかりしている内に一次相続の登記を変更し、そのために発生する費用の分を「相続メモ」で調整したり、生命保険の受取人変更したりなどで調整してやる必要もあります。

なかなか、先立つものが少ない相続は難しいのです。また分けるものが少ないほど激し争いになることは世間の事例を見るまでもなくはっきりしています。ゆえに親の意思明確にした「相続メモ」は有効になると言えると思います。

◆ それでも相続は疑心暗鬼、ぎくしゃく、欲得のるつぼです。

そんなことはうちに限ってないとお思いでしょうが、相続はそういう安易な楽観を打ち砕きます。争族はどこの家庭にも起こりえることです。相続が見えてくると子らの頭には計算が立ちます。これは性格や人間性に関係なく起こりえる疑心暗鬼でもあります。何度でも申し上げますますが、うちに限って争族はないというのは全くの妄想です。人がいれば欲得は避けられません。

相続の本質は貧乏人の財産の奪い合いなのです。この問題だけは人間の理性を越えて、まともな人の自制心を破壊します。相続という欲得のるつぼとは経験した人だけがわかる泥沼なのです。せめて「相続メモ」で親の意思が明確であれば、納得はしないまでも自制心が働きます。

◆ 生前に遺言書でなくても正確な意思表示を伝える。

繰り返しになりますが、生前に親の意思を「相続メモ」で子らに伝えることは遺言書以上の効果があります。遺言書を書くならご自分の意思が決まっているわけですから、堂々と生前に伝えればよいのです。自分の死後に開封される遺言書はもはや死にゆくものには関係ありません。

生前に遺言書でなく正確な意思を伝えることは大きな意味があります。条件が整った遺言書は法的には有効でしょうが、所詮過去のものです。生前であればこそ自分の気持ちに沿った修正が可能になります。それゆえより確実な「相続メモ」なる提案を申し上げています。

◆ 生前相続で争族回避、まとめ。

生前相続として提案させていただいている「相続メモ」のコンセプトは、相続税がかからず日頃仲のよい家族が相続と言う関所を通ることで仲違いしないためにできるこことは何かを考え、役に立つシンプルな方法を提示することです。お金とか財産がなければ人が争う理由は半分以下に減ると思います。

もともと人間はお金という魔物がなければ皆仲良くしたいと思っています。その方が経済効率的に有利なのです。相続で争わないためには決定権のある被相続人が生前に自分の意思を「相続メモ」で明確に伝えることです。そうすれば争いごとの大半の目は未然に摘み取ることができると思います。

 

相続財産はキャッシュが一番。

相続財産はキャッシュが一番である理由。

CIMG3456資産家は相続財産が多いと節税を考えます。相続財産が少なくても相続税がかかりそうなら節税を考えます。考え方は間違っていませんが、相続対策より相続税対策と言われます。

相続税対策とは相続税の節税という意味はありますが、もう一つ相続税の納税資金確保という意味があります。

中途半端な資産家はここを間違えて節税に走ります。田舎の土地持ちは新興の宣伝上手な建設会社のセミナーで口車に乗り、親切にほだされて意味のない節税対策で納税キャッシュを失います。

ついでに資産も失い借金が残ります。田舎の法事で話題になるこの悲劇のパターンが少なくないのです。相続対策は無理な節税より納税キャッシュと生命保険です。

 ◆ 相続人には迷惑な節税対策。

被相続人は財産が多いと必死で節税対策を考え、相続のセミナーに参加しあれこれと節税対策に取り組まれます。節税対策の王道は暦年贈与と生命保険であることは何度も申し上げてきましたが、それでも手っ取り早く大きく節税するには不動産投資が有効です。

不動産に投資すればキャッシュが不動産に変わり評価が下がります。節税になりますが問題があります。その分のキャッシュを失い、実質的な価値が下がると言うことです。

価値が下がるから相続税評価が下がり節税になるのです。これは多くの相続人にとり迷惑千万なのです。節税対策はほとんどの場合、換金性の低い資産にキャッシュをつぎ込むことになります。

相続人の本音はキャッシュか換金性の高い生命保険で残してほしいとしたものです。相続人にとれば被相続人の節税対策はそれほどありがたい訳ではないのです。

 ◆ 相続税納税のための売却は最悪。

被相続人が節税対策をやりすぎたり、もとから遺産は不動産が主で、キャッシュが少ないときは遺産を分けることができませんから換金のために不動産を売却するようなことになります。そういう意味では相続税の納税は10ヶ月というリミットがありますから、不動産の売買では不利になります。

いわゆる足元を見られてしまい評価減どころではない安値でさばかなくてはならなくなることがあります。その結果相続税の納税のための不動産売却は最悪になる場合があります。納税資金さえあればゆっくり売却を考えることもできるので、まずは納税資金の確保が大事です。

◆ 生命保険は換金性が高い。

不動産ほど換金性に難がなく、相続ではいきなりのキャッシュより残りやすいのが生命保険です。相続発生で保険金が支払われるものは、そのまま納税資金にあてることができます。相続発生で現金にならずに生命保険のまま相続される場合は、契約者を被保険者から引き継ぐことになり、解約して現金化する権利は相続人に発生しますが、解約とは多くの場合受け取る金額が少なくなりますから、解約に対する抵抗が生まれます。

生命保険を活用すると代償分割のような高度な相続対策もできます。相続では換金性だけでなく節税効果も高く使い勝手が良いと言えます。詳細は各項目のリンクページをご確認下さい。

◆ 相続人の本音は節税よりキャッシュとはいえ親心。

相続人の本音を言えば、遺産とはもともとが不労所得ですから、換金性の低い資産より、たとえ割引されてもキャッシュの方が自由に使えてうれしいのです。

しかし、後のことを心配する被相続人にすれば、節税目的で換金性の低い不動産投資をする理由は、自分が汗水たらして稼いだ財産を相続人に安易に使わせたくないという思いも含まれています。

言葉が悪いので言い直しますと、人生にはお金が必要になるときがあります。本当にお金が必要になった時に換金して有効に使って欲しいという気持ちです。

外車を買ったり家を改修したり海外旅行に行ったりするようなぜいたくに遺産を使うのではなく、将来に備えて大事に残してほしいという思いがあります。親心というものはそういうものです。

◆ まとめ

相続人の本音として残してほしいものはキャッシュということは申し上げましたが、親心の想いの深さと複雑さも分からないことはないのです。事例は数ありますが、相続により一時的な所得を手にすると生活が変わる方がいらっしゃいます。成人式で暴れるのがカッコ良いと思うような低脳な御仁には、金など渡す方が悪いのですが、親バカは人類普遍の課題です。

宝くじにあたって幸せかどうかは難しいように、貧しいながらも楽しい我が家が、たまたま相続で手にしたキャッシュにより崩れていくこともあります。経営者にしても自分が苦労してためた資金でないと身につかないのです。

お金はこの世での方便です。お金は目的でも目的達成のための手段でもなく言ってみれば随伴する属性にすぎません。

よってまとめて申し上げたいことは、相続対策は相続税対策であり生命保険などで納税資金を確実に確保することを第一に考えてください。将来目減りすることも計算してキャッシュを多めに残してあげることがよろしいようです。その上で潤沢な余剰資金があるなら不動産でも骨董品でも投資して評価を下げてください。

相続人にとり相続財産はキャッシュが一番と申し上げたのは、そういう意味を含めております。

 

遺言書は保険。

遺言書は円満相続のための保険。

CIMG3381遺言書は一般のサラリーマン家庭ではあまり書きませんね。最近ではエンディングノートがはやりですが、残念ながら遺言書のような法的な強制力はありません。

相続税がかかるほど資産がないので相続対策ということが頭に浮かばないようです。

相続税対策」は不要でも相続人同士の争いを未然に防ぐ「相続対策」は必要になります。

相続財産が少ない方が争族になりやすいことは家庭裁判所の調停データが示しています。残念ながら遺言書の法的文書としての効力と遺産分割を指定することで争族を防ぐ機能が十分知られていないように思います。

資産がそれほど多くない普通の家庭では「遺言書」と「遺書」の区別すらできていないのではないかと考えられます。遺言書さえあればというケースは山のようにありますが、それでも遺言書が書けない理由があります。

■遺産分割協議は法律行為|遺言書は法律文書。

◆ 5,000万以下で76%、家裁調停で遺産分割成立。

相続人同士でお互いの欲得と利害がぶつかり合い、遺産分割協議の話し合いがまとまらないと家庭裁判所に調停を申し立てることになります。期限が限られた10ヶ月のあいだに遺産分割が決まらないと相続税ではさまざまな不利益が重なります。

相続税がかからなければ納税期限はありませんから余計に混沌(こんとん)とするようです。家庭裁判所に調停を申し立てると言うことは、相続人同士の主張が対立し争族に突入してたという状況ですから、禍根が残らないとは言えないところです。

◆ 普通のお宅でこそ書いてほしい 遺言書。

実際に家庭裁判所に調停を申し立てるのは、遺産が5,000万以下の相続税がかからない程度の資産家とは言えない普通の家庭です。少なくとも争族は資産の多い少ない、相続税がかかるからないに関係なく発生する可能性があると言うことです。

hokenfpの感覚による推測ですが、家庭裁判所に身内の争いを調停してもらうことは最後の手段だと思います。それまでに相続人同士が散々言い争いの末、けんか別れのようになり弁護士に相談した結果、家庭裁判所の遺産分割調停にたどり着くという構図のように思います。

ゆえに申し上げたいことは、相続に関する相続人同士の争いは裾野が広く、家裁調停にすすむのは氷山の一角と言うことではないでしょうか。遺産があればたとえそれまで仲のよい兄弟姉妹でも争族が大なり小なり発生するということです。

◆ 遺言書が書けない理由。

・資産が少ないから遺言書などなくても争族はおこらないと考えている。

資産が少ないので、後に残ったもので相談して適当に分けてくれれば良い。

・遺言書と遺書の区別がつかず、遺言書の法的効力を知らない。

遺書やエンディングノートのような未練を残すものは書きたくない。

・遺産分割の腹が決まらず、遺言書を書くことを先送りしている。

遺産分割を決めることは、相続人たる子の評価をきめること。差をつけるのも平等にするのも親としてためらわれる。

・遺言書の書き方や決まり事がよくわからないので先送りしている。

遺言書には種類がありそれぞれルールがあるのでよくわからない。相談する人もいない。

・公正証書遺言は費用がかかり証人が必要なのでためらっている。

安全確実な公正証書遺言は遺言の内容を他人に知られ、費用も発生する。書き直しはさらに面倒になる。

・自分はまだまだ大丈夫という健康過信がある。

気力も体力もまだまだ若い者には負けん。自分は強運であり認知症や大病、事故とは無縁である。

 ◆ 仲のよい家族がなぜ争うのか。

不思議な話ですが、仲の良い家族がお金を前にするとぎくしゃくします。決して強欲でもなければ、金に困っているわけでもない、心優しき普通の人間ですが、相続が近づくと疑心暗鬼になります。

相続が発生し、遺言書がないとなると手のひらを返したように自分の取り分を主張し始めます。相続人の子らは兄弟姉妹とその嫁婿入り乱れて特別受益(親から生前にもらった分)と寄与分(親の仕事を助けたり介護した分)を並べたてるようになります。

確かに相続というのは強く主張した分だけ分け前が多くなる傾向があります。遺産というものはかなりのまとまった金銭もしくは金銭的価値がある財産です。不動産でも売ればお金に代わります。普通の生活をしていれば宝くじにでも当たらない限り、決して手に入らない莫大な不労所得と言えるでしょう。

大金を目の前にして争うなかれと言う方が無理な話なのです。仲の良い家族が争わねばならなくなる根源にはお金という魔物があります。お金のパワーが人を変えるのでしょうか。ここに今すぐ遺言書を書くようおすすめする理由があります。

◆ 遺言書が書けない理由。

・資産が少ないから遺言書などなくても争族はおこらないと考えている。

資産が少ないので、後に残ったもので相談して適当に分けてくれれば良い。

・遺言書と遺書の区別がつかず、遺言書の法的効力を知らない。

遺書やエンディングノートのような未練を残すものは書きたくない。

・遺産分割の腹が決まらず、遺言書を書くことを先送りしている。

遺産分割を決めることは、相続人たる子の評価をきめること。差をつけるのも平等にするのも親としてためらわれる。

・遺言書の書き方がや決まり事がよくわからないので先送りしている。

遺言書には種類がありそれぞれルールがあるのでよくわからない。相談する人もいない。

・公正証書遺言は費用がかかり証人が必要なのでためらっている。

安全確実な公正証書遺言は遺言の内容を他人に知られ、費用も発生する。書き直しはさらに面倒になる。

・自分はまだまだ大丈夫という健康過信がある。

気力も体力もまだまだ若い者には負けん。自分は強運であり認知症や大病、事故とは無縁である。

 ◆ 認知症になる前に遺言書を。

前項では遺言書が書けない理由をあげました。他にも理由があるでしょう。しかし遺言書は元気なうちに書かないと書けなくなるのです。認知症になってからでは遅いのです。

仮に認知症の疑いが出てから書いても信用性を問われます。昨日までお元気な方が急になくなるような、突然の大病もあります。交通事故や災害もあります。そうなってからでは遅いのです。

大病をすると気力がなくなり責任感が薄れます。後のことは気になっても、財産目録を作成するだけのエネルギーがわいてこなくなります。

有効な自筆証書遺言を書こうとすると、形式要件が決まっていますからそれなりにやはり頭は明晰でないといけません。普通の家庭では、公正証書遺言も大げさに感じるでしょうし、費用負担も馬鹿になりません。なんとか認知症になる前に自筆証書遺言をお書き下さい。

仮に遺言書が形式要件を満たしておらず有効でなくても、相続人に自分の意思を伝えることはできます。被相続人の意思が明らかであれば、相続人に自制がはたらき、争族はある程度抑える効果があると思います。

 ◆ 生命保険と遺言書は相性が良い。

本サイトの趣旨からすれば、生命保険遺言書は相性が良いと言えると思います。

相続財産は自宅不動産にわずかな現金というパターンが多いと思います。分けるにわけられない自宅不動産は、換金するにも住むところがなくなりますから売ることもできません。昔は自宅を長男が引き継ぐとしたものですからそれでも良かったのですが、今の時代は他の兄弟が納得できるものではありません。

遺言書で自宅不動産を長男に譲るとしても、他の相続人の遺留分を侵害する場合があります。こういうときに役に立つのが生命保険を活用した代償分割という手法です。遺言書と生命保険を組み合わせて代償分割を設計し遺言書にその意思を明記することで無用な争いを避けることが可能です。

代償分割については以下のページに詳しく書きましたので参考になさって下さい。

 ■代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

■遺言書、書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

ドル建て保険が相続対策で有利な理由。

ドル建て一時払終身保険が相続対策で有利な理由。

CIMG3353生命保険は被保険者の健康に問題があると保険会社はリスクがあるので契約をお引き受けできません、と言ってきます。

相続税には基礎控除の他に死亡保険金の非課税枠が500万(相続人1人あたり)があります。しかし被相続人が健康上の理由で生命保険の被保険者になれないと非課税枠を活用した節税ができなくなります。

そこで登場するのが告知なし、ガンでも入れる無告知型の保険です。保険の形はしていますが実質的な保障性はほとんどありません。無選択型とも言いますが、認知症でなく自分の名前が書ければ誰でも入れる保険があります。

法人契約としては意味がありませんが、相続を目前にされた方には選択肢の一つには違いありません。

 ◆ 外貨建ての予定利率が高い理由。

円建ての保険商品は金利低下に伴い貯蓄性がなくなり、金融商品としてのメリットがほとんどなくなりました。しかし外貨で運用すると円建てよりはるかに利益が確保できるので保険商品も外貨建て、特にドル建て商品が円建て商品にとってかわるようになってきています。

ドル建て保険は高い予定利率で運用されていますから、為替リスクを考えても円建ての保険商品より運用に期待できます。ただ保険というのは、ある条件では良い面が別の視点ではよくない面になることが往々にしてあります。どの面の価値を見るか人それぞれというほかありません。

 ◆ 無告知型の一時払終身保険で節税。

この無告知型とドル建てを組み合わせて、それも一時払いの終身保険をすることで、先行きの短い(失礼な言い方になればお詫びします。)相続対策として保険に加入していない小金持ちの方には有効な節税対策と言えると思います。

保険会社を呼び、一時払いできる保険料を決め(相続人×500万以上の切りのよい所)提案書をもらい、申込書に必要事項を自署しお金を保険会社の振り込めば成立です。それだけのことで500万×相続人数分だけ相続財産から非課税となります。

申込書には受取人指定欄がありますから、争いにならないよう配慮して受取人氏名と受取割合を記入すれば、その通りに支払われます。生命保険の受取人指定の機能は争族防止にも有効な方法になります。遺言代わりに指定することも可能です。

 ◆ 人生には見込み違いがある。

ドル建ての一時払終身保険を契約して無事(とは言えませんが。)に相続を向かえれば予定通りの保険金が支払われ節税もできて、あの世で安堵することもできるでしょうが、人生には見込み違いがあります。

財産は長生きすれば目減りするかもしれません。持っていた株価が下がるかもしれません。思いがけない医療費がかかることもあります。災害ですべてを失うこともあります。よくある話として相続税がかかるかどうかの小金持ちは生前贈与とばかりに上げすぎることもあります。

ばかばかしいとお思いでしょうが、相続税がかからなくなるどころかお金に困ることすらあるのです。その時に相続税の節税の意味がなくなったからといってドル建ての一時払終身保険を解約するとき損をすることがあるのです。

 ◆ 市場価格調整(MVA)のリスク。

外貨建ての保険のほとんどは途中解約するとき市場金利の影響を受けます。それを市場価格調整と言いますが、提案書の隅の方に小さな字で説明書きがあります。詳しい説明は他のサイトに譲りますが、ドル建て保険の途中解約には為替リスクの他に市場価格調整リスクがあります。

下手をすると資産運用どころか元本割れすら起こります。市場価格調整は為替と同じで儲かるか損をするかは相場任せです。損をするときもあれば得するときもあるのでよし悪しは論じられません。

でももともと資産運用が目的でないなら途中解約は避けなくてはなりません。ドル建て一時払い終身保険の減額、解約リスクは契約する時点で頭に入れておかなくてはなりません。

こく一部には市場価格調整がないドル建て一時払い終身保険もあります。リスクは下がりますがリターンも下がります。相続対策が目的であれば、途中解約リスクを考えたくないところですが人生山あり谷ありです。用心するなら市場価格調整がないドル建て一時払い終身保険で生命保険の非課税枠を確保するということもありです。

 ◆ まとめ

いろんなケースを見てきましたが、老後生活ではどんどん蓄えが減っていくのです。長生きこそ本当のリスクかもしれません。わが子に迷惑をかけたくないとお思いの方も多数おられるでしょう。

財産というものは多い方がよいのですが多すぎても困ることがあります。なければないで先行きの不安は増します。ほどほどの財産がよいのですが、それが相続税がかかるかどうかの線のように思います。

そのバーの近辺に今はそこそこ財産がある中流の方が大勢いらっしゃるものと思います。ドル建ての一時払い終身保険で相続税の死亡保険金控除枠(非課税枠)を使う方法を検証しましたが、万が一老後貧乏に陥っても解約で損をしない保険が安全なような気がします。hokenfpとしては保険は売りませんが、意味のある保険のおすすめはします。

ガンでもはいれる相続保険で非課税枠ガッチリ。

ガンでも無告知ではいれる相続保険でガッチリ節税できます。(生命保険の非課税枠活用)

CIMG3355生命保険のなかでも相続で威力を発揮する保険商品があります。できれば相続税を払わず無申告で済ませたいけれど、正直に告知すれば入れる保険がないという方向けの相続保険です。

これらは生命保険の非課税枠を活用した相続税の節税に強い保険です。

うたい文句は無告知(告知なし)ではいれる一時払い終身保険です。相続保険をうまく活用し非課税枠一杯に相続税をガッチリ節税してください。生命保険を活用した非課税枠をできるだけわかりやすく、順を追って説明しました。

◆ 相続とは、わかりやすく。

「相続」とは親が亡くなりその財産を配偶者や子がもらうこと。簡単に言えばそういうことですが、相続する財産が多ければ相続税がかかります。

また財産だけでなくすべての権利や義務も引き継ぐことになります。財産とは金銭、不動産、株式などの有価証券、生命保険契約など経済的価値のあるものすべてを意味します。わかりやすく言えばお金に換えることができるものすべてです。

 ◆相続財産の評価は相続発生時。

相続では遺産が多いほど相続税がたくさんかかります。財産が少ないと相続税がかかりません。ここまでの財産だったら相続税は払わなくていいですよというバーがあり「基礎控除」と言われています。

財産をお金に換算したすべての金額から3,000万円と相続人の数×500万までが相続税の非課税範囲となります。配偶者と子二人が相続人という場合、3,000万に500万×3人を加えて4,500万円までが相続税のかからない非課税範囲になります。

この基礎控除の金額を越える財産があると節税対策を考えなくてはならなくなります。このとき気をつけることは相続財産の評価は今の価値ではなくいつ来るかわからない相続発生時の評価額になります。

有価証券や不動産は価値が増えたり減ったりします。相続税はかからないと思っていても知らない間に地価や株式が値上がりし相続税の非課税範囲を超えてしまうことがあります。そうすると相続税がかかるため税務署に申告をして相続税を納める必要が出てきます。

 ◆ 一番簡単で安全な節税対策は相続保険。

生命保険で相続税対策をすることは当たり前のように思っていましたが、世の中そうでもないようなのです。他にもいろいろな節税対策がありますが一長一短です。

一番簡単で安全な節税対策は相続保険を使った非課税枠の活用です。相続保険という商品があるのではなく、保険料を支払い生命保険契約を保険会社と結ぶことで死亡保険金の非課税枠が使えて、相続税の節税になるという税制上の仕組みがあります。生命保険と相続は人の生死に関わるという点で相性がよく、節税だけでなく保険金の受取人を指定できるため相続人同士の争いを防ぐこともできます。

生命保険が相続税の節税になるというのは、相続税では死亡保険金控除という非課税の仕組みがあるからです。相続財産のなかに生命保険金があれば500万×相続人の数だけ非課税になります。先ほどの例で言えば4,800万に500万×3人で6,300万まで相続税がかからなくなります。この非課税枠は相続財産が5,000万前後の小金持ちサラリーマン相続には大きなメリットです。

今は相続税がかからなくても将来的に評価額が上がり基礎控除を越えそうな方には、生命保険の非課税枠は安全確実な節税対策になります。念押しで申し上げますが、財産はお金だけでありませんから、将来的に評価が上がる可能性がある不動産や有価証券などの予測を考えておくことが大事です。簡単に予測できるものではないですが、最悪のケースを考え前もって対策を準備することが節税につながります。おさめる必要のない相続税を払うことがないよう非課税枠を利用した相続保険をお考えください。

◆ 生命保険に入れない方が非課税枠を確保する方法。

ところが、生命保険に関わっているとわかるのですが生命保険に縁のない方が結構いらっしゃいます。相続保険で非課税枠と言っても保険契約ができなければどうしようもありません。

根っから保険嫌いという方に非課税枠を説明しても仕方がありませんが、特に健康に問題がある方は最初から保険を検討することをあきらめています。生命保険には告知書があり自分の健康状態を正直に告げなくてはなりません。ウソを言ったり適当なことを告知すると告知義務違反となり保険金が支払われなくなることがあります。そうなると生命保険の非課税枠どころではありません。生命保険の非課税枠を利用するためには死亡を原因とする保険金でないとダメなのです。

相続保険では告知義務に反するようなことは告げてはいけません。しかし正直に告知すると普通の生命保険には入れないということもあります。そこであきらめる必要はなく、最近は告知する必要がない保険があります。ガンでも重大な病気でも保険料が払えてサインさえできれば入れる保険を無選択型、あるいは無告知型と呼びます。

生命保険の相続税の非課税枠500万を確保するためには、親が契約者(保険料負担者)かつ被保険者(体を提供する人)で受取人が相続人(配偶者・子)である生命保険契約が必要です。それも相続発生時に保険金がうけとれる終身保険です。終身保険とは期限がなく一生涯の死亡保障が続く保険です。この条件がそろわないと保険の非課税枠が使えないのです。

人間いつかは死にますから時期に関係なく終身保険金は必ず受け取れる保険です。保険料の払い方は一定期間に払い込みを終えるタイプと終身にわたり保険料を払い続けるタイプ、そして一度にまとめて払い込む一時払いがあります。一時払い終身保険は保険と言うより保障性が低く貯金のような商品です。金利低下にともない国内生保に限らず外資系保険会社でも円建ての一時払い終身保険はことごとく売り止めとなっています。

◆ 無告知で誰でも入れる生命保険。

では、どうすればよいか。高齢で生命保険に入れるような健康状態でなく、ガンの告知も受けたような方が生命保険の非課税枠を利用する方法はないのかということになります。

円建ての一時払い終身保険は売り止めとは申し上げしたが、ドル建ての一時払い終身保険を検討することができます。一時払い終身保険は支払った保険料が保険金で戻ってくるような、保険というよりは貯蓄に近い保険商品ですから保険会社にもリスクがほとんどありません。ですからドル建て一時払い終身保険は告知不要、無告知契約ができます。非課税枠が使えてまさしくガンでもはいれる保険というわけです。

生命保険としての保障性のメリットはほとんどありませんが、終身保険として死亡保険金が出ますから生命保険の非課税枠は使えるのです。円建ての一時払い終身保険が売り止めになった今、この保険の目的は最初からそこにあります。この非課税枠をうまく利用した相続税の節税効果が高い仕組みです。

ドル建ての一時払い終身保険は、予定利率の高いドルで運用しますから円建てとは違い資産運用というメリットが期待できます。しかしリターンがあれば為替リスクもあります。

◆ まとめ

相続税の基礎控除の引き下げで増税になり、景気回復と東京オリンピックでわずかばかりの資産の評価が高くなり相続税がかかるかもしれないと思っている元サラリーマン層の皆様向けに生命保険の非課税枠をできるだけやさしく解説しました。これまで相続税対策なんて気にもしていなかった気楽な小金持ち層の方に手っ取り早く安全確実な節税方法として生命保険の非課税枠の活用法をご案内しました。

普通に終身保険に入っていれば相続発生時に生命保険の非課税枠が使えます。ここでは相続保険として、無告知ではいれるドル建て一時払い終身保険を案内しています。たとえガンにかかっても生命保険で相続税の節税をすることをあきらめる必要はないと言うことを申し上げました。

生命保険を活用すると非課税枠だけでなく、受取人指定の機能を使い代償分割なども可能になります。とても多彩な相続対策の切り札が生命保険です。また相続財産が5,000万を越える場合は、生命保険の非課税枠だけでは足りなくなると思います。暦年贈与で毎年贈与税の非課税範囲110万ずつ贈与して生命保険契約の保険料とする方法が有効です。

hokenfpとしてはサラリーマンの末席ですので、相続税の節税の話をしながら自分自身は節税する必要がないのです。田舎の土地は値上がりするどころか不良資産化し、築15年目を向かえるマンションの価値も下がるばかりです。資産家にアドバイスをしながら、自分自身は生命保険の非課税枠の必要がないことを思うと、うれしいやら悲しいやら、いやはや不思議な心境ではあります。

無保険世代の相続税対策。

生きる力のなくなった無保険世代の相続税対策。

CIMG3397ある程度の高齢者になると生命保険とも縁が無くなります。家族もそれぞれ独立し家庭を持つようになると、親として肩の荷がおりて、生命保険の死亡保障の必要性が低くなります。

それまでに保険料負担に耐えきれずに解約したり見直したりした保険もあるでしょう。

サラリーマン世帯であれば相続税の心配もなく安心していたところが、相続が発生し思いがけず不動産を含めた遺産が入ることがあります。

ところが今や無保険の世代となり相続税対策を今から考えなくてはならない方も多数いらっしゃるのではないかと思っています。もう一度生命保険を見直しその活用を考えることも有効になります。

◆ 生きる力の後遺症。

かつて日本の生命保険業界では基礎利益でも契約数でもダントツの保険会社がありましたが、そこの主力商品が「生きる力」という名前でした。10万円ばかりの終身保険に更新型の定期保険をのせた商品です。

若いときのリスクを安い保険料で大きくカバーするには意味がありましたが、10年更新ごとに保険料が高くなり、最後にはとても払えないような保険料になります。保険商品としてのよし悪しを論じる気はないのですが、評判が悪くて他の保険会社のターゲットになった商品です。

この保険に入っていた方は最後にはわずかの終身保険が残るか、解約されていると思います。60歳前後では新たな生命保険に入ることは保険料が高くなることに加え、体の健康状態などもあり難しくなります。「生きる力」は多くの生命保険嫌いを量産し無保険の世代を生み出したのではないかと危惧しているところです。

 ◆ 低金利政策がもたらす保険業界への副作用。

国の政策として進められてきた低金利政策は保険業界にも大きな影響を与えてきました。予定利率が史上最低になり貯蓄性のある生命保険がどんどんなくなり最後には一時払終身保険まで販売中止になる有り様です。

予定利率の低下は貯蓄性のある保険だけでなく保障性の高い定期保険などにも影響を与えます。必要な保障を得るためにはより割高な保険料が必要となります。その結果生命保険会社の新商品は見栄えばかりで特約のデコレーションが多くなり、ただでさえわかりにくい保険をさらに複雑なものにしました。

おかげで相続税対策として必要な、いわゆるまともな終身保険があまり表に出てこないのです。

 ◆ 無保険世代の生命保険の目的は保障から相続対策へ。

もともと生命保険はシンプルなものでした。生命保険の基本は終身保険、定期保険、養老保険に集約できます。それ以外には年金保険と医療保険があり5つの分類で説明が可能です。生命保険商品に特約という飾りがつき比較を難しくしてきました。

その結果、本来の生命保険の目的、必要な保障額という大事な部分が欠落してしまったように感じています。葬式代程度の定期保険では家族は守れないのです。医療保険では元はとれないのです。生命保険でもうけようと思わないこと、自分と家族の将来のリスクを見極め自覚した上で、保障を買うという考え方が必要です。(少々力が入ってしまいました。本題ではありません。)

しかし高齢になると生命保険の活用方法が変わってきます。生命保険の機能は幅が広いのです。相続対策と相続税対策には安全確実、明快な生命保険がもっとも効果的であると言えます。

◆ 死亡保険金控除 500万×相続人数。

相続税がかかるなら生命保険を活用した死亡保険金控除は使わなくては損です。

相続税はざっくりと言えば相続人が配偶者と子供二人、合計3名の場合4,800万以上の遺産があれば相続税がかかります。死亡保険金控除500万×3名=1,500万を加えれば6,300まで相続税がかからないということになります。

これ以上の遺産がある場合は贈与税の非課税の範囲で毎年110万円ずつあげる暦年贈与が必要になります。たとえば子供二人に毎年110万円ずつ10年間あげると2,200万が非課税で贈与できますが、相続発生前の3年分の贈与は相続税に持ち戻しになりますので、660万は引かなくてはなりません。

結局、非課税で有効な贈与は1,540万円となり基礎控除と死亡保険金控除を合わせると7,840万まで相続税の非課税バーが上がります。これで大体クリアできる方が多いように思います。

◆ サラリーマン世帯の相続税対策。

でも普通のサラリーマン家庭では相続税対策は考えていないと思います。「それほど財産があるわけでなし、貧乏人は苦労がなくていいね。」などと思っていると住んでいる家が不動産として評価が上がっていたり、親父から引き継いだ株式が値上がりしたりと生活は少しも豊かになっていないのに、思いがけないことがあるものです。

それであれこれ評価額を足し算するとこれが相続税がかかるかどうかぎりぎりのところに来ています。これ以上評価が上がると相続税対策を考えなくてはならないというようなことが起こります。

実際、東京オリンピックまでは地価が上昇傾向でなおかつ株式も上昇しています。あわてて不動産会社が主催する土地活用、相続税対策セミナーなどに参加すると、うまい話にはまってしまいます。

残念ながらサラリーマンオーナーはこの手の仕掛けに免疫がないようです。親切にされて、口車に乗せられて泣きを見た高齢の方が多いのです。これはほんとにお気をつけください。

素人が生命保険以外の相続税対策に手出しするくらいなら相続税を払った方がよほどましだと言えるほどです。

生命保険で相続税対策をすることは当たり前のように思っていましたが、世の中そうでもないようなのです。他にもいろいろな節税対策がありますが一長一短です。

 ◆ まとめ

無保険世代のご高齢の方が、これは生命保険で相続税対策と思い立ったところが、とても生命保険に入れる状況ではないということがあります。相続を考えるようなお年になると、体のそこかしこに問題があります。正直に告知しようものなら門前払いです。

そうかと言って告知義務に違反する度胸もないとなると打つ手がなくなります。無保険世代になった方には打つ手がまったくないかというとそうでもありません。下記ページにも書いていますが、無告知型とか無選択型と呼ばれる告知不要の生命保険もあります。

後がないようなご高齢の方には無告知型の一時払終身保険を死亡保険金控除500万×相続人数まで入っておくことです。ただ国内生保などでも一時払い終身保険が売り止めで、外貨建てが主力になっています。まさに相続税負担を下げるためだけの相続保険と言えると思います。長生きすると為替リスクもありますからご注意くださいね。

■外貨建て一時払終身保険の使い道。

■一時払終身保険の無告知は究極の顧客視点。

■一時払終身保険の新型、90歳まで無告知で入れます。

譲る相続、その理由。

相続では譲るという選択肢が道を開くことがあます。

CIMG3348日常の生活では普通の人はお互い譲り合って生活しています。「済みません。」「ありがとう。「どうもどうも。」の簡単な声がけや軽い会釈などで相手に敵意がないことが確認できると譲り合いの気持ちが生まれます。

道を歩いていても、車を運転していても気持ちよく譲り合うことで争いは起こりません。ところが相続の場面ではなぜか譲り合うことはできません。

相続財産とは平たく言えば、姿かたちは違いますがお金です。いわゆる現ナマであり一万円札の束です。それも日頃では手にすることがない一財産ですから譲ることなどできない相談です。相続税がかからなくても同じことです。

◆ 争族、争続、相続

仲のよい家族、親族がいがみ合い仲違いし法事も葬式も墓参りも縁切り、果ては裁判で争うことになるのを、争族とか争続と言います。そこまで行かなくても家族関係がギクシャクすることは相続という特異な空間では普通に起こりえます。

昔の川柳に「泣く泣くもよい方をとる形見分け」というのがありますが、道は譲れても財産は譲れないのが相続なのです。相続税がかからない人ほど争族は熾烈になるというのは人の世の法則のようなものです。

田舎では土地の境目で争いが起こることがあります。田んぼのあぜ道には境目の目印として大きな石を埋め込んで、隣があぜ道を削るとわかるようにしてあります。今は畦畔ブロックで仕切られているところが多いと思います。なかにはこの境目の石を邪魔者とばかりにどけてしまってあぜを削り込む強欲な農民もいます。

これをわずかずつ何年も繰り返すとあぜ道が曲がりお米の取れ高に影響するだけでなく所有地の現況が変わってしまいます。削られる方は、あぜ道が細くなり潰れますから、自分の田の方から盛り土するしかありません。こういうとき夜も寝られないぐらい腹が立つのですが、田舎では町内で争うことはできませんから、表面はニコニコしながら末代まで恨むというような空恐ろしい話になります。

妙な事例で申し訳ないですが、相続の争いもこれと似たような醜さが潜んでいます。

◆ 被相続人の心理は揺れ動きます。

被相続人である親は子が複数いるとその配偶者や孫を含めて公平にしようとします。相続では公平こそ不公平というようなことがよくあります。

親の子に対する好き嫌いもあります。世話になった子、よくしてくれる息子の嫁、寄り付きもしない次男とその嫁、慕ってくれる孫、ところが息子の嫁には相続権がなく寄り付きもしない次男に相続権が同じだけあるのはおかしいと感じます。

子たちが争わないように遺言を書こうとしますが、誰に何を渡すかとなると一向に腹が決まりません。それでも遺言書にかかれない親心があります。孫の顔を見るとせっかく書いた遺言の割り振りが気になりだします。親の家族一人一人に対する気持ちは複雑なので割り切れるものではありません。

相続というのは、相続人だけでなく被相続人の心理も穏やかではないのです。

 ◆ 争いを最小限にできるのは生命保険。

相続財産でもらう立場の相続人にとりもっとも喜ばれ感謝されるのはキャッシュです。次に換金性の高い生命保険や株式などです。換金性の低い不動産などは資産価値が高くても目先のキャッシュほど感謝されないことがあります。

そういう意味では目の前のキャッシュは感謝されても生命保険の受取人指定は感謝されないようです。相続が発生するまではキャッシュにはならないからですね。

結局、最後はキャッシュ、財産の換金性は大事なことなのです。節税に走りすぎて換金性の低い財産に多くをシフトすると相続人が困ることになります。

また金の切れ目が縁の切れ目、身内も親子も皆同じということができます。贈与が過ぎると老後貧乏、という事例も事欠きません。節税もほどほどに。

 ◆ それでも譲る気持ちが道を開く。

相続は長い目で見ると違った答えが見えてきます。欲得をむき出しにすると目先の利益にこだわることになりますが、長い目で見ることが大事です。時には譲る心が膠着状態を打破することがあります。

たとえば兄弟で争うような場合、独身であれば弟が家屋敷を相続してもいずれ我が子が相続することになります。相続分割協議ではお互いが主張ばかりしていても決着することはありません。期限は10ヶ月と限られていますから、やむにやまれぬ譲歩ということもあるでしょう。

あと一歩の譲歩、その譲る気持ちを持つことが大事です。一歩譲ることでまとまる話があります。そうは言っても、わかっていても、譲れないのが相続ですが。

遺言書の勘違い総まとめ。

遺言書の勘違いを総まとめにしました。

CIMG3316生命保険をあつかっていると相続にかかわることが出てきます。保険好きな国民性ですから資産家も貧乏人も生命保険に加入しています。

ところが遺言書を書くという人はあまり見かけません。

遺言書は相続税がかかる資産家が相続争いを防ぐために書くものと言う風潮があります。

遺言書と遺書の区別ができていないというのが実態ではないかと思っています。よって遺言書は一般に正しく理解されているとは言い難い状況です。

財産が多くても少なくても、遺言書を書いておけば無用な争族を防ぐことができます。遺言書を資産家や専門家だけのものと考えず、より多くの高齢者の方に活用いただければ世の中の仲たがいもずいぶんと減るのではないかと思います。

そのため遺言書をできるだけ「わかりやすく」を心がけましたので、多少誇大な表現になっていますがご了解ください。

◆ 遺言書は法律文書、遺書は最後のお手紙です。

遺書は自殺する人や、死を前にした人が家族への感謝の気持ちをしたためる最後のお手紙です。涙することはあっても遺産に対する効力はありません。

ところが遺言書は民法に定められたれっきとした法律文書です。うるさい要件(他のサイ
トでご確認ください。)がいろいろありますが、これをクリアし家庭裁判所の検認をうければ、不動産登記や被相続人の財産の名義変更のときの証明書になります。

あとに残された家族のことを憂うなら「遺書を書くより遺言書!」と申し上げたいところです。

■遺言書書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

■遺言書は元気なうちに遺書は間際に生命保険は早めに!

◆ 勝手に遺言書を開けると法律違反です。

遺書は誰がいつ開けても何の問題もありませんが、遺言書はそういうわけにはいかない法的文書なのです。相続に関係する相続人全員が納得する公正な処理が必要です。誰か一人が先に内容を知ると不利な遺言の場合、改ざんや破棄のリスクがあります。

よって遺言は家庭裁判所に検認申請をし、相続人全員に通知したうえで相続人立ち合いで家庭裁判所で開封し中身を確認することとなっています。

自筆証書遺言の場合、保存場所によっては誰かが先に見つけます。開けたくなる誘惑がないとは言えませんが、法律違反になるとも知らずに開けることもあるでしょう。

検認前に開封したからと言って遺言が無効になるわけではないのでそのままの状態で家庭裁判所に検認を請求することです。検認とは遺言の形式要件を確認し有効であることを判断するものであり、内容にはかかわりません。

たとえ開封してしまったとしても、家庭裁判所に検認を申請しましょう。

遺言書は「開封厳禁!」間違って開封しても検認へと申し上げておきます。

◆ えっ!過料を払って遺言書を確認する。

「すみません!間違えて開けてしまいました。」とかいって過料を払っておけばよいのです。そうすれば他の相続人に先んじて遺言の内容を確認できます。

遺言書の開封は法律違反ですが、犯罪ではありませんから逮捕されるようなことにはなりません。たとえは悪いですがスピード違反で反則金を払うようなものです。

それで遺言の内容に問題なければ、家庭裁判所の検認をうければよいのです。

誤解なきように申し上げておきますが、法律違反になりますからむやみに遺言書の検認前の開封をおすすめしているわけではありません。もめそうな遺言書では改ざんを主張されると裁判になります。

自筆証書遺言にはそう言うリスクがあるということです。

■遺言書を破棄したら罪になるかを事例で説明。

開封は「ごめんなさい」と過料(罰金)で済みますが、破棄すると犯罪です。遺言を破棄した者は相続欠格者となり一切の相続の権利を失うばかりか、私文書毀棄罪で5年以下の懲役となります。くれぐれもお気を付けください。

◆ 道はゆずり合えても財産はゆずり合えないのです。

遺言書を推奨する理由のひとつには相続争いの多さにあります。お金がなくてもわずかな財産を巡り醜い骨肉の争いが始まります。せめて遺言書で申し送りができていれば争族はいくばくかでも緩和されると思うのです。

田舎では長子相続が普通でした。今もそういう考えは残っています。娘は嫁に出したとき花嫁道具一式で相続放棄、次男は近所に新屋を建ててもらいそれで相続放棄、長男が親の面倒を見るかわりに相続財産をすべて引き継ぎます。したがって遺言書も特に必要ありませんでした。

時代が変わると法律も変わり、人の権利意識も変わります。仲の良い親族といえども遺産分割の場では黙っていられなくなります。遺言書あれば親の意志がわかりますから、不満があっても押さえが効きます。

ゆえに田舎でも都会でも遺言書。金持ちでも貧乏でも遺言書。

悲しいかな人は道はゆずり合えても財産はゆずり合えないのです。

◆ 二次相続の遺言書が大事です。

老婆心までに申し上げますと、二次相続での遺言書はほとんど聞きません。一次相続で終わったと思っていたら二次相続で相続争いが勃発します。第二次相続争いです。一次相続の時は母親が存命ですから争いも遠慮があったと思いますが、二次相続ではすべての歯止めが取れてしまいます。相続財産は少なくなりますが、相続争いは一層熾烈になるという構図があります。

二次相続こそ遺言書と申し上げておきます。

◆ まとめとして、 故人の意志を書面で残す。

資産家や事業承継にからむ場合は遺言書は必須になります。また家族仲がよろしくない場CIMG3323合や子によって生活に困っているような場合、事業に失敗しているような子がいる場合はとくに遺言書が必要でしょう。

しかし仲のよい家庭で問題があまりない場合は、ガチガチの遺言書でなくても親の意志を簡単な書面で残しておくことで争いなくおさまることが多いと思います。

親の意志が残っていないとギクシャクした遺産分割協議にならざるを得ないのです。そんなつもりがないのに相続争いになるのは、親の意志を書き残さないからです。

できれば生前から子らには遺産分割の割り振りを伝えておくと納得性が高くなります。しかしそれより書面で個人の意思を残すことは大事だと思います。

遺言書がベスト、それが無理なら親の意志を書面で残すのがよろしいと申し上げておきます。

生命保険の見直しと遺言書はお盆に!

生命保険の見直しと遺言書は今年のお盆にお考え下さい。

CIMG3200耐え難い猛暑が続いていますが、熱中症でぽっくり旅立つのも悪くないと思ったりしています。

ガンで亡くなる身内を見ているとそこまで治療で苦しまなくてもよいのではないかと・・。

どちらにしても少なくとも遺言書を書く余裕はありません。元気で気力がないと遺言書は書けないもののようです。

老いてくると生命保険の整理も必要になりますが、こちらはさらに頭がしっかりしている間でないと理解できない難しさがあります。何事にも適切な時期があり節目があります。

そのうちそのうちと先送りしてチャンスを逸すると、もはや気力も体力も頭脳も遺言書に対応できなくなります。

今年もお盆が近くなりました。こういう節目に自分の死後のこと、遺言書のことをじっくり考えることをおすすめします。財産がある方もない方も遺言書は今年のお盆に、ついでに生命保険の見直し整理もお願いしたいところです。

◆ 生命保険の見直しとは不要な生命保険の整理です。

生命保険の見直しとは再加入をおすすめしているわけではありません。遺言書を書く年齢になったら生命保険は無駄をなくしてシンプルにしなくてはいけません。

必要な保障は年齢とともに変化します。無駄な保険もあると思いますから、保障が必要なくなったら解約や減額、払済という処理を考えることが必要です。また残す生命保険も受取人指定を確認し、状況に合わせて変更しなくてはいけません。

長い間口座振替で契約内容のお知らせが来ても、中身をじっくり見たことがない方がほとんどではないでしょうか。保険営業に内容を確認するとまた売込みになっても困るので相談相手も選ばなくてはなりません。

■生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

◆ 財産がなくても遺言書は争族防止に有効です。

相続税がかかるほどの遺産がなくても、きちんと遺言書で分け方を指定してやるのが親心、死にゆくものの配慮です。たとえ争いにならないまでも、分け方の指定がないと後に残された相続人は気まずい話をまとめなくてはなりません。

生活に困っていれば、遺産分割の内容によっては引き下がる事ができないこともありま
す。そういうつもりがなくても巻き込まれるのが争族です。データが示すように、財産が少ないほど熾烈な争族になるのもうなずけます。

形こそ相続ですが、よく考えれば、本質的には札束の奪い合いです。人間の本性からすればいかに人格者であても冷静になれるものではないということです。

それ故に財産が少なくても、仮に形式が整っていなくても親の意志を遺言書として残すことです。そうすれば渋々でも遺産分割協議は収まっていくのです。

もちろんもめそうな場合は、正式な形式基準を守った有効な遺言書をお書きになることが何より大事と心得てください。正式な遺言書として認められれば、親の意志というだけでなく法律文書としての機能を果たします。

特にオーナー経営者は事業承継に関する重大な責任として遺言書をしっかりと残すことに心を砕いてください。遺言書は思い立ったが吉日、先送りは失敗の元です。

せっかくですから下記サイトをご参考に、今年のお盆にぜひとも遺言書にチャレンジして下さい。まとまった時間と振り返りの気づきがあるお盆は、ご先祖様の位牌を前に自分の考えをじっくりまとめることができます。

■遺言書は今年のお盆に、そこまで言う理由をまとめました。

■お盆は欲ボケ争族、エンディングノートより遺言書が重要な理由。

■遺言書とはグレーなものに白黒をつけること。

◆ まとめ

お盆が近づくと、遺言書は今年のお盆に!と申し上げてきました。縁のあった資産家にも再三遺言書を書くようにおすすめしてきましたが、まだハードルは高いようです。何かと理由をつけては先送りします。ご本人様は遺言書の重要性は誰よりも理解されているにもかかわらずそのような状態が続きます。

ある方は、事業承継失敗で親子が同じ会社で別々のことを始めます。社員の心も離れて、会社は一時の栄華を失い衰退の一途です。もう少し早めに気が付けば、遺言書を書くことで自分の引き際が見えてくるというものを残念な事例です。。

相続法制が変わり財産目録がワープロ作成でもよくなったり、遺言書を法務局が保管してくれるサービスが始まるようです。遺言書を書くための環境はよくなります。これを機会に遺言書を書かれる方が増えることを期待したいと思っています。

特にオーナー経営者は事業承継という責任があります。後継者が困ることがないようしっかりと正式な遺言書をお書きください。

また、相続税がかからない方や財産が分けにくいものである方は、ぜひとも遺言書を活用して、あとに残る相続人がいがみ合うことがないように配慮いただければと思います。

遺言書でなくても親の意志を書面で残すだけでよいので、お考えいただきたいのです。それだけのことで、無用のわだかまりを避けることができるというものです。これはホント、実感です。

遺言書が絶対必要な理由。

遺言書がどうしても必要な7つのケースをあげました。

CIMG3122遺言書は遺書とはちがうものです。遺言書は法的な効力をもった民法に定められた法律文書です。

被相続人の思いを伝えるものではなく、相続財産の法的分割を強制的に指定するものです。

遺言書を書くか書かないかはあの世へ旅立つ被相続人の自由です。

しかし遺言書があれば法定相続より優先されます。

遺言書がなくても円満におさまることもあると思いますが、多くの場合、後に残された相続人にとれば、財産の分け前を決める相続分割協議とは心穏やかではないのです。

被相続人である自分の親が遺言書を書いておけばあきらめもつくし、渋々ながらも納得せざるを得ないのですが、遺言書がないと禍根を残す骨肉の争いに発展しかねません。

これは相続税がかかってもかからなくても同じことです。財産が少ないほど遺言書を書かれる方は少なくなりますが、そのため争いが熾烈になるケースは、事例に事欠きません。

相続財産の多い少ないにかかわらず、どうしても遺言書が必要なケースがあります。

くどいようですが相続税がかからなくても遺言書が絶対必要なケースがあります。

◆ 子どものいないお二人様夫婦は遺言書が絶対必要。

子どもに恵まれなかったご夫婦の相続上の諸注意を「おふたりさま相続」として以下のブログにまとめてあります。

■おひとりさま相続とおふたりさま相続

子はかすがいと言いますが、夫婦円満でも子に恵まれないのは仕方がないことです。しかし相続となると厄介なことが持ち上がります。

知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの一番目にあげられるでしょう。

遺言書がないと法定相続に従うとは何度も申し上げてきました。その場合、子供がいないと配偶者のほかに、亡くなった夫の両親や兄弟姉妹が相続人として登場してきます。これが嫌で養子縁組する事例があるくらいです。

養子縁組でも相続人として子がいれば、親兄弟姉妹の出る幕はないのです。

子がいないお二人様相続では遺言書がないと、亡き夫の兄弟姉妹と相続協議をしなくてはなりません。具体的には住んでいる自宅やマンションの名義変更、銀行の口座変更ですら、新参相続人の実印と印鑑証明をもらわなくてはなりません。

田舎では菓子折り一つでこれを済ませる慣わしですが、都会ではそうはいかんでしょう。相続の権利を主張されると自宅を売るよりなくなる場合もあり得るのです。

かりに日ごろ仲良く付き合っていても話し合いは楽ではないと思います。少しでももらえるものがあれば老後資金としたいのが本音です。結局、残された配偶者に多大な心労と負担がかかる場合があるのです。遺言書があれば遺留分という問題は残りますが、まずは一安心です。

ゆえに子どものいないお二人様夫婦は遺言書が絶対必要なのです。

◆ 内縁の妻や愛人に遺贈するには遺言書が絶対必要。

内縁の妻は事実婚のカップルというそうです。要するに戸籍上の配偶者ではないが、事実上夫婦として暮らしているカップルを指します。

民法はしゃくし定規ですから事実婚など認めません。籍が入っていなければ他人として婚姻関係もないし相続人にもなれないのです。内縁の妻に住む家や財産を残したいのであれば、遺言書で遺贈する必要があります。

遺言書がないと最悪の場合は被相続人と一緒に住んでいた自宅のマンションまで奪われてしまうことになります。

知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの二番目にあげられるでしょう。

籍を入れておけばそれでよいのですが、そこは先妻への遠慮や子らに対する配慮もあるでしょう。それなら世話になった事実上の妻に財産が残せるように責任をもって遺言書を書くことです。

このばあい相続人ではない人が遺産をもらう場合「受遺者」とよび相続人とは区別されます。遺贈に関しての落とし穴は、隠れた負債があるような場合です。財産の割合(全財産の三分の一)を指定して遺贈する「包括遺贈」ではなく財産を具体的に指定する「特定遺贈」にしてください。そうすれば受遺者は相続人のように負債の義務を引き継ぐことはありません。

ゆえに内縁の妻や愛人に遺贈するには遺言書が絶対必要なのです。

◆ 妻にすべての財産を渡したいなら遺言書が絶対必要。

財産が有り余るほどもなく、遺産を分割すると配偶者の今後の生活が立ち行かなくなるようなケースもあります。そういう場合はその他の相続人の遺留分に配慮しつつ妻にすべての財産を渡すという遺言書をお書きください。

子どもらが親孝行であればいらぬ心配かもしれませんが、知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの三番目にあげられるでしょう。

何があるかわからないのが相続です。資金繰りに行き詰ったり、ギャンブルにはまりマンションのローンが払えないようなケース、離婚騒動で慰謝料が必要なケース、背に腹は変えられないとばかりに想定外の事態が穏やかな相続人を別人に変えてしまします。

配偶者の老後の生活を守るためには用心してください。

ゆえに妻にすべての財産を渡したいなら遺言書が絶対必要なのです。

◆ 分けられない不動産があれば遺言書は絶対必要。

CIMG3164多くの相続では遺産に占める不動産の割合はとても大きくなります。相続税対策で不動産投資をすればさらにその比率は高くなります。

不動産は現金や預金、生命保険のように分けることが難しい財産です。

実際住んでいる家を3等分することはできません。売ってしまって現金を分けるか、共有という選択肢もありますが、住む家がなくなったり後々のもめ事の原因となりますのでお勧めできません。

不動産の処分を遺言で指定すれば遺産分割のもめ事を防ぐことができます。

知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの四番目にあげられるでしょう。

特に被相続人と一緒に住んでいた配偶者に相続させたい場合は、その旨を遺言書にしっかり残しておくことです。遺言書に指定があれば他の相続人も、心情として納得しやすくなるものと思います。

ゆえに分けられない不動産があれば遺言書は絶対必要なのです。

◆ 自社株を後継者に引き継ぐなら遺言書は絶対必要。

中小企業の事業承継は大きな社会問題化しています。日本の中小企業を守るためには納税猶予制度なども利用しやすくなってきましたが、相続で失敗したのでは意味がなくなります。

一番よくないことは相続で自社株を分散させることです。経営権が分散してしまうと経営判断の迅速さが損なわれ争いの元になります。自社株は市場価値がないにも関わらず高額になり相続財産のほとんどを占めるようになります。これをうまく後継者一人に集中して相続することがなにより大事です。

知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの五番目にあげられるでしょう。

遺言書で後継者に自社株だけでなく資産を明確に集中することが経営の安定につながります。遺留分への配慮は必要ですが、会社経営をしている以上、経営者としての責任において相続財産を公平に分けることは許されません。

会社の存続と安定を第一に考えた相続設計と遺言書がオーナー経営者の責務言えるでしょう。

ゆえに自社株を後継者に引き継ぐなら遺言書は絶対必要なのです。

◆ 生命保険の相続人を指定するなら遺言書は絶対必要。

生命保険の受取人変更は以下に詳しく書きました。

■生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

生命保険の受取人は遺言書でも指定可能です。ですが生命保険会社に申し出て契約者の立場で受取人変更を行えば、費用もかからず安全確実です。ここで申し上げている生命保険の相続人とは生命保険契約を相続財産として受け取る場合です。

知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの六番目にあげました。

被相続人が被保険者である生命保険は相続発生時に、指定された受取人が死亡保険金を固有の財産として受け取ることができます。この受取人も遺言書で変更することができますが、できれば保険会社に申し出て生前に受取人変更を行って下さい。その方が安全確実に処理されます。

遺言書に記載する必要がある生命保険契約について説明すると、契約者は被相続人ですが、被保険者が相続人というようなケースです。相続発生時に生命保険金が出るわけではなく、生命保険契約を相続財産として相続することになります。

これは遺言書で生命保険会社、証券記号番号等を明確に指定して生命保険契約を引き継ぐ相続人を指定してください。遺言書で被保険者と新契約者が一致するように指定しないとモラルリスクが発生します。無理な場合は解約して解約返戻金を相続してください。

ゆえに生命保険の相続人を指定するなら遺言書は絶対必要なのです。

◆ おひとり様が友人に遺贈、寄付したいなら遺言書は絶対必要。

身寄りのないお一人様の相続に関しては以下に詳しく書きました。

■相続420億国庫へ┃お一人様相続の行く末。

身寄りがない場合、何もしないと相続財産は最終的には国庫に入ります。それではいやだとお考えになるお一人様は、遺言を書けば友人や知人に遺贈することができます。

知らなかったでは済まない、遺言書が絶対必要なケースの七番目にあげました。

遺産が国のものになるのも悪くはないと思うのですが、あげたい友人や知人もいないとなると自治体や慈善団体、宗教団体に遺言で寄付することが可能です。

ただ友人や知人、自治体などは相続人ではないので遺言書には「相続させる」ではなく「遺贈する」と書いて下さい。いずれの場合もふるさと納税のような返礼品は期待できないですし、場合によっては断られることもありますから、生前に確認してから遺言書に記載してください。

ゆえにおひとり様が友人に遺贈、寄付したいなら遺言書は絶対必要なのです。

◆ まとめ

遺言書が絶対必要になるケースをまとめましたが、他にもいろいろあるでしょう。

欲深いバカ息子がいる場合とか、強欲な長男の嫁が後ろで糸を引いている場合とか、事業に失敗した次男がいる場合などは特に要注意です。

もちろん相続人には法律で認められた遺留分という権利がありますから、遺言書の内容にも配慮が必要です。遺留分>遺言書という不等号が成り立ちますので、いかにできの悪い放蕩息子でも、嫁にやった娘でも権利は侵害できません。

思うようにはならないものですが、要件を満たした遺言書があれば、身内の醜い争いを未然に、かつ最小限にすることは可能になります。

平たく言えば被相続人となるすべての人が遺言書を書くことで、家庭円満と世界平和が維持されるということです。

自分は遺言書など無関係と高をくくっていた被相続人の方々の気持ちが少しでも遺言書を書くほうに揺らぐなら本ブログとしても本望です。

遺言書は書くべき?もちろん!!それが申し上げたい結論です。

名義預金と名義保険、定期金贈与が狙われる。

名義預金と名義保険、定期金贈与、親心の難しさ。

CIMG3122相続税の節税策として手堅い方法は生前贈与です。そのなかでもわかりやすく確実な方法が暦年贈与です。

暦年贈与でもらったお金を生命保険料にあてて無駄なく相続税の納税資金を用意すること
ができます。この方法もやり方を間違うと落とし穴に陥ることがあります。

hokenfpは名義保険などと呼んでいますが、自分が保険料を負担すべき契約者であることに対して自覚のない生命保険契約者も少なくありません。

できるだけわかりやすく、名義預金と名義保険、定期金贈与に分けて解説します。

◆ 親の扶養から外れると贈与が始まります。

親の扶養家族になっている間は、よほど常識外れの贈与でもない限り問題になることはあまりないと言えます。契約者を子にした生命保険は子が独立すると親から子に保険料負担を変更しないと贈与になります。

もちろん親が契約者(保険料負担者)で子を被保険者にした保険契約も契約者を子に名義変更(契約者変更)すると贈与になります。

この辺の関係を理解していないと、保険料を負担していない子が年末調整生命保険料控除証明書を会社に提出するようなことも起こります。通常バレる気遣いはないと思いますが、これは贈与以前の問題であり自分で払っていなければ所得控除には使えません。

◆名義保険を回避する方法。

相続税対策として暦年贈与を活用して贈与税の基礎控除(110万)の範囲で保険料を毎年贈与するスキームは一般的です。その意味を子が理解して協力的であれば問題は起こりません。

契約者が子=相続人、被保険者が親=被相続人、受取人が子=相続人というパターンです。当然保険料は子が負担しますが、その保険料の出どころは親からの贈与になります。

ところがよくできた子でも人生平穏ではないですから金銭的には困る時期があるのです。

贈与する親からすれば、保険料として贈与しているのに生活費や遊興費に使われたのでは、苦労して貯めてきた相続財産を守る事にはなりません。皮肉にも一応の節税対策に
はなりますが・・

そうならないように親が保険料引き落とし口座と通帳・印鑑管理をしてしまうとこれは名義を借りた保険契約であり贈与が成立していないとみなされることが考えられます。

これを回避する一番よい方法は、通帳も印鑑も子に渡し、よく言い含めて多めに贈与し、
いくらかは子が自由に使えるようにすることです。これなら「あげる」「もらう」の意志は明確ですから文句なしの贈与です。

子に少々知恵が回ればわかることですが、生命保険契約というは契約者の意志で解約することも契約者貸付を受けることも、いとも簡単にできます。それが心配というなら保険証券や印鑑も保険料の引き落とし口座の通帳も親が管理するほかないですが、これはではさすがにまずいことになります。

このジレンマを回避する仕組みとして、手間はかかりますが贈与契約書を毎年作って下さい。税務暑というのはまず形式要件を確認します。贈与は、贈与者と受贈者との意思の合致が必要ですが、それを客観的の証明するものが贈与契約書になります。

贈与の内容を記載した贈与契約書を作成して子に署名を求めると子に贈与の内容はわかりますが、遣いこみはできません。(解約となるとまだ保険会社各社とも実印か証券面の印を求めることが多いようです。)

ただ、このやり方は子にとっては大金をもらっているにもかかわらず自由に使えないので、その時は感謝されません。相続人たる親の死後にいくばくか感謝されますが、生きている間には感謝は期待できないので親としては腹が立ちます。親の立場で鷹揚に構えている他ありません。

立場上形式的には贈与は計画的になどと言っていますが、経験的に本当はそんなものでもないのです。ある意味で計画的な贈与計画などは人の気持ちが理解できない張りぼての虎です。

効果的な贈与とはライフイベントやあげたいときに、そして子が困っているときに手を差しのべて現金で少しずつ贈与することです。

援助は最後にすると最大の感謝をされると言いますが、タイミングを見て小金をあげてください。

たとえ親であろうとも、達観できた人間でもない限り死んでから感謝されても意味がないのです。

◆ 定期金贈与に注意、全額が課税対象。

定期的に子に現金を贈与することを暦年贈与と言います。毎年同じ金額を定期的に贈与すると「定期金贈与」と指摘を受けることがあります。

簡単に言うと初めから定期的に複数年にわたり贈与するという契約のもとに贈与すると、一括贈与したものとみなされるというわけです。せっかく毎年に分けて課税されないように贈与しているのに、最初から一括贈与だとは理不尽な理屈ですが、そういうことが課税する側ではまかり通ります。

用心するに越したことはありませんから毎年同じ相手、同じ金額、同じ時期に贈与をするのは避けてください。もっと気ままに分散させて下さい。

保険料を贈与するなら保険料を下回ると受贈者が困るので時々多めに贈与したり、110万以上の贈与を行い贈与税の申告をしてください。

そのうえで定期金贈与とみなされないためには、贈与のたびにしっかりと金額や内容を記載した贈与契約書があればまずは安心です。

◆ まとめ

名義預金や名義保険、定期金贈与が狙われるといっても、すべて贈与したいという親の気持ちから出ているものです。財産など残さず使い切ってしまえば憂いはないのですが、始末に始末、節約に節約を重ねて財を築いた経営者にとれば子や孫のために財産を少しでも残してやりたい親心でもあります。

気持ちは理解できますが、その親心が子や孫の人生にプラスに働く保証はありません。財産があれば豊かで穏やかの人生になるとも限らないのが人の運命です。

実は人間には神の計らいは分からないようにできています。何事も人がそうしよう思うためには長い体験の積み重ねがあります。自分で考えて判断しているようで、あながちそうでもないのです。運営とか宿命とかいう前に、生きている限り、定めの連鎖によりそうなるようにできているのです。

これは人間が大いなる意志の一部であるということに過ぎないのです。

贈与による不要不急の不労所得が人を幸せにするとは限らないとは、悲しいことですが厳然たる事実です。そのことはお金や財産が本質的なものではなくこの世でしか通用しない一時的かつ付随的なものであることを示しています。

少々アルコールの影響で神がかりになりましたが、くれぐれも贈与は節税だけでなく熟慮を重ねて慎重にとお願い申し上げておきます。

法定相続情報証明制度と生命保険。

法定相続情報証明制度は生命保険でも有効。

CIMG3120相続が発生し遺産の分割がまとまると相続人それぞれに相続財産の名義変更が必要になります。

これは仕事を持つサラリーマンには荷の重い作業になります。リタイヤして時間が売るほどあっても知識がない分は手間ひまがかかります。

相続手続きの簡素化を目指した法定相続情報証明制度はありがたい制度のようですが、メリットとデメリットを検証しました。hokenfpとしては実際はまだこの制度を利用する機会に遭遇していません。

◆ 相続手続きには戸籍の確認が必要。

相続した財産を相続人の名義に変えるためにはたくさんの戸籍を集めて手続きをする必要があります。例えば銀行口座の解約にも不動産の名義変更にも戸籍がすべてわかる資料が必須になりますので誠に骨が折れます。シンプルな戸籍ならまだどうにかなるでしょうが、家計によっては複雑なケースもあります。

専門家でもない限り一発OKになることはなく、たいていのケースで不備があり何度も足を運ぶこともまれではありません。また手続きの相手先も財産によっては多様になりますから何部も戸籍の束が必要になります。

◆ 相続情報証明制度の有効性。

それをひとまとめにして証明してくれる便利な制度が始まっています。平成29年の5月29日から始まった「法定相続情報証明制度」というものです。所定の手続きをすると法務局で証明書(法定相続情報一覧図の写し)を発行してもらえる制度です。意外と知られていないのは相続が発生しない限り使うことがない制度なので知名度が低いようです。

生命保険会社のサイトでも法定相続情報制度での対応が可能になったことをアナウンスしているところを見かけます。生命保険も相続財産になりますから同様の証明をもとめられます。

その法定相続情報一覧図の写しを発行してもらうと戸籍の束の代わりに相続手続きの証明書として使うことが出来ます。追加発行も可能なのでとても便利な制度です。

実際は戸籍を見ても素人ではつながりがよくわからないところですが、法定相続情報証明制度では登記官が戸籍の内容を確認してくれますから、漏れや抜けはなくなります。

これがあれば銀行や保険会社の確認作業がスムーズになります。

◆ 法定相続情報証明制度のメリットとデメリット。

世間で言われているメリットは。

手数料がなんと無料です。(最初に戸籍を集める必要はありますので、その費用はかかります。)5年間有効ですから、何度でも証明書の再発行が可能です。複数枚発行もOKです。専門の登記官が戸籍を確認してくれますので間違いがありません。郵送でも申請可能です。

デメリットもあります。

一度は自分で戸籍をすべて集めて法定相続情報一覧図を作成する必要があります。(申出書と根拠となる戸籍謄本をそえて提出します。)相続財産の種類が少なく、一度で済むならこの制度は無駄なことになります。手続きによっては従来通りの戸籍が必要な金融機関もあります。

◆ 生命保険での法定相続情報証明制度。

生命保険では相続による名義変更で法定相続情報が必要になります。

親が自分の子に生命保険をかけて保険料を親が払っている場合、相続が発生しても被保険者は生存していますから生命保険金は出ませんが、契約者である親が死亡していますから生命保険契約は相続財産として相続人たる新しい契約者に名義変更することになります。

形式的に言えば契約者(保険料負担者)が被相続人で、被保険者(体を提供する人)が子のような場合です。

◆ まとめ

法定相続情報証明制度のもともとの狙いは所有者不明土地の増加と言う社会問題を少しでも改善しようというものです。土地の名義変更には費用がかかり、期限や罰則が無いため、当面必要がなければ相続登記を先送りすることがあります。

確かにこの制度により相続手続きの簡素化が期待できますから有効ですが、相続登記の費用が発生するのは避けられないので効果のほどは見通せないところです。

この制度を利用すると被相続人と相続人の戸籍謄本の内容を一枚にまとめた「法定相続情報一覧図の写し」が発行されます。それさえあれば戸籍謄本一式が不要になります。

特に複数の金融機関や生命保険会社との契約がある場合、戸籍謄本は有料であるため費用と手間がかさみますが、「法定相続情報証明制度」で発行される「法定相続情報一覧図の写し」は無料であることから何枚準備しても金銭的な負担ありません。

確かにコストがかからず、相続手続の時間短縮ができます。ただ難点は、ご自分で戸籍謄本をたどりながら法定相続情報一覧図を作成しなくてはなりません。士業の専門家に頼むと費用が発生します。複雑な家系でなければそんなに難しい作業ではなさそうです。

必要に迫られたときに以下の法務局のサイトをご覧いただければ、大丈夫なようです。

◆法定相続情報証明制度の具体的な手続について

事前の知識として頭の片隅に置いておくぐらいでよさそうな情報です。

老後不安時代の親の生命保険。

老後不安時代の親の生命保険の見直しは。

CIMG3098時代は大きな変化の潮目を迎えています。

老後の不安は若い世代にまで広がっています。政府日銀がいくら低金利政策を続けても消費はある程度以上好転せず、デフレ傾向を脱却して本格的な景気回復につながりません。

インフレ状態が良いとは言えませんが、漠然とした高齢化時代の暗雲がこうした膠着状態の原因であるように思います。

今はまさに少子高齢化、老後生活を支える年金はどんどん減少し逃げ水のように支給年齢が上がっていきます。長寿化に伴い医療費は肥大し、非正規雇用の増加は老後資金として本来あるはずの退職金が確保できないという三重苦の時代です。

◆ 40歳の派遣社員の相談

先日たまたま、40歳になる独身の派遣社員に将来のビジョンやライフプランを聞く機会がありました。

彼には明確な将来のビジョンはなく漠然とした老後の不安を感じながらも、現状から抜け出す選択肢が見えていないようでした。

ひところ流行ったキーワードにパラサイトシンガー(親に依存する独り者)と言う言い方がありましたが、独り身ですから近い将来の親の介護も不安材料のようです。

幾人かの相談内容を総合すると、親は結構な年金をもらい持ち家に住み、預貯金もそれなりに残しているのに、その子らの世代は経済的に厳しい実態があります。

もちろん若い時は誰しも金銭的余裕があまりないのは普通のことですが、それだけではなく、老後資金のめどが立たないのです。

FPとして収支を将来的に組み立ててみてもファイナンシャルプランが組めないのです。資金不足が老後にもろにかぶってくるのですが、現状の収入では打つ手がありません。

もちろん生命保険にも加入していませんからアドバイスの切り口が見つかりません。

◆ 親の生命保険を見直す重要性。

ところが、その親世代は持ち家率も預貯金も年金も高いのです。意図したことではないですが時代の変化で親子間の資金格差は確実に開いているのです。

最近では新聞も取らないし固定電話も引かない若い世代が多いと聞きます。高度成長時代を経験した親世代は案外旅行を楽しんだり、趣味にお金を使ったりと思いのほか裕福な暮らしをしているのです。

また高度成長時代の親世代は余裕がありましたから、結構大きな生命保険に加入していることが多いのです。予定利率の良いころに一千万以上の太い終身保険に加入しています。企業年金をしっかり受け取りつつ、保険会社で終身年金(今はほとんどなくなりましたが・・)を確保している方もいらっしゃいます。

こうなると子の毎月の収入より年金生活の親の収入のほうが多いことになります。子にしてみれば親の年金額を正確に知る事もなく、親子間の資金格差が拡大するという妙な事態になりつつあります。

ただ、親世代は多くのケースで言えることは、子が独立しても保障額をも見直すことなく口座振替で保険料が知らないうちに落ちていることもよくあります。

生命保険はライフプランに合わせて人生の節目で見直していかないと必要な保障が確保できなかったり、無駄な保険料を払うことになったりします。

親の生命保険を見直す重要性がここにあります。親の保有する財産をしっかりリスト化し無駄な相続税を払うことがないよう整理し、しっかり見直すことがこれからの若い世代の知恵でなくてはならないと思います。

◆ 親の財産の把握、親の老後と自分の老後

CIMG3102相続税の基礎控除が引き下げられて、思いがけない相続税がかかるケースが増えています。

一次相続、二次相続と対策をしないと虎の子の相続財産を税金という全く見返りのないコストで目減りさせることになります。

相続財産が家屋敷のような換金性の低い不動産ばかりだと相続税のために借金せざるを得ないことも起こります。

一次相続で子が一人の場合4,200万を越える相続財産には相続税が課税されます。二次相続で子が一人の場合3,600万以上の部分にはやはり相続税が課税されます。不動産や株式がある場合は評価が変わりますから注意が必要になります。(相続税の死亡保険金控除は見ていません。)

生命保険は保険料の払い込みが残っていれば以後の保険料負担がなくなるよう「払済(はらいずみ)」に変更して下さい。不用な保障がある場合は解約を検討するなり、特約を解約して下さい。但し平成7年以前に契約している保険は予定利率がよいお宝保険の可能性がありますから解約は慎重にお考え下さい。

まずは親の財産を知ることが先決です。そういう話がフランクにできる関係を築いておく必要があります。日頃、何も言わない子が財産の話を持ち出すと親は警戒してはぐらかそうとします。

親の老後を守り無駄な相続税を払うことがないよう相談したいと誠心誠意話すことが大切です。できれば親が元気なうちに話をしておくとスムーズに進みます。

親に感謝し得して見送るのが子の務めと心得ましょう。

親御さんは子の将来をどこまでも案じているものです。きちんと改まって話すことでコミュニケーションのきっかけは必ず作れます。

配偶者控除にかかる3つの制度の違い。

配偶者控除にかかる3つの制度の違い。

CIMG3081配偶者控除と一言でいっても制度としては3つあります。

控除と言うだけに税金を負けてもらう公的な制度です。

それぞれ課税される税金が異なるので配偶者に関する点では同じですが制度として全く別のものです。

ただなじみが深いのは所得税の配偶者控除で、それ以外は日常的にあまり出てきません。とは言えいずれ関わる配偶者の老後を保証する仕組みですから知らないでは困るケースも出てくると思います。

詳細は他のサイトに譲るとして、3つの配偶者控除に関する制度を区別できるよう概略をまとめました。内容が根本的に違うことをご理解いただければ幸いです。

その1) 所得税の配偶者控除

その名の通り配偶者の所得額により世帯主の所得から一定額を所得控除できます。ようするに配偶者の年収が規定以下であれば生活が大変でしょうから所得税をお負けしますという制度です。

ほとんどのサラリーマンは会社の年末調整で処理されていますから、自分で税務署に申告するようなことはありません。

これまで配偶者の年収が103万円以下であることが条件でしたが、2018年度以降は税制がかわりややこしくなりました。ざっくりと言うと103万円の壁が150万の壁に変わります。奥様が働きやすくなったと言えると思います。

その2) 相続税の配偶者控除

もう少し正確に言うと相続税の配偶者の税額軽減です。夫がなくなり相続が発生すると基礎控除以上の財産に相続税が課税されます。

このうち配偶者が相続する財産には1億6000万円まで相続税を無税とする制度です。これによると配偶者が一次相続で相続税を納税するようなことはほとんどありません。

もちろん二次相続では配偶者が逆に被相続人となりますから、相続税を払うことはありません。他の相続人が相続税を負担して財産を引き継ぎます。

配偶者と言うのはとても優遇されていて普通であれば相続税を払うことはないのです。

従って配偶者と言うのは相続税の節税を考える習性がないので、節税対策の生命保険提案でも人ごとのようになり、二次相続の節税対策をまとめるのはまことに難しいことになります。

その3) 贈与税の配偶者控除

贈与税の配偶者控除はオシドリ贈与。

婚姻期間が20年以上あれば配偶者に居住用の不動産(自宅)もしくはその購入資金は2000万まで贈与しても贈与税が非課税となる仕組みです。生前贈与し申告が必要です。

せっかく配偶者の老後の住居を確保したつもりが、特別受益として持ち戻しになり遺産分割の対象にならないように、相続でもめそうな場合は遺言書で持ち戻しの免除を明記しておくことです。

いずれの相続の場合にも共通する注意点ですが、遺言書はとても有効な手段です。形式要件を誤らなければ法律文書としての有効性があります。

揉めない先の杖として、相続税がかからなくても遺言書をお書きいただくことを推奨します。

その4) まとめ

配偶者を優遇する民法の相続分野の改正が話題になっています。法制審議会が法務大臣に答申して、法改正の案がまとまるものと思います。

それによると配偶者の相続を手厚くし夫と死別後も配偶者居住権を設定し相続で住む家を手放さなくてもよいように改正される予定です。

どれを見ても相続税制と配偶者の不思議な関係が思い当たります。いくら手厚くされても二次相続と同じように配偶者はどうもピンと来ないように思います。

夫婦として配偶者のことが心配であれば二つの対策をおすすめします。配偶者を受取人とした生命保険に加入すること、きちんと遺言書を書いて配偶者が路頭に迷わないように配慮することの2点です。

おひとりさま相続とおふたりさま相続。

おひとりさまとおふたりさま相続の行く末。

生涯結婚しない人の割合が増加しています。おひとりさま相続の行く末は下記のページで考察しました。争族にはならないもののたった一人で迎える人生の終末についてあれこれ考えると相続にかぎらず一抹の不安感がよぎります。

相続420億国庫へ┃お一人様相続の行く末。

ところがおひとりさまだけでなく、結婚しても子どもがいないおふたりさまというケースでも、同じようなことが起こります。いずれはおひとりさまというわけです。

CIMG3071人間は誰でも、たとえ一人になっても、病気になっても、認知症になっても、体力が衰え車いすになってもとりあえず死ぬまでは生きていかなくてはなりません。

老後を心豊かに過ごすことは皆様が望むことではありますが、なかなか未経験ゾーンですから、適切なアドバイスの言葉が見つかりません。

このサイトではおひとりさまおふたりさまの相続で考えておくべきことを整理しました。せめて悩みの一つくらいは解消できれば甲斐があるというものです。

◆ 独身ならおひとりさま相続、子どもがいなければおふたりさま相続。

独身のおひとりさまは、体力があり元気なうちは勝手気ままに暮らすことができますから煩わしいことはあまりないと思います。でも先のことを考えると気が滅入ることもあるのが普通の心理でしょう。

年を積み重ねるにつれて介護の心配、遺産の心配が重くなってきます。遺産は多くても少なくても心配の種になります。最後は一人という覚悟はできていると思いますが、心のどこかに弱気の虫が頭をもたげます。

財産はそんなに多くなくてもそれなりの遺産は誰にでもあると思います。死後のことはもはや関係ないとはいうものの、遺産の処分については遺言書で指定することで憂いのいくばくかは消える可能性があります。

親族がいれば兄弟姉妹や甥姪に相続権がありますが、それもいなければおひとりさまの遺産は国庫に入ります。それがいやなら世話になった第三者や団体に寄付するときは遺言書で指定することができます。

◆ おふたりさま相続の落とし穴。

子どもがなくておふたりさまになると遺産相続では注意が必要です。配偶者がなくなったときに相続人としての子どもがいないと親兄弟が相続人として登場するのです。

CIMG3072これは遺言書などでしっかり対応しておかないと、残されたおひとりさま配偶者が泣きを見る落とし穴です。

配偶者の急死などによる遺産相続上のもめ事も実際多いのです。

普通の子どもがいる場合の相続では祖父母兄弟姉妹に相続権はなく、当然遺留分はないのです。

ところがおふたりさまの相続の場合には妙な相続人が登場するのです。

子どもという相続人がいないばかりに、もともと相続に関係がない親族に相続権が発生します。

おふたりさまの場合、連れ合いが亡くなったとき遺言書で指定していなければ無情にも法定相続となり、財産すべてを受け継ぐことができなくなるのです。

場合によれば遺産相続協議になり、住む家を手放して他の相続人に分割する必要も出てきます。

・子がなくて配偶者だけの時、親も相続人になり、配偶者が2/3、1/3が親の権利になります。
・子がなくて親がいない場合兄弟姉妹が登場します。配偶者が3/4、1/4が兄弟姉妹の取り分になります。

親族であろうとも、日ごろ懇意にしていようとも、お金の前には人が変わるということを胆に銘じておいてください。正規の遺言書さえあれば口出しできないのですから、くれぐれも抜けのないようにと申し上げておきます。

◆ おひとりさまとおふたりさまの生命保険

おひとりさまに必要な保険は死亡保険ではなく生前給付の医療保険ということになります。医療保険に入るべきと申し上げているわけではなく余力があれば医療費の積立くらいのつもりで加入することです。

無理をして加入しても、長期的な損得から言えば得になる事はまずありません。がん保険なら多少は意味があるかもしれませんが。

おふたりさまの場合は、死亡保険金が助けになる事があります。配偶者の生活が維持できる程度の生命保険をかけておくのが安全です。

あまり老いてからは生命保険の被保険者としては適任ではないですし、保険料もお高くなりますから早いうちに老後を見据えた生命保険を考えておく必要があります。

おひとりさまで、もし自分の死後に残るかわいいペットがいれば、面倒を見てもらう信用できる人に遺言書で指定しておいてください。

おひとりさまの場合、甥姪は兄弟姉妹がいれば相続人にはなれないので、甥姪に相続させたい場合は生前贈与か遺言書で指定してください。

◆  まとめ

おひとりさまもおふたりさまもこれからの時代はどんどん増加します。自分がおひとりさまかおふたりさまかを自覚し起こるべき相続問題に早めに対処しておくことが何より肝要です。日常では思いもしないリスクが相続には隠れています。また人間の本性がむき出しになるのが相続です。もちろん生命保険の見直しも含めてということがこのサイトの趣旨ではありますが。

相続税を節税したければ不動産に強い税理士を。

相続税を節税したければ不動産に強い税理士が必要です。

CIMG3068「保険は相談するな!」を主宰するhokenfpとしては、法人保険を活用した節税対策相続税対策に関する経験に基づく知見をブログとして公開してきました。

その中では不動産投資による相続税の節税対策は、生命保険に比べリスクが高いとして距離を置いてきました。

節税の口車に乗せられて本当に困っている方もいらっしゃいます。

しかし、好業績の中小企業オーナーは長年の間に不動産資産を獲得しているケースが多いようです。ある意味で納税資金が確保できていれば、節税の意味で不動産に投資されることが効果的な場合があります。

ひとまとめの感触でいうと安全確実・小口の節税が生命保険、ハイリスクかつ大口節税が不動産投資というイメージになります。

不動産の難しさは評価の難しさでもあります。不動産を評価する資格は「不動産鑑定士」です。このところ縁あって何人かの不動産鑑定士の方に会いましたが、実に知識レベルは様々です。

税理士が不動産の評価に疎いのと同じに、不動産鑑定士は税務のことは全くわかっていません。当然と言えば当然です。それぞれ関連が深いのにつながりがあまりないのです。

税務署でも資産税を担当していなければ、OB税理士と言えども相続に関する正確なアドバイスができないのと同じことです。

相続税の大幅な節税スキームを考えるとき不動産評価の知識は必須です。

ここが甘い税理士が相続税の申告を行うと他のルートからの相続税の還付請求などということになり面子丸つぶれになります。(還付請求専門の税理士法人があるくらいです。)

こういう話に必ず噛んでくる資格が不動産鑑定士です。聞くところによる資格取得は超難関だそうです。中にはすごい人もいてWライセンス+OBと言う方もおられます。

●山下太郎税理士事務所  (ご本人には内緒のリンクです。)

この方は税理士+不動産鑑定士+元資産税担当OBというわけです。この組み合わせを見かけることは、まずないでしょう。

このスキルの組み合わせは貴重だと思います。これにhokenfpのスキルと経験を合わせればかなりのパワーが期待できるように思いました。

申し上げたいのは、相続税を節税したければ不動産に強い税理士をお探しくださいと言うことです。

残念ながら保険でできることは手堅いですが限界があります。

何事も本当の専門家を探さないとベストな対策はできないということかと思います。

保険の受取人は妻から子へ変更が一番お得。

生命保険の受取人は妻から子へ変更するのが一番お得になります。

CIMG3065生命保険は加入する際、申込書に必ず受取人を指定します。

生命保険金の受取人を誰に指定するのがよいかは悩ましい問題です。

◆ 一般的な生命保険の受取人指定。

保険の受取人は被保険者死亡時に生命保険会社から生命保険金を受け取ります。

保険料を負担した契約者が受取人(契約者=受取人)の場合もありますが、受取人はモラルリスクが低い姻族であれば他の人でも構いません。

一般的に相続などを意識しない頃に生命保険を契約するときは、収入のある夫が保険料を負担する契約者であり被保険者(契約者=被保険者)でもあります。

受取人は配偶者(妻)という組み合わせにして夫が万一の時、妻が生命保険金を受け取れるように設計します。

◆ 生命保険の受取人は時期により見直すことが必要。

ところが時が経過し、還暦過ぎともなると保険料も払込満了を迎えます。資産や蓄えも増加し相続税を意識するようになると事情が変わってきます。

相続のことを考えるようになると、保険の受取人がこれまで通り妻でよいとも限らなくなるのです。

相続税がかかるようなある程度の資産家は奥様もそれなりにため込むことが多いのです。

その上に保険金の受取人となっていれば、一次相続で死亡保険金が入ることで二次相続での相続税負担が増加することもあり得ます。

配偶者が生活に困らない程度の老後の財産を所有しているなら生命保険の受取人を見直して配偶者(妻)から子に変更することも考えなくてはならなくなります。

◆ 生命保険の受取人は妻から子へ変更する。

例えば受取人を子に変更すれば、その子の固有財産として遺産分割協議の対象からはずれます。(相続税はかかります。)受取人指定を見直すことで財産分与の指定もできるのです。

生命保険の受取人変更については下記に詳細に説明しています。

●生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

相続税がかかるなら、一次相続二次相続を検証し、お得なパターンに受取人を変更することも考えなくてはならなくなります。

◆ 受取人変更まとめ

もちろん生命保険金も相続財産ですから、受取人も自分が渡したいと思う子に指定することが大前提です。

生命保険の受取人は時と場合、状況により最適なパターンに変更する、見直すということが必要なのです。

しかし、受取人を見直す人は少ないのが現実です。忘れてしまっている人がほとんどだと思います。

しかし遺言書を書くことと同じぐらい重要な争族予防策が、生命保険の受取人を見直すことです。

相続タブーが生命保険をややこしくする。

相続財産の話がタブー|保険の受取人は見直しが大事。

生命保険を扱っていると相続がらみの問題点が浮き彫りになります。

CIMG2283生命保険は契約ですからあいまいなところは一切ありませんが、生命保険契約の存在を相続人がどこまで把握できているか、受取人は誰に指定されているかが問題になります。

最近では保険証券も印鑑も不要という生命保険会社も多いだけに、契約の存在を早めにリスト化し共有しておくことがおすすめです。

とは言っても相続には様々なハードルがあります。被相続人の心理には複雑なものがあります。相続手続きの手順も慣れない中、短期での対応が求められます。

この辺を見ていくことにします。

◆ 相続税の申告まで十か月は意外に短い。

相続が発生すると10ヶ月以内という期限に責められることになります。

これは意外と短くて遺産分割の話に手間取るとあっという間に期限が迫ってきます。

相続が意外にややこしいと思うのは、日常的に経験がないためです。

手続きも思ったより複雑で、一次相続は最初で最後の一回だけですから練習もできません。かといって事前準備としてできることは、相続税対策以外には基本的な手順と期限を頭に入れておくくらいです。

最近では、告別式に続いて初七日の法要も済ませてしまいます。

終われば疲れ果てて親族は自分の家に帰ってしまいます。

相続税がかかる家庭では、相続の話は四十九日の忌明け法要が終わってからなどと思っているとあわてなくてはなりません。

ましてや被相続人に借金でもあれば相続放棄も考えなくてはなりません。

単純承認であれば問題はないのですが、相続放棄が必要な場合、相続発生から三か月以内と厳しい期限が眼前に迫ることになります。

相続財産がきちんと遺産リストとして整理されており、必要な情報が一か所に固まっていれば、処理はスムーズですが、多くのケースで何がどこにあるかすらわからないことが多いのが現実です。

そこに至って一番詳しい人がすでにいないということに気が付くことになります。

◆ 相続財産の話がタブーになる事情。

タブーの意味(google検索):ふれたり口に出したりしてはならないとされているもの。禁忌。おかすことが禁じられている、神聖または不浄な事物・場所・行為・人・言葉の類。

相続財産の話がタブー化している家庭は実感としても沢山あると思います。

エンディングノートに相続に関する必要事項を整理し、自分の財産をリスト化し遺言書を書いておけばことはスムーズに進むのですが、それがなかなかできない相談なのです。

その辺の被相続人の事情は以下にまとめてあります。

● 遺言書が書けない本当の理由。

● 遺言書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

親が相続財産を子に知らせたくない心理はとてもよくわかります。簡単に思いつくところを上げただけでも以下のようになります。

この心理は相続人には理解しにくいのです。

・財産があるとわかると生前贈与という無心が出てくる。
・不労所得は子に贅沢を覚えさせ勤労意欲をそぐだけ。
・相続財産をめぐって子らが疑心暗鬼、不仲になる。
・自分の財産をどう分けるか子に口出しされたくない。
・節税はしたいが誰にも手の内は明かしたくない。
・金の切れ目が縁の切れ目、あわてると損をする。
・財産を手放さなければ、子らが孫連れで帰ってくる。

ある程度人生経験を積み、お金がもたらす弊害、財産を前にした人間の欲得の際限のなさについて身をもって知っているから、被相続人はあれこれ思い悩みつつ秘密主義になっていくのです。

その結果、多くのケースでは被相続人は自分の財産の概要は、ざっくり話しても詳細は教えないのです。

意図的ではないにしても、敢えて話していないことも出てきます。

内緒にするつもりでなくてもカードで自由に買える仕組みを利用していると、引き落とされる口座が被相続人名義の口座というようなこともあります。別に暦年贈与をしていて基礎控除の110万円を越えていれば、それは贈与税の対象になります。

兄弟姉妹で片方に便宜を図っているようなケースではうっかり言えないことも出てきます。

相続財産の話が親子間でタブーになる事情はそれなりに深い意味があることをお察しいただきたいと思います。

◆ 相続財産の話がタブーなら遺産リストと遺言書。

仕事柄ついつい被相続人の立場で書いてしまいます。

被相続人にお話しすることは、秘密主義でも構いませんし、家族間の話し合いをしなくてもよいですが最低限、遺産リストと遺言書を書いてくださいとお願いしています。

そして金庫に入れておいてもよいし、家族に見せなくてもよいのですが、必ず見つかるところに置いておくことをおすすめしています。

貸金庫などに隠してしまうと期限までに見つからないことも起こりえます。これは二度手間になったり、もめ事の原因を作ることになります。

遺産リストは被相続人が作れば無駄なくもれなく作れますが、他の人ではそうはいきません。

これができていないと、相続調査で遺産の全容に一番詳しいのが担当税理士でもなく相続人でもなく税務署であったりするようなことになります。

相続財産の話がタブーなのは仕方がないですが、遺産リストと遺言書だけはお忘れなきようにと申し上げておきます。

◆ 相続財産の話は家族間のタブーなら生命保険受取人指定に注意。

よくある落とし穴ですが、相続財産をリスト化するときに生命保険契約も確認すると思います。

この時必ず保険金の受取人を見直してください。

生命保険の契約をするときには受取人はそれほど深く考えずにとりあえず配偶者や子に指定します。相続を前提にすると受取人の再指定は重要です。

生命保険金は受取人固有の財産(みなし相続財産として相続税はかかります。)ですから、遺産の受取人を指定したのと同じことになります。

権利は権利ですが他の相続人との不公平の原因にもなりますから配慮が必要です。また配偶者に相応の財産が残るのであれば、受取人は配偶者から子に変更しておくことが相続税的には有利になります。

生命保険の受取人変更については以下に詳しく書いています。

● 生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

● 生命保険の契約者変更と受取人変更 | 課税関係を解明。

● 生命保険の受取人指定は遺言書より確実な理由。

◆ まとめ-相続財産の話がタブーはタブー。

実のところ相続財産の話のタブーこそタブーなのです。しかし被相続人も人間ですから好き嫌いもあります。生前に手の内を明かして嫌われることもないのです。

ある程度頑固に財産を握り続けていると、逆に子らに疎まれるような事態も見られます。洗いざらいも感心しませんがタブー一点張りも家族関係を考えるとあまりよろしくありません。

大金でなく、小金を不定期に贈与しつつ、生命保険の様な換金性にハードルがあるようなものを組み合わせて生前贈与しておくことです。

その上で、遺言書のありかや財産の概要を節目節目の折に触れて伝えておけば、よしとしたところです。この辺の感覚は配偶者や子らの性格にもよります。しかし信頼しすぎて目測を誤る事例のほうが多いように感じます。

くれぐれも慎重に、何事も小出しに、です。

また相談する人にもご注意下さい。親切な人には残念ながら概して下心がありますから、その分を割り引いて話を聞くことが大事です。相続というのは大金が動く訳ですから、方々無造作に話を進めないようにお考え下さい。

 

成年後見より民事信託が有利な理由。

成年後見より民事信託が有利な理由を整理しました。

CIMG2289相続財産が現預金と生命保険のように換金性の高いものばかりであれば相続で分割することは容易です。

しかし相続財産の内訳が土地不動産や自社株などの場合、所有権を分割すると後でもめたり相続後の不動産経営の効率が悪くなることがあります。

また被相続人には高齢になると認知症のようなリスクもあります。

早めの財産管理を自分以外の人にお願いする場合、成年後見制度や遺言信託などがあります。

◆成年後見制度のデメリット

成年後見制度は、家庭裁判所の権限が強く、成年後見支援信託口座に入れられたお金は一円たりとも裁判所の許可がないと動かせないという、ガチガチの制度です。

確かに士業と言えども人間ですから悪さする人もいます。そういう意味で手堅いですが煩わしいところです。

それだけではないデメリットは、一度成年後見人を選任すると成年被後見人はすべての判断ができないことになりますので、自分の意志で生前贈与も生命保険の解約もできなくなります。

会社の役員も下りなくてはなりません。

成年後見人を選任するということは、それなりの認知症ですから正しい判断ができないということでしょう。

しかし認知症の方は正常な時間もあったりします。結構付き合うのは難しいのです。他人の前では正常になり身内の前では認知症というような厄介な病気でもあります。

◆遺言信託の限界

遺言信託はある程度財産があり、揉めそうなケースにはいいのかもしれませんが、費用が多額です。

先日、相続専門のOB税理士に話を聞きましたが、遺言信託は費用の割には何もしてくれないとぼやいていました。

相続税の節税対策のアドバイスやスキームの提供では弱いのです。遺言はルールどおりに確実に執行してくれますが、それ以上の期待はしないほうがよいようです。

ただ遺言信託は金融機関などが組織として請け負いますから、人が変わっても責任は果たしてくれます。いくら優秀で親切な税理士でも相続が発生したその時に、現役バリバリでいるという保証はありません。

相続相談は遺言信託か税理士法人かに決着。

「遺言信託」と「遺言代用信託」生命保険との違い。

◆民事信託の有効性と問題点

あまり聞かない仕組みですが民事信託という選択もあります。信頼できる身内がいる場合には有効な仕組みだと思います。

例えば長男を民事信託の受託者として契約します。他の兄弟は委託者兼受益者となり受託者が資産の管理運用を行い、分割を決めることができます。

費用がほとんどかかりません。結構いろんな場面で使い勝手があります。

後継者候補の長男に自社株を信託財産としてすべて託すことで経営権を委譲しつつも見守ることができます。

民事信託の難点は先ほどのOB税理士も指摘していましたが、受託者が悪さした時に打つ手が整備されていないのです。まだこれから変わっていく仕組みではないかと思いま
す。

なぜ、このコストがかからず使い勝手が良い民事信託が広がらないかと言うと、相続対策を売り込む側にはほとんどメリットがないからなのではないかと思います。

税理士さんにしても金融機関にしても民事信託となると出番が少なくなるようです。

◆ まとめ

相続が発生した時点で、被相続人はこの世にいませんから発言権はありません。

生前と言えども老いが進むと適切な判断能力が衰えてきます。

いかにワンマンで強権的なオーナー経営者も忍び寄る老いの現実には勝てないのです。

自分の死後の憂いをなくすための手段として成年後見制度や遺言信託があります。

民事信託も信頼できる受託者に任せることで憂いを軽減することが目的です。

それぞれにメリットがありデメリットがあります。ここをよく理解して選択する必要があります。

相続対策を売り込むことでお金を儲ける立場の人たちは、本質的なデメリットは言わないものです。

広くセカンドオピニオンを利用し立場の違う人の意見を聞くことが判断を誤らないポイントではないかと思います。

相続申告期限に間に合わないととんでもない税額が!

相続申告期限に間に合わないととんでもない税額がかかります。

CIMG3031相続税は相続発生から10ヶ月以内に遺産分割協議をまとめて申告書を税務署に提出しなければなりません。

もし遺産分割の話がもめて、まとまらなければ相続税の申告ができず、様々な優遇措置が使えなくなりとんでもない税額がかかることがあります。

しかし申告期限から3年以内に遺産相続協議をまとめて、あらためて申告をしなおすと納めた税金が還付されます。

この場合、一度は法定相続分を相続したとして全額を納税しなければなりません。還付されるまで多額の納税キャッシュが必要になります。

資金的に余裕があれば納税することは可能ですが、資金が少ないと物納もできず追いつめられます。

遺産分割協議をまとめて申告までたどり着くには10か月は短いと思います。

◆予想される不利益をあげると。

1)配偶者の税額軽減が適用できない。

配偶者の税額軽減は法定相続分(半分)か1億6千万と巨額になります。税額軽減が適用できないと一時的とはいえ重い相続税負担になります。

2)小規模宅地等の減額特例が適用できない。

遺産の大半が自宅不動産の様な場合、同居や家なき子等の適用要件が厳しいですが、条件が整えば小規模宅等の評価減はとても大きな金額になります。

3)相続税の取得費換算の特例が適用できない。

遺産分割協議が不調だということは未分割なわけですから、相続財産を売却することはできないと思います。申告期限から3年以内である相続財産の売却はその不動産に対応して納めた相続税を譲渡益から差し引く優遇措置が時間切れになるリスクがあります。

4)物納が原則としてできなくなる。

相続物件が不動産等に偏っていると納税資金に困ります。物納の要件はとても厳しいですが、物納ができなくなるとさらに困難になります。

注意)

・配偶者の税額軽減や小規模宅地等の減額特例などで相続税がかからない場合でも申告は必要です。申告により税額軽減が認められます。
・期限内に申告しても相続税の納税をしなければ延滞税がかかります。
・無申告の場合ペナルティーとして無申告加算税がかかります。(税務調査までに申告すれば5%、税務調査後は15%)

◇生命保険の名義変更で無申告加算税が!

◆遺産分割協議と不調と生命保険の行方。

遺産分割協議が仮に不調でも、生命保険金は受取人固有の財産となります。みなし相続財産として相続税が課税されますが、原則として遺産分割協議の対象となりません。

納税資金が足りないときは即キャッシュとして心強い味方になります。また相続協議がまとまらないときに代償分割としても生命保険金は威力を発揮します。

相続に活用できる生命保険の仕組み、契約者と被保険者そして受取人指定を正しく活用することが重要です。

◆遺産分割協議がまとまらないと争族です。

相続の審判や調停で家庭裁判所に持ち込まれる件数だけでも年間15,000件前後、周りを見回すと、実際の相続をめぐる争いはこの一桁上の数であろうと思います。

仲がよい親族や家族でも相続となると人が変わります。こればかりは身をもって感じるところです。何かのタガが外れるとそこからは別人のように思いやりが欠落します。

◇相続財産|知られたくない親心。

それもそのはず相続で手にする資産は非日常の棚ぼた世界、濡れ手に粟の不労所得ですから目の色が変わり亡者になることもいとわなくなります。

この争いは遺産の多寡や相続税がかかるかどうかに関係がありません。

生命保険を活用した納税資金対策を行うことで、納税資金を活用し、家族の争族を未然に防ぐことも可能です。「保険は相談するな!」ではブログの至る所に保険活用の知恵が盛り込まれています。

生命保険で同居の嫁の相続悲劇は救えるか。

生命保険で同居の嫁の相続悲劇を救済する方法。

CIMG3049家制度ははるか昔になくなりましたが、家の嫁という考え方はまだまだあります。

核家族化が進んだとは言え、息子が結婚すればその嫁は自分の娘と同じことです。

誰しも確実にもれなく老います。果ては体が弱り人のお世話になります。

息子の嫁に世話にならなければならないことも起こります。

お世話になった嫁には感謝の気持ちとして、いくばくかの財産を残してやりたいと思うのも当然です。

ところが相続は嫁に限りなく冷たくできています。

実の親子ではないので相続人ではなく、遺産を受け継ぐ何の権利も保証されていません。

まだ相続人である夫が存命なら表立ってはないにしても意見を言えるでしょうが、田舎では相続に口を挟まない嫁がよい嫁とされたものです。

親と同居するのは長男の嫁が多いと思います。同居の嫁は遺産分割に関しては、家のことも親のことも責任を放棄している他の兄弟に比べると著しく不公平なのです。

この状態を同居の嫁の相続悲劇として、少しでも解消できる方法について生命保険を柱に列挙しました。人生経験と生命保険の知識がお役に立てば幸甚です。

1)同居の嫁に相続権なし。

同居の嫁は息子の配偶者です。被相続人たる親から見れば、いくら世話になっても血がつながっていません。赤の他人ではないですが、法的には姻族という事になります。

よって相続権が元からありません。相続権がないから当然ながら相続人一人当たりの相続税の基礎控除(600万)も生命保険死亡保険金の非課税枠500万もありません。

意図的に手を打たなければ、同居の嫁に相続に関しては権利も特権も一切ありません。

2)同居の嫁を生命保険の受取人に指定。

生命保険金は受取人固有の財産として判例が確定しています。同居の嫁を生命保険の受取人に指定すれば誰はばかることなく報いることが可能になります。ただし注意すべきことがいくつかあります。

・生命保険金は受取人固有の財産ですが、相続税の納税義務が発生します。

・納税義務が発生しても相続人ではないので相続税の基礎控除(600万)も死亡保険金控除(500万)も使えません。

・嫁が受け取る生命保険金が相続財産に合算され計算されるので、他の相続人にとっては増税になります。

・もし生前贈与を受けていれば、相続として納税義務が発生した時点で贈与3年以内のもち戻しが発生します。

生命保険では各社微妙な違いがありますが、受取人は原則として、配偶者および2親等以内の血族(祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫など)とされています。

生命保険にはモラルリスクということがあります。嫁は血族ではなく姻族ですから原則外になります。

よって息子の嫁を死亡保険金の受取人に指定する場合は、個別に理由等を確認することになり、ケースによっては調査が入る場合があります。でも受取人に指定できないということはありません。

3)同居の嫁には遺言書で遺贈。

簡単なようでなかなかできない遺言書ですが、書き方さえ間違わなければもっとも簡単に同居の嫁に財産を遺贈することができます。

遺言書で指定すれば、相続人でなくても財産を渡すことができます。この場合、他の相続人にも配慮しないと後後揉めることにもなります。

世話になった嫁が孤立して困ることがないよう、他の相続人の遺留分を侵害するようなことがなく、また遺贈の意思を言い含めておくことも必要です。

4)同居の嫁を養子縁組して相続人に。

他の相続人がとやかく言わないなら、確実な方法としては嫁を養子にしてしまうことです。そうすれば晴れて相続人となり権利も特権も発生します。

相続税の基礎控除(600万)も死亡保険の非課税枠500万も使えます。

明快かつ確実な手法ですが、心情的にひっかかる方もあろうと思います。

養子縁組の手続きには証人が2名必要ですが、書類さえ整えば簡単です。

5)まとめ

そうは言っても実際はなかなか遺言書も書かない方が多いですし、嫁を養子縁組するのは他の兄弟姉妹の手前、はばかられることがあるのもわかります。

相続権のない嫁にいくばくかの財産分与を考えるなら生命保険で受取人指定をすることが最も簡易でベストではないかと思います。

ただ言えることは本当に同居の嫁に感謝の気持ちがあるなら、頭がしっかりしているうちに上記のいずれかの手を打つことをおすすめします。

老いというのは体力だけでなく気力も失われていきます。何かを形にするにはエネルギーが必要です。

いつかやろうと思って先延ばしにしているうちに思いがけずハードルが高くなってくるものです。

思い立ったが吉日とはよく言ったものです。

遺産分割4つの方法。

遺産分割4つ方法、共有が最悪な理由について。

CIMG3051遺産はいろいろな形で相続されます。

現金・不動産・生命保険・株式等に分かれ
ますが、分けやすいものとばかりは限りません。

遺言書あればそれに従って相続することになりますが、まだまだ多くのケースで遺言書がきちんと保存されているケースは少ないように思います。

相続争いを避けるためには相続税がかからなくても遺言書は必要です。でも被相続人が遺言書を書かずに相続が発生してしまえば後の祭りです。

遺産分割協議で相続人が合意できればよいですが、遺産を分けるということは欲得の絡み合いですから、それぞれの主張が食い違うのが普通です。いわゆる争族になります。

結局、お互いが譲らない場合は法定相続に従い分割するよりありません。

ところが遺産というものは現金ばかりではないので、分けるといっても簡単ではないのです。遺産分割の方法としては大きく4つの方法があります。

◆ 遺産分割4つの方法

1)現物分割

これは遺産を現物のまま分ける方法です。現金なら簡単ですが、それ以外のものを平等に分けることは難しいと思われます。

手続きは簡単になりますが、相続人間の納得を得られにくいことが多くなります。

遺言者で現物分割をきちんと指定していれば、それほど揉めることもなかったはずです。

2)換価分割

これは現物分割では公平に分けることが出来ないので遺産を売却して現金化して分割する方法です。

あっさり現金化できれば一番公平に分割可能ですが、今住んでいる家だと売るわけにいかない場合もあります。

また不動産は相続で売却するとなると買い手に足元を見られ、買いたたかれるのが相場です。

3)代償分割

遺産を公平に分けようとしても分けられない場合、かつ現在居住しているような場合は代償分割という方法が相続人間の納得には有効です。

例えば不動産をもらう代わりに遺産分割の取り分で超過した部分を他の相続人に対して現金で支払うことで合意を得ようとする手法です。

問題はそれだけの支払い能力があるかどうかになります。そのための生命保険活用は以下に詳しく書きました。参考にしてください。

◆代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

4)共有

とりあえずの問題先送りが共有です。今納得できないからと言って先送りすれば問題はさらに複雑化することが往々にしてあります。

将来処分するときに揉めることは予測できますし、次の相続でも発生すれば、さらに権利関係の整理が混とんとします。

共有は単なる時間稼ぎに終わる可能性が高いと考えるべきでしょう。

まとめ

遺産分割には確かに4つの方法がありますが、言ってみれば当たり前の手法です。その中で相続に関してお役に立つ部分は二つあります。

一つは遺産分割で代償分割が予想される場合は、生命保険活用が間違いなく有効です。被相続人が被保険者である生命保険の死亡保険金を代償分割の資金に充当します。(くれぐれも受取人指定を間違わないようにご注意下さい。)

もう一つは遺産分割においては不動産などを分割できないからと言って共有にすることは最悪の結果を招くことがあるので、先送りの妥協は極力避けられることをお勧めします。

相続税┃税務調査で狙われる理由。

相続税の税務調査で狙われる理由があります。

CIMG3059課税当局の調査する側の人脈やOB税理士にネットワークがあるといろいろな情報が入手できます。

署の幹部の方々は納税に協力的な優良申告法人などの企業には格別に親切ですし、納税協会の行事等で一杯はいると内輪の情報もアドバイスいただけます。

優良申告法人と言えども本音は多額の納税を望んでいるわけではなく、できるだけ少ない納税で税務調査に配慮、はやりの言葉で「忖度」を期待しているにすぎません。

狐とタヌキの化かし合いのような面もありますが、双方にメリットがありますから、それはそれで機能する仕組みなのです。

すぐに転勤になるとは言え、署の幹部方とは親しくさせていただいて損はありません。

それだけ見返りの配慮も情報も質が良いと思います。ただ税務署も組織が分かれていますからお得意分野があります。そこは心得ておく必要があります。相続税なら資産税部門が担当します。

今回の相続税の基礎控除の縮小[基礎控除が5,000万⇒3,000万、相続人一人当たり控除が1,000万⇒600万 相続人が3名いるなら4,800万控除]で、相続税が庶民にも身近になった感がありますが、資産家にとれば誠に過酷な税制です。

しかし相続税には課税当局にも大義名分があります。

◆ [課税庁側の大義]相続税の真の狙いは・・・

・一生分の所得税の課税漏れの精算、最後の砦

サラリーマンをしていると所得税は源泉徴収という名目で自動的に有無を言わさず天引きされてしまいますので、徴収漏れということがありません。しかし法人でも個人でも見解の相違も含めると所得税の課税漏れはそれなりにあるはずです。

企業会計原則の一般原則でも「保守主義の原則」という考え方があります。企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならないという幅のある解釈もあります。

それやこれやをひっくるめて、所得課税できていないものを相続税で清算していただきますと言う、血も涙もない課税の最後の砦が相続税というわけです。

・富の集中抑制機能、財産保有状況の均衡化

課税当局には基本的に公務員が務めています。普通に暮らしていれば資産がそれほど蓄積されることはないでしょう。

一般国民たる庶民にとって課税当局の職員は、鼠小僧次郎吉のようなもので富裕層や資産家から財産を没収して公平をもたらしてくれる正義の味方と言えるかもしれません。

ここに税務署の相続税を徴収する大義名分があります。

自由主義経済ではどうしても富が一極集中しがちです。それを何代も課税ぜずに引き継げば社会的不公平と貧富の差は拡大します。

相続税が重税であるがゆえに、財産保有状況の均衡化が図れるというわけです。

◆ 無知な人ほど狙われる相続税調査

・相続税の知識不足による安易な解釈

相続税で一番危ない、狙われるパターンは、相続直前に多額の現金を引き出す事だそうです。

田舎のJAや郵便局なら顔見知りですから、親が行かなくても現金を下せる場合があります。葬式代のつもりで多めに現金を下すことはよくあります。

でもうまく立ち回ったつもりが裏目に出るのが相続直前というタイミングの悪さです。

課税当局は資産の動きはすべてお見通しです。

無知な人に罪はないのですが、知らなかったでは済まないのが相続税です。

専門家に相談するなり、自分で勉強するなりして相続税に対する無知を克服しておくことが重要です。

言っておきますが、勝手解釈はケガの元です。税理士などの専門家と縁がない素人でも相続税がかかりそうなら税務署に相談に行くなり、税理士さんにお願いするなりの対策が必要です。

◆ 富裕層を狙う税務署は・・・

・富裕層の資産状況は長年の蓄積データで分析

狙われる富裕層は早い時期からあの手この手で専門家による相続税の節税対策を行っているものです。

しかし資産家たる中小企業のオーナーの実際の相続税対策をみると、ずいぶんグレーゾーンが多いですし、自分の都合のよいように解釈して節税したつもりが多いように思います。

例えば時効になりもしないのに6年で贈与時効を待っていたり、贈与になるにもかかわらず生命保険の名義を変えて知らんふりもよくあります。

概して資産家というものは猜疑心が強く人を信用するということがあまりないように思います。家族にも相談相手にも手の内はすべて明かしません。ところが本人よりもまた担当税理士よりも詳しく資金の流れを把握しているのが税務署です。

税務署には資産家たる被相続人に関する長年のデータが蓄積されています。

当然毎年の確定申告情報はもちろん不動産の所有状況や金融機関の取引情報も家族を含めて手の内にあります。

年間所得から想定すれば相続税が正しく申告されているかどうか見当がつきます。あるはずの資産内容が相続税の申告に反映されていないと相続税調査の対象になるわけです。

◆ 相続税対策の基本をアドバイス

・余裕を持った生前贈与がベスト

相続税対策の基本は何と言っても生前贈与をうまく活用し、相続する財産を減らしておくことです。生前贈与で効果を上げるにはある程度の年数が必要です。

なるべく早い時期から始めることです。他のページに山ほど生前贈与の手法には書いていますので、ここでは詳細には触れません。

下記を参考になさって下さい。

◆生前贈与を非課税に|何から始めてよいかわからない方へ。

・生命保険による対策が基本

少々の相続税なら生命保険で対策が可能です。被保険者の年齢や健康状態という問題はありますが、生命保険の活用は最も安全確実で効果的です。

予定利率が最低の時代ですから、外貨建ての一時払終身保険が狙い目です。最低でも相続税が控除される生命保険死亡保険金控除だけは確保するようにして下さい。

下記を参考にして下さい。

◆相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由。

・不動産投資による節税はハイリスク

何とか建託とか建設関係の話に乗って不動産投資をするのはお勧めできません。

相続税対策として不動産投資で効果を上げるのは難しいと思ってください。何と言っても素人にはハイリスクです。

余程換金性の高い駅前物件でもない限り借金だけが残ります。資金を貸した銀行は、融資先が行き詰まれば担保を押さえるだけです。

この手の失敗が近郊や郊外で多くなっています。行き詰ってから相談に来られても、もはや打つ手がないのです。景気はいつまでも良いとは限りません。

◆ まとめ

CIMG3060安全な生命保険とそれを組み合わせた生前贈与で対策を行い、それを越えた分は割り切って相続税を払うことです。

その方が将来にわたりよほど安全確実、かつ安心です。

相続税の税制は、代替わりの度に何もしなければ財産が半分になる感じですから、江戸時代の年貢の五公五民のような厳しさがあります。

中小企業のように、キャッシュがなく自社株だけのような場合は、全く理不尽極まりない感じさえします。(事業承継税制として納税猶予制度ができましたが、適用要件が厳しいと感じています。)

ゆえに工夫を凝らし、グレーゾーンギリギリでも事業承継対策をして生き残りを図ります。

庶民としても相続税がかかりそうなときは、自分で調べるのも結構ですが、できるだけ早く相続税を得意とする専門家に相談することです。

依頼することによる多少の出費は覚悟して、後後困ることがないような万全の対策をできるだけ早く行うことが身を守ることになります。

これは便利!相続税|国税庁の簡易判定。

相続税かかるかどうか、国税庁の簡易判定を使ってみました。

◆ 相続税の増税による対象者の増加。

CIMG23062015年の税制改正により相続税が大幅増税になりました。

それは相続税の基礎控除が6割に縮小されたためです。

基礎控除としては[基礎控除が5,000万⇒3,000万、相続人一人当たり控除が1,000万⇒600万 相続人が3名いるなら4,800万控除]

その他に生命保険の死亡保険金控除は一人あたり500万があります。

相続税の増税後、2015年中に亡くなった方で相続税の納税者は前年の8割増加で10万3043人になりました。

もう少し踏み込んだデータでいうと2015年には小規模宅地等の特例の適用件数はなんと249%の増加での6万7325件となりました。

小規模宅地等の特例を適用するには申告を必要としますから、にわかに相続税対策を必要とする人のすそ野が飛躍的に拡大して、人ごとではなくなった感があります。

◆ 人ごとでない相続税の要否判定。

大都市周辺に自宅不動産をお持ちの方、優良株式をお持ちの方などは思いがけない評価になっている可能性があります。

相続税の増税前ならほとんど人ごとであった相続税の節税対策がわが身に降りかかってきます。

それほど資産があるわけでもないのに相続税なんて、誰しもお思いだと思います。

これまでサラリーマン人生で、懇意の税理士さんもいないようなごく普通の中流層の新しい悩みです。

たぶんそういう方が多いことを見越しての対策なのでしょうが、国税庁が相続税の申告要否の判定が簡易にできる仕組みを提供しています。

●相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分以降用)

これはPDFデータをダウンロードするのですが、その中に基本的数字を入力する枠があります。(こんなことができるとは知りませんでした。)

そうすれば集計して相続税がかかるどうか判定できるようになっています。

とても簡易で便利な仕組みです。相続財産の評価が明確なものだけなら便利ですが、不動産や証券等で評価額が変動している場合は、資料が揃っていないと正しい答えが出てきません。

●国税庁 相続税の申告要否判定コーナー

こちらはもう少し本格的です。きちんとデータを揃えて入力すればかなり正確な判定が可能です。

このレベルですと、ある程度の相続税に対する基本知識は必要になります。解説のページも親切ですが、内容的には素人がすぐに理解できるものではないように思います。

試しに入力に取り組んでみると、相続税の算出にはどういう資料が必要になるか徐々に理解が進みます。

税理士さんに依頼することになれば、どうせ必要資料は用意することになりますから、一度ご自身で取り組まれてもよろしいかと思います。

◆「相続税の申告等についての御案内」が届いたら。

税務署は相続税がかかるとみなしている相続人の代表には「相続税の申告等についての御案内」を送ってきます。

この中には相続税申告の手引きや相続税の申告要否簡易判定シートが同封されています。

この場合は税務署の手の内に、相続財産から判断して相続税がかかりそうだというデータがあります。

もしあなたが、相続税がかからないという自信がある場合は、相続税の申告要否の簡易判定シート(平成27年分以降用)を記入して回答してください。

記入してみて相続税がかかるようなら、税理士さんなどの専門家に相談をおすすめします。いまさら生前贈与もできませんから素直に対応するほかないです。

余談ですが、hokenfpにおいては、両親を二人、家内の父親もなくしましたが、残念ながら実はまだ「相続税の申告等についての御案内」はもらったことがないのです。

あくまでもネットと伝聞情報で構成しています。貧乏人には縁がなく、誰でももらえるわけではないので、大事にしていただきたいと思います。

◆ 被相続人の気持ちが相続の障害に。

一次相続では相続税の増税前で税務署からは何も言ってきませんでしたけど、二次相続では、増税分が影響したり、引き継いだ株価や土地の評価も変わっていたりすることがあります。かくいうhokenfpも戦々恐々の日々を迎えることになりそうです。

ま、相続税をいくばくか払えば事は収まるというものの、講釈ばかりで自分のことはどうにもならない歯がゆさは、まさに相続の難しさでもあります。

被相続人と相続人たる子たちがちゃんと話し合いができて、生前贈与生命保険で対策ができればよいのですが、被相続人というのは概して高齢で頭が固く疑り深いようです。まだまだ長生きするつもりですし、手持ちの資産を減らしたくないという気持ちもよくわかります。

金の切れ目が縁の切れ目とは思いたくはないですが、被相続人にとれば深刻な現実です。

自分が払うわけでもない相続税にかかわりたくはないのです。よって、悲しいかな、被相続人には善意のアドバイスも通じないのです。

生命保険|相続人以外への遺贈は2割加算。

法定相続人以外へ遺贈すると相続税は2割加算。

CIMG2358遺贈とは被相続人が遺言書に書くことで被相続人の財産を相続人もしくは第三者に無償で渡すこと、と言ってしまうと相続とどこが違うかわかりにくくなります。

 

 

 

◆ 遺贈は相続人以外にも可能です。

遺贈は相続人とばかり限ってはいません。長男の嫁でも、内縁の妻でも孫でも、相続人としての資格がなくても遺言で指定があれば受遺者(遺贈を受ける人)になれます。

遺贈は死因贈与とは異なりますので受贈者の承諾がいるわけではありません。受遺者になりたくなければ放棄すればよいだけです。

何が相続人と違うのかと言うと相続人と異なり遺贈の範囲のみに責任があります。

もちろん遺留分代襲相続もありません。相続人と違いますから誰か別の相続人が相続放棄をしても受遺者の遺贈分は変わりません。

(厳密には包括受遺者となれば相続全体にかかわるので相続人と同一の権利義務が発生します。)

◆ 受遺者(相続人ではないが遺贈を受けた人)も相続税の義務があります。

遺贈を受けた受遺者も相続税を払いますが、通常の相続税計算で算出した相続税額の2割加算が適用されます。

これは本来相続人でもないのに相続財産を取得できるからよしとするほかないですが、内縁の妻などに遺贈するようなケースでは、気の毒な話です。

◆ 孫に遺贈することもできるが相続税は2割増し。

親が相続人として存命なら代襲相続とはならないので、一代飛ばして孫に財産を分けたいなら遺贈すればよいのですが、当然相続税は2割加算となります。

相続財産を受け取るわけですから、ば相続財産を受け取る人に生前贈与をしたことになり、生前贈与を受けていれば3年もち戻しのルールも適用されます。孫に贈与すればこの3年もち戻しが該当しないと思っていても、課税当局には通用しないようです。

3年もち戻しのル-ル:相続人に対し生前贈与を行っても、相続発生前3年分は相続財産に足し戻して相続税が課税されること。相続人以外に贈与しても3年もち戻しは適用されない。

生命保険の受取人を孫にすれば死亡保険金の遺贈となり、相続税が2割加算。

注意すべきは生命保険の受取人を孫にしておくと遺贈のようなことになります。

孫が被相続人の死亡を原因として死亡保険金を受け取れば、遺言書に遺贈を指定したと同じことになり、孫の払う相続税は2割加算となり、生前贈与3年もち戻しのルールが適用されます。

さらに困ったことに孫は被相続人と養子縁組をしていなければ、正式な相続人ではありませんから、死亡保険金に適用される非課税枠500万円が使えないことになります。

生命保険の契約では受取人指定は一親等以内の血族でお願いするのが普通ではありますが、そうはいかないケースもあります。モラルリスクがなくても、生命保険の受取人指定は相続が絡むと意外に難しい展開をはらんできます。

この辺はやはり詳しい専門家に相談されないと、適切なアドバイスは期待できないように思います。

生命保険に詳しい税理士、それも相続税に強みのある税理士さんでないといかんかなと思います。

ただ、幸か不幸かわかりませんが、一所懸命孫に生前贈与し、生命保険の受取人を孫に指定した被相続人たる爺婆はこの世にいないので、自分の失敗に気づくこともないという神の計らいです。

相続税調査をOB税理士に聞くと8割NGの真実。

相続税調査をOB税理士に聞くと8割NGの真実。

CIMG2359すでにご案内のように平成27年1月1日から相続税の基礎控除が引き下げられ、増税となりました。

[基礎控除が5,000万⇒3,000万、相続人一人当たり控除が1,000万⇒600万]

この条件は無自覚の相続税対象者にはかなり厳しいバーとなりました。

実際の数字で見てみると平成27年の死亡者数は全国で約129万人です。

平成26年は約127万人ですからそれほど変わりません。相続税がかかるからと言って被相続人は早めに死ぬというわけにはいかないものです。

ところが被相続人(死亡した人)の中で相続税の課税対象となった人数は、平成26年は56,239人であったものが平成27年で103,043人となり一気に倍増しました。

予想されていた事とは言え課税割合(全死亡者数に占める課税された被相続人の割合)は、平成26年分の4.4%から平成27年は8.0%へと大幅に増加しました。

これは、生前贈与や生命保険での対策、不動産投資をしてなお納税を余儀なくされた方の数ですから、そのすそ野はとんでもなく広いように思います。

◆ 相続税調査がやってくる。

この結果、相続税調査の対象者も倍増したことになります。

相続税調査は税務調査一種ですが、たびたびあるものではありませんから、経験を積むということもできません。相談するにしても誰に相談すべきかわからないものです。

主に税理士さんに相談するしかないのですが、特に相続税調査に強いのがOB税理士です。

当たり前と言えば当たり前ですが、もともと相続税調査をする側にいれば事情に明るいのも、ツボを押さえることもできます。

◆OB税理士とは何者か。こちらに書きました。

◆ OB税理士に相続税調査のツボを聞きました。

その1)ターゲットは「富裕層」「無申告」「海外資産」ということです。

相続税がかかるかどうかの境目の庶民感覚で恐れるならば、無申告ということになります。無申告とは全く相続税の申告をしない場合です。

申告漏れと言うのは申告したけど抜けていた、あるいは過少申告というケースです。

その2)知らなかったは通用せず「非違」となります。

知らなかったで時効を向かえようという考えは全く甘いという他ありません。

「非違」とは違法、非法と同義です。相続税調査の8割で「非違」とは驚くべき割合です。

その多くが税法に対する無知、素人解釈が原因です。

税法に対する誤解、事実誤認に基づくものは課税を免れる正当な理由には当たらないそうです。

その3)相続税は実質課税です。

相続税調査で指摘される多くのケースは名義預金です。

名義が変わっていても実質的に被相続人に帰属する財産は相続税の課税対象になるのです。

妻のへそくり然り、名義保険然りです。資金の出所と管理者が被相続人であれば名義預金と判断されれば贈与税の時効も開始しないのです。

その4)税務署はお金の動きをすべて知っている。

相続税調査のときに過去10年、20年のお金の移動、財産の移動、生命保険契約等もすべて調査官の手の内にあります。

税務署には調査権限があり、家族名義の金融機関の通帳を見れば、お金の動きは明白になります。もちろん無申告の贈与もわかってしまいます。

おおよその目算を立てて、その裏を固めるために調査に来るのです。世間話のように見えても誘導尋問だったりします。全く税務調査におけるプロの仕事は甘くないのです。

その5)フツーの相続人はほとんど悪意の相続人。

相続税の申告において時効を迎えることができる善意の相続人とは、相続税の申告、納付を必要ないと信じきっていた人のことです。

例えば少しでも相続税の申告はしないといけないと分かっていた相続人は、言ってみれば悪意の相続人と呼びます。

申し訳ない言いぐさですが、課税当局から見れば、ほとんどの相続人は悪意の相続人に該当するのではないでしょうか。

となれば無申告加算税から故意ととられると重加算税という重い税もあり得るのです。

◆ 相続税の税務調査まとめ

よって、止めを申し上げるようで全く申し訳ないですが、あまたいらっしゃるであろう相続税の無申告者の皆さんは、ゆめゆめ相続税の申告を無申告のままで時効を迎えることなど期待しない方がよろしいようです。いろいろ申し上げましたが、hokenfpは税務署のまわしもではなく、善意の第三者であり、知り合いのOB税理士の話を総合した結果であるとご理解下さい。

ちなみに贈与税の調査は少ないですが、年間3,000件以上あります。驚くことに贈与税調査では非違が9割超にも及ぶのです。もちろん、問題のありそうなところを調査対象に選定しているでしょうから、率が高いのは当然ではありますがね。

 

相続財産|知られたくない親心。

相続財産を知られたくない親心を分析すると。

CIMG2895これまでご相談をお受けしたケースでは、相続財産に関しては、ほとんどの方が秘密主義です。

誰に秘密かというと家族にということですが、実際は相談している税理士にもすべてを話さないこともあるのです。

何もかも秘密というわけではなく、言わないところがいくつか残るのです。

無意識か意図的かは定かではありませんが、手の内はすべて明かさないという不思議な心理が働きます。

◆相続秘密主義はなるほど。

何故かはご当人にお話を聞けば、なるほどという気持ちは分かります。

世間の相続本では家族でよく話し合っておくことが重要です、などと書いてありますが、そんなに相続財産をオープンに話し合うことは、実際の場面では少ないのかなと言うのが実感です。

資産家でも、節税するほどの財産がなくても親は子にきちんと財産を説明しないことが多いのです。

子どもたちがお盆に集まって相続について話し合おうとしても、親がはぐらかすことが普通にあります。特に兄弟姉妹が二人以上いる場合に抵抗感があるようです。

◆争続の原因はできるだけ作りたくない親心。

というのは、子どもたちが親の財産状況を知ると相続税対策と称して生前贈与を提案してきます。孫に金がかかり、マンションのローン負担が過重になっている世代の子は親の財産をあてにしだすということがよくあります。

子どもだけではなくその配偶者までからんで、まるで生前贈与を権利のように主張しだすばかりか、果ては兄弟姉妹の争いにまで発展します。

相続が発生する前から争続とは情けない話ですが、財産が少ないほど厳しい争いが起こります。

ゆえに親は自分の遺産の扱いには慎重になり、わが子と言えどもほどほどの話でお茶を濁すのです。

◆親の本音は。

子にすれば、相続税などは払いたくないですから、相続税の節税対策一本で言い寄ってきますが、親にすれば相続税を払うのは自分ではない、それより手持ちの金を生前に贈与して減らすのは心配です。

後々の生活資金や病気入院や家の改築、老人ホームの費用など、どこでどんな大金がいるやもしれません。

少しでも多く手持ち資金を残しておきたい本音があります。

またまた申し上げますが、金の切れ目は縁の切れ目、これは親子でも他人でも同じことです。

財産さえ手許に残しておけば、たとえ相続財産目当てでも、盆暮れには孫を連れて土産の一つもぶら下げて顔を見せるというものです。

◆資産家心理の微妙な違い。

相続税が大枚にかかる資産家にも同様の心理が働きますが、微妙に違う機微があります。

自分の子供たちにはきちんと相続税対策をして遺言書で受取を指定しようとします。

しかし皆さんそうとは限りませんが、子の配偶者に相続財産の全容を知られるのを嫌がる傾向があります。

我が子にも相続財産を知らせたくない心理と、我が子の嫁に相続財産を知られたくない心理は重なり合って被相続人の相続財産に対する秘密主義が生まれます。

◆相続財産は思いがけない不労所得。

相続財産は相続人たる子供たちすれば思いがけない一時の不労所得と言えるでしょう。

世知辛い世の中で汗水たらして生きている子供たちに財産をあてにするなと言うほうが無理なのはよくわかります。

しかしなんぼなんでも、指折り数えて相続を待たれるのも気持ちの良いものではありません。

時折は生前贈与のまねごとをして手持ち資金が痛まない程度に、10万でも20万でも現金を公平にあげてください。

ただし、大いに喜ばれますが、これの効果は長続きしません。次も同様の期待を
されるうっとうしさは残りますが、例えばお盆の間だけは円満です。

◆相続税がかからないのに生前から争族です。

相続で死亡保険金控除は条件注意。

相続で死亡保険金控除は条件に注意してください。

CIMG2913相続税はご承知のように基礎控除があります。(3000万+600万×相続人数)しかしそれ以外に生命保険契約があれば死亡保険金控除という別枠があります。

相続人一人当たり500万までが相続税の対象から控除されるのです。

相続税がかかる人にとればこの特典は使わない手はありません。

 ◆ 死亡保険金控除の条件

ここで注意点があります。これに該当する死亡保険金とは一定の条件があります。>

死亡保険金控除の条件とは、

被保険者はもちろん被相続人、契約者が被相続人、
そして受取人は相続人という条件があります。

被保険者が被相続人でなければ死亡保険金の支払い事由がありませんから、ここはおわかりいただけると思います。

当然ではありますが、死亡保険金が相続財産に合算され相続税の課税対象になる場合であり、しかも受取人が相続人の内の誰かである必要があります。

◆法人契約の生命保険を経営者の退職金とするか後継者に譲渡するか。

例えば被相続人が被保険者でも契約者が相続人(子)のような場合は死亡保険金控除の対象ではないのです。

そりゃそうです。

この場合受取人が相続人であれば相続財産とは関係なく一時所得です。

それ以外であれば贈与になります。

ちょっと考えればわかる話ですが、以外に盲点になりやすいのです。

経営者が被保険者となっている法人契約の生命保険を後継者が買い取るような場合はこのケースに該当します。

◆ 法人契約の生命保険を後継者が買い取る利得

経営者が被保険者となっている生命保険を経営者が自ら役員退職金代わりに受け取ると退職所得に対する課税と相続税が二重でかかります。

普通に考えれば、後継者に高額な生命保険契約を買い取る資金はありませんから経営者が役員退職金代わりに生命保険契約を名義変更して受け取るのもよくあることです。

しかし、資金さえあれば後継者に買い取らせるのは税的に一番お得になります。

予定利率の良いころの終身保険などは借金をしてでも後継者が買い取るだけの買いがあります。

しかしこの保険は契約者が後継者のなるわけで、被相続人は被保険者ではありますが契約者ではありません。被保険者死亡時に生命保険金は支払われますが相続財産からは外れるのです。

◆ 後継者が買い取ると一時所得、死亡保険金控除の対象外

よって後継者が買い取った、経営者を被保険者とした生命保険契約は、相続の被保険者死亡の相続の保険金控除には使えない保険金となります。

死亡保険金控除が使える条件を整理すると

契約者=被相続人(変更できますが、贈与になるので注意。)
被保険者=被相続人(変更できません。)
受取人=相続人(変更できます。)

シンプルに考えれば経営者(親)の契約を子が受け取れば死亡保険金控除になります。

相続が発生するまえに生命保険契約の内容をご確認くださいと申し上げておきます。

相続人の連帯納付義務は重い。

相続人には連帯納付義務があります。これは意外と重いのです。

相続人は相続税がかかれば相続税を納付する義務があります。

ところが相続人の義務はそれだけにとどまらないのです。

普通では理解しがたい責任や義務が発生します。知らないと「そんなあほな!?」ということもあり得る相続です。

その意外に重い相続税の連帯納付義務についての話題です。

◆ 相続人の連帯納付義務

CIMG2917相続税に関しては他の相続人が相続税を支払うことができない場合、残る相続人に連帯納付義務が発生します。

別に連帯保証人になっているわけでもないし、借用書に実印を押したわけでもないのに、相続人と言うだけで連帯保証人(相続税)としての義務がついて回ります。

 

相続人に普通に収入があり、まともに暮らしていれば問題は発生しないでしょうが、世の中真面目な相続人ばかりということもありません。

数えればきりがありませんが、例えばギャンブルや投資、事業の失敗、借金など様々な事情があります。

相続財産をもらえば右から左に消えてしまう、などということも珍しいことでもないと思います。それ故に納税責任がきちんと果たされるとも限らないのです。

仮に相続人が2人いて相続税が2000万ならそれぞれもらった遺産から1000万ずつ相続税を期限までに納税しなければなりません。

◆ 相続税が払えなくなる原因

しかし片方の相続人がギャンブルで財産を使い果たしたり、取り立てに追われている借金の返済に充ててしまえば、相続税が支払えなくなります。

その結果片方の相続人が相続税の1000万を支払わなかった場合、連帯納付義務を負っているためもう一人の相続人は自分の支払う分以外にもう1000万支払わなくてはならなくなるのです。

それは普通の感覚では理解しがたい理不尽です。

相続において、自分は相続税を支払ったから良しと言うだけではなく、他の相続人の相続税を代わりに負担させられる危険があるのです。

兄弟仲が良くても悪くても、この連帯納付義務だけはどうにも我慢がならない話です。

しかし税法上に規定された義務ですから逃げることはできません。

逃げ得、自己破産得のような仕組みに対抗するには相続財産のうち相続税分を別枠で確保するなどの対策は必要ですが、切羽詰まった相続人間の合意は得られそうにもなさそうです。

◆ まとめ

実際にはもらった財産が家屋敷や土地だけというようなケースも納税資金に困ります。

家屋敷を担保に入れて借金をしてまで相続税を払わないと他の相続人に迷惑が及びます。

こういうことを避ける意味でも生命保険は有効な対策です。

納税資金対策や相続税の分割には受取人が指定でき便利です。

しかし生命保険といえども相続税が支払えない相続人に対する連帯納付義務にはなすすべがありません。

生命保険の受取人の無自覚が大損を招く!?

生命保険の受取人の無自覚が大損を招く!?

ということもあります。

生命保険契約は一体誰のためにするものなのでしょうか?

ノーマルな発想で考えれば、一家の主人が自分の万が一の時に残された妻や子が困らないように生命保険契約を締結します。

CIMG2728よって契約者=保険料負担者は一家の主人である自分になります。その自分が万が一ですから、体を提供する被保険者も自分ですね。

とするなら、この生命保険契約は家族(妻や子)のためにしているわけです。当然、生命保険の受取人も奥様かお子様となります。

生命保険契約は契約者のものです。これはまぎれもない事実ですが、保険事故が発生すると受取人に権利が移行し生命保険金が支払われます。

この場合は相続が発生し、生命保険金が支払われますから、生命保険金は受取人固有の財産にはなりますが相続税の対象になります。

ここまでの話で言えることは、契約者も被保険者も保険料の支払いも、さらには受取人の指定まで生命保険契約者たる自分がするわけです。

極端なことを言えば、受取人は何も知らされないままに受取人になっていることすらあり得るのです。契約者が受取人に伝えなければ、受取人は書面で承諾の署名や捺印をすることもないので、元から知るすべがないのです。

受取人には何の負担も手間もなく、もちろんモラルリスクもありません。

だから、生命保険の受取人は自分が受取人であることの自覚が薄いのです。

契約者は自分が保険料を負担するわけですからどういう形態で契約すれば税金が一番安くなるか、あれこれ考えますが、受取人は人ごとで、どこ吹く風ということになります。

受取人にすれば契約者が存命中は生命保険金という大金を手にすることが出来ないばかりか、解約する権利もありませんから有り難く思う気持ちが湧いてこないのも無理はないのです。

生命保険の受取人はその立場を自覚しておくことが重要になります。万が一の時は生命保険金を請求する権利が発生するわけですから、生命保険証券の所在も把握していなければなりません。何よりも契約内容をある程度理解しておく必要があるのです。

残された家族にすれば、それから先の生活設計を決める大事な資金です。生活を再設計し不足する資金を手当てしなくてはなりません。そこまでの見込みをもって生命保険は契約すべきものです。

またある程度の資産家の相続の場合、生命保険金は受取人固有の財産とはいうものの不公平になる場合も多く、遺産分割協議では特別受益として揉めることも考えられます。

事前に相続人である受取人として相続全体を見渡せれば、打つ手も見えてくるというものです。

例えば遺言書に特別受益のもち戻しの免除を一筆入れてもらうことも可能ではないかと思うのです。

生命保険の受取人であれば自分が受取人であることに無自覚であることは、相続でもめ事につながったり、税金で大損をするようなこともあるのです。

とは言っても契約者が残された人に受取人であることを教えてくれないケースが
あるとすれば、それはどうしようもないのですが・・

相続税セミナーの落とし穴、ヤバイ理由。

相続税セミナーの落とし穴、ヤバイ理由。

相続税の基礎控除が減額され相続税の対象者が一気に増加した結果、相続税対策のセミナーがあちこちで花盛りです。

これまでも相続税対策のやりすぎで土地活用の言葉に踊らされて自己破産に至った人もいます。

CIMG2748「やらなきゃよかった相続税対策!?」

にならないよう、相続税対策は情報に踊らされずにという意味で相続税セミナー選びもくれぐれも慎重にと申し上げたいところです。

◆ 相続税の基礎控除が減額になり増税。

大きな財産を保持している方は早くから相続税対策しっかりされているケースが多いですが、にわかに相続税の不安を抱えた方は全く右も左も分からないことも珍しくありません。

基礎控除のことはどこにでも記載されていますが、おさらいです。基礎控除以上の財産あれば原則として相続税の申告と納税が必要になります。

・相続税の基礎控除 5,000万+1,000万(相続人1人当たり)
  配偶者と子ども二人で基礎控除合計 8,000万

これが減額され平成27年1月1日から

・改正相続税の基礎控除 3,000万+600万(相続人1人当たり)
  配偶者と子ども二人で基礎控除合計 4,800万

改正後は家屋敷や株式でも保有していれば簡単に越えてしまいそうな額ですね。

一番困るのは、相続税がかるかどうかの境界にいる方です。不動産も株式も景気の
変動につれて評価額が変動すれば先行きどうなるか見通せないのが困りものです。

基礎控除や死亡保険金控除などの基礎的なことから、相続税の申告期限、遺言書
の書き方、遺産分割協議までわからないことだらけになります。

●相続税の税率は高くない、節税ビジネスのカモにならないために。

◆ 相続税のセミナーに落とし穴。

そんなこんなで、インターネットで検索してあれこれ調べても情報が専門的で複雑すぎてよくわかりません。特に自分の場合はどうなるかがわからないのです。

まず、誰に相談すればよいかも判断できませんから、手近にあった相続税のセミナー参加となります。この流れに実は落とし穴が潜んでいます。

ご承知のように相続税セミナーの主催者は

保険会社、不動産会社、証券会社、銀行などの相続税をビジネスを目的とした勧誘セミナーがあります。

この手のセミナーは基礎的なことは教えてくれますが、相続税リスクで顧客の不安をあおるこことで金融商品や不動産売買を目的としていますから、真に受けて相談でもすればカモがねぎを背負っているようなものです.

顧客の立場を考えるようなスタイルをしつつ売ってなんぼの世界ですから用心が必要す。

一度相談をすると売込みは厳しいですから、きっぱりと断る勇気も必要になります。

もう一つのセミナー主催者は士業の方々です。

たとえば税理士法人だとか、弁護士、司法書士、行政書士、FPなどが主催するセミナーがあります。

この手のセミナーは専門的な要素が強いですが売込みの色合いは薄くなります。もしも相続税のセミナーに参加して情報や知識を得たいというなら士業の主催するセミナーが比較的安心できると思います。

老婆心までに申し上げると、相続税専門の税理士さんとか相続税専門にサポートしている士業の先生が安心できますし、提供するサービスの質も高いと言えます。

士業だからと言って鵜呑みに信用するのではなく、セカンドオピニオンを持つくらいの疑い深さが大切な財産を守ることにつながるように思います。

◆ 相続税対策はシンプルに生命保険で。

不動産に投資すると評価減が可能です。銀行から借金をして賃貸アパートを建てれば、確かに価値は大きく下がります。

その対策で賃貸アパートという資産を手に入れるだけではなく、借金も残りますから相続税はかからなくなるかもしれません。

しかし評価減が発生するということはそのまま価値の低下なのです。

評価が下がったから相続税がかからなくなったということをご理解いただきたいと思います。

また将来的に入居者が確保でき、安定的に家賃が回っていくと予測するの甘い見込みというほかないです。

ハイリスクな不動産投資より確実な方法を以下にまとめてあります。ご一読ください。

●相続税改正1億3700万まで0円にする簡単手順。

相続420億国庫へ┃お一人様相続の行く末。

相続420億国庫へ、お一人様相続の行く末は社会貢献。

◆ 相続人がいない場合の遺産の行く末。

相続は相続人がいて争続になります。相続人がいなければもめ事も争いもありませんが、その遺産の行く末は国庫となり国の歳入決算に組み込まれます。

なんとその額2015年で420億円、10年前の2.5倍にもなります。

2012年で375億ですから着実に増加しています。相続においてはよほどのことが
ない限り何だかの相続人や関係者はいるものです。

ただ相続放棄していたり、配偶者や子だけでなく親や兄弟姉妹もなくその子(甥や姪)もいない天涯孤独という場合がまれにあります。

◆ 相続人がいない遺産は相続財産管理人。

その場合相続財産管理人が裁判所により選定され遺産の処分を行います。

相続財産管理人は相続人が本当にいないか、また特別縁故者がいないかを調べ相続人不在が確定し財産が残っていれば整理すべき債務等精算し、残った遺産は国庫に入ることになります。

◆ お一人様と生命保険

CIMG2749確かにこういうお一人様の終焉には生命保険の出番がありません。

生命保険の受取人が指定できないばかりか、死亡保険金をかける意味がないのです。

ただ病気をすることもありますから、生存給付金で助かる事はありえます。

いざとなれば解約返戻金というキャシュフローがありますから貯蓄性の高い、予定利率のよい生命保険なら意味があります。

しかし今となっては最低の予定利率の時代ですからおすすめはできません。

◆ 相続人不存在の要因は未婚率の上昇。

相続人がなく国庫に入る遺産が多くなった要因は、少子高齢化、晩婚化さらには未婚率の上昇があります。厚生労働省の国立社会保障人口問題研究所によればお一人様の2015年度の未婚率は男性で23.37%女性で14.6%と高率になっています。

2012年度の国庫金は375億、その時の男性の未婚率か5人に一人、今や4人に一人
となり国庫金は400億を越えたということです。

◆ お一人様の行く末を案じると。

実際身の回りを見回すと未婚の男女の中高年が結構います。親もなくなり一人暮らしになると老後の不安は本人だけでなく別の意味で兄弟、甥姪にかかってきます。

しかし老いた時世話をしてくれる親族もなしとなると、お一人様の行く末は厳しいものがあるように思います。

これは時代の流れでもあり、一つの運命ではありますが、その流れで国庫金が増加するとは皮肉な巡り合わせというほかありません。

(2017/4/16日経新聞5面『国の「相続」10年で2.5倍』に手許の情報を肉付けして作成しました。)

相続税の申告が必要な理由|生命保険、不動産のリスク。

相続税がかからなくても相続税の申告が必要な理由があります。

CIMG2863平成27年1月1日以降に発生する相続について、相続税は基礎控除が縮減され結果として相続税が増税されました。

このサイトでは何度も触れていることではありますが、意外とこの影響は広範囲に及んでいます。

① 相続税の基礎控除縮減は相続税対象者のすそ野を拡大。

もともと基礎控除が5000万と相続人一人当たり1000万の控除があった時代はざっくり1億円が、相続税がかかるかどうかのバーでした。

改正後、基礎控除が3000万と相続人一人当たり600万の控除になってからは、計算上は4割増税ですが、実感としては相続税対象者の資産バーが5000万まで下がった印象があります。

無自覚の相続税対象者が大量に存在しているように思います。

少子化で家族が少なくなり相続人が少ないために一人当たりの基礎控除の額が少なくなるからだと思います。

子供一人では配偶者と合わせても4200万の基礎控除ですから、住んでいるところによっては実際家屋敷の評価だけでも基礎控除を上回ることもあり得る時代です。

地下が上がり目の昨今なら、今はギリギリ大丈夫でも先行きの相続発生時期には相続税がかかるかどうかは不透明になります。

このため新たに増大した多くの新参小金持ちは相続税の影に不安を募らせることになります。

② 生前の節税対策は生命保険がベスト、不動産はハイリスク。

生命保険は最も手軽で効果的な相続税の節税対策になります。死亡保険金控除が相続人一人当たり500万と、これはありがたい仕組みです。

相続税がかかりそうなときまず生命保険、次に暦年贈与などの生前贈与で相続財産を減らします。

ここまでは生前に行う申告不要の対策です。(申告を必要とする生前贈与もあります。)

決してうまい話に乗って不動産に手出しをしないことが肝要です。

銀行から金を借りて賃貸アパートを建てるなどというのは、素人の悲しさで必ず行き詰まり老後の虎の子を失い借金だけが残ります。

こんな事なら相続税を払った方がはるかに良かったということになりかねません。この手の事例は腐るほどあります。

資金豊富で駅前の換金性の高い物件を手に入れるなら意味もありますが、そうでなければ不動産には手出ししないこと、話に乗せられないことが何より大事です。

③ 相続税の節税対策は申告が必要な理由。

以下に詳細を書いておりますのでご覧下さい。
◆相続税がかからなくても相続税の申告は必要。

相続税がかかるかどうかのギリギリのケースでは相続発生後、小規模宅地等の特例(小規模宅地の評価減)や相続時清算課税制度などを使うことはありますが、いずれも申告を前提とした制度です。

ある意味で税務署に手の内を明かすことにもなりますから、慎重さが必要です。

(申告を必要とする制度の例)
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
・広大地の評価減

相続税の申告をしなければならないにも関わらず、期限までに相続税の申告を提出しなかった場合には、特例を利用することができなくなり、結果として相続税が発生する場合が考えられますから注意が必要です。

わずかの手間と税理士費用を惜しんではいけません。ちゃんと申告しておけば相続税が掛からなかったのにもかかわらず、です。

④ まとめ

相続税がかかるかどうかの判断は相続税に強い税理士さんに相談することが重要です。

特に不動産や株式がある場合、相続発生時期により評価額が変わります。今はよくても、その時にどうなっているかわからないのが相続です。

相続税の申告などは素人では無理がありますので早めの専門家相談が必須だと思います。

税務署は資産家の状況はある程度把握していますから、明らかに相続税の申告が必要な相続人(代表者)には相続税の申告書が送られてきます。すそ野が広がった新参の小金持ちには例のコケ脅しの「お尋ね」が来るかもしれません。

何も来なければ一安心として、「お尋ね」は蛇ににらまれたカエルと思って税務署に相談に行って誠意を見せてください。(その前に税理士さんに相談)

相続の生前準備は生命保険整理の次に戸籍集め。

相続の生前準備は生命保険整理の次に戸籍集め。

被相続人が相続発生前、すなわち生前に準備して法定相続人たる配偶者や子供たちが困ることがないようにすることは遺言書の作成以外にいろいろあります。

・財産目録の作成
・不動産の測量と地籍の確定
生命保険の受取人変更
・被相続人の出生から今日までの戸籍集め。

人にもよりますが、生命保険でも相続でも戸籍集めに泣かされることがあります。

複雑な家系の場合、出生から今日までの血縁のすべてを証明する戸籍謄本の一式を集めておかなければ、相続人が相続の手続きに困ることになります。

なぜかと言うと相続人を確定しなければ相続手続きができないからです。

それを証明する書類が被相続人の出生から今日までの戸籍ということになります。

生まれてから同じ所に住み、離婚もせず品行方正であればそれほど困ることもないのですが、人の一生はそれほど単純ではなく、至る所に波風があり迷いあり後悔があります。

波乱万丈とまでいかなくても、人それぞれ何かしら事情があり、一筋縄ではいかないものです。

CIMG2614戸籍は時代ともに変わり電子化が進んできましたが、故に古い戸籍や改製前の戸籍は入手に手間がかかります。

家制度の時代と異なり、結婚すれば親の戸籍から出て夫婦で新しい戸籍を形成します。

当然結婚以前の戸籍を揃えることも必要になります。

厄介なのは法改正で戸籍が再編成されるは「離婚」「転籍」「死亡」は省略されてしまいますから、それ以前の戸籍にさかのぼって確認しなくてはなりません。

生命保険でも契約者が存命ならば差入証で済むでしょうが、契約者が死亡した被相続人の場合手間がかかります。原戸籍[はらこせき]改製原戸籍[かいせいげんこせき])を求めて昔の本籍地を訪ね歩くようなことにもなります。

驚くことに当然といえば当然ですが、きちんと保存されているものです。日にちと根気をかければたどることはできるようになっています。自分のルーツ探しのようなものです。

過去の戸籍に有効期限はありませんから生前にしっかりと出生から今日までの戸籍謄本一式を集めておくと、相続人は大いに助かります。

財産を整理し、遺言書を書き。生命保険の受取人を見直し、その上で戸籍謄本一式をそろえておけば完璧です。

いつお迎えが来ようと安心できるというものです。

お墓は死ぬ前に買う方がお得な理由.

お墓は死ぬ前に買う方がお得な理由があります。

相続税には非課税になるものがあります。

葬儀費用やお墓やお仏壇は課税対象の財産から外れます。

これが意外と高額です。お墓だけでも墓地を含めて何百万もかかります。

ちょっと体裁の良いお仏壇なら100万以上するものです。

CIMG2598無理に買うこともないですが、便利の良いところにお寺さんの墓地分譲があったりすれば、移転ついでにお墓の新調をする事もあります。

お仏壇もたびたび買い換えるものではないですが、新築を機に家のサイズに合う
お仏壇を買うこともあります。

 

もちろん財産あっての話ですが、相続税を払うくらいならお墓やお仏壇をきちんと整える方がご先祖様も喜ぶと言うものです。

大事なことは生前に買っておくと言うことです。

相続が発生したときは、もはやご自身では購入できませんから当然といえば当然ですが、遺言書で墓の購入を言い残しておいても相続税の節税にはなりません。

被相続人が亡くなった後に相続人が買うと相続したお金で買ったことになりますから節税としての意味がありません。

まずそんなことはないと思いますがローンで買っても代金未払いの分は相続税の節税になりません。

お墓やお仏壇を買うときはなるべき生前の即金を心がけてください。

言っときますけどお墓やお仏壇が相続税の非課税だからといって高価な純金の仏
像のようなものは否認されますからご注意を。

といっても骨董品は税務署には価値がわかりませんからいろいろ方法はありそうですがね。

現金はあまりなくて生命保険や証券、不動産が主な財産であれば出来るものは現
金化してお墓や仏壇に変えると言うこともあります。

少々裏ワザチックになりますが、生命保険は解約すると資産価値が半減しますか
契約者貸付でお墓を新調するという手も有効でしょう。

相続が発生すれば保険金と契約者貸付を相殺して残りの保険金が相続財産になり
ます。

もしお墓やお仏壇を新調されるご予定がおありなら、相続税が得になりますから
お早めにと申し上げておきます。

縄伸びは相続時の得か損か!

縄伸びは相続時の得か損か!

土地を売買するときは公簿取引実測取引するかということがよくあります。

相続でも財産評価基本通達8「地籍は課税時期による実際の面積による」と定められています。

かかわった土地の売買では公簿の面積と実測の面積は実測がかなり大きくなりした。大きな農地などではかなりの違いになります。

そういうことがあるので、相続時には実測での面積を要求されるのだと思います。

CIMG2631面積が増えれば素直に喜べばよさそうなものですが、実際は相続税が増えたり、測量の費用が余分にかかったりと、決して良いことばかりでもありません。

まためったにありませんが縄縮みにでもなれば測量損になります。

 

昔のお百姓さんが、年貢を少しでも減らすために測量の縄の結び目を長めにとって田んぼの面積を小さく見せた気持ちと同じものがあります。

ただ課税当局もすべての相続する土地を測量せよとは言えないのです。なぜなら測量のための手間暇と費用が掛かります。

相続後売買のため実測したら縄伸びが判明したというような場合、課税当局は見逃すことはありませんから修正申告なり更正の手続きが必要になるでしょう。

これから相続をお迎えになる土地持ちの方には実測をお勧めしたいところです。

相続税がかかるなら土地の測量は生前に行うことで相続税の節税になります。相続後では相続税を支払った後のお金で測量することになりますから、ずいぶんと無駄な話です。

また昔から土地や山林などは境界が不明確なケースが多く、これまでかかわってきた被相続人でないと経緯や境界の目印、図面の所在などわからないことが多くなり、余計に大変になります。

生命保険は保険金も解約返戻金も縄伸びも縄縮みもしませんから安心です。

遺言書が書けない本当の理由。

遺言書が書けない本当の理由。

やる気が出ない本当の理由からのパクリですが、物事に取り組むにはそれから得られる見返りとしてのメリットがなくては行動が生起しません。行動の原理から言うと遺言書に取りかかるという行為は被相続人にとってそこから得られるメリットが直接的でなく、茫漠としているのです。

1)遺言書にメリットを見いだせない経営者。

遺言書がなかなか書き始められない経営者がいらっしゃいます。ハナから書く気のない方もいらっしゃいます。

CIMG2705個人なら身内のもめ事で他人様に迷惑を及ぼすこともありませんが、こと中小企業のオーナー経営者ともなると事業承継・相続設計がうまくいかないとステークホルダーでも特に従業員とその家族に多大な迷惑が及びます。

 

 

それでも遺言書が書けないのは、自分が築いた財産を相続人に渡したくないからでしょうか、遺言書に効力がないと考えているのでしょうか、いいえ違います。

遺言書を書くことにより得られるメリットより、遺言を書くことによるデメリットが大きいと感じているからに他なりません。自覚はしていませんがね。

2)遺言書を書くことによるメリットは60秒以内に生起しない。

行動分析ではその行動のあと60秒以内にメリットを受ける行動は強化されるとしています。動物である人間の行動の原理の本質です。

例えばお酒を飲んだ時は60秒以内に美味しいと感じるメリットが発生し行動は強化されますが、翌日の二日酔いは時間が経過しているので、お酒を飲むという行為が二日酔いというデメリットにより弱化されません。その結果、飲酒は繰り返されるというわけです。

遺言書を書くことによる被相続人への直接のメリットはあるとすれば会社を守り家族仲良くということでしょうが、自分の死後ですから遺言書の結果に関知することが元々できないという宿命的な側面があります。

3)遺言書を書くことのデメリットは。

遺言書を書くことは自分の死亡を前提にしています。ある程度弱ってきて諦めがつくまでは、あまり考えたくない恐ろしいことでもあります。

また自分が刻苦してひそかに貯めてきた財産を整理して披露しなくてはならないということも心理的な抵抗につながります。知られたくないことも一つや二つあるやもしれません。

他にも相続人たる子供の格付けをしなくてはなりません。会社を継いでくれる子、嫁いだ娘、孫の数、仲のよくない次男などに対して相続財産を分けるという行為で格付けしなくてはなりません。

どの子もかわいいが、やはり微妙な差があるのが親心、また子らの配偶者の顔やら孫の顔が判断を曇らせます。これらの悩み苦しみは遺言書を書くことのデメリットと言えるでしょう。

◆遺言書、書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ

4)遺言者を書くメリットを強化する。

CIMG2696遺言書を書くことにメリットはないのでしょうか。いいえそうではありません。もしメリットがないのであれば、行動の原理からすれば世の中に遺言書という仕組みが機能するはずがありません。

 

 

遺言書に取りかかるには時期があるということです。遺言書を書きあげて腹を決めることで、ほっとしてメリットを得ることができるまで、その行動は生起しません。

腹を決める時期はやはり体力と健康に相談することになりましょうか。自分自身の体に自信があるうちはデメリットが勝っていますが、年とともに弱り始めると精神的にも弱気が出てきます。相続のことも会社のことも大きな心配事になります。

遺言書を書くことで一件落着のような安ど感が得られれば、それはメリットとなりえると思います。

5)まとめ

行動分析的理屈はそうですが、万が一ということもあります。人間年を取るにつれて万が一のリスクが高まります。だから生命保険料も高くなるのです。

経営者にかかわらず、財産のあるなしにかかわらず、ある程度のお年になれば財産を整理して目録を作成してください。財産目録ができれば遺言書に取りかかりやすくなります。

生命保険の受取人変更とともに遺言書は頭の明晰なうちに仕上げることが、やがてこの世を去るものの務めと言えるでしょう。

遺産分割協議は法律行為|遺言書は法律文書。

遺産分割協議は法律行為|遺言書は法律文書。

◆遺産分割は元々私的なもの。

遺産分割は元々、私的なものです。

CIMG2706被相続人にすれば自分の財産ですから自由に処分する権利があり、その権利を侵害するような遺留分という制度すら納得できないものがあります。

ただ生前であれば被相続人は自分意思で自分の築いた財産を自由に分けることができるのですが、贈与税という別の壁が立ちはだかります。

被相続人の死後、その財産は相続人に権利が移ってしまいます。

しかし被相続人の思いは本人が見届けることはかないませんが、遺言書という形で死後の遺産分割に影響を与えることができます。

本来、遺産分割はお上からとやかく指図される筋合いのものではないはずです。

◆遺産分割は法律行為

遺言書があればそれに従い、なければ法定相続分で分割されることになります。

遺産分割協議というものは身内の相談ですから簡単そうに思いますが、そうはうまくいきません。人間が本性をさらけ出すことなく遺産分割協議はまとまりません。

昔のように仲良く行くとは限らないのが悲しいところです。

これまでお付き合いとして愛想もおべんちゃらも言いながら、表面で付き合いをしてきても、遺産分割協議はどろどろとした本音の場です。

これまでのしがらみや恨みつらみがお金というものの前に噴出します。

しかし、話し合いはお互いが納得するかどうかは別にして、相続税がかかるならば、指定の期限までに決着させなければなりません。

形式要件を満たしており、実印が押されていれば遺産分割協議書は法律文書として有効になります。

実印を押すということは、日本的に有無を言わさない決着をもたらします。

◆遺言書も形式要件を満たせば法律文書

遺言書が残されている場合は、形式要件が完全でありかつ遺留分に配慮されていれば、家庭裁判所の検認を経ることでその遺言書が法的効力を持ち法律文書として機能することになります。

実際はそれほど揉めることがない家庭や、会社経営などで被相続人の意思が家族に、折に触れて伝えてあればスムーズに進むことが多いようです。

cimg2506遺言書があればより明確に分割指定ができますから、後に残る相続人にとれば要件を満たした遺言書はありがたい反面、被相続人すべてが納得できるわけではありません。

 

 

 

要件を満たさない遺言書や、共同相続人間の同意で遺言書によらず遺産分割協議によって遺産を相続することも話がまとまれば可能なのです。

あの世の被相続人意思よりこの世の相続人の合意のほうが重いということは理屈ではわかります。

また意外に二次相続のほうが遺言書がなく、すんなりいかないということもあり得ますのでご注意を。経営者の配偶者というものは遺言書など思いもしません。自分のものは自分のもの、生きている間に財産分割の相談など通用しないものです。

◆生命保険の確認と遺言書の検認はお早めに。

被相続人が被保険者である契約の生命保険は誰が受取人になっているか、遺言書では誰に指定しているかできるだけ早く確認する必要があります。

生命保険契約で指定されている生命保険金受取人が遺言書で指定されている受取人と必ずしも一致するとは限らないからです。

現在では遺言書での指定が有効になりますが、それまでに受取人に指定されている人が保険会社に生命保険金を請求すれば保険会社は支払わざるを得なくなります。もめる原因になりますから。

遺言書の検認に2か月、忌明けを待ってゆっくり話し合おうなどと思っていると数か月がすぐにたってしまいます。

相続、親の気持ちは不公平秘密主義。

相続、親の気持ちは不公平かつ秘密主義が本音と言えるでしょう。

相続税がかかってもかからなくても親の気持ちはいずこも同じです。

自分の資産状況はわが子と言えども、なるべく相続人にギリギリまで隠しておきたいところです。

聞かれてものらりくらりと相続財産の全体像が分からないように言いつくろいます。被相続人のこの心理がわかれば相続設計士一人前です。

なぜかと言えば推定相続人たる子供たちが、親の遺産をあてにすると何かと不都合が起こり、親子関係がぎくしゃくしたり、争いの種になったりと、不和の原因を作ること困るからです。

当てにするのは子供らの勝CIMG2687手ですが、親の財産に対して権利もないのにとやかく言い出すという鬱陶しさがあります。

節税アドバイスのような顔をして生前贈与を言い出します。

金に困っている子がいればこの要求はもっと熾烈になります。

わが子とは言え親切面して金欲しやが見え見えです。

息子なら背後に嫁の意志が絡みついているのが丸見えになります。

そういう状況になると親御さんにしてみれば、俺の財産や、誰にも渡さんと頑なになる気持ちも分からないこともありません。

しかし親の本音はそれだけの理由でもないのです。

実のところを言えば節税など被相続人には本質的に死後のこと、自分がこの世に存在しないのに税金のことを気にしても仕方がないし、あの世には意味をなさないお金のことなど考えても自分の思うとおりになるとも限らないのです。

それよりも相続はまだまだ先のこと、それよりも自分の老後資金はしっかり確保したいところです。

親子の縁も、金の切れ目は縁の切れ目というのは誠に当を得ています。

自分の自由になるお金がなければ老後というものは惨めなものです。

生きている間は、すべてこの世は金次第、死んだらおしまいです。

子が親のことを気にしてくれるのはお金があるから、分ける金がなければ世話するどころか年に一度も来るものですか。

人の世の薄情は常ですから恨みもしません。この世のルールに縛られて手持ちの金を手放さないことが賢い立ち回りと言えるでしょう。

知恵は生きている内にみずみずしく使わねばなりません。

子らの争いを憂うなら財産の多寡にかかわらず、相続税がかかろうがそうでなかろうが生命保険で遺産の行方を指定しつつ、責任ある遺言書を書くことです。それができないというなら、残した遺産の行方に対して、天国で神様の裁きを見ているほかありません。

相続相談は遺言信託か税理士法人かに決着。

相続相談は遺言信託か税理士法人かに決着をつけます。

事業承継がからむ大がかりの相続対策、あるいは相続税対策は個人では限界があります。

かと言って顧問契約をしている決算税理士に任せていればうまくいくものでもありません。

生命保険にしても専門性が必要であるように相続に強い税理士がいます。

もともと相続案件と言うものが、それほど多い訳ではなく経験を積むことが難しいのと、不動産や生命保険、自社株対策会社法などの広範囲の知識とネットワークが必要になるからです。

経営者の選択と悩み

cimg2648そういうケースでオーナー経営者が悩まれるパターンに自分の相続はどこに相談しすればベストな対策がとれるのかということです。

声がかかるのは取引がある銀行の遺言信託、あるいは証券会社も同様の仕組みを提案してきます。

一方相続対策のセミナーなどから、税理士法人などが資産税専門の部門から相続対策専門の税理士と仕組みを提案してきます。

一見して遺言信託は安心して任せられそうな気がします。でも、実際依頼するとなれば躊躇することも多いのです。その点は下記に詳しく書きました。

◆「遺言信託」と「遺言代用信託」生命保険との違い。

銀行の支店長が足しげく通ってくるほど遺言信託には力を入れている銀行もあります。

税理士法人の提案を持ち出しすと双方とも値崩れが始まります。最後はいくらでも合わせますときます。

たぶん資産家の個人財産を完全に把握できることで余禄が多いものと思います。

遺言信託は信託銀行が遺言執行者として遺言書どおりに相続を執行します。

最初聞いた手数料はバカ高いというイメージです。

節税対策でそれなりのメリットが出なければムダ遣いのような気がします。

所詮金融機関とはいうものの相続税の申告や節税対策の提案は専門の税理士に依頼するほかありません。

もめ事の調整も期待できませんし、できることはパンフレットからすれば遺言書の作成アドバイスと財産リストの作成ぐらいになりそうです。

ただ連れてくる相続税の専門家はネットワーク力を持っていますからいわゆる本物です。

税理士法人は担当となる専門税理士のレベルによります。

一応の場数を踏み、知識と経験のある税理士なら特殊なケースでない限り対応は可能だと思います。

税理士法人の規模にもよりますが専門家のネットワークを持っていますから問題ごとに適所適材に当てはめていくことができそうです。

もちろん生命保険も代理店と組んで共同募集するか、自ら生命保険代理店というケースもあります。ここは利益相反が発生しますがね。

相続相談を金融機関の遺言信託か税理士法人の相続専門部署かで考えると、かかる費用は似たようなものですが、資産情報をすべて提供するという前提で考えると税理士法人の方がまだしもうっとうしくない安心感があります。

こういう悩みは資産家のオーナー社長につきものです。

遺言の執行はしっかりしたところに頼みたいのですが、節税提案の質にも期待している、でも支払う手数料は少ない方がよいというわけです。

なおかつ自分の資産情報はできる限り秘匿したいわけですから、税理士法人に軍配が上がるというのが私の個人的な判断です。

相続対策する人しない人|相談相手の難しさ。

相続対策する人しない人、相続税対策と相続対策は違います。

一文字「税」の字が入るだけの違いですが、意味するところはかなり違います。

下記に書きました。

◆相続は皆に訪れるが相続対策は実行する人にしか成果がない。

◆相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

相続税対策はある程度相続財産がかかる人、もしくは相続財産が基礎控除を上回り相続税がかかるかもしれない人が節税対策として取り組むものです。

しかし相続対策は相続財産の多寡に関わらず誰しも関係があります。

少なければ少ないなりに激しくもめて争いになるのが相続です。

相続対策とは平たくいってしまえば、財産の分割対策なのです。

兄弟仲がよくなければなおのこと相続を決着させることは難しくなります。

また相続財産が少ないほど遺言書はないとしたものです。

ある程度の資産家でも遺言書にはなかなかかかれないもの、ましてや財産が基礎控除以下ならば、遺言書を残すことすら思いつかないのです。

遺言書があればまだ救いがあります。でも多くのケースでは遺言書どころか葬式が済んで49日を越えたところから考え出すのです。

仮に遺言書があっても家庭裁判所での検認に2ヶ月かかればすでに相続の発生から4ヶ月近くの貴重な時間を失っているのです。

相続税の納税が必要な場合は10ヶ月と決まっています。

相続税がかからないのであればゆっくり揉めていればよいのですが、相続財産がつかめておらず判断が難しい境目のケースが意外に多いのです。

そこへもってきて相続税が改正され基礎控除が4割も減額( 5000万+1000万(相続人一人当たり)⇒3000万+600万(相続人一人当たり)されましたから相続税の迷いのすそ野が広がったと言えるでしょう。

残るは後半年と言う時間は不動産を含む相続の協議をまとめるにはあまりにも短いといわざるを得ません。

cimg2647またそういう人に限って相続財産がどれくらいあるか把握してないばかりかどこに相談してよいかも理解していません。

近所の司法書士なのか弁護士なのかあるいは決算をお願いしている税理士なのか、判断を誤れば節税できるところに気が付かなかったりするのです。

 

2017それどころか税理士に縁のない方も大勢いらっしゃいます。

仮に税理士に縁があったとしても税理士がすべてを知っているわけではないのです。

相続が発生してからでは専門の税理士でもできることが限られます。

困るのが、相続税がかからないケースの分割相談です。

めそうな相続の場合、第三者が入ることが円滑に進めるコツでもあります。相続税がかからなくても、また費用がかかっても、ここはある程度の専門家に相談し調整をお願いするところです。

相続の相談相手は、相続の知識もさることながら間性も必要です。

家庭裁判所の調停などという、手間暇コストがかかるお世話にならなくてもよいように、話をまとめる人間力が重要なように思います。

二次相続、家なき子、生命保険、代償分割。

二次相続、家なき子、生命保険、代償分割、相続は一度だけではありません。

一次相続をあの手この手で苦心してクリアしても二次相続が待ち受けています。

相続財産が現金だけなら分割は容易ですが、ほとんどのケースで不動産などの換金性の低いもの、分割する事が容易でない財産が多数を占めています。

■  二次相続の壁は意外に厚い

二次相続になると配偶者の税額軽減(1億6千万または半分が非課税)が使えません。二次相続の方が重くなるケースは一次相続に目が行き過ぎて納税資金不足になったり、あるいはとりあえず先送りすることで問題が深刻になるケースです。

一次相続の対策を考えるときに二次相続対策も一緒に考えていかないと後で困ることになります。

たとえば被相続人と同居していれば小規模宅地の評価減(小規模宅地等の特例)は一次相続と二次相続で2回使えます。

所有している財産が親の家屋敷で、地価が高騰しているようなケースでは特に有効です。

cimg2644自宅の敷地の相続を二次相続に送ってしまうのではなく、うまく使いまわせれば相続税がかからなくなる場合もあり得ます。

(小規模宅地の評価減を使うには相続税がかからなくても申告は必要です。)

二次相続では一次相続の被相続人、いわゆる事情に一番詳しいご主人はこの世にいません。

相続税の対策などよくわからない子たちが主人公です。

それぞれに自分の都合を主張しようものなら、小規模宅地の評価減のみならず遺産分割協議まで滞ってしまいます。

また二次相続の被相続人であった配偶者は遺言書を残すようなことはまれでしょうから、もとからまとまりにくい要因があります。二次相続の壁が厚いというのはそういう意味です。

◆二次相続の対策が手薄になる人間模様、驚きの本音で語ると。

◆二次相続、奥様を生命保険の受取人にする間違い。

■ 小規模宅地の評価減は二次相続に

相続で節減効果が高い制度に小規模宅地の評価減(小規模宅地等の特例)という制度があります。

330㎡の居住用の自宅であれば80%の評価減ができます。金額ではなく比率なので地価の高い高級住宅では半端でない節税効果があります。

この制度でよく言われるのが「家なき子」です。親と同居していれば問題はないわけですが、そういう時代でもないので別居が普通だとすれば、小規模宅地の評価減を使うにはいくつかの制限があります。

家なき子の制度は矛盾が多いのですが、そこを巧みについていけば資産がいくらお大きくても、家やマンションを何棟保有していようが、持ち家に3年間住んでいなければ適用可能なのです。家なき子は貧乏とは限らないのです。

そんなアホなことがあるかい、と思いつつそのうち改正されるだろうと思って見ていますが、今のところ動きがありません。

家なき子は被相続人に配偶者がいないこと、他の相続人が親と同居していないことが条件ですので二次相続のみ使えることになりますが、国税庁のサイトには

④相続開始前3年以内に日本国内にあるその人又はその人の配偶者の所有する家
(被相続人と同居していない親族の要件)屋に居住したことがないこと

とあります。持ち家のことは一言も書いてありません。子が親と同居していなくても、子とその配偶者の所有する家に居住せず3年間賃貸暮らしをしていれば適用可能となります。

cimg2643ここだけの話ですが、3兄弟にはすべてあの手この手で贈与して持ち家を持たせている被相続人が自分の居住する豪邸に小規模宅地の評価減を使うために近所にマンションを購入して引っ越すということもあり得るわけです。

そして長男夫妻の持ち家を賃貸に出して親の家に住まわせるのです。

これで3年すれば長男夫妻は家なき子になります。

この手はよく紹介されていますが、自宅とは生活の拠点ですからそこに住まいしていなければなりません。最終的には親は小規模宅地の対象となる自宅に戻るしかないのですが、その折に息子の嫁と折り合いが悪くても、息子夫婦が賃貸に引っ越せば家なき子です。

相続発生の時期を選ぶことはもちろんできませんが、相続発生時の法律がどうなっているかはさらに知る由もありません。

でも小規模宅地の評価減はデカい評価減ですから、今からでも賃貸に引っ越して親に3年以上長生きをしてもらうことです。節税のためとはいえ少しは親孝行が出来るかもしれません。

二次相続は特に財産が不動産に偏りがちになります。一次相続で使えた配偶者の税額軽減も、もはや使えませんからそれだけに納税資金を意識する必要があります。

■ 二次相続にもを言う生命保険金による代償分割

二次相続では生命保険を活用した代償分割の意味合いが大きくなります。

二次相続はキャッシュが減少して自宅不動産というケースが多くなると思います。

長男が自宅を相続するなら他の兄弟には相応の現金を渡すことで相続の平等が図れます。かといって長男に現金がない場合があります。

それを見越して相続発生時に長男が生命保険金を受け取れるように設計するのです。

一見長男には生命保険金が受け取れるので得なように思いますが、目的は代償分割ですから全体から見れば公平になります。他の兄弟を受取人にしてはいけません。

生命保険の受取人は代償分割を考えて早めに見直すことです。

◆代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

法定相続人と相続順位の不可解。

法定相続人と相続順位は不可解ながら民法の定めです。

相続が発生するまでは推定相続人と呼ばれますが、相続人の資格は民法で決められています。

内縁の妻や認知されていない子は相続人の資格がないというのが、法律の立場です。法定相続人と相続順位の関係はシンプルですが、日常的にかかわることがないと意外にわかりにくいのです。

◆ 法定相続人は相続順位が定められている。

法定相続人は民法で相続の順位が規定されています。上位の順位者がいない場合に下位の順位者に相続権が発生します。

1)配偶者・・・・生存していれば順位に関係なく常に相続人
2)子・・・・・・第一順位の相続人、生存していれば常に相続人
3)親・・・・・・第二順位の相続人、子がいなければ相続権が発生
4)兄弟姉妹・・・第三順位の相続人、子も親もいなければ相続権が発生
(被相続人の兄弟姉妹です。)

cimg2543普通の相続では被相続人の親・兄弟姉妹は相続に関係ない立場です。配偶者と子が相続割合に従って分割します。被相続人に子がいなければ親に行き、子も親もいない場合に限り兄弟姉妹に相続権が発生します。

結婚せず親もなくなっている「お一人様」の相続財産は兄弟が争うことがあります。

知恵の回る兄弟姉妹は兄か姉である被相続人に自分の子や孫を養子縁組します。

老後のお世話とかいくらでも説明はつきますが、養子縁組できれば被相続人と親子関係ができますから第一順位の相続人が発生することになり、他の兄弟姉妹に財産が渡るのを阻止できます。

経験上決して珍しくないケースだと言えると思います。

相続順位と相続割合は下図をご参照下さい。

相続人区分相続分
配偶者1/22/33/4全部配偶者無し配偶者無し配偶者無し

(第一順位)
1/2子無し子無し子無し全部子無し子無し

(第二順位)
権利無し1/3親無し親無し権利無し全部親無し
兄弟姉妹
(第三順位)
権利無し権利なし1/4兄弟姉妹無し権利無し権利無し全部
相続争いは遺言書で防ぎなさい[改訂版]大坪正典著を参考にしました。

◆ 法定相続人は血族のみ、姻族は相続人対象外。

結婚と養子縁組は直接の血のつながりはないですが、血族になります。それとは異なる立場の姻族とは怪しい民族ではなく子や孫、兄弟姉妹の嫁(婿の場合もあります。)です。

これは嫁(婿)の立場で言えば、まさに民法の落ち度ですね。

相続問題には遠からず嫁が関係するとしたものです。被相続人のお世話をすることが多くなる立場が子の嫁です。

相続に関しては、幾ら貢献しようとも法定相続になれば嫁は一切権利がありません。言うなれば嫁という立場は姻族の悲劇です。

ということで、相続権が生まれながらにあるのは血族だけです。姻族は元をたどれば他人であり相続権は持ちえないというのが民法の理不尽です。

しかし姻族は遺言で指定すれば相続することができます。ゆえに遺言書はお世話になった嫁も含めて公平に指定することが禍根を残さないことになります。

遺言書を書くほど財産もないなどと思うのは間違いです。遺産は少ないほどもめるのは世間の通例です。

◆ 法定相続人の相続順位に関係ない生命保険金。

遺言書が難しくて書けないというなら、もっとも簡単な財産分割指定方法が生命保険です。生命保険金は受取人固有の財産として判例が定着しています。

その辺は下記ページに詳しく書きました。ご参考までに。
◆生命保険の受取人指定は遺言書より確実な理由。

◆生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

◆ 相続人がいないと国庫金。

今後ますます増加するであろう「お一人様」わずかばかりの財産をのこしても相続人がいないと最悪の場合国庫に入ります。

いきなり国庫に入るわけではなく家庭裁判所から指名された相続財産管理人が受け取る権利のある人「特別縁故者」を探しても見つからない場合です。

昔の様に縁結びの仲人をしようという奇特な方がいなくなり、結婚紹介センターでの婚活では結婚できない方も多くなるように思います。縁結びと思って仲を取り持っても、その気になってくれないどころか、結婚する気があるかどうかわからない時もあります。これは実感でもあります。

骨折り損のくたびれもうけが今どきの仲人の辛いところです。結婚式で仲人がいる方が少ない、新郎が挨拶をしてしまう時代ですからね。その結果相続人がいなくて、国庫にはいるは毎年300億円超と、喜んでよいのか悲しんでよいのか全く不明です。

◆ まとめ

普通に配偶者と子がいれば相続順位を思い煩うことはありません。縁がなく「お一人様」ゆえにいらざる心配の種が増えるのです。

死んでしまえば、後のことはしょせんこの世のたわごとでしかないとは言うものの、気になるのが人情です。

お金や不動産のような人間が勝手に作ったこの世のルールに振り回されるのは癪ではあります。とは言うものの一度、縁つながりを思い起こしてお世話になった方も縁者もいないと言うならば、いっそのこと遺言で福祉施設にでも寄付されると閻魔様から感謝状の一つもいただけるかもしれません。

遺言書優先の原則と遺産分割協議の矛盾について

遺言書優先の原則と遺産分割協議の矛盾について考えてみました。

遺言書には遺書とかエンディングノートと違い民法に定められた法律行為として法的な強制力があるとは下記に申しあげました。

◆遺言書,書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ

それは法定相続よりも遺言が優先されますから遺言優先の原則などと言われたりします。

◆民法の平等主義

法律とはフェアーにできています。昔から不公平が世の常でしたが民法はどこまでも平等主義です。

この行き過ぎた平等主義が問題の原因になったりもしますが、人の世も基本的には弱肉強食が根底にあり、民法の定めがないと強いもの勝ち、弱いものは泣き寝入りとなるのです。

弱い立場のものでも法律が平等に守ってくれるというのは、法治主義のおかげだと言えるのではないでしょうか。

◆「遺言相続>法定相続」は遺言優先の原則

Wikipediaでは「私的所有権絶対の原則」という言い方ですが、個人の所有権は何よりも優先するという原則です。

その考え方からすれば個人の財産は私的に処分することは自由です。

cimg2546その考え方を死後の遺産にも適用し、死後においても自己の財産を自分の意志で処分する権限を法的に与えたものが遺言です。

法定相続というのは遺言がない場合の補完的な制度と言うべきでしょう。

よって「遺言相続>法定相続」の不等号が示すように遺言が法定相続に優先します。

民法の理念は封建時代の不公平を法的な平等に高めたという意味では価値がありますが私的な所有権という概念は人間的、即物的です。

人はもともと持たざる者、この世に生まれたときに自分の体も言わば借りものです。そういう意味では死後にまで所有権が及ぶ遺言書は未練の塊の様にも思います。

ただ遺言書により争族が防げると言う意味では、後に残る相続人のための制度とも言うべきところです。

いずれにしても被相続人となったからには三途の川の渡し賃だけあればよいのですから、この世の相続人に遺産の分割を指図することにさほどの意味があろうとも思えません。

◆遺言と遺産分割協議の矛盾

民法では「私的自治の原則」とややこしいことを言います。

要するに自己責任でやるなら国家は個人の権利関係には関与しませんと言うことです。そういうことなら遺産分割協議で話がまとまれば「遺産分割協議>遺言書>法定相続」という関係が不等号でつながります。

となればおかしなことですが、一所懸命書いた遺言が少しも優先されていません。

一般的に遺産分割協議は相続人全員の合意で成立します。相続人全員で合意しているならば、遺言がどうあろうと基本的に遺産分割協議は成立します。

早い話がもめそうな遺産分割の時に遺言書は威力を発揮するというわけです。

すでにこの世にいない発言力のない被相続人の意思より相続人全員の合意の方が強いと言うことになります。

とすれば遺産分割は被相続人の自由という考え方はどうなってしまうのでしょう。

実は遺言より法定相続より、更には遺留分でさえ相続人全員が合意していれば民法は関与しませんよという立場です。

でも、実際の場面では多くの場合、合意できないからこそ遺言書が意味を持ってきます。

保険法44条1項によれば生命保険保険金受取人の変更も可能とされていますが、これも相続人間の合意があれば意味をなさなくなります。

cimg2516生命保険の保険金は受取人固有の財産ということになっていますから、それをおいそれと差し出す人は、やはりいないでしょうから、相続人間で簡単に合意できるものではないのです。

◆補足

遺言書優先の原則と似て非なる原則は「後遺言優先の原則」です。誤解のないよう補足しますと、遺言は遺言者の最終意思を尊重するものですから、前の遺言と後の遺言が重なる内容の場合、後の遺言で前の遺言を撤回したものと判断されます。

これを「後遺言優先の原則」といいます。

◆まとめ

話がぐるぐる回って結局、遺言書の効力はどうなのかという疑問が残ってしましました。

このままでは責任が果たせないのでまとめを書きます。遺言書は被相続人のこの世における最後の意思です。それは可能なかぎり尊重すべきは当然です。

そもそも遺言書の目的は何だったのかといえば、自分亡き後、配偶者や子どもたち相続人の間でもめ事が起きないようにすることだったはずです。

とすれば相続人が全員合意の上で、遺言書と異なる分割を決めた場合には、すでに遺言書の目的は達成されているのではないかと思います。

でもでも、実際はそうはいかないのは数多くの事例が証明しています。「泣く泣くもお金の前に鬼になり」相続というものはそういうものです。

普通の人がわずかな財産を別人のように醜態をさらけ出して争うのです。遺言書の意味は争族を未然に防ぐことにこそ存在価値があると言えるのではないかと思います。

実際は相続人の誰かが遺言で有利になり、また不利にもなります。遺産分割協議はそれほど簡単にまとまるものでもないのです。

相続人が多ければそれだけいろんな境遇や性格の兄弟姉妹がいるとしたもので、それに配偶者も絡んで一筋縄ではいかないのです。

ゆえに結論的に申し上げたいことは、遺言書を手順に従い無効になる事がないよう作成することが、去りゆくものの責務であるということです。

相続┃特別受益持ち戻しの恐怖。

相続対策、特別受益持ち戻しの恐怖について。

相続対策には万全はありません。あの手この手で対策をしても家族や後継者の思いと必ずしも一致しているとは限らないからです。

cimg2531相続税対策でも課税当局との見解の相違ということがあります。特に相続対策では抜けや落とし穴があります。

相続発生時点ではすでに責任の取りようがないし、やり直しもききません。出来ることは生前により慎重に対策し運を天に任すほかないのです。

特によく見られる相続対策の落とし穴について経験をもとに解説します。

◆相続対策に万全はない。

事業承継と相続設計に早くから取り組み後継者に着々と自社株を贈与して、相続時にもめることがないよう他の兄弟には相応のものを生前贈与されている慎重な経営者がいらっしゃいます。

もちろん相続税対策の生命保険も万全に備えておられます。

金融機関や税理士法人などが開催するセミナーにも足繁く通って資産同様に知識も豊富です。

しかしながら相続には落とし穴があります。

計画通りにことが運ぶとは限らないのです。いくつかのポイントを申し上げます。遺留分、特別受益、寄与分、そして心変わりです。ここを押さえておかないとせっかくの相続対策が台無しになることがあります。

◆わかっていても遺留分に注意。

遺留分は残された家族への相続の最低限保障です。法定相続の半分が民法で規定されています。遺言書で遺産分割を指定しても遺留分に配慮しないと不満のある相続人から遺留分減殺請求を起こされてしまいます。

事業承継では後継者に自社株や資金を集中すると遺留分を侵害することがあります。

対策を講じて自社株評価を下げて後継者に贈与して、贈与税の納税も終わっているから大丈夫とお考えの経営者がいらっしゃいます。

遺留分の計算は相続発生時の財産だけではないのです。では相続発生前の3年間の贈与をもち戻せばよいか、それだけでもないのです。

◆贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

◆特別受益もち戻しの恐怖。

前項からの続きになりますが、遺留分の計算は相続発生時の財産だけでなく特別受益とよばれる生前贈与も加算対象になります。

家を建ててもらったり、結婚資金をもらったり、海外留学資金なども特別受益とみなされる場合があります。

でも一番怖いのは後継者に贈与した自社株です。

いろいろな対策で自社株評価を大幅に下げて後継者に生前に贈与した場合、遺留分の算定は贈与時の価格ではなく相続発生時の自社株評価でもち戻しになるのです。

これは特別受益もち戻しの恐怖と私は呼んでいます。かといって遺留分放棄させるというのも実はハードルが高いのです。

◆ 遺留分放棄を後継者ではない子にさせることは違法か。

念のため追記すると、生命保険の保険金が特別受益に当たるかどうかは微妙な問題があります。生命保険金受取人固有の財産というのが判例により定着してきていますが、特別受益かどうかは他の相続人との関係によります。

◆生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

◆お金を前にすれば心変わりはやむなし。

現実の相続を見れば、一番怖いのは特別受益もち戻しよりも「心変わり」といえるでしょう。

財産があってもなくてもお金を前にすると人は別人になります。

cimg2501長男に会社を継がせるため相当の財産と自社株と生前に贈与し、他の兄弟には孫の教育資金やら家の頭金を贈与しそれなりの配慮をしたつもりという場合があります。

後継者以外の兄弟姉妹は親の生前は意向に従っていますが、いざ相続が発生すると背に腹は変えられないとばかりに自己主張をしてこないとも限らないのです。

誰しも財産というお金はいくらあっても困りません。お金を前にすると人の心変わりはやむなしともいえるでしょう。

そういうものだと思って対策をすることです。できることは遺留分に配慮した有効な遺言書をきちんと書くこと、そしてその中で特別受益もち戻しの免除を意思表示することです。

◆遺言書とはグレーなものに白黒をつけること。

◆まとめ

寄与分については今回のテーマからそれますので別の機会とします。

相続対策がうまくいくかどうかは人の気持ちをどう読むか、どう考えて配慮するかに尽きるように思います。もちろん相続税がかかるか、かからないかにかかわらず、です。

本稿では遺留分に対する配慮、特別受益もち戻しの恐怖、心変わりは前提条件として織り込んだ相続対策を申し上げました。

ある程度相続対策をしてこられてオーナー経営者を想定しておりますので、筆足らずで実務的なことは割愛しております。詳細なサイトは山のようにありますのでそちらをご参照ください。

遺言書、書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

遺言書、書き損じればただの遺書、どうしても遺言書が書き始められない経営者へ

遺言書と遺書の違いについては詳しいサイトはいくらでもあります。ここでは社長たる経営者が遺言書と遺書の区別ができているようでできていない実態について書いています。

cimg2534経営者にとって遺言の重要性は家族だけでなく、会社にかかわるステークホルダーとその家族にまで影響を及ぼします。それゆえ踏み込んで理解し有効な遺言を元気なうちに書いていただきたいと申し上げております。

◆ 遺言書が書けない経営者の本音

何回進言しても遺言書にかかれない経営者はいるものです。確かに経営をしていると不確定要素があり決められないことも多いのです。単に財産を分割するというだけの役割ではないのが経営者の遺言です。

◆遺言書とはグレーなものに白黒をつけること。

特に経営者は仕事柄、最悪のケースをあれこれ考え病みます。

後継者万が一の経営権の行方まで深慮します。息子を副社長にしたものの、どうしても決済印を手放す決心はつきません。息子の嫁もその家族も心から信用できないのです。かわいいのは孫ばかりです。

そこまで考えながら遺書と遺言書の区別がついていないのです。

口には出さないが譲りたくない思い、寄る年波に選択肢がどんどん限られてくることも自覚しています。浮かんでくるのは昨日見た孫の顔ばかりになります。

◆ 遺言書を書くには気力、体力、知力が必要

遺言書を書くには資産のレベルにもよりますが、所有している不動産や現預金、証券関係から生命保険などの金融商品、所有している美術品まで整理できなくては分けることはできません。

特に生命保険などは仕組みが複雑ですからある程度頭が明晰なうちでないと理解できないとお考え下さい。

年とともにまだまだと思っていても体力も気力も衰えを自覚してきます。鏡の中の老いた自分の姿が信じられないほど惨めに見えます。遺言書をそろそろ書かなくてはと言い続け、ギリギリになってしまいます。

遺言書は間際に言い残すものではないのです。

◆ 遺言書と遺書を区別できない経営者

遺書は後に残された家族や関係者に対する最後の思いを伝える単なるお手紙です。いわゆるLetterでしかないのです。

ところが遺言書は有効に成立すれば民法に定められたら法的文書として強制力をもつのです。相続人に対し権利や義務を指定するものが遺言書です。

遺言書にはよく付言に家族への感謝を書き加えたりします。法的効力のある文書としての遺言書に遺書のような一文を付すとどうも区別がつきにくくなります。

しかし遺言書というからには厳格な要件があります。それを守らない、あるいは守れていない遺言は法的拘束力がない遺書と同じ位置づけになってしまします。

残された遺族が争うことがないよう、また自分が守り育ててきた会社がこれまで通り成長してくれることを願うのが経営者です。そのための最善を追求するがゆえに迷いも多いのです。

◆ 遺言書と遺書の機能的な区別が大事

事業承継の最後の締めくくりとして遺言書はとても大事なものになります。

経営者にとって後継者が自分の築いてきた会社を守り育ててくれることを願うばかりです。そのために後継者となるべき相続人に資産を集中するのは当然のことなのですが、他の相続人にそれを納得させ法的な強制力をもって分割指定できるものが遺言書です。

一文字「言」が加わるだけではありますが、遺書と遺言書は法的文書かどうかという点で機能的に全く異なります。

辛口で申し上げましたが、どうか気力のあるうちに遺言書を一度お書きください。

◆遺言書は元気なうちに遺書は間際に生命保険は早めに!

 

遺言書とはグレーなものに白黒をつけること。

遺言書とはグレーなものに白黒をつけること、自分の思いに決着をつけること。

遺言書を書いておかないともめることが予想される家庭や、遺言書がなければ事業承継が混乱する経営者が大勢いらっしゃいます。遺言書を書くということは自分の人生の総まとめでもあります。

遺言書に手がつかない原因は??

それでも遺言書にはなかなか手がつかないものなのです。何故なのでしょう。よく考えてみれば遺言とは財産の振り分けを決めること、さらに言えばもらう人である相続人の評価を決めることでもあります。そこに遺言書に取り掛かるハードルの高さがあるように思います。

遺言書は誰が見ても同じ判断ができるよう正確に!!

遺言はできるだけ正確に財産分与を指定できなければ意味がありません。遺言の書き方でも相続人Aに1/2のような書き方ではなく不動産単位、預金単位、あるいは生命保険単位で指定する方が明確になります。

法定相続割合は遺言には関係がない!?

cimg2517遺産分割では法定相続の割合が影響を与えてしまいますが、遺言書を書いて財産分与を指定するなら法定相続割合は関係がありません。自分の築いた財産を分けるわけですから被相続人の自由であるのは当然のことです。

遺言書がないと法定相続割合という考え方が出てきます。これも相続人全員が納得すればどんな分け方でも構わないのです。

なのに法定相続割合が妙に幅を利かす原因は、遺留分の算定基礎になる割合が法定相続割合だからではないでしょうか。

遺言では法定相続割合にこだわらない!!

割合にこだわりすぎずに単位毎に指定する方が分かりやすく分けやすいのです。遺言書の法的効力、個人の遺産を引き継ぐには家庭裁判所の検認を受けた遺言書が必要です。遺言書が無ければ遺産分割協議書が必要になります。

預金でも株でも不動産でも同じことです。財産の帰趨が明確に立証されないと金融機関は手続き出来ないのです。生命保険では相続人全員の実印を求める差入証まで有ります。

遺言はグレーなものに決着をつけること!?

グレーなものとは遺言書を書こうとする被相続人の思いです。財産の整理は手間こそかかりますが、もともと自分のものですからリスト化するのはそれほ面倒ではないと思います。

でも気持ちの整理は難しいものです。そこに特別受益寄与分が絡んできますから、さらに難しくなります。しかし法的に有効な遺言書というものは相続の切り札になります。

遺言書がなかったり無効な遺言であると相続人間で無用の軋轢(あつれき)が発生します。気持ちに決着をつけて、頭も体もお元気なうちに遺言書を書いておくのは親としての務めでもあるでしょう。

以下はご参考までに。

◆遺言書は今年のお盆に、そこまで言う理由をまとめました。

◆お盆は欲ボケ争族、エンディングノートより遺言書が重要な理由。

◆遺言書は元気なうちに遺書は間際に生命保険は早めに!

 

相続は皆に訪れるが相続対策は実行する人にしか成果がない

相続はみんなに訪れるが、相続対策は実行する人にしか効果がない。

ダフネ・セルフ流に相続対策をもじってみましたが、意味は伝わるものと思います。

cimg2514相続は人の死亡により発生します。人は生物ですから、いかに長命であろうともいつかは死に至ります。

ところが相続対策は取り組まなければ何も起こらないというより、争続を未然に防止することはできないということです。

■ 老後不安と相続

誰しも一定の年齢に達すると老後のことを考えるようになります。生活資金のことやら子供たちへの援助、まだ残っている住宅ローンなどが頭をよぎります。親の病気や死去などにより財産構成が変化することもよくあります。

それと同時期に心の内には自分の人生と、後残り何年生きられるか、残りの時間でなにが出来るかを考え始めます。老後のことや老いのあり方などの記事や書籍が目に留まり出します。若い頃には決して想起しないようなセンチメンタルな気分がわき上がることもあります。

年を重ねるというのは、そういう思いを自分の中に積み上げて来るべき人生のエンディングに向け心仕舞を始めるということでもあります。

■ 老後資産と生命保険の行方

その連鎖として親からの相続、自分の資産具合、そして生命保険の内容を整理するまでになります。概ねこの頃の生命保険は大きな死亡保障が終わり、わずかばかりの終身保険が残ったり、80歳までの医療保障が残ったりと、ほとんど資産と呼べるようなものがあまりないのがサラリーマン家庭です。

それでも相続があり、相続税の申告が不要でも相続対策は必要なのです。

子供がひとりで、しかも親孝行で、何も問題がなければ相続で問題が発生することはそれほどないでしょうが、普通は何かの引っかかりがあるものです。

■ 相続対策は誰にも必要

相続は何もしなくても誰にも確実に起こります。相続対策は事前に準備をして然るべき対策を具体化した人にしか結果は訪れません。

それは一通の遺言書かも知れないし、生命保険の加入や整理かも知れないし、あるいは家族との生前の話し合いかも知れません。ちゃんと調べれば自分に適した出来ることは一杯あります。

相続税のかからないサラリーマン世帯の相続は生前に調整し、できる対策を早めに行うことがとても大事です。

■ お金がなくても争続

小金ほど争いがし烈になるというのは世間の事例が示しています。相続争いが身内の話し合いだけでまとまらなければ、わざわざお金と手間をかけて家庭裁判所での遺産分割調停にもちこまれます。

データによると遺産分割調停は相続財産が5000万以下の案件が全体の75%を占めています。で5000万といえば平成27年1月以降の基礎控除の減額で相続税がかかるかかからないかのボーダーラインです。

その辺クラスの人はより金銭執着が強く、お金の必要性がひっ迫していることが多いこともあるでしょうが、推察するところきちんとした相続対策ができていないことが原因のように思います。

見回せば実際は家庭裁判所までいかない身内の泥仕合と金銭の争いのなんと多いことか。遺産分割調停の件数はこのところ増加の一途で、ここ3年は横ばいです。

平成26年のデータで15,261件に上っています。平成27年以降のデータがあれば、たぶん争いのすそ野が広がり、遺産分割調停の件数としても興味深いところです。

■ くどいようですが結論を繰り返します。

それでも相続があり、相続税の申告が不要でも相続対策は必要なのです。

具体的な方策は以下のページに詳しいのでご参考までに。

◆相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

◆相続税がかからなくても相続税の申告は必要。

◆相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由

相続で保険証券が見つからないとどうなるか、結論です。

相続で保険証券が見つからないとどうなるか、結論的に言えば何とかなります。

誰しも生命保険契約は何本かあると思います。相続税対策が必要な方は特に契約本数も多く内容も複雑になっていることが考えられます。よほど整理上手な方でも保険証券をわかりやすく整理できている方は見かけません。

何もかも一緒くたにファイルに入れてあればまだましな方です。ご契約のお知らせやら関係ない提案資料やらが混じり込んで整理は大変ですが何とかなります。

しかし保険証券が分散しているとこれはわかりにくいことになります。よくあるのが会社の金庫に名義変更したまま保管していたり、大事にしすぎて貸金庫に入れてあったり最近
では保険証券を発行しない国内生保があったりとケースは様々です。

■ 保険契約はエクセルで一覧表にする。

時期を見てエクセルで一覧表を作成しておくとわかりやすくて便利です。整理するためにはある程度生命保険の基礎知識が必要です。下記をご参照いただければ大体の見当がつくと思います。
■ 生命保険の棚卸しのコツをプロが伝授すると。

何事もそうですがマス割りをして縦横の項目を揃えたマトリックスにしてエクセルシート一枚にしてしまいます。これで漏れなく管理することが可能になります。

保険証券の所在がわからないと整理はできませんが、契約者として被相続人が生きているうちならたどることも出来ますから元気なうちに一覧にしてしまいます。思い立ったら直近に送られてくるご契約内容のお知らせを捨てないことです。

保険会社としても忘れられると困るのです。しかるべき手続きを取っていただき、支払うべき保険金をきちっと支払いたいのです。

エクセルはどうもと言うなら棚卸のコツを参考に手書きの紙でもよいので縦横を項目毎に揃えてお書きください。これだけのことで保険契約は手の内に入ります。

■ 結論です。

cimg2509ということで申し上げる結論は、保険証券は見つからなければ保険契約のお知らせがあれば十分です。保険証券は分厚い立派な紙に印字してありますがそれほど重要に考える必要はありません。保険契約の存在を相続人にわかるようにしておけば事足ります。

保険金を受け取るとか解約返戻金を受け取る時には実印と印鑑証明、本人確認を求められますが、それさえあれば保険証券がなくても問題にはなりません。保険証券が見つからなくても契約の存在を知りえる資料があれば保険会社に問い合わせればすぐにわかります。

ただ保険証券がなくても大丈夫とは申し上げましたが、生命保険契約の整理する上ではやはり保険契約を明確にする生命保険証券と初期の提案書をインデックス付きでファイリンスすることが賢明です。

相続税がかからなくても相続税の申告は必要。

相続税がかからなくても相続税の申告は必要です。

もちろん相続税がかかるところをあの手この手で、かからないようにいろんな仕組みを使うと、という意味です。

相続税の基礎控除の引き下げでにわかに相続税の対象になった方が4%から6%に増えるという予想があります。

相続税基礎控除は5000万+1000万×相続人の数→基礎控除3000万+600万×相続人の数

実際、課税対象者5万人から7万人に増加すると言われていますから、まさに5割り増しと言うことになります。多いか少ないか見方は人それぞれですが、ボーダーラインにいらっしゃる方には人ごとではありません。

■ 相続税を納税しないためには資産評価を減額

しかし資産が5000万あったからと言ってなにも手を打たずに相続税を納税する人はいません。(配偶者と子供2人で4800万の基礎控除、200万が相続税の対象になります。)

言うなれば6%の7万人は資産の評価を縮小したり暦年贈与を使ったりとあの手この手で減額して相続税を納めなくてもよいようにした人を除いて、それでも相続税を納税するほかない方の割合です。

cimg2506実は関西ではこのケースはどうも少ないように感じています。多分関東圏では地価が高くなりつつありますからそういうケースはよくあるのでしょう。

どれくらいの率になるのか予測の域をでませんが、資産具合が下がるほど裾野は広くなりますからかなりの方が相続税は納税しないが相続税の確定申告は必要となると予想できます。

にわかに相続税の対象になった小金持ちの方にとって自分の資産を守りつつ相続税を免れるためには申告などの手間がかかるのです。

■ 相続税対策は早ければ早いほど効果が高い。

財産があまりなくても自宅などの不動産がある場合は、しかるべき早い時期に専門家に相談し評価額を確認されることが肝要です。それも現在の評価ではなくいつか来る相続の時点での評価を予測しないといけません。

とすれば4年後の東京オリンピックの後に地価が下落する予想するなら長生きはしなくてはいけません。旅立つ時期もなかなか難しいものです。

相続税対策は早ければ早い程良いし、素人判断しないことです。

あらゆる相続税対策は時間がかかります。時間をかけることが出来ればその分効果が高くなると思ってください。相続対策で生命保険をかけるにしても健康でなければかけられません。また生命保険は時間をかけて保険料を贈与するのが基本です。

■相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由

とにかく相続税がかからなければ相続税の申告は不要ですからなにもしなくてよいのですが、基礎控除を越えるため相続税を免除してもらうほとんどの制度は申告を必要とします。

税務署はあなたが相続税を払うべき資産を所有しているかどうか把握していると考えて間違いありません。勝手解釈で相続人たる子供たちが困ることがないように配慮するのが被相続人たる親の務めというものです。

■ まとめ

相続税がもともとかからない方は申告しなくてもよいのですが相続対策(争族)が必要であり、相続税がかかるけれどいろいろな制度で相続税がかからなくなる人は相続税対策と相続税の申告が必要になるということです。

ボーダーラインにいらっしゃる方は早めの相続税対策が効果を上げますから、たとえ日ごろから縁がなくても税理士さんなどの専門家に相談をすることです。

「遺言信託」と「遺言代用信託」生命保険との違い。

「遺言信託」と「遺言代用信託」の活用法と生命保険との違いについて。

日経新聞に遺言信託と遺言代用信託についての記事が掲載されていました。保険とは直接関係ないですが争族(争続)予防システムと言う意味では保険のようなものです。

遺言信託と遺言代用信託とは相続に関係するという点と、読んだ文字面ではとてもよく似ていますが、内容的には全く別物です。遺言信託は相続税がたくさんかかる資産家で大枚払っても自分の死後、遺言をきっちり執行して欲しい方向けの仕組みです。主に銀行や証券会社が資産家の社長向けに提案してきます。
◆遺言信託のわかりやすいサイトです。

遺言代用信託は契約者からお金を預かり生前に決めておいた方法で指定した受取人にお金を払いだす仕組みです。遺言代用信託で預けたお金は相続の引き出し制限から外れるので、受け取り方を一括払い出しにすれば葬儀代に当てられるし、分割にすれば相続財産を一気に渡すのではなく年金形式で渡すこともできます。今のところ手数料はかからないそうなので手軽に利用できるようです。利用者が急増しているというのも納得できます。
◆遺言代用信託のわかりやすいサイトです。

1)遺言信託について

遺言信託の料金体系は各社バラバラですが基本料金の他に財産の多寡による費用と相続が発生するまでの期間の維持費用がかかります。普通に遺言を書いて揉めない家庭なら誠にもったいない費用がかかります。しかし税務や相続のプロが遺言に基づき、きっちり執行しますから確実と言えば確実です。

しかしそのためには依頼する金融機関に自分の資産状況を洗いざらいさらけ出さなくてはなりません。当然金融機関もビジネスですから資産活用やら生命保険やら相続対策を提案する糸口になります。それがいやなら自筆証書遺言かもう少し確実な公正証書遺言でもよいように思います。

CIMG2437最近では証券会社が料金の安い遺言信託を提案しています。遺言信託で儲けるのではなく手に入れた情報で金融商品を提案して利益を得る戦略ですが、どうも乗りにくい話です。また遺言信託は毎年遺言の見直しにつき合ってくれますが有料です。金融機関が責任を負いますから担当者が変わってもそこは安心できます。相続対策をあてにしていた税理士の先生が先に亡くなるような仕切り直しの不都合はありません。

でも感覚的に遺言信託に踏み切れない資産家の事情と気持ちがよくわかります。結局は相続人と後継者の知的な資質と人間性に対して信頼があるかどうかになりそうです。ただお話を伺うオーナー経営者はもっと読みが深いのです。相続のその場になると人が変わるということ、善人が欲ボケしてしまうということがあります。それはいくら我が子でも、また今はそうは見えなくても、お金という財産の前には執着心を捨てることなど出来ないと読み切っておられます。

さてどうするか、遺言信託にも迷いが残りますがこのまま年を重ねるばかりでは安心した旅立つことができません。おすすめは自分でまずざっくりと遺言を書いてみることです。そうすれば自筆証書遺言で済むか、公正証書遺言が必要か、どうも心配が残るのでこの際遺言信託を選択すべきかが見えてくるように思います。

2)遺言代用信託について

一方、遺言代用信託は貧乏人向き(相続税がかからない一般人)の仕組みです。もちろん資産家でも利用価値がないことはないですが、葬式代が立て替えられないレベルの人用ですね。扱える金額が100万円~3000万と少額になっています。

葬式のタイプも最近はいろいろですが家族葬とかでないかぎり、お供えもありますから葬儀費用はその中から払えることが多いのではないでしょうか。葬儀屋も死亡届を出す前に必要なお金を下すようにアドバイスしますし、香典開きの後に集金にくるようです。

CIMG2440しかし香典を辞退にするとやはり持ち出しが多くなりますからある程度の葬儀費用としての資金を用意しておく必要があります。突然の事故のようなことでなければ予測できますから前もって現金をおろしてきて手元におくようにします。

普通はこれで回りますが、遺言代用信託を利用すると相続人死亡後もその範囲でお金を自由に下せるそうです。(利用したことはありません。)相続発生時の金融機関の対応は素早いですから本当に現金が下せなくなります。田舎の郵便局やらJAなら多少の融通は利かしてくれますが、一般の銀行には通じない話です。

そういう意味からご心配な相続人は自分の葬儀費用で遺族が困らないように遺言代用信託と言う選択もあります。まさに一種の葬儀費用保険みたいな性格です。

3)遺言代用信託と生命保険金について

最後に遺言代用信託と生命保険の違いを追加しておきます。生命保険金は受取人固有の財産ですから遺留分減殺請求の対象になりません。

◆生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

しかし遺言代用信託で受け取ったお金は遺留分減殺請求の対象になりますから例え相続税がかからないとしても他の相続人の遺留分を侵害しないように注意する必要があります。

昔は相続における遺留分などの知識はもっていない人が多かったのですが、最近はネットの発展で誰でも簡単に調べられるようになりました。その結果かどうか知りませんが、貧乏人の相続訴訟件数がやたら多い時代になりました。貧乏人ほど遺産分割は慎重にと言えると思います。そういう方にとれば自分の財産をあげたい相続人に確実に渡す手段としては遺言書よりも確実な生命保険の受取人指定と遺言代用信託は使える手です。

4)まとめ

ご案内したように遺言信託と遺言代用信託とは利用者層が異なるだけでなく内容的にも違うものです。遺言信託はどうしてもかなり費用がかかります。遺言代用信託は無料です。どちらも便利なようで迷いが残る仕組みです。

ある程度お年を召して先が見えたころにエイヤ!で選択することになるように思います。元気なうちには踏ん切りがつかない気持ちもわかります。

相続の場面では奥様やお子達の関係がよくても難しいことはいくらでも起こります。相続が発生したその時にはすでに自分の発言権はなくなっているのですから、そのことをお考え下さい。遺言信託をお勧めしているのではなく、きっちりとした自筆証書遺言をできるだけ早めにお書きになる事をお勧めしています。自力できちんと遺言がかけるなら遺言信託は結構な金額のムダ遣いになるかもしれませんからね。

生命保険の受取人指定は遺言書より確実な理由。

生命保険の受取人は遺言書より確実なのに自分が受取人であることに自覚がないのです。

CIMG2426残念なことですが本稿に興味を持ち検索されるのは主に契約者の方であり、被保険者や指定された受取人はその時まで関心があまりないのが普通です。

生命保険の受取人に警鐘を鳴らしたいと思っても、どうも効果は薄いようなので契約者の方に受取人指定の機能がいかに有効で卓越しているかを下記の4項目でご説明申し上げたいと思います。

① 生命保険は契約者の意思で受取人が指定できる。

② 生命保険契約は契約者のもの。

③ 生命保険の受取人指定機能は争族を未然に防ぐことができる。

④ 生命保険は遺言より確実に受取人が指定できる。

家族内でも相続に関しては譲り合うことが出来ないケースが多いのです。相続税どころかわずかなお金を巡って裁判になる事も珍しくありません。生命保険の受取人指定機能を活用して少しでももめ事を未然に防げればとの思いです。

実際は受取人を指定しても争いになります。しかし契約者である被相続人(亡くなった親)の意思は明確にすることができます。また生命保険会社は指定された受取人以外にはびた一文支払うことはありませんから決着はついています。

① 生命保険は契約者の意思で受取人が指定できる。

契約者は自分で保険会社と契約します。自分で保険料も支払いますから保険契約に関してはもっとも自覚があり契約の意志があります。

体を提供する被保険者は通常告知書の記入やら診査がありますから被保険者としての自覚はあります。しかし保険料を負担していない分、自覚は低いですし、忘れる可能性が高くなります。

しかし生命保険の契約では契約者と被保険者が同じということはよくありますからそういう場合は忘れて仕舞うようなことはあまりないわけです。

ところが生命保険の受取人に至っては契約者が申込書に指定するだけですから全く自覚がありません。契約者が本人に伝えなければ自分が受取人であることを知らないということもあります。

相続が発生すれば受取人は重要な立場ですが、どうもピンとこないケースが多いように思います。受取人は契約者以外に変更する権限は誰にもありません。契約者の意思による変更以外に絶対に変更できないのが生命保険の受取なのです。

② 生命保険契約は契約者のもの。

CIMG2453生命保険契約は基本的に契約者のものです。保険料というお金を払った人に所有権があります。他の金融商品でも損害保険でも契約者は同時に指定せずとも受取人になります。

考えれば至極あたりまえです。金融商品はお金を負担した人が結果として得られる収益を手にすることが出来ます。

唯一生命保険だけが受取人を指定する仕組みがあります。それは保険事故発生時には被保険者かつ契約者が死亡していることもあるので、保険金を受け取る人を指定する必要があるわけです。

もう一つのケースは契約者と被保険者が異なる場合(例:契約者=親、被保険者=子)受取人は契約者にするのが普通です。

生命保険契約は契約者のものですが人の死亡を前提としていますから受取人を指定しておく必要があるのです。

③ 生命保険の受取人指定機能は争族を未然に防ぐことができる。

相続では生命保険の受取人は相続財産と区別して受取人固有の権利として認められています。相続の場面で生命保険契約がものを言うのは、この受取人指定という他に例をみない機能によります。

生命保険は金融商品ですが受取人指定という特殊な機能を有している訳ですからこれをうまく使うことが大事です。

銀行預金にも株式や証券、不動産にも受取人指定の機能はありません。死亡保険金だけに受取人指定があります。これは特別なことなのです。これは相続税対策においてはとても大きな特色なのです。何気なく見過ごすことなく、慎重に受取人指定を活用してください。

相続税がかかる人もかからない人も争族争いを未然に防ぐ切り札こそ生命保険の受取人指定だということをご理解ください。

④ 生命保険は遺言書より確実に受取人が指定できる。

相続において遺言書以外に受取人指定が出来ると言うことはすごいことなのです。

さらに言えば遺言書は形式不備により、また遺産分割協議により必ずしも被相続人の意志が反映されるとも限りません。

しかし生命保険の支払いは保険会社が責任を持って履行します。誰が何と言おうがテコでも契約は守るのが保険会社です。それは間違いなく保証できます。

それだけに受取人指定をしっかり考えて、憂いなきようにと申しあげたいわけです。

遺言書で生命保険の受取人を変更できますが、問題もあります。生命保険の受取人変更は驚くほど簡単ですが押さえておくべきポイントはいくつもあります。受取人変更に関する詳細情報は上記リンクよりご参照ください。

二次相続、奥様を生命保険の受取人にする間違い。

二次相続のことを考えると奥様を生命保険の受取人にする間違いが見えてきます。

実際の現場では保険を見直さずに放置されているケースはよく見かけます。保障内容を見直すとかそういうレベルでなく資産家の方でも保険金の受取人に関して無頓着というか安易な考えを見かけます。

ここは慎重に判断しないと無用な相続税を払うことになったり後継者への資金集中がうまくできなかったりします。

保険契約の一覧リストを作成し契約者、被保険者、受取人で整理しさらに一次相続関連、二次相続関連、一時所得に分類すると気が付かなかった不具合が見えてくることがあります。

よくある間違いの一つに一次相続の保険金の受取人が奥様のままになっている場合です。

一次相続の例ではご主人が契約者兼被保険者、奥様が受取人となっている契約で、一次相続が発生するということは契約者兼被保険者であり被相続人でもあるご主人がお亡くなりになった場合、保険金は受取人である奥様が受け取るということになります。

奥様というか配偶者を保険金の受取人に指定するのは普通の流れです。お若い時、お子様が小さい時に契約すれば受取人は当然奥様ですが、時間が経ち事情が変わると受取人指定も見直す必要が出てきます。

もともとご主人万が一の折り奥様が困ることがないように配慮した受取人指定でしょうが、長年の間に資産が貯まってくるとこれはそれまでとは事情が変わってきます。

気が付かないというか見落としやすい受取人の落とし穴です。二次相続の納税資金がないようなときは仕方がないようにも思いますが、よく考えてみてください。

相続税制度では配偶者控除という仕組みがあって奥様は相続税を払うことがないから奥様に保険金をつけても仕様がないのです。

今の相続税では配偶者は手厚く遇されているのです。1億6000万円か相続財産の半分までは一次相続で課税されない奥様のための二次相続財産なのです。

とすれば事情が変わっているわけですから受取人を子に変更しないとせっかくの保険金が二次相続の課税対象になってしまいます。CIMG2039

簡単なことですが、多くの場合誰もアドバイスするものがいないままに相続を迎え、知らないまま納税しているということもあるのです。相続税を納税するほど財産があればご主人の保険金は奥様ではなく子が受け取るべきなのです。

でもこのことに気が付くのは本当に難しいみたいです。ある例では説明し理解したのにそのまま放置されました。何やねん!と言いたいところですが実際は打つ手がないのです。

悲しいかな人はすぐに忘れるのです。保険の説明は24時間以上覚えている人はほとんどいません。残念ながらわかっているようでわかっていない保険の難しさを痛感します。

なにはともあれ、

相続税を払うほどに資産がある場合、昔の契約も含めて一次相続と二次相続に区分して一覧表を作り受取人の見直しをしましょう。

どういう形が一番得かは専門の税理士さんに相談しましょう。

そのうえでしかるべき速やかに二次相続を見据えて生命保険の受取人変更を行って下さい。

一時払終身保険の無告知は究極の顧客視点。

一時払終身保険の無告知型は保険のメリットを活かした顧客視点の保険商品です。

一時払終身保険という保険商品が相続税の増税以来流行していますと言うかよく売れています。読んで字のごとく保険料をまとめて一時に支払い終身保険を購入します。今となっては予定利率が最低の時期ですから妙味を期待できる商品ではありません。

保険としては払った分が戻ってくるだけとまで言いませんが、うま味のない保険商品なのです。CIMG2357そこへきて各社の情報を総合するとまだまだ予定利率が引き下げられる見込みであり駆け込み需要も増えるのではないかと思います。

ざっくり一千万の保険料を一時払いで突っ込んでも、保険金としての増加は年齢や性別にもよりますが数十万のメリットしか見込めません。(某社の例:70歳男性、一時払保険料1000万で死亡保険金額1021万です。)終身保険ですから資金を寝かせる時間が長いので、その割にはリターンが少ないのです。

早いうちにお金が入用になり途中で解約しようものなら損をする場合もあるわけです。

それでもここにきて一時払終身保険が売れる理由があります。それを3項目で説明します。

その1)

相続には死亡保険金控除という仕組みがあり、相続人一人当たり500万の控除が使えて相続人の人数分だけ相続税の節税が出来ます。もちろん相続税がかかる人であり、相続税がかかるかどうか境目の小金持ちには保険だけで相続税対策ができてしまいます。

その2)

保険金受取人を指定できます。遺言より確実に、契約者の意志で自由に変更可能です。相続税がかからなくてもこれは使える仕組みです。ますます人間関係が世知辛くなる世の中ですから争続は相続税に関係なく起こります。争いを未然に防ぎ財産を仲良く分けるには生前に保険で受取人指定をすることがベストです。なおかつ何度も過去のブログでも申し上げていますが、保険金は受取人固有の権利です。

その3)

次の代に残してやりたい財産を生命保険という形で固定できます。保険にしておくと不思議に無駄遣いしなくなるのです。これは実感として言えることですが生命保険には解約すると損をするというような暗黙の認識があるように思います。解約の手間もかかりますしね。

◆一時払終身保険の無告知型は一昨年の8月にD社商品を下記で紹介しています。    一時払終身保険の新型、90歳まで無告知で入れます。

今回はP社が若干仕組みは違いますが無告知型の一時払終身保険を提案してきました。

P社の場合は通常の一時払終身保険等に健康上の理由で加入できなかった場合に限り申し込むことができるそうです。それはそうです。何も不利な条件の保険を最初から申し込む必要はないわけですからね。でもガンでも入れるわけですから保険とは言えない商品です。(ただし入院中、または入院予定・手術予定がある場合はダメだそうです。)

もしも人間ドックで異常が見つかれば精密検査を受ける前に契約することですね。

加入年齢に制限はありますが男性で89歳女性で90歳となればまず問題はないでしょう。CIMG2277

予定利率は大きく衰退し金融商品としてのうまみはなくなりましたが、工夫次第でいろいろな使い道が発明されるという好例ですね。

一昨年のD社の提案の折には一時払商品は利率を考えたものですが、今やマイナス金利時代ですから貯蓄としての資産増加を大きく見込むことはほぼできないことになりました。

その結果無告知型一時払終身保険のメリットは「相続税の死亡保険金控除」と「受取人指定機能」に限定されたと言えそうです。

時代とともに生命保険の目的も変わっていきます。常に情報のアンテナを張り巡らしてその時点での正しい判断ができるよう心掛けたいものです。

還付金型医療保険のデメリットと使い道。

還付金型医療保険のデメリットを明らかにすると見えてくる落とし穴について一応専門家としての見解を申し上げます。

よろしければお読みください。

幻冬舎メディアコンサルティング発行の「続税をゼロにする生命保険活用術」中に健康還付金型医療保険の説明があります。この事例だと解約返戻金がずっと0円という相続対策の名義変更ねらいが見え見えの医療保険となっています。CIMG2016

解約返戻金がずっと0円ということは贈与しても相続が発生しても税金がかからないのは当たり前なのですが40年目にしてこれまで支払った保険料相当額を健康還付金として契約者に返しますという医療保険の新機軸です。

還付金は支払保険料相当額となっていますからそこまでたどり着けば損をするとはなくなり医療保険の権利だけが残ります。

名義を引き継いだ人は保険料を払いつつ医療保険の権利を被保険者兼契約者として続けます。気になるのは保険料が終身払いと言うことと健康還付金までの道のりは40年という気の遠くなるような長さです。人生山あり谷ありではとても40年後は予測できませんがね。(別のパターンで設計できるかもしれませんが。)

医療保険も様々ですがほとんどケースで元が取れないことは過去のブログで申しあげている通りです。

その批判に対応するような保険商品であることは言えると思います。

同じような医療保険ですが、M社の有力代理店が相続対策にと生存還付給付金付終身医療保険を提案してきました。一定期間過ぎるとそれまでに支払った保険料が健康還付金として全額以上(104.45%)戻ってくると言うものです。

保険の常識的な感覚から言うとすごいというかヤバいというか素直に信用できない話でもあります。

しかもM社のケースでは解約返戻金が0ではありませんが到底元が取れないほどの返戻率になっています。資産家相手の提案ですから15年の全期全納で解約時期により未経過保険料が戻ってきます。

解約せずに持ちこたえれば15年目に生存還付給付金という名目で払込保険料に利子がついて戻るというわけです。すごいと思うのはそれ以降は保険料不要で医療保障だけが終身に渡り確保されるというとんでもない医療保険です。

M社の場合よいことづくめに見えますが途中で被保険者死亡の場合死亡保険金はわずか100万ポッキリです(前期全納保険料15年分で3900万の場合)。CIMG2088M社のケースでは100万プラス未経過保険料の返還となり15年の手前では下手をすると元が取れないどころか大損になります。万が一満期までに死亡事故が起こったら内緒にして満期金をうけとりたいところです。

それが出来るか出来ないか、保険金は請求しない限り支払われません。しかし満期金としての健康還付金や生存還付金の請求には被保険者生存を証明する住民票のような添付資料を求めてくるでしょう。

そんなに上手く裏をすり抜ける方法は通常ないとしたものです。とすれば、この種の還付金付き医療保険がお得かどうかはお手持ちの財産と考え方によります。


本来保険は思いがけない早期の死亡事故に対しお金という手段でヘッジするものです。でもこの医療保険はまれなこととは言え早期死亡の場合大損をすることがあり得るわけです。

保険の常識から言えば真逆の商品です。資金余力があり保険管理がきちんと出来るならおもしろい商品です。医療保険とは言え医療部分がかすむような投資節税型の保険ですね。幻冬舎の事例には被保険者死亡時の死亡保険金の記載はありませんが医療保険の死亡保障は目的が違うのでM社と大差ないのではないかと推測できます。

おすすめするも何も相続対策をきちんとやって資金余力があれば確かに面白い保険商品です。いずれにしても還付金型医療保険は一般庶民向きでないことは確かです。

相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由。

相続対策は生命保険が圧倒的に有利な理由についてまとめました。

相続設計をするとき相続対策と相続税対策の二つの側面があります。

相続税がかからなくても相続対策が必要なケースはよく見かけます。いわゆるもめないための相続財産の分割対策ですね。CIMG2060

財産の少ない人ほど分割対策に無頓着で遺言状などを書き残すことはあまりないようです。

後に残ったものが良いように分ければそれでよいという鷹揚な考え方ですが、もらう側の相続人にとってそれほど簡単ではなく、割り切れるものでもありません。

それ故に相続対策としての財産の分割対策はおろそかにはできないところです

もう一つの相続税がかかる人は納税額をいかに少なくするかに知恵を絞ります。財産を所有する者にとり、できれば相続税などという理不尽な税金は払いたくないのが本音です。

所得税をみれば、率は異なるものの誰しも収入に応じて支払うのがあたりまえです。でも相続税は財産のある人、資産を持てるわずかの人のみにかかります。

社会的公平から言えば理があるのでしょうが、個人的に見れば極めて不公平な税制でもあります。

それだけに相続税の納税額を抑えたいという気持ちが先走り、リスクのある相続税対策に手を染めてあとで難儀が持ち上がるというのがやりすぎ相続対策のお決まりのパターンです。

相続対策相続税対策も巷間のセミナーや相談会は売りたい商品が必ず根底にあります。金にならなければ相続税対策のセミナーなど開くわけがないのです。

ベストな相続対策と相続税対策は自分の判断で見つけるしかありません。その選択肢の一つとして相続対策に保険がいかに有利かをわかりやすく解説します。

相続税の納税資金は現金でちゃんと準備できており遺産の分割も遺言書にきちんと指定し、それでも余っている資産があれば不動産でも証券でもお好きなように節税対策をされればよいのです。

そうでないならまず保険が安全確実だというのが本サイトに説明してあります。相続税の節税でお悩みであれば是非ご一読の上参考になさってください。

① 生命保険は相続税の納税資金確保ができる。

生命保険を使うと相続税の納税資金が明確な形で確保されます。保険は契約ですから、契約した時点で保険金額も解約返戻金も決まります。

これが他の手法と決定的に違うところです。景気の善し悪しや運用失敗と言うことに左右されないところに保険の強みがあります。CIMG2027

しかも貯金は三角、保険は四角と言われるように預けたお金は徐々に貯めていきますから右肩上がりの三角形になりますが、保険は契約した時点で死亡保険金が満額保証されており言わば四角です。

例え保険料を1回しか払っていなくても四角なのです。

保険の魅力はこのレバレッジ力(テコの原理)にあると言っても過言ではありません。

② 生命保険は死亡保険金控除500万×相続人で節税できる。

被相続人が契約者でかつ被保険者である場合、相続発生時には受取人に対して死亡保険金が支払われ保険金には相続税が課税されます。

しかし死亡保険金控除という全くおいしい仕組みがあって相続人一人あたり500万円の控除があるのです。

わかりやすく言うと相続人が3人いれば1500万は相続税がかからないのです。

この制度は保険業界のためにあるようなものですから、早晩見直しがないとは言えませんがいまのところすこぶる有利な仕組みです。

相続税がかかるかどうかぎりぎりの方は、生命保険に入るだけで相続税対策がクリアできたりします。節税効果の高い、まさに、使わにゃ損という死亡保険金控除です。

③ 生命保険は財産分割、争族対策、代償分割、受取人指定に強い。

生命保険の明快なところは受取人が指定できると言うところです。自分の財産をどう分けるかを確実に指定できます。

財産のすべてを保険で受取人指定できればもはや争族とは無縁です。

そこまではできないまでも財産の分割に被相続人たる自分の意向が反映されます。

公正証書遺言なら効力は自筆証書遺言より確実ですが、その通りに執行されるかどうかはわからないところがあります。

しかし保険の受取人は絶対確実なのです。

保険会社はこういうところは石頭で、指定された受取人以外に保険金を支払うなど絶対にないと言うところが頼もしいのです。

受取人を指定することで代償分割(ここでは説明しません。)というテクニックも可能です。また生命保険の受取人変更は簡単かつ何度でも無料で可能です。

④ 生命保険はレバレッジと評価減、他の金融商品と比較すれば保険効果歴然。

生命保険のレバレッジ効果については保険商品により異なります。他の金融商品に比較しても特色があり相続においては威力を発揮します。

CIMG2067生命保険には死亡保険金と解約返戻金という二つの出口があります。この二つの出口を利用することで低い評価で譲渡することが可能になります。

法人から個人へ、親から子へと名義変更譲渡のやり方はいろいろあります。

解約して渡すのではなく解約返戻金相当額で譲渡するのです。

解約返戻金は払込保険料より低くなるのは当然ですが、保険によっては解約返戻率が一定期間極端に低く設定されている商品もあります。その時期に名義変更譲渡しておけば時期が来れば解約返戻率が一気に上がります。

生命保険ならではのおいしい仕組みです。

これにより大きなレバレッジが効くことになります。購入のために払った解約返戻金相当額と死亡保険金の差額は一時所得と言うことになり50万を引いた残りの半分に所得税が課税されます。保険効果というべきすごわざです。

⑤ 生命保険は生命保険契約者保護機構というセイフティーネットがある。

生命保険契約は安全性においても優れものです。日本に籍のある保険会社はすべて生命保険契約者保護機構に加入しています。

銀行の預金ですら全額保障されるものではないのに金融商品で破綻後も責任を持つのは保険だけです。ただし責任準備金の9割となります。

⑥ 生命保険は手軽さ自由自在、名義変更譲渡、受取人変更、保有コスト不要。

生命保険契約を締結するには告知書を書いたり診査があったりしますが、他の金融商品に比較すれば全く手軽で手間いらずです。

それに比べると不動産は保有するには仲介手数料・登録免許税や管理費用・修繕費などの様々なコストが発生します。

ところが生命保険の保有コストは0円です。

それどころか配当があったりします。名義変更も受取人変更も紙切れ一枚にサインすればOKです。

最近では判子すらいらない会社もあります。メンテナンスにコストがかからないということはとても大きなことです。

株式や債券のように専門知識や相場を気にかける必要もありません。めんどくさがりやには最適です。

ただし後で述べますが保険は忘れるリスクがあります。忘れても大事ない範囲で安全設計することが今回の話の肝です。

⑦ 生命保険は秘密性、他人に知られることが無い相続対策である。

生命保険は銀行預金と同じく機密性が高い商品です。

契約するにはかなりの個人情報が絡みます。契約者、被保険者に保険契約を隠すことはできませんが、それ以外の人には知らせずにおくことができます。

自分のお金を生命保険に変えて受取人を指定しても契約者=被保険者で自分が保険料を負担すれば誰にも知られることはありません。

ただし契約内容のお知らせなどが勝手に届きますから、同居の家族には知られる可能性があります。

⑧ 生命保険は資金の流動性が高く、現金化容易、契約者貸付がある。

生命保険契約は普通金庫の奥深く(または押入やタンスの奥深く)しまい込んでしまうことが多いですが、

換金性を考えるとほぼ現金同等品です。

保険金は死亡事故が発生しないと受け取れませんが、解約返戻金なら契約者の自由です。生命保険金も解約返戻金も必要書類さえそろえ、不備がなければ数日で入金します。

資金が緊急に必要なときは契約者貸付という仕組みもあります。生命保険はかなり流動性の高い金融商品なのです。

⑨ 生命保険は法人契約の活用、損金、名義変更譲渡など多彩である。

実は生命保険は法人で契約する方が多彩なメリットを受けることができます。

健康なうちは法人契約で損金で落として節税です。人間ドックで異常が見つかれば診断が確定する前に個人に名義変更してください。

何ともなければ法人に名義変更し法人で保険料を負担します。法人契約の生命保険はグレーゾーンも含めて役立つテクニックが山盛りの世界です。ここでは触れませんが。

CIMG2065というわけで、生命保険がいかに優れた金融商品であり相続対策、相続税対策に有効か説明をしてきました。

この生命保険をフルに活用するにはある程度の金融商品知識、相続・事業承継知識、経験、保険のメンテナンス知識が必要になります。

よっておすすめは守備範囲の広い専門家がいない場合は、安全確実な終身保険で対策しメンテナンス不要とすることが得策です。

終身保険なら忘れていても大事にならないのです。終身保険では保険料の安い終身払いでもよほど長生きしないと損になることは少ないと思います。

それでもご心配の御仁には65歳払込満了とか有期払いまたは一時払いを選択することです。また、最近では為替リスクはあるものの、ドル建ての一時払終身保険が有効です。

これなら損をするケースは早期解約ぐらいでしょうから相続対策としては安心確実と言えるのではないでしょうか。

当然65歳の払込満了にすれば保険料は高くなりますが、相続税を払うほどにお金があることを前提とした話ですので悪しからずご了承ください。

相続税改正1億3700万まで0円にする簡単手順。

相続税改正でも1億3700万までなら相続税を0円にする簡単な手順があります。

平成27年1月1日から相続税の基礎控除が変わりました。同時に直系卑属(20歳以上)への贈与税の税率が緩和されています。基本的に増税となり、この結果多くの方が思いがけない相続税対策に取り組んでおられることと思います。CIMG2016

相続税改正がわかっている元からの資産家は早くから節税対策を怠りなく進めておられる方が多いですから、あわてることは少ないと思います。

 

 

しかし基礎控除が下がることで、にわかに相続税の対象に組み入れられた新参者の少額資産家は何をどうすればよいかわからないどころか、そもそも自分に相続税がかかるのかかからないのかすらわからないのが現実ではないかと思います。

1)効果的な相続税の節税対策は自分で遣い減らすこと。

一番効果的かつ確実安全な節税対策は自分で遣うことです。残すことばかり考えずに老後の生活を豊かにすることに投資して下さい。

時々は子や孫におこずかいをあげて喜ばれつつ世界一周旅行でも世界遺産巡りでもして優雅に暮らしてください。それが一番の節税ですね。

2)自分で管理できない難しい相続税対策に手を出さないこと。

リスクの高い金融商品や不動産に手を出さないこと。相続税対策用の低解約返戻金型生命保険に手を出さないこと。

資産の評価を下げる対策は資産価値を失うリスクがあります。素人はたとえ忘れても安全な対策に限ることです。人任せの相続税対策は失敗の元です。

3)万が一の相続税の納税資金を生命保険で用意すること。

先のことはわからないのが人生、相続税がかからないところまで対策をしても、地価の高騰や景気の変動、宝くじに当たる(あまり確率は高くないですが)等で資産が当初の想定より増加することもあり得ます。

相続税がかかるようになってもキチンと納税できるだけのキャッシュを生命保険で準備することです。

4)贈与したお金で普通の終身保険に入ること。

贈与税の基礎控除の範囲で毎年110万円程度、子である相続人候補に贈与し、被相続人である自分を被保険者とし、子を契約者かつ受取人にした生命保険契約に加入します。

二次相続用にも死亡保険金非課税枠の相続人二人分の1000万枠が使えるように妻を被保険者とし子を契約者かつ受取人にした生命保険契約にも加入しておきます。CIMG2162

相続対策では保険の種類は死亡保険金が約束されている終身保険がベストです。

 

相続税対策としての保険契約は他の対策とは比較にならないほど安全確実・手間いらずでかつ金額が確定します。

5)妻・子2人で一次相続、二次相続合わせて1億3700万まで相続税0円です。

改正後の相続税で試算すると、シンプル対策だけで1億3700万まで相続税が非課税となります。

この範囲ならあわてず騒がず素人向きに簡単手順で相続税を0円にする対策完了です。

モデルケースとして夫(一次相続・被相続人)妻(一次相続相続人/二次相続・被相続人)子2人(相続人)とし暦年贈与を子2人に対して基礎控除110万の範囲で10年続けたと仮定します。

◆ 一次相続
基礎控除            3,000万
妻・子2人(600万×3人)      1,800万
死亡保険金控除(500万×3人)  1,500万
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
①一次相続控除額        6,300万

◆ 二次相続
基礎控除            3,000万
子・2人              1,200万
死亡保険金控除(500万×2人)  1,000万
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
②二次相続控除額        5,200万

◆ 暦年贈与(子・2人に10年間)
贈与税基礎控除110万・子・2人  2,200万
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
③一次・二次控除額合計     13,700万

単純計算ですが、暦年贈与を10年間(もち戻しがあるので13年間)続けられたとします。これで2200万相続財産を減らせます。

もちろんこの受贈分で 4)で説明した終身保険に加入します。一次相続では①一次相続控除額6300万以外は妻が相続し二次相続に送ります。

二次相続では②二次相続控除額5200万以下のはずですから、これで相続税はかからなくなりそうです。

一次相続と二次相続合わせて資産トータル1億3700万までは簡単手順で相続税0円です。

しかし早期に相続が発生した時は暦年贈与がまだ目標に届いていないので、相続税が発生する可能性があります。

しかし暦年贈与されたお金で契約した生命保険金がその分を埋めてくれることになりますから、マイナスになる事はありません。

相続税改正にあわてたにわか被相続人候補はあちこちのセミナーで聞いてきた相続税対策に手出しをせずにシンプルに簡単手順で対策をしてください。

相続が発生した時もあとに残された新米相続人が処理に困るようなややこしい仕組みに手出しをしないことが大事です。

簡単手順とは申し上げましたが、実際は配偶者に先に相続が発生したり、小規模宅地の評価減が使えなくなったり、資産のほとんどが換金性に乏しい不動産だったりしますから絵に描いたようにはいかないのです。

予定がぶれた時は生命保険は強い味方となります。

暦年贈与と生命保険の単純手順で1億3700万までなら相続税が0円になる事をシンプルな事例でご案内しましたが、実際はこれほど単純なケースはありません。

また考え方によれば相続税は超過累進課税という仕組みですから無理に相続税を0円にしなくても低いほうの税率を適用することが安全な場合もあります。

相続税がかかる場合は生命保険で納税資金を確保すること、そして相続税対策を複雑にしないことが大事ではないかと思います。

相続税がかからないのに生前から争族です。

相続税がかからないのに生前から争族です。

悲しい性(さが)ですがある程度の年齢になると親の遺産をあてにするようになります。

相続税がかかるような財産がなくても長年働いてくればそれはそれなりのものが誰しもあるはずです。サラリーマンが普通に勤めていれば宝くじでも当たらないとまとまったお金は手にできない訳ですからあてにするなと言う方が無理かも知れません。

一括千金を狙うなら株式投資をやるか保険金で受け取るか、どちらの選択も思い通りに行かないばかりか大損することさえあり得ます。

それに比べると遺産を相続するのは安全確実ですからね。

普通に暮らしていれば生前に遺産分割を督促するようなことにはならないのですが、誰しも目測を誤りお金に不自由する、あるいは資金繰りに切羽詰まることもあるのが人生です。CIMG2059

知り合いで定年退職後退職金を投じて貴金属の取引を始めた人がいましたが、その内年賀状が来なくなり、親が経営していた店舗まで売り払って自宅も処分して、結局酒の飲み過ぎで亡くなりました。奥様も葬式の折には若くして痴呆症のような状態で、これはまあ気の毒としか言いようのないところですが、現実の場面では背に腹は代えられないとなると金欲しやが生前の争族にまで発展します。

今や老後難民だの老後破産とう言葉が流行するほど老後の経済状態は厳しさを増し世知辛い世の中になっています。

もらえるモノは一刻も早くほしいと言うのも無理からぬところなのかもしれません。

争族は人間性がさらけ出されますからみっともないことは言うまでもないのですが、生前の争族はさらに見苦しい。

どうせ自分がもらうものだから相続が発生するよりも先にくれと言うわけです。

贈与になるからダメというと、ぢゃ貸してくれときます。返すつもりのない相続の先取りを要求します。他の兄弟が黙っているわけがありません。

こうなると高齢で弱り果てた親を前に生前の争族ドラマが始まります。

兄弟喧嘩も相続争いもせめて自分が死んでからにして欲しい、とは悲しい親心です。

それなりの年になるとそれなりの場数も踏んできますが、お金という魔物の前には自分というものの人間としてのまともさ、精神的安定性すら疑念を持たざるをえなくなります。

物納問題の深刻さは相続を追い詰める理由。

物納問題の深刻さは相続を追い詰める理由は複雑です。

個人資産があれば物納はできないという当たり前でありながら、相続人にすれば「何で?」と思うのが当然ですが、このことが相続をより複雑にします。

相続して相続税を納税するなら相続した財産から払うのが普通に思うことです。

でも現金や保険を相続すると言うことはもともと運がよい方で相続財産と言えば自社株であったり不動産であったり換金性の低いものになります。CIMG2036

さらに節税対策をやりすぎるとお金が賃貸不動産のような短期で換金が難しい物に置き換わり、結果として納税キャッシュはさらに少なくなり、対策をしたものの、はからずも相続人を困らせる結果となります。

すでにご案内のように平成18年度の税制改正で物納要件が厳格化されました。これは課税庁の物納は最後の最後まで認めないというキャッシュフロー重視の徴収姿勢です。

公式で示せば、現金>延納>物納となります。

自分の財産も含めて現金(もしくは相当品)があればまず現金、それがなければ年収予定を計算私して必要最低限の生活費を引いた残額で延納です。

それでも期限までに払えない場合に限り物納という仕組みがあります。

要するに個人で換金可能な資産があれば物納は認められないのです。

物納までの道のりはあまりにも遠くなったため物納が減少したというのも無理ないところです。詳しくは他のサイトに譲るとしますが、他にも様々な縛りや条件があります。

今までのように簡単に物納できるわけではなくなりました。もちろん証券類も保険も換金可能ですから納税資金と見なされます。

解約すれば損をするような保険の場合銀行から納税資金を借りてでも残すかどうかです。

言えることは早くから保険を活用して納税資金対策を怠りなく準備することです。不動産にしても売る覚悟で準備をしておかないと足元を見られます。

とにかくいつでも売れるように早くから準備することです。現実的には一定の資産がある経営者にとってはなかなか厳しい物納なのです。

相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

よく似た言葉ですが一文字「税」というところが違います。

かたや相続対策は相続財産の分け方ですから相続税がかかるかかからないかに関わらず相続人100人が100人とも必要とする対策です。CIMG2166

身の回りに何ぼでもある争族の事前の対策です。相続税対策は相続税という税金をいかに安くして相続人としての分け前を多くするかという対策です。

お金がない貧乏人でも相続対策は必要です。
「泣く泣くもよい方を取る形見分け」というような川柳にあるように人間の本性が見え隠れするどころかむき出しになります。

また相続財産が少ないほど遺言書や生命保険などの対策ができていないので争いも熾烈になり解決に時間もかかります。

◆相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由

とくに被相続人の面倒を見たり介護をした人がいればこれまたもめる要因になります。平成21年に家庭裁判所で遺産分割調停が成立した件数のなんと73%が相続財産5000万以下のケースです。

この辺は無策でもほとんどか全く相続税のかからないゾーンです。相続財産が1億あるとあの手この手で相続税対策をして相続税がかかるかどうかの分岐がこのあたりになります。

相続人の数にもよりますので、しっかりとした計算が必要なゾーンです。

この範囲の家庭からの家庭裁判所への申し立てをふくめると90%以上になるのですから、争族の水準の低さがうかがえるというものです。

 

法人保険は後継者に全部譲渡で得する方法。

法人契約の保険は後継者に全部譲渡で得する方法、についてご説明申し上げます。

だれもこの種のアドバイスはしてくれないのです。買う立場で言えることはきちんとした法人保険の知識とテクニックを理解し確実なアドバイスができる人はほとんどいません。

保険代理店は手前味噌、得意分野だけですから話は割り引いて聞きつつセカンドオピニオンが必要です。

税理士の先生はほとんど役に立ちません。概略と基本はわかっていますが裏ワザと保守テクニックは期待できません。CIMG2057

ましてや保険会社所属の営業マンやら証券会社、銀行はさらにあきません。みんな売ることには熱心ですが自分の利益にならない他人取扱いの保険のことなど興味を持つ方がおかしいと言うべきです。

愚痴はさておき、どの会社でもこれまで何本かの法人保険に加入しているはずです。社長の身に何かあれば会社や従業員が困りますからどんな会社でも何本かの法人保険に加入していると思います。

金庫の奥深く、金庫株ならぬ金庫保険が見つかるものです。払込をすでに終わった予定利率のめちゃくちゃ高いころの終身保険が静かに眠っていたりします。

払込満了ともなると毎年の支払いが発生しませんからB/Sに載ることは載りますが財務担当者は普通あまり興味を示しません。

他にも退職金準備と事業保障を兼ねた長期平準定期保険があったり、余裕のあったころに知り合いの代理店に拝み倒されて入った変額終身保険だったり他にもいろいろあると思います。

当然この話は社長が被保険者で会社契約の保険の話です。

下手な財務担当なら予定通り解約して退職慰労金に充てようとします。少し知恵が回ると法人保険を退職慰労金の現物支給を考えます。

それではまだ知恵が足りないのです。簿外に退職慰労金の原資が蓄積されているなり、他で資金が工面できるなら社長被保険者の保険は医療保険を除き、すべて後継者に譲渡してしまうのです。

何の問題もありませんが、一つだけあるとすれば後継者の購入資金です。

そんなものは社長が退職慰労金から貸し付ければよいのです。相続発生までスズメの涙ほどの利息を払いつつ借りっぱなしでよいのです。相続が発生したら精算すればよいだけです

これの良いところは後継者の買取資金に保険というレバレッジが効いて何割か増しの保険金が受け取れます。

それも相続税にはかからずにです。契約者が後継者、被保険者が社長、受取人が後継者になりますから、税制上はとても有利な一時所得になります。

さらに他の相続人に遠慮することなく後継者に資金を集中できます。

だから申し上げたいのは簿外に退職慰労金の資金をしっかり貯める法人保険の長期的計画が会社の存続に大きな影響を与えるのです。

長い目で法人保険を活用すると相続・事業承継で驚くような働きを見せてくれるのです。ホントにここをお分かり頂きたい。

掛け捨て生命保険の名義を相続発生直前に書き換える。

事業承継スキームとして掛け捨て生命保険の名義を相続発生直前に書き換えるという手法を提案している書籍があります。

それも定期保険を、だそうです。全くバカげた話です。

確かに生命保険契約の名義変更は何度でもできます。そういう意味では会社で契約していた生命保険を死をまじかに控えた経営者に名義変更すると死亡保険金は家族の受取となり相続税の対象となります。CIMG2233

法人で死亡保険金を受け取ってしまうと払込保険料を費用で処理していれば保険金は全額雑収入にはなりますが、これは会社の信用を維持するための運転資金になるものです。

その生命保険はもともと何の目的でかけたかということです。

それ以前の問題として定期保険で解約返戻金が0などというものはお勧めしにくい商品ではありますが保険料を押さえて保険金を大きくする仕組みだと思います。

でも定期保険です。そのうち保険期間が満了してしまいます。

終身保険や超長期定期保険なら受け取れることでしょうが解約返戻金が0になることも保険料を全額損金にすることもできません。

ただし95歳ぐらいの長期平準定期保険を後生大事に抱えておき被保険者死亡を待つという手も、姑息ながらありますが。実際無理な話です。

毎年保険料を払う時期だけ法人名義にしてあとは個人名義にしておいて死亡保険金を受け取るのを待つようなことになります。そんなこと普通の神経でできますか。

私の憤りに対して間違いを指摘していただける方を募集します。本代返せ、です。

とは言え生命保険の受取人変更の注意事項も必要ぬなると思いますので、下記をご参照ください。

◆生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

生命保険金受取人が死亡後、受取人を変更しないと難儀になる理由。

生命保険金受取人が死亡後、保険金受取人を変更しないと難儀になる理由について説明すると。

契約者は自分の死亡保険金ですからもっとも身近な人、配偶者や子を保険金受取人にします。保険金受取人は2親等内の血族に限るのが一般的です。それ以外の人を指定するとどうしてもモラルリスクが高まりますから保険会社としては嫌がるということです。CIMG2051

婚約している人とか長年の内縁関係の彼女とかは保険会社の考え方によります。モラルリスクとは平たく言えば保険金殺人リスクです.

話がそれましたが保険金受取人が契約者(=被保険者)より先に死亡した場合は速やかに別の2親等以内の血族を指定しないとややこしいことになります。

というのは保険金受取人に続いて契約者(=被保険者)が受取人を再指定しないで死亡したら保険金は誰のものになるのかという、ありそうでもめそうな話です。

これは被保険者と保険金受取人の双方に相続人がいると無事おさまる話ではなくなります。

双方の相続人はいわゆる笑う相続人になりますからタナボタの保険金はそう簡単に譲れません。

諸説ありますがその一つは保険金受取人の権利は保険金受取人個人に専属するので受取人死亡によりその指定の効力を失いうという考え方です。CIMG2047

するとどうなるかというと契約者が生存しているうちは保険金は契約者が受取人となるという妙なことになります。

その後契約者が受取人を再指定せずに死亡したらどうなるのでしょうか。どうも契約者の相続人に権利が行くのではなく受取人の相続人に保険金受取の権利が相続されるということのようです。

この場合相続割合は関係ないですから丸儲けになります。ただ意見の分かれるところですから欲の皮が突っ張っていると裁判にもなりそうな微妙な複雑さです。

ゆえに保険金受取人は契約者が存命中にしっかりと見直し変更するなら変更し後々の憂いの種にならないようご配慮されるのが相当かと思料致します。はい。

生命保険受取人をテキトーに書く大間違い。

生命保険受取人をテキトーに書く大間違いについて一言申し上げます。

保険契約は保険料を支払った人のものです。

よって生命保険金の受取人を指定する権利は契約者にあります。というか契約者が受取人欄に自筆で記入する事で指定できます。

CIMG2044受取人がサインすることはありません。被保険者は決して変更できませんが受取人は、いつでも何度でも変更可能です。(ただし受取人変更は被保険者の同意が必要です。)

この辺に生命保険金の受取人指定がテキトーになる理由がありそうに思います。

生命保険受取人は誰でも良いわけではありません。それは大きく二つの理由があります。

その一つは契約形態と指定する受取人によって受取保険金の税金が大きく変わります。

贈与税・相続税・一時所得の3パターンがあります。税金のことを考えた組合せでないと大損します。

契約者  被保険者    受取人    税金
親    親本人     子     相続税
親     妻     親本人    一時所得
親     妻      子     贈与税

きつい相続税がかかる方は一時所得>相続税>贈与税の順で一時所得が一番お得で贈与税が最も厳しくなります。相続税がかからないレベルであれば一時所得にする必要もなく当然相続税パターンが有利です。

契約者と被保険者と受取人がそれぞれ異なる契約を三者三様などと業界の言い方がありますが、できるだけ避けたい契約形態になります。

受取人指定が重要な理由はもう一つあります。

それは相続対策としての生命保険の場合だれを受取人指定するかで後でもめたり仲たがいをすることも起こり得るからです。

特に事業承継における保険設計では後継者とそれ以外の子どもたちにどのように資産を割り振るかということもあります。

代償分割と言って長男が本家を継ぐ代わりに他の兄弟には現金を渡すようなばあいも生命保険の受取人の指定を誤ると大変なことになります。

◆代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

生命保険金受取人固有の財産として判例的にはほぼ確立していますから相続においては特に慎重に考える必要があるわけです。CIMG2038

生命保険金の受取人を誰にしたか忘れてしまっている契約もあるかとは思いますが、遺言書を書く前に保険証券を見直して必要なら受取人変更を行ってください。

生命保険金受取人は複数でもかまいませんしそれぞれに受取額の割合を指定することもできます。相続・事業承継設計においては生命保険金受取人の確認は特に重きを置いて見直します。

相続税の税率は高くない何度も言うが相続税は高くない。

相続税の税率は高くない何度も言うが相続税は高くないと言う根拠を説明すると若干ややこしくなりますが、お読みください。

相続税の勘違いの最たるものに税率の勘違いがあります。

相続税対策セミナーで節税対策のカモになるのがこのタイプです。自分の相続税額をきちんと計算しないで相続税が増税になった、さあ大変というわけです。昔からカモはネギと鍋を背負ってくると言いますがだし汁までついています。CIMG2042

自分の財産をざっと値踏みして相続税は5割超と思いこむタイプです。

セミナーの講師も節税策一本槍ですから相続税の税率表を大伸ばしして高率を強調して決してこの手の誤解を解こうとはしません。

その結果、普通なら払える相続税が節税対策のしすぎで支払うキャッシュが足りないような羽目になります。借金して賃貸マンションを建てれば節税にはなるでしょうが素人芸では破産と言うことも十分あり得ます。

◆相続税が高いと思い込む要因は二つあります。

一つは超過累進課税になっている相続税の税率表に原因があります。

超過累進課税とは税率のバーを越えた部分にだけ上の税率を適用するということです。
それ以下の部分には低い税率が適用されます。そのために低率部分の税額控除があります。1億円なら1億円まるまるに30%の税金がかかるわけではないのです。

【平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率    控除額
1,000万円以下       10%     -
3,000万円以下       15%      50万円
5,000万円以下       20%   200万円
1億円以下          30%   700万円
2億円以下         40%    1,700万円
3億円以下         45%    2,700万円
6億円以下         50%    4,200万円
6億円超          55%     7,200万円

相続税が高いと思い込むもう一つの要因は相続人ごとに法定相続したものとして分散した金額で相続税を計算して総額を求める仕組みが理解されていないことにあります。そうすると1億円の相続財産は法定相続人に割れますから相続人が2人なら5000万ずつの相続税を計算します。3人なら1/3ずつの金額で相続税を計算します。

それで相続税の安い税率になり、それを合算すると思いのほか低い税率になるのです。

実際のケースでは3億の資産があり相続人は配偶者を含めて3名とすると(基礎控除3000万、600万×3名、生命保険控除500万×3名=合計で6300万の控除、残り23700万が課税対象)一次相続の相続税の税率を(1/2を配偶者が非課税で相続)計算すると財産総額に対し実質税率は8.66%と思いがけない低率になり、二次相続時に同様の計算をすると15%程度の税率になります。

この税率を高いと思うか安いと思うかは人それぞれです。

この世の仕組みは、お金が動けば税金がかかるのです。

所得税や消費税に比べて決して高いとばかりは言えない率なのです。この相続税の税率ならむやみな節税対策をするより納税したほうが将来的なリスクが下がり相続人の手元により安心が残るのではないかと思います。
相続対策は早めから対応しなければなりませんがやりすぎ相続税対策は決して相続人のためにはならないのです。相続ビジネスの挑発に乗らないで冷静に自分の財産を評価しリストを作成してください。基礎控除や生命保険控除、小規模宅地の評価減等を考慮し実際の自分の相続税額を一次相続と二次相続に分けて計算してください。納税額が計算できれば手持ちのキャッシュあるいは換金性の高い金融商品で納税資金がまかなえるかどうかを判断してください。

そのうえで余剰資金があるなら暦年贈与と生命保険です。

これが落ちになります。あしからず。

相続税、妻のへそくりは夫のもとという理不尽。

妻のへそくりはいくらためても相続では夫のもの、何と理不尽な話でしょうか。

法的にはもともと夫婦は別財産制なのです。夫に内緒でこっそりためても、夫が了解していて残ったら妻にあげると言っていても、残念ながら妻のへそくりはいくらためても夫のものと言うことになります。

夫のものと言うことは相続財産に持ち戻して相続税が課税されますから、税務調査で指摘されれば申告漏れとして追徴課税が課せられます。CIMG2068

相続税ではその預金は誰のものか、資金の出所と管理やもらった妻の支配運用状況が問われます。自分名義の口座にあろうが関係ないのです。

税務署にすれば資金移動は贈与ではないですし、さらに言うなら贈与がそのまま贈与税ということでもありません。

課税当局の立場は贈与税は形式だけではなく実体重視になります。税務上で言えば不動産や株式は対価を払わずに名義を変えたらそれは贈与ですが、預金は名義を換えても贈与ではないというわけです。

ほとんど庶民には理解できない理屈です。贈与というならば通帳や印鑑カードは自分で持ちそのお金を自由に使えていることや住所変更や改姓届をもらった人がきちんと銀行に届けていること等が問われます。

相続における贈与の3要件は

  1. 贈与契約書があること。

  2. 印鑑・通帳は本人が管理し自由に使えていること。

  3. 贈与税の申告納税がなされていること。

全くなんという手間でしょうか。しかしここまでやっておくと税務署はぐうの音も出ません。

ただ税務署の質問検査権は強力です。警察の取り調べの様な場面になると残された奥様が抗弁できるはずもありません。(税理士がいれば助言してくれますが。)

相続税は税務調査の確率が1/3そのうち8割以上が申告漏れを指摘されていますが、その多くは名義預金です。

税務署は家族の通帳も含めてお金の動きはすべて把握しており怪しいところだけを疑いの目をもって確認してきます。

調査されるほうも調査する方もきっといやなものでしょうね。

相続対策を弁護士に相談する間違い。

相続は“相続税対策”と“相続対策”があります。

噛み砕いて言うと相続税の納税資金対策や節税対策と遺産をもめないように相続人にどのように分割するかという相続分割対策は別のこととして考えなくてはなりません。また生前に行う相続対策と相続発生後の相続対策は関わる人も内容も大きく異なります。

◆やりすぎ相続税対策が招く3つの罪。

相続は事前の対策が効果をあげますが、様々な分野の専門家が関わりを持ちます。相続税の納税資金対策や節税対策は資産税ですから、税理士さんと言えども得手不得手があります。申告が主な税理士さんは腰が引けるところです。

事前対策は弁護士さんに相談するのは的外れのような気がします。

ベテランの保険代理店の方が知恵をだしそうな具合ですね。保険から資産税、不動産、相続・事業承継設計を見渡せてコーディネイトできるような場数を踏んだ相続専門家がよいのですが、なかなか見つけるのは難しいと思います。

相続発生後はどうでしょうか。遺言信託などで金融機関に大枚を払っていれば杓子定規に遺言を執行してくれるでしょうが相続人の気持ちを汲み取ってくれるかどうか、期待するほうが無理かもしれません。CIMG2092

相続税の申告は税理士さんに頼むよりありませんから幅広いネットワークを持たれている調整力のある方がよいと思います。税理士さんなら人によっては相続人間の調整に一役買っていただける可能性があるでしょう。

相続発生後は、弁護士さんは遺言執行人に指定されていれば適任でしょうが相続人間の調整には不向きです。

もともと弁護士さんは依頼人の利益を擁護するために法律を振りかざす人です。弁護士さんを代理人に立てたりすると余計にもめるもとにもなりましょう。

実際の場面では相続はいつ起こるかわからず、長生きすることも、明日に死ぬこともありますから頼りにしていた税理士さんの方が先に亡くなってしまって、お先真っ暗というよなケースにも遭遇しました。

税理士法人と契約していても人が変われば気持ちが通じるまでに時間がかかります。

相続をお願いする先生は自分より若くて調整力があってお元気な方でないといかんでしょうが、まずは会社への責任、後継者に対する期待と不安、家族への思い等が阿吽の呼吸で感じ取れることが条件と言えるのではないかと思います。

出来の悪い息子でも簡単に廃除はできない遺言書

出来の悪い息子でも簡単に廃除はできない遺言書、無理はしないことです。

我が子は誰しも可愛いものですが、兄弟それぞれ性格があり親としては公平に扱おうと思っても相性や好き嫌いがでてしまいます。

出来の悪いというより親不孝な子もいます。CIMG2053

できれば相続財産を渡したくないほどの不出来な子も遺言書による推定相続人の廃除はハードルが高いのです。

相続廃除になるくらいに出来の悪い息子とは親がそう思うだけではダメで家庭裁判所でなるほどこれは相続廃除もやむなしと判断してもらわなければ廃除はできないのです。

相続廃除になれば遺留分もなくなり戸籍に記載されますから結構厳しいのです。

少々の放蕩や反抗は該当せず相当悪質かつ悪辣でないと裁判所は認めないということです。

遺言書で相続廃除をするためには遺言の執行者を指定しなければなりません。遺言執行者が代わりに家庭裁判所に出向いて手続きを行うことになりますが、認められるケースはかなり少ないようです。ほとんどの年度で全国50件以下というのが実態のようですね。

どうやらこの手は一般向きではないですね。

やはり意に沿わない息子であろうが遺言書で廃除はできないなら、遺留分を侵害しない範囲で相続額を削減するほかないということになります。

親子の血のつながりは法的にも濃いと言うことでしょうか。

財産を相続させたくない息子がいる場合は、もめそうな相続になりますから遺言書は公正証書遺言に限ります。これならとりあえず安心ですからね。

遺言書は今年のお盆に、そこまで言う理由をまとめました。

お盆にゆっくり遺言書を、なかなか手が付けられないのが遺言書。

日頃は書かねばと思いつつ手付かずになっている遺言書を書く心境になるのがお盆です。

とても日本人的な心境ですが最近は簡素化されたというもののお盆は生死観の凝縮された一つの文化的な行事です。そのお盆にじっくり遺言をまとめるというのも意味があるというものです。CIMG2039

遺言書の必要性は十分すぎるほど理解して事業承継の円滑化には避けて通れないことも頭ではわかっておりながら不思議に書けないのです。

自分のことは自分が一番よくわかっている積もりでもそうはいかないのがこの世の常です。自分の最後、死に関わることですから頭の中に書きたくないという部分が残っていてブレーキになっていることは薄々感じているといったところですね。

それをまだ財産の一覧が整理できていないからとか、書き方がいまいちよくわからないからとか言い訳にならない言い訳をして先送りします。

遺言書は元気知力も体力もあるうちに書くべきものです。

身体が弱ってきて病気がちになれば気力が衰えます。焦りはあっても遺言書はますます難事業になってしまいます。

そういうわけで遺言書の書けていないオーナー経営者はお盆にじっくり腹積もりを決めることをおすすめします。

不思議なことですがお盆には気持ちが整理しやすい空気があります。きちんと書けなくてもいいので書き始めること、箇条書きにでも言い残すべきことをあげてみることです。とにかく始めれば考えはまとまってくるものです。

ご承知の通り何と言っても遺言書だけは人任せにできません。ご自分で考えて自作するほかないのです

万が一遺言書がなければ法定相続になります。法定相続になれば経営権を集約するのは難しくなります。

何度も書いてきていますが相続では相続人がそれまでの人間性を置き忘れて別人になるリスクがあります。また遺産分割協議が円満にまとまると限ったものでもありません。CIMG2042

その結果これまで粉骨砕身、自分が経営者として営々として築いてきた分身ともいえる会社とその従業員が守れますか。

ステークスホルダーに対する責任が果たせますかということです。

経営者の遺言書は影響を与える範囲が広くてとても重いのです。

自分では健康なつもりでも高齢になると何があるかわかりません。そんなことは周りの同年齢を見れば何よりよくわかります。

それ故に遺言書は元気なうちに、できれば今年のお盆に、と申し上げたいのです。

お盆は欲ボケ争族、エンディングノートより遺言書が重要な理由。

お盆は欲ボケ争族の季節です。

核家族化すると家族親族はあちこちに分散します。冠婚葬祭でも日本全国から駆けつけるような時代です。交通網が発達し時間が短縮されたといっても旅費もかかるしそうそうたびたび帰省できません。

しかしまとまっていない遺産分割協議はお盆に相続人が揃ったときにということもあります。

揉めることはないはずの話し合いがご先祖様の前になるとギクシャクします。

葬儀の時とはがらり様相が変わり夏の暑さも加わり欲ボケが出てきます。

誰かが欲ボケを出すとそんなつもりがない相続人にまで一気に感染し連鎖します。まるで争族ウイルスでもいるかの如くにね。

話し合いは感情的になりまとまらなくなります。相続税の納税までの残り時間が残り数ヶ月となりいよいよ風雲急を告げてくるわけです。CIMG2028

ドラマのような寅さんの一場面のような辛辣な言葉が禍根を残します。

因果なものですが、十万億土無明の闇へ旅立たれるご先祖さまの霊が情けなさにカーテンを揺らしてもローソクの火を吹き消しても熱くなっている相続人は誰も気づきやしません。

相続税がかかってもかからなくても、たとえ争族の予感がなくても遺言書をきちんと書いておければ揉めることはないのです。

あの世から遺言電報でもあればと思いますが、もはやままなる話ではありません。

考えてみれば宝くじにでも当たらない限り手にすることはできない生涯最大の不労所得のチャンスです。

家を建てたいリフォームしたい、ローンを一括返済したい、子供の学費が、車を買い換えたい、冷蔵庫が古くて冷えない買い換えたい等々誰にも際限のない人間の欲望が渦巻いているのですから当然と言えば当然です。というより欲望こそ自然なもです。故に・・

しかるべき御年になられた方は辞世の句より、エンディングノートよりまず遺言書をと申し上げたいお盆です。

相続税で不動産を売却するのは愚の骨頂。

相続税で不動産を売却するのは愚の骨頂です。

相続税の納税資金を準備することは相続税の節税以前にやって置かなくてはなりません。

相続税がかからない程度なら良いのですが地価が高くなったのと相続税の増税によりにわか成金じゃなかったにわか相続税の皆さんはめぼしい資産なし、自宅とわずかな現金というケースも多いようです。

こういう場合唯一の不動産たる自宅を処分するほかなくなります。それも相続が発生してからの売却は難しく、

いやな言い方ですが足元を見られて買いたたかれるのが落ちです。相続発生から相続税の納税期限までわずか10ヵ月という短さです。

よほど立地の良い物件でない限り、不動産の売買では期限があれば確実に不利になります。CIMG2034

それゆえに相続税を試算してみて納税資金のめどがたたないようなら早めの対策を打っておく必要があります。

地価の高そうな自宅不動産をお持ちのケースは相続発生前に不動産の換金手段について専門家に相談されるのが良いと思います。

とにかく相続が開始してからでは時間的に選択肢が限られ、焦りが損失を招かないとも限りませんからね。

それよりは生命保険ですね。

◆相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由

親の借金は相続放棄しても受け取れる保険金の有り難さ。

親の借金は相続放棄しても受け取れる保険金の有り難さは身に染みてわかります。

事業をしていると時代の波に翻弄されて浮沈があります。

バブルの頃には楽に返せた借金でも、担保が景気の悪化とともに目減りし、経営も左前になると借金だけがどっさり残ります。CIMG2034

あげくの果てに広大な土地を所有していても全部売り払って借金が残るような羽目になります。こうなると親の責任ながら相続人としての子供は困ります。

相続放棄しない限り親の借金まで背負い込むことになります。

しかしそれではつらいと言うことで親は子を受取人にして生命保険に入ると思いがけず相続放棄していても保険金は受け取れるのです。

今は判例がでて生命保険金は受取人固有の財産ということが定説になっています。

誰にも文句を言われる筋合いはなく堂々と相続放棄をして生命保険金を受け取ることができます。

事業行き詰まりの借金で首が回らない親に子供に保険金で残すというそれだけの知恵と器量があればですがね。

もう一つ念押しをしますと受け取った生命保険金受取人の固有の財産ですが、

税法上は相続税の対象になります。

普通の相続では固有の財産なれど相続財産に合算されて相続税が課税されるということになります。

しかし今回の話のケースでは相続放棄するほど借金があるわけですから相続財産はもともとないはずであり、相続税の基礎控除を上回る保険金でも受け取らない限り相続税は要らないわけです。

他に相続人でもいれば嫌みの一つも言われるでしょうがそれだけのことです。ひとりでほくそ笑みながら札束を数えればよいということです。生命保険の受取人変更は被相続人たる親、すなわち生命保険の契約者が存命中に自分の意思で自分を被保険者とした契約を結び、受取人を指定する必要があります。暦年贈与のように3年前までもち戻しのようなこともありません。既存の契約があればもちろん受取人をしっかり見直すということも大切です。

遺留分放棄を後継者ではない子にさせることは違法か。

遺留分放棄を後継者ではない子にさせることは違法か、

経営者にとって事業承継は相続設計以上に重要なことです。

自分が苦労して発展させた会社を一番適任な子に継がせて守り発展させてほしいという思いがあります。

兄弟が何人かいると会社を継ぎたくない子もいます。同時に継がせたくない子もいます。そんな中から一人を選び次期経営者として仕込んでいかなくてはなりません。

自社株を親族で分散保有したために苦労した経験のある経営者は一人の後継者に自社株を集中したいと考えます。また後継者となる子には経営者としての一定の資産を継がさなくては重石がつきません。

CIMG2008そうなると後継者以外の子に対して最低限の相続にするために遺言書をしっかり書かねばなりません。

これまでにも特別受益として家を建ててやったりしていますから遺留分の放棄もさせておきたいところです。

さて遺留分放棄をさせておかないと遺言書で遺産の分割を指定しても遺留分は遺言書でも侵害できませんから、他の兄弟から遺留分減殺請求を起こされる可能性があります。

遺留分放棄というのも納得していない子には適用できません。

また手続きとして被相続人の生前に遺留分放棄をするためには家庭裁判所の承認を必要とします。
審判の条件としては下記内容が審査されます。
① 放棄が本人の自由意思にもとづくものであるかどうか
② 放棄の理由に合理性と必要性があるかどうか
③ 代償性があるかどうか(たとえば放棄と引きかえに現金をもらうなど)

後継者ではない子に遺留分放棄をさせることは違法ではないですが、本人の納得性がなければ家庭裁判所が認めないということです。

後継者でない子が納得している話なら、相続開始後でも特に家庭裁判所の審判なしで遺留分放棄はできますし、相続放棄もできます。
要するに、後継者ではない子が十分な特別受益を自覚していれば遺留分放棄をしなくても遺言書に従うでしょうから特に問題はないわけですが、後継者でない子が財産分与に納得していなければいくら遺留分放棄の制度があってもどうしようもないという、まったく様にならない結論になります。

思惑どうりにならない遺留分放棄ですが、会社を守るため決断するのもオーナー経営者の仕事です。

相続時精算課税制度の意外な使い道があった、その手でローン完済!

その手でローン完済!意外な相続時精算課税制度の使い道、相続時精算課税制度にはもともと節税できる仕組みではありません。

言わば相続税の仮払いのようなものです。暦年贈与のような人気がないのもうなずけるところです。CIMG1990

将来価値が確実に上昇する資産があれば価値をその時点に固定する相続時精算課税制度が有利になりますが、見込みだけで一か八かあれこれ使えるわけではありません。万が一評価が下がれば相続時に損をすることにもつながります。

ところが意外な使い道もあるのです。親からの贈与を贈与税なしでローン一括返済にあてる手法です。

贈与税相続税の補完税として相続税より重くなっています。相続税逃れの贈与を抑制する仕組みです。それなのにおかしなことですが相続税がかからなくても贈与には贈与税がかかるということになっています。

相続まで待たずに親から援助を受けてマンションのローン繰り上げ返済したいことだってありますが、何もしなければ110万円以上の贈与には贈与税がかかってしまいます。

このとき相続時清算課税制度を使うと2500万円までの贈与が非課税、それを越える部分には一律2割の贈与税の仮払いが発生します。しかし相続が発生して財産が基礎控除以下なら相続税は発生しませんから相続時清算課税制度で納税していた分が返還されます。

つまり納税額0円で贈与ができたことになります。2500万以下の贈与なら贈与税の仮払いすら必要ありません。

相続税がかかる人は生前対策で暦年贈与や住宅資金の一括贈与などの対策をしますから節税効果のない相続時清算課税制度は使う必要はあまりありませんが、相続税のかからない人が贈与税を避けて生前に一括贈与するには上手い制度です。

毎年110万ずつ親から援助を受けながらローンを返済するなんて大損ですよね。

でも難点は相続時清算課税制度の申告と本来なら不要な相続税の申告が必要になります。また相続時精算課税制度を選択すると暦年増与に戻ることができないという決まりがあります。何かと手間がかかりますが、用心してそこまでやるか、さてどうしますか。CIMG1991

また別のケースとして奥様が相続などで現金を手に入れてご主人のローンを繰り上げ返済したい場合はそのまま返済に充てると夫婦といえども贈与になります。

奥様から借金して金融機関には一括返済し奥様に返済していく方法になります。収入のある内は借用証もきちんと書いて毎月返済することが必要です。

年金暮らしになれば奥様に借りた債務を毎年110万ずつ免除してもらえば贈与税はかかりませんね。いつまでも奥様に頭はあがりませんがね。

法人契約の医療保険が絶対お得な理由

法人契約の医療保険が絶対お得な理由が3つあります。

どうして法人で医療保険をかけると有利なのか、どのようなメリット・デメリットがあるかを要約します。

1)オーナーが個人で医療保険をかける無駄

もともと医療保険は病気になったとき当座の医療費や生活費に困る貧乏人のもの、一定の収入と資産があるオーナー経営者には採算に合わない医療保険は無用です。また個人で医療保険の保険料を払うためには所得税と住民税を合わせた役員報酬の税負担が大きすぎます。経営者が若いときは法人で保険料を費用化しておけばよいのです。

2)医療保険金が法人の営業キャッシュフローを保障

中小の会社ではキャッシュフローがそれほど潤沢ではないでしょう。またオーナー経営者の信用ひとつでつないでいますから経営者の病気入院は一大事です。万が一経営者が病気になったときの営業保障として会社受取の入院給付金等が助けになります。意外と大きい、有り難い仕組みです。

3)退職時に名義変更して終身の医療保障を確保

若いときはがむしゃらでも病気をすることはあまりありません。65歳を過ぎると体力の低下を顕著に自覚しあちこち不具合も出てきます。「まだまだわしがおらなんだらこの会社は回らん。」から引退の2文字が頭をよぎります。一般的に病気入院は人生の後半のイベントです。そこで退職時に退職慰労金の一部として医療保険を解約返戻金相当額で現物支給します。医療保険ですからあったとしても解約返戻金は少額です。また退職金税制の優遇もあり税率も低く押さえられます。

CIMG1917いいことずくめの法人契約の医療保険のように言いましたが諸注意があります。

医療保険はあくまで事業保障のおまけでありグリコキャラメルの付録です。必要な事業保障を別の保険でしっかり確保してからです。

おまけだけでキャラメルがないなんてあんまり本末転倒です。

 

得意の老婆心ついでにもうひとつ、自分の引退までに払込満了の設計にすること、保障は終身にすることを確認してくださいね。

遺言書を破棄したら罪になるかを事例で説明。

遺言書を破棄したら罪になるかという問題を事例でご紹介します。

保険から閑話休題ですが、遺言書を長男が破棄した例がありました。会社の金庫に仕舞ってあった自筆証書遺言をいち早く長男が破棄したのです。

破棄するとは遺言書を物理的に無効にすることです。CIMG1961

内容は知らされていなかったのですが、次男坊の方が出来がよくて社員に人望があるので後継者を次男にすべく自社株を遺言書で相続するように指定している可能性があるわけです。

会社の経営権に関わることですから双方譲ることはできません。家族は金庫に遺言書があることを知っていましたから知らぬ存ぜぬの長男と当然争いになります。

もし自分に不利な遺言書の破棄が事実なら長男は相続欠格者となり遺留分も含めてなにも相続できません。民法には「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿したものは相続人となることができない。」と規定されています。

でも長男本人は否認していて証拠がありません。警察に捜査をお願いする筋のことでもありませんしね。双方の主張は裁判で決着するよりありません。

結局法定相続となり会社は次男が承継し長男は別会社を起こしました。お互い競合になりますからどちらの会社も長期低迷しています。

まさか遺言書を破棄されるとは被相続人もだれも思いつかなかったのでしょうが、目の前に自分に不利な遺言書を見つければ刑事事件になるとも思わず破棄してしまう可能性もあります。

遺言書の破棄は私文書毀棄罪で5年以下の懲役です。

もめそうな遺言書は公正証書遺言に限るわけです。

後継者候補が兄弟で争っているケースは珍しくありません。親というか現経営者は兄か弟かどちらかを選ばなければなりません。ここを間違えると泥沼のお菓子会社の様になります。遺言書はそれを防ぐ有効な手立てではありますが、あらゆるケースを想定し、念には念を入れて準備しておくものです。

そういうアドバイスを繰り返しても実際の経営者は遺言に取り掛かるのは誠に腰が重いと言わざるを得ません。

遺言とは自分の死と向かい合うことでもあり、この世での自分の生きてきた足跡を整理することでもあります。そこまで悩み苦しみ書き上げた遺言書をあっさり破棄されたのでは死ぬに死にきれません。(遺言を開封するとき本人はこの世にはいませんが。)

遺言に関してはわが子、嫁と言えども信用してはならないと言う悲しい現実を申し上げたいのではなく、例えお金がかかっても遺言信託にするとかせめて公正証書遺言にすれば罪を作らずに大岡裁きができるというものです。

以下蛇足になり失礼します。

保険で後継者は指定できませんが、後継者に残す資金は保険の受取人として何より確実に指定できます。

もちろん遺言書よりも確実に、保険金受取人は受け取るべき遺産を引き継ぎことができるのです。

代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

生命保険を使った代償分割のやり方で相続のもめごとは基本的にクリアできます。

代償分割生命保険、現金が相続財産なら相続対策は無用になります。きっちり分割できるからもめることがないのです。

でも多くの相続財産は不動産です。それも居住中の自宅だったりします。売却して換金すれば現金になりますから分割は簡単になりますが住むところがなくなります。

田舎では長男が相続するに決まったものでしたが今では兄弟姉妹にその理屈は通用しません。遺言書で指定しておけば良いわけですがそのためにはどう分けるかを書かなくてはなりません。CIMG1931

ここで威力を発揮するのが生命保険を活用した代償分割です。

長男が家を継ぐ代わりに次男には長男が受け取った生命保険金で代償します。

  1. 生命保険金は現金でかつ金額が決まっています。

  2. 生命保険金は受取人固有の財産として相続財産に含まれません。

  3. 代償分割に使えます。代償分割で受け取ったお金は贈与になりません。

大事なことは

契約者:被相続人(親)

被保険者:被相続人(親)

受取人:長男

とすることです。

そうすれば長男は保険金を受取り次男に渡すことができます。次男を受取人にしては代償分割になりません。次男の二重取りになりますから念のため。

もうひとつくどいですが念押しで代償分割遺産分割協議書に記載しないと単なる贈与と見なされます。ご注意を。

相続か争族か争続か、一度もめると終生の争いになる怖さ。

相続か争族か争続か、相続対策にも優先順位があります。

相続での優先順位は

① 相続対策  ② 納税資金対策  ③ 相続税対策 の順です。

一番目は相続税がかかるかどうかには関係なく誰にもあてはまります。保険を活用したり遺言書で相続人同士の争いを未然に防ぐことが相続対策です。

ある不動産会社の相続に関する意識調査では8割以上の方が自分に関してはそのようなもめごとは起こらないと思っています。でも実際は相続争いでもめるのは家庭裁判所の統計によれば1000万以下のケースが7割と圧倒的に多いのです。

CIMG1731仲の良い兄弟でもお金の争いは熾烈です。突き詰めれば相続争いはお金の奪い合いでもあるのですから穏やかな気持ちではおれません。

ステップアップ償還で買ったマンションのローンがあと20年残っていたり、子供が進学して東京の私学に入学でもしたら仕送り10万、学費の支払などいくらお金があっても足りません。

来年下の子が大学受験だったりすると家計はもう火の車です。そこに何かの理由で借金でもあれば本音を言うまでもなく、のどから手がでるほど欲しいのが棚ぼたの遺産です。

たとえ相続人が兄弟仲をおもんばかって自分の権利を主張する事を控えていても相続には第三者の嫁が納得できるはずがないというのが世間相場です。

実のところ一円でも多く欲しいのが相続人の本音なのです。相続は争族になり争続に発展します。一度もめると終生続く厄介が「争続」です。

これは相続人に申しあげているのではなく死にゆく被相続人にお伝えしたいことなのです。相続人が金欲しやの気持ちは普通なのです。

これを争いにならないよう保険を使い受取人を指定する、代償分割(保険活用)を準備する、そして遺言書で分割を指定する。もちろん相続人の権利である遺留分に配慮してです。

遺言書は元気なうちに遺書は間際に生命保険は早めに!

CIMG1759遺言書は元気なうちに遺書は間際にと申し上げておきます。

まだそういったことを意識したことがない人も多いと思います。遺言書遺書の区別も考えたこともないのが本音、言われてみれば内容的にも別物です。

被相続人の意志として不動産や生命保険、現預金、株式等の財産の分割を指示するのが遺言書です。ですから書式も決まったルールがあります。

公証人役場に出向いて口述して証人まで必要な公正証書遺言から家庭裁判所の検認が必要な自筆証書遺言まで様々です。争いがなければ裁判所などの第三者の関与は不要ですが相続は思いがけない展開もありますから用心に越したことはありません。

それにくらべ遺書は家族への感謝や言い残すことを書きますから何の決まりもありませんし争いの種になることもあまりありません。

遺言書はまだ頭がしっかりしている間によく考えて書く、気持ちが変われば書き直す、ことですね。

遺書はできれば間際、認知症になる間際ですがこれは自覚できませんから自分で思いが煮詰まったら書いておくとよいでしょう。生命保険は受取人が指定できますが、それ以外の資産はあいまいさを残さず区分できるよう指定することが大事ですね。

ひとつ老婆心までに申し上げると相続税はかからなくても誰にも遺言書は必要です。

わずかな財産をめぐって骨肉の争いはなんぼでもあります。裁判所までいく例も少なくありません。これまで仲の良い兄弟が欲にかられて相互不信になり、嫁や家族を巻き込んで争い、果ては縁切りで親の法事にも呼ばない、墓参りも内緒などといった、あの世から被相続人たる親が涙するのが相続です。

遺書はなくてもキチンと遺言書を書いておけば遺恨は残ってもまだ救いがあります。それも元気なうちに、です。

補足のような話ですが、遺言書を書くよりも早い時期に生命保険を見直し整理しておくことが必要です。もめごとを未然に防ぐ切り札として生命保険は有効です。

やりすぎ相続税対策が招く3つの罪。

CIMG1952やりすぎ相続税対策が招く3つの罪について掘り下げます。

生命保険以外の相続税対策は納税キャッシュを確保してからでないと相続人が困ることになります。

基礎控除を越えて相続税がかかるからといってアパート経営に手を出したりするとやけどする元になります。

やりすぎ相続税対策が招く罪を3項目に要約すると

1)相続税の納税資金が足りなくなる。

2)相続財産の分割が難しくなる。

3)相続対策がおろそかになる。

一つ目説明をすると相続税対策として不動産投資をする場合、アパートを建て賃貸すると大きな評価源が見込めます。でもそれは換金性が下がり実勢の価値が下がったからにほかなりません。駅前の一等地なら換金性も高く入居者もあるでしょうがそうでない土地に皮算用で投資しても将来的に採算割れや入居者不足となり借りた金も返せなくなることがあります。

今や改正により物納も難しい時代ですから熟慮が必要です。また不動産投資を相続税対策に利用すると相続財産の分割が円滑にできないことが考えられます。

現金や生命保険ではそれはありません。3番目の懸念は相続対策がおろそかになるケースがあります。

相続税対策と相続対策は別のことです。

争族にならないよう相続対策が必要ですが、コツコツ積み上げて行う生前贈与や保険加入による相続対策が手薄になります。

不動産投資などの相続税対策の話に乗ると一気呵成にやってしましまいますから後先が見えなくなり、細かい部分が抜け落ちた気配りできない相続対策になやすいのです。やりすぎ相続税対策が招く3つの罪は決して軽くないのです。困るのは後に残された相続人ですからね。

相続税の税率は高くない、節税ビジネスのカモにならないために。

CIMG1819相続税の税率は高くない、税率表にだまされると節税ビジネスのカモになります。

相続税が平成27年1月1日から基礎控除の減額により増税となりました。

子ども2人の標準的なケースでは以前は基礎控除5000万、相続人一人当たり1000万の合計8000万が相続税の分岐点になっていましたが、それが基礎控除3000万、相続人一人当たり600万の合計4800万へと大幅に削減され相続対策セミナーは各地で大盛況です。

◆ご主人+奥様+子1+子2(ご主人万が一の相続税の基礎控除)
平成27年1月1日以降に相続発生
基礎控除 3000万+600万×3人(相続人の数)=4800万
※生命保険控除が使える場合500万×3人(相続人の数)=1500万加算
4800万+1500万=控除額合計6300万となります。

相続税の税率表を見ると6億超のラインは55%の高い税率になっていて一見一般の小金持ちが見ると驚くべき一大事に見えます。

これが相続税率表の見せかけの落とし穴です。

キチンと基礎控除を相続人ごとに計算して生命保険控除を相続人一人当たり500万織り込み、一次相続と二次相続ごとに税率を計算すると一次相続では奥様が半分相続するとすると実質税率が5億円の資産で12.47%二次相続で半分を子2人が相続すると実質税率は18.16%と差ほどでもないことに気がつきます。
◆5億円の時の相続税額(配偶者1/2税額軽減) 6236.25万 12.47%
二次相続で2億5000万の相続税額(子2人) 4540万 18.16%

◆実質一次相続と二次相続を合わせた税額は
5億円に対する税額合計 10776.25万 21.53%

これは相続税が累進課税になっているのと一次相続では配偶者の税額軽減が働き税負担が先送りされ2度めの基礎控除が使えるからです。

また相続税の計算は法定基準で分けたとし相続人ごとに税率計算をし合算しますので税率の低いラインで見ることが可能になります。

実際の自分の資産を集計し相続税を計算してみると高額所得者の所得税の方がよほ高いことがわかります。税率に慌てずあおり商法にのらず冷静に納税資金を確認することが先決ですね。

相続税の節税ありきで商売をする人は相続税の税率や贈与税の税率を強調し不安心理をあおります。平成27年1月1日から相続税の最高税率が55%になったことをことさら強調する話法はご注意です。

相続税は生命保険を使いキャッシュで残す

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相続税におびえすぎて節税に走る前に、生命保険を活用して納税資金をキャッシュで残すことが大事です。

相続税は生命保険を使いキャッシュで残す、相続税は10ヶ月以内にキャッシュで納付することが原則です。

物納という制度もありますが適用基準が厳格になり適用するのは無理があります。

納付に必要なキャッシュはその名の通り現金です。10ヶ月以内に確実に現金化が可能な資産であれば相続税の納税原資となります。

証券類、銀行預金はもちろんですが保険もキャッシュとしてカウントすることができます。早いうちに新税制での相続税の納税額を試算することが肝要です。

現預金や保険なら素人でも集計できますが不動産や書画骨董類など専門家でないと評価が難しい物件もあります。

計算してみると実際の税額は思ったほどでないことがわかります。相続税の基礎控除があり死亡保険金の控除がありその他にもいろんな仕組みがあります。

また配偶者控除も使えますから課税対象額が抑制できるのです。

相続税は平成27年より最高税率が55%になっていますが累進課税です。その額を超えた部分に高い税率が適用されますが実質の税率を見れば差ほどでもないことがわかります。

節税ありきではなく納税資金の確保が優先事項ですね。節税しすぎて銭足らず、その結果自己破産では泣くに泣けません。

素人が営業の口車に乗って不動産に手を出すと身動き取れなくなります。おいしい話は疑ってかかることが基本です。生命保険の話もおいしいですから疑ってかかるのは当然です。しっかりとデメリットを見据えてベストなチョイスをすることが大事です。見るべきところはメリットだけではなくデメリットと予測されるリスクです。

相続税の本が役に立たない理由を3つあげると

CIMG1903相続税の本が役に立たない理由を3つあげると。

相続税や相続に関する書籍が出回っていて専用のコーナーもできています。それぞれの本の内容を吟味するとどうも一般にはわかりにくい書籍が多いですね。なぜこうもわかりにくいかという理由を挙げると3つになりました。

その1)専門用語がかみ砕けていない。

その2)税制改正が反映できた書籍がまだ少ない。

その3)対策が具体的ではない。

総じて著者の得意分野の自己満足解説が多いようです。

しっかりまとめた本もありますがそういう場合小規模宅地の評価減や物納リスクが舌足らずの解説になっていたり相続税の節税に重きがおかれていたりします。相続対策は基本的に納税対策になる場合と保険などで節税して基礎控除を下回ることで相続税の対象者でなくなるような工夫をする場合を区別して考える必要があります。

相続税の改正は対象者の範囲を拡大しました。これまで全く関心のなかった超初心者がセミナーに押しかける構図ですが、

相続税セミナーの多くは営利目的に顧客を誘導する内容です。

金融機関でも不動産関係でもビジネスですから当然です。節税して銭足らず。気がつけば相続破産などというケースも聞きます。信頼できる専門家探しが特に重要です。

名義預金と相続税

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名義預金と相続税について考えてみると、

相続の時に税務署がねらい撃ちするのが名義預金です。

贈与契約書がなければ配偶者の口座にヘソクリを貯めていても名義預金です。

自分の口座に自分のお金があってももらった証明がないと名義預金です。

そんなアホな気がしますが

税法上は贈与が発生していないので時効にもかかりません。

あげる、もらうという合意があれば贈与は成立しますがそれを証明する事が難しい場合があります。なにしろ贈与者はその時点ではもはや故人であり口なしになっています。

毎年110万円以下の贈与なら贈与税の基礎控除以下ですから問題なさそうですがそれが贈与でなく名義預金と言うことになると全部合算して相続財産になってしまいます。

我々庶民には理解しがたい理不尽ですが税務署側の理屈もあります。

名義預金を贈与として認めると他の相続人の取り分が減ります。公平な相続税課税の観点から言うと名義預金は相続財産に含めるのが筋になります。

どうもしっくりきませんが夫婦の間でも贈与契約書と贈与税の納税実績がモノをいうようです。

夫婦間だと奥様の収入に見合う預金かどうか、そうでないなら手間はかかりますが贈与契約書と贈与税の申告、自分のお金として使っているという証拠を残すことです。そこまでやらないと相続税の調査官に確かに贈与であるという心証を与えることができないのです。