やりすぎ生前贈与が老後破綻を招く。

生前贈与し過ぎると厳しい老後。

CIMG3222相続税の節税対策で生前贈与を考えておられる方向けに本音の話を書きました。生前贈与をすすめておきながら、生前贈与のリスクを並べるのは若干自己矛盾ではありますが、生前贈与の注意事項をわかりやすくまとめました。

お若い方には理解しにくいところがあるかもしれませんが、ある程度の年齢になると見えてくるものがあります。やりすぎの生前贈与が招く人間模様、老後資金が破綻することがないような後悔しない生前贈与とはどうすればよいのか、お考えいただく機会にでもなれば幸いです。

 ◆ 相続税の節税の王道、生前贈与とは。

相続税の基礎控除が下げられてから相続税の納税者層のすそ野が広がりました。その結果、相続税の節税対策として生前贈与があちこちでブームになっているようです。確かに言えることは相続税の節税対策で不動産投資をするよりはるかに安全確実な節税になります。節税対策として不動産投資をすることはてっとり早く効果も大きいので景気がよく地価が上り調子のときにはよいのですが、不動産バブルはいつかはじけるとしたものです。

ましてや世間は、今やコロナ・ショックの真っただ中、終息も見えなければ景気落ち込みの予測がつきません。そのようなリスクの高い不動産投資で相続税の節税をするより、長期的に時間はかかりますが暦年贈与を基本とした生命保険の活用で生前贈与対策をする方が失敗が少ないと言うものです。

 ◆ 贈与税と相続税の関係を一から説明。

一般には実感が伴いませんが、贈与には税金がかります。親子間でも夫婦間でも日常の扶養の範囲を越えた贈与はお金であろうと物であろうと贈与税が課税されます。贈与税というのは相続税と補完関係にあります。相続税逃れで生前に贈与することに一定の網をかけることで課税漏れがないようにする仕組みです。

日常生活では贈与税を意識することはないのでいきなり贈与税と言われてもしっくりこないと思いますが、マンション購入の頭金を親に出してもらえば贈与税の対象です。マンションローンの残債を嫁の親に肩代わりしてもらっても贈与になります。不動産を相場より安く譲ってもらってもやはり贈与です。

贈与税には基礎控除という非課税範囲があり年間110万円以内なら贈与税の課税対象にはなりません。110万円を一つのラインとして贈与を毎年繰り返すと結構な金額になります。贈与税はもらう人単位ですから、子や孫が多ければ相当な金額を贈与することができます。あげる人はいくら贈与しても贈与税を払うわけではないので子や孫の数が多いと多いなりに贈与をすればよいわけです。

贈与税の納税はもらう人単位ですから、父親から110万円もらえば非課税ですが同じ人がそれ以上に母親から100万円もらったら110万円をこえる部分には全額に贈与税がかかります。

 ◆ 度重なる贈与は貧乏の元。

祖父母や親は子や孫が喜ぶとついつい贈与したくなります。帰省のたびにお小遣いを渡したくなります。何かとお祝いや援助をしたくなります。頭の中では、生前贈与で相続税の節税などと考えていると生前贈与の額も大きくなりがちです。子や孫も生前贈与を当てにしだすと贈与をやめることが難しくなり、この生前贈与が度重なると巨額になることがあります。

何ごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいます。まだ最初から計画した生命保険の保険料のような金額が固定している贈与は安全ですが、思いつきの生前贈与は老後貧乏の元になります。くれぐれも生前贈与は慎重にと申し上げる理由は次項に詳しく書きました。

◆ 生前贈与の怖さはもらうのが当たり前化。

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贈与とは棚ぼたの不労所得である相続財産の前渡しです。そもそも期待していなかった贈与はもらった子や孫にすれば年末ジャンボ宝くじの3等に当たったようなものです。宝くじに当たった人は柳の下にドジョウが2匹とばかり必ずまた宝くじを買います。

人間とはわがままにできていますから、一度もらってうれしければそれで満足することはなく余計に、二度目三度目の贈与に期待が膨らむのです。

贈与を当てにされると悲しいことですが不仲の原因となります。期待を裏切ると不機嫌になり寄り付かなくなるのが怖いので孫の顔見たさに贈与を繰り返してしまいます。こうなるともらうのが当たり前化して果ては請求してきます。家を直すとか、車を買うとか理由をつけて援助を求めてきます。

請求金額もエスカレートし、もらう金額が少なくなると不満を言うようになります。生前贈与の怖さはもらうのが当たり前化することです。こうなったら相続税の節税どころではありません。老後資金の枯渇につながります。挙句の果てが親子でも金の切れ目は縁の切れ目、とまでは申しませんが、安易に生前贈与などしたばっかりに不仲になったり、子や孫から疎(うと)まれたりすることにもなりかねません。

よく考えれば、相続税はあげる側の被相続人が払うものではありません。払うのは相続人ですから節税など考えなくてもよいのです。あげなきゃよかった生前贈与などとならないよう慎重にすべきなのです。

ある資産家の奥さんに二次相続対策をおすすめしたことがありますが、老後資金は減らしたくないし自分が相続税を払うわけではないので節税は考えていませんと言われたことがあります。子や孫には宅配のピザ代は払ってくれますが、まとまった金はあげない主義です。実に賢明な方だと思いました。

◆資金需要が見えない老後。

何があるかわからないという教訓は今回のコロナ・ショックでもよくわかりました。人生には不慮の事故、思いがけない病気、想定外の支出、そして新型コロナウイルスのような誰にも予測不能な未知のリスクがあります。気がつけば相続税の節税どころではないピンチが待ち受けています。

その先には老後資金枯渇という恐怖が口を大きく開けているのです。コロナ・ショックで景気対策にお金を使いすぎたツケは最後の砦ともいうべき年金に降りかかってくるでしょう。その結果、虎の子の年金は逃げ水のように先送りされ老後の資金計画が狂いだします。

さすがに贈与してしまったものは返せとは言えないのです。医学が進んだ結果、いやな言い方になりますが不慮の長生きということもあります。老いてからの資金計画の狂いは修正ができません。それだけに生前贈与は慎重にと申し上げたいのです。

 ◆ まとめと親の老後資金を無心する子の心理。

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まとめになるかどうかわかりませんが、親の老後資金を無心する子の心理ということもあります。親はある程度財産があると無意識に秘密主義になります。

正確な財産を子に伝えないのは、当てにされたくないという心理が働くからです。その結果、子は親の財産を過大評価してしまいがちなのです。

そうなると兄弟姉妹間で早い者勝ちの無心合戦が始まります。親にすれば公平にとは言いながら子を区別します。もらう側の子にすれば、自分がもらったことは忘れて他の兄弟姉妹に贈与されると心底穏やかではなくなります。親に生前贈与を無心する子の心理は子の配偶者を巻き込んで業(ごう)と欲(よく)が渦巻きます。いかに冷静な人格者でも顔には出しませんが、こればっかりは逃れることができない性(さが)です。

生前贈与は相続税対策の王道です。しかし生前贈与のやりすぎに陥らないよう十分注意されることが肝要です。決して生前贈与は子や孫のためにはなりません。それどころかご自身の老後資金計画に狂いが生じます。親心も目先だけでは子のためになりません。たとえ生前贈与をせずに嫌われても一時のことです。財産があれば、そして財産を手放さなければそのうち寄り付いてきます。

そういう意味での結論は、生前贈与は暦年贈与で保険料を贈与する生命保険がベストです。今すぐ使いえない贈与をもらってもあまり喜ばれないという特性はありますが、生前贈与の当たり前化にはつながらないので安心です。あげるなら10万以内、それも不定期で、もらうことが思いがけないほどもらう方はうれしさが増加するからですね。

教育資金の一括贈与は待ったが正解。

教育資金1,500万の非課税枠は庶民には意味がない。

CIMG3654直系尊属(祖父母と父母)から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度は平成25年4月1日から取扱いが始まり再度延長され、平成31年度税制改正において一部条件が変わりましたが、適用期限が平成33年(令和3年)3月31日まで2年間延長となりました。

くどいように再延長されていますが、はっきり申し上げて一般庶民がこの非課税制度を使う意味はないと言えます。贈与税の非課税範囲で暦年贈与を行い生命保険に加入する方が、よほど手間いらずで安心です。

この制度は、そこそこのお金持ちで相続税がそれなりにかかる人を優遇する非課税制度です。孫が5人ほどいれば併用可能な暦年贈与と組み合わせれば、 5年の贈与で一億以上の財産を非課税で贈与することも可能です。それでもなお財産が有り余る方には、相続税の節税効果があり恩恵を受けることができます。

貧乏人やサラリーマン世帯、相続財産が家屋敷などで現金化が難しい場合には、残念ながら縁遠い制度です。たとえば相続税はかかるがキャッシュがないという理由で、家屋敷を抵当に入れて借金をしてまで教育資金の一括贈与をする気になるでしょうか。

また教育資金贈与であれば祖父母でも両親からでも、もともと非課税ですから慌てて贈与を急ぐこともありません。

 ◆ 教育資金の一括贈与をお考えの方に対するアドバイス。

この制度は税理士任せというわけにはいかなくて、医療費控除の申告と同じく、手間がかかりますので確かに面倒くさいです。贈与側の手間は最初だけですが、受贈者側(贈与を受けた側)の両親が、節税のために真面目に領収書を集めておられます。適用範囲がよく変わり、判断がとても複雑になってきました。

教育資金の一括贈与にはデメリットもあります。ここを押さえた上で贈与するかどうかお考え下さい。ご注意いただきたいのは、この制度は一度選択すると元に戻れないというルールです。

教育資金として一括贈与したお金は事情が変わっても返せとは言えないのです。いえ、返せとは言えるのですが制度は元に戻すことを認めないのです。

 ◆ 辛抱の歯止めが外れるリスク。

まだ、お若いときは元気で気力十分ですからあげたお金を後になって返せと言うはずがないとお考えでしょうが、身近にそうでもない事例も結構あります。あげる側の祖父母はご自分が相続税を払うわけではないので、節税を考えすぎて財産を減らさないようにすることが大事ではないかとさえ思います。

この制度を活用されるのは多くが祖父母ではないかと思います。かわいいお孫さんの教育資金ですから惜しくはないのですが、立ち止まってよくお考えになることです。形式的にはお孫さんへの一括贈与になっていますが、よく考えれば孫の父母(ご自分の子)への贈与と何ら変わることがありません。

もともと教育費は親の責任です。その経済的負担を祖父母が肩代わりし軽減しているのですから祖父母が父母(ご自分の子)に贈与しているのと同じことです。

名目的には教育費にかぎられますし、金融機関が厳密に管理してくれますから無駄使いの心配はないのでついつい安心して贈与してしまいますが、父母の手元にはその分の余剰資金が残ります。

その結果高級車を買ったり、マンションを住み替えたり、海外旅行などという無駄使いが身についてしまう心配があります。3人の子に教育資金の一括贈与を受けた場合、親にとれば領収書をかき集めるだけで子にかかる教育費4,500万が浮いてくるのです。

その後、確実に不労所得としての相続財産も入る予定ですから、そらこっそり皮算用もするはずです。サラリーマン家庭にとれば経済観念が狂うのも当然のことです。それで汗水たらして靴をすり減らして上司に怒鳴られながら安月給取りを続ける気になるでしょうか。

安易な贈与は、もらった側の辛抱の歯止めが外れるリスクがあることを贈与する側は理解しておかなくてはなりません。

 ◆ 相続税がかからなくなるリスク。

資産状況によっては将来、相続税がかからなくなることがあります。株や不動産が多ければ今は相続税がかかる水準であっても将来的に価格水準が下がる可能性もあります。

また医学が進歩した結果、長生きリスクもあります。贈与した祖父母にとり自分自身の今後の生活費や医療費、老人ホームの費用など、しっかり老後資金を用意しておいても長生きすると際限なく費用がかさみます。その他にも大病リスク、災害リスクなどの思いがけない大金の緊急支出もあり得ます。これは家族を含めて全員におこるリスクです。

相続税がかからなくなれば、節税効果はなくなりますから金融機関が手数料をもうけただけです。今は良くても先のことは誰にもわかりません。

意外と相続税がかからなくなるリスクは大きいと言えると思います。

 ◆ 一括贈与は喜ばれないリスク。

「贈与は小出しに。」本サイトの贈与コンセプトです。教育資金の一括贈与で喜ぶのはもらった孫ではなく父母なのです。

それも大金を渡しているのに、感謝の気持ちやお礼の言葉は一回きりです。孫は事情がわかりませんから祖父母から自分がもらったなどと思いませんし喜びもしません。

親心は子が少しでも楽な暮らしをして欲しいという純粋な気持ちですが、もらう方は縛りがあるとはいうものの棚ぼたの一時金です。本来相続が発生するまでは手に入らないはずの相続財産の前取りですから、これはもうしめしめとほくそ笑むのは自然の流れです。

教育資金に限らず現金の一括贈与はオススメしない理由がここにあります。贈与する方も、もらう方も決して良い影響ばかりではないと言えると思います。考えてみて下さい。不思議なことですが、銀行に預けた今すぐ使えない1,500万より、現金でその都度10万でもお小遣いをあげてみて下さい、どれだけ喜ばれるか。

贈与というのは、目の前のキャッシュの方がよほど喜ばれます。

◆ 不公平な一括贈与リスク。

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娘が二人いれば、孫が5人いても不思議ではありません。他家に嫁いでいれば外孫です。長男の子(内孫)だけに教育資金の一括贈与を行うと娘たちから不平が出ます。

そうかと言って嫁ぎ先の両親の立場もありますから、こちらの勝手に教育資金を一括贈与するのもはばかられます。

現金を直接渡しておけばバレる気遣いはないのですが、制度として利用できるのは受贈者(もらう人)単位ですから祖父母の数だけ制度を利用できるわけではないのです。(たとえば500万ずつ2者から贈与は可能です。)公平にはできませんが、不公平になると不満が出るということも起こります。

さらには、ひ孫ができたらどうするか、贈与にまつわる悩みはつきません。孫かわいさから出たせっかくの贈与で恨まれても損なだけです。

不公平な一括贈与リスクを回避する方法は、教育資金の一括贈与などむやみに利用せずに「贈与は小出しに。」と言えるのではないかと思います。

◆ まとめ

国も変な制度を考えるものですから「教育資金をその都度贈与することは非課税」ということを知らなかったという方も珍しくありません。

相続財産が数億以上あり手持ちのキャッシュが潤沢な方には相続財産を減らす効果がありますから、相続税の節税効果が見込めます。

状況にもよりますが、相続税がかかるかどうかというレベルの方が教育資金の一括贈与を利用するのは早計ではないかと思います。お元気であれば、その都度の贈与で十分という考えもあります。考えすぎて後戻りできない制度を使うより相続税を納めた方がよいということもあり得るのです。

それこそ非課税範囲の暦年贈与でご自分を被保険者にした生命保険契約に加入したほうが、無駄使いを防ぐ効果もあり節税効果もそれなりに期待できます。

相続贈与の老後貧乏、生前争族の行く末。

相続税対策で生前贈与をしすぎると老後貧乏に

生前争族の行く末は相互不信。

CIMG3341相続対策の基本は生前贈与と言われます。確かに年間110万円までは贈与税の基礎控除の範囲ですから贈与税はかかりませんし申告も不要です。

相続税がかかるかどうかの小金持ちサラリーマン層にはとてもよい相続税の節税法です。

でも気をつけていただきたいのは贈与をしすぎることです。贈与はもらう側にはとてもうれしいタナボタの不労所得です。贈与し過ぎは、あげる側にももらう側にも決して良いことばかりではないということが言えます。

生前贈与もほどほどにと申し上げたいところではありますが、生命保険料を贈与する暦年贈与は長期的な資金計画のめどがしっかりついていれば手堅い節税手法と言えると思います。

 ◆ 相続税の基礎控除が下がり増税に!

何度も書いていますが、相続税に縁のなかった小金持ち層が節税対策を考えるようになりました。相続税のすそ野が飛躍的に拡大したものですから、知り合いの税理士さんも相続関係の相談が急増しているとのことです。

サラリーマンにとってみれば、所得税は無条件で天引きされますが、相続税など払ったことがないですからどう対処してよいやらわからないのが実情のようです。しかも相続税や贈与税は自主申告がルールですが申告の経験もないとなると誰に相談してよいものやら判断に迷うところです。

相続税の基礎控除が引下げになり増税のしわ寄せを受ける層には、知らなかったでは済まないゆえに難儀なことです。

 ◆ 節税対策は生前贈与、しかも暦年贈与がベスト。

節税対策の王道はやはり生前贈与です、しかも贈与税の基礎控除の範囲110万以内で毎年、子や孫に現金を贈与して財産を減らしていきます。

暦年贈与と言われる手堅い手法です。難点はもらった子や孫が資産として残してくれればよいのですが、無駄使いの心配がつきまといます。

それを防ぐために親を被保険者とし、受贈者である子を契約者(保険料負担者)とする生命保険契約に加入し保険料分を毎年贈与します。この手の難点は親が生きている間は喜ばれることもなく、感謝の言葉すらないところです。親としては辛抱しなくてはなりません。

 ◆ 生前贈与はもらう側のあたり前化が生前争族に!

生前贈与の難しさは、もらう側のあたり前化が壁になることです。もらうとうれしくて感謝のあまり肩もみをしますが、次からは簡単なお礼だけになります。その次からは催促が来ます。それであげ渋ると嫌われます。

親というのは子が家を買うとお祝いを援助代わりにはずみます。すると他の子が屋根を直すの、車を買うのと言ってきます。よい顔をするとプレミア付のお祝いを督促されます。孫の結婚式のお祝いを贈与代わりに奮発すると、親の金をあてにするようになり何かと理由を作り無心するのが子というものです。

結局、公平な贈与とは程遠くなり、もらうあたり前が生前争族に発展します。節税など考えずに、思い出したように10万程度の小金をあげることです。ケチと言われようが何と言われようが、老後のお金を離してはいけません。これ正味、本当の話です。

 ◆ 気がつけば、あげすぎで節税どころか老後貧乏。

どうせ財産は子のものになるのだから、生前に贈与した方が喜ばれるのでお得と考える方もいらっしゃるでしょう。でも、老後というのは意外にお金がかかります。

計画どおりにはことが運ばないのが人生です。気がつけば、あげすぎで節税どころか老後貧乏などと言うことがないようじっくり考える必要があります。

たとえば老後のリスクを拾い上げると、ほんの一部ですがあれこれお金のかかることがあるものです。

・いつまで長生きするかわかりません。

・特殊詐欺に引っかかるかもしれません。

・自宅のバリアフリー改修にお金がかかります。

・海外旅行に行くとお金がかかります。

・孫にせがまれると車を買い与えてしまいます。

・台風や地震などで家が損壊し修理代がかかります。

・大病すれば高度先進医療費がかかります。

・老人ホームや特養の入所費もばかになりません。

・家のリフォームに思いがけない費用がかかります。

・持っていた株が値下がりするかもしれません。

・マンションの大規模修繕費が不足し追加出費があるかもしれません。

・運転免許を返上しても自動運転の車を買うかもしれません。

・子や孫が家を買うとき援助を無心してくるかもしれません。

今は良くても、老後は思わぬ出費がかさみます。見回せばわかると思いますが、FPが設計するファイナンシャルプランのように平坦な老後ばかりでもありません。調子に乗りすぎた生前贈与は老後貧乏どころか老後破産になりかねません。

 ◆ もらう側もあげる側も想定外の争族に。

もらうのが当たり前になると、子は親の遺産をあてにします。これは無理もないことなのです。手の内を明かしてエエカッコした親の責任というべきでしょう。しかしよくないことはそれだけではないのです。

親から生前にもらう側の兄弟姉妹の仲が悪くなります。贈与は繰り返すと身内の関係にひずみを生みます。あほらしいことですが、生前贈与が生前争族の原因になることがあります。疑心暗鬼とは言いますが、親の金が動くと内心穏やかでないが推定相続人です。

もらう側もあげる側も想定外の争族に身を焦がすような後悔をするかもしれません。お金がからむと親子でもロクなことにならないという実例はあちこちで見かけます。お気をつけください。生前贈与さえしなければ、平和な老後と言うこともあるのです。本当に実感です。

 ◆ あげると喜ぶ、よい顔をするとあとで後悔。

子はもちろん、孫でもこずかいをあげると喜んでくれます。一番喜ばれる贈り物がキャッシュであることは誰しも同じことです。あげると喜んでくれるのでうれしくなります。お祝いでも大枚を包むと感謝されよい顔ができます。

でも老後というのは先を見越したキャッシュの用心がないと後悔先に立たず、です。贈与のし過ぎで長生きした結果、老後貧乏になっても、あげたお金を返せとは言えないのです。

それよりこの世知辛い時代に生前贈与の見返りに、親の老後の世話をしてくれとも言えないのです。親子とは言え、金の切れ目は縁の切れ目、とまでは申しませんが今あるお金を生前贈与で安易に減らさないようお気をつけ下さい。

 ◆ まとめ

生前贈与はもらう側は超うれしいけれど、長い目で見れば誰のためにもなりません。

お祝いは一番に援助は最後にとも言います。本当に困っている子に援助するのは親のつとめでもあるでしょうが、どうにか暮らしている子に一時金を渡せば無駄遣いをして終わりです。不労所得が居つくわけもなく、何に使ったかさえ分からないままにあっという間にお金は消えていきます。

それよりも何よりも、老後資金は虎の子です。減らすことがないようくれぐれも用心をしなくてはなりません。あわててあげなくてもいずれ遺産は子のものです。

相続税がかかったとしても払うのは親ではなく相続人たる子ですから気にすることはないのです。節税したところで三途の川の渡し賃にもなりません。少々過激に贈与を非難していますが、やはりわずかでもキャッシュをもらうとうれしいのは本音です。我ながらわかったつもりの凡人はまったく困ったものです。

税務署ににらまれるみなし贈与と生命保険。

税務署ににらまれるみなし贈与と生命保険。

CIMG3109このところ贈与に関する連作ブログになってしまいました。贈与といっても現金ばかりではないのです。

他人の財産を誰かにあげることはできませんが、自分の財産なら原則として現金・預金、不動産、株式、貴金属や美術品までなんでもござれです。

ただ贈与すると一定額以上であれば贈与税が発生します。現金であれば、贈与税がかかるかどうかは年間合計で基礎控除の110万円を上回るかどうかで判断すればよいのでわかりやすのですが、現金以外となるとなかなか評価が難しかったり、見解の相違で贈与とみなされたり、一筋縄ではいかないところがあります。

贈与したつもりがないのに贈与税の「お尋ね」や相続税調査で見なし贈与が発覚などということになると追徴課税が重くのしかかります。

どういう場合みなし贈与とみなされるのか、しっかりとした知識と正しい納税が身を守ることになります。きちんと贈与を認識し対策を講じるべきものは対策を講じ、不要な税金を支払うことがないようお気をつけください。

いくつかある事例をまとめて「見なし贈与」の基本的パターンとして解説します。

◆ 見なし贈与の基本的パターン

1)低額譲渡

一般的な価格で譲渡すれば売買であり問題になることはありません。しかし不動産や美術品など評価が定まりにくい財産もあります。

しかし本来の一般的な価格(他人に売る時の譲渡価格)と比べて特別に安く譲渡するとその差額は贈与したものとみなされる可能性が出てきます。

特に不動産のように一物四価などといわれ実際の売買事例が少ないケースでは実勢価格に対する考え方が分かれます。

通常の譲渡額を大きく下回る低額譲渡では「差額は贈与」という認識を持ち、居住用財産贈与の配偶者控除利用や相続時精算課税制度などの非課税制度の活用を考える必要があります。

◆相続時精算課税制度がとことん悩ましい本当の理由。

2)借金の肩代わり

子の借金を親が肩代わりすることはよくあることです。債務者となった子が債権者に迫ら
れていれば、親としてはよく言い聞かせて借金の肩代わりするのもやむを得ないところです。

ところが借金を肩代わりして返済してもらうと子(債務者)が得た利益は贈与とみなされてしまいます。

さらに子は贈与税の支払いをする必要が出てきます。これを回避するには子に貸し付けたことにして、金銭消費貸借契約書を作成し肩代わりの分を返済させる必要があります。

返済の方法には暦年贈与の活用や相続時精算課税制度を検討することになります。

3)借金返済免除

借金の返済を免除してくれる債権者など親しかいませんが、借金返済の免除により債務者たる子が受けた利益は親から子への贈与になります。

もちろん贈与税が発生します。子にもらったという自覚はないですが、借金の返済免除はまぎれもなく贈与になります。借金返済免除は贈与であるという認識をもち贈与税を納税することが肝要です。

4)生命保険金受取と名義変更

生命保険を扱っていると安易な名義変更はとても多いように思います。

かんぽ生命の養老保険などでも満期受取人を自分以外に設定したり、満期金を利用して再加入するとき契約者を子に変更したりと様々です。生命保険でも名義変更するだけでは課税当局に通知が行きませんでした(今は支払調書の提出ルールが変わりました。)からやり放題のようなところもありました。

基本的には保険料を負担していない人が満期保険金解約返戻金を受け取れば、これは贈与になります。

生命保険では契約者(保険料負担者)と受取人の関係により贈与になったり相続になったりします。自分が保険料を負担していない場合は贈与っを受けたという認識が必要です。

また契約者(保険料負担者)受取人の関係により贈与にならない保険設計が大切です。すなわち受取人が契約者(保険料負担者)になるように設計し、暦年贈与の非課税の範囲で保険料を毎年贈与する形がベストです。

5)共同名義での不動産購入

夫婦共有名義のマンションのローンを夫が主に支払っているようなことはよくあります。家計にしてみれば、同じ財布ですからあまり贈与などということは意識しません。

しかし課税当局の見方は甘くないのです。たとえば夫婦共有名義の不動産を購入した場合、持ち分に対して妻の側の支払が少ないと夫側が妻に贈与したみなされる可能性があります。

対策としては、共有名義というならば実際の持ち分に応じた支払いにすると問題になりません。

◆ まとめ

みなし贈与とみなされると贈与したつもりがなくて贈与税がかかるということが起こります。そうなってしまってからでは手遅れになります。

もはや課税当局の指導に従い納税する他なくなります。課税当局はお金の動きや不動産取引、生命保険などの金融商品の情報を全て押さえていると考えてください。

ごまかしは通用しないので、転ばぬ先の杖として、みなし贈与のパターンに該当するものはないかどうか、あれば適切な処理に変更するなり、課税当局に相談するなりの対策を早めにおこなうことが重要です。

当局の情報網は半端ではありません。きっちり情報つかんでいながら泳がせたりもします。相談に行けばヤブヘビなどという浅慮は捨てていただくのがよろしいようです。

複数贈与の贈与税計算。

複数贈与の贈与税計算は少々複雑です。

CIMG3088贈与税の仕組みはシンプルです。一年間に贈与税の基礎控除の110万円以上もらった人が贈与税の課税基準に従って申告納税する必要があります。

贈与とは「自分の財産を無償で誰かにあげる。」ことです。財産と言うからにはお金でなくても贈与になります。

現預金はもちろん不動産や株式、貴金属やその他の動産、生命保険名義変更でも贈与ということになります。

しかし贈与する金額や条件によって課税されない場合もあります。平成27年1月1日から贈与税の課税パターンが二重化し直系尊属とそれ以外の場合で率が異なるため、複数の人から贈与を受けると贈与する人の組み合わせによっては贈与税計算が多少複雑になる場合があります。

分かっているようでわかっていない贈与税の落とし穴を解説します。

◆ 贈与税はもらった人計算、納税ももらった人単位で納税

贈与税に贈与者(あげる人)受贈者(もらう人)があります。贈与税は財産をもらった人、つまり受贈者が納税します。親から子に贈与するときは勘違いされる方が多く、あげる側の親が納税する気満々ですが、子は我関せず親任せなのです。

親から子に贈与するばあいは、もらった子が贈与税をきちんと納税できるよう余分にあげる配慮が必要です。贈与税は原則として現金一括納付ですから、そのことを子にきちんと説明して納税させなくてはなりません。

子にしてみれば親からお金をもらって贈与税がかかるとは考えないものです。贈与税はあくまでもらった人単位で合計し、もらった人が納税するのです。

◆ 贈与税は一年分の合計金額が課税対象

贈与税の基礎控除は年間110万円です。少額にして何回かに分けて渡せば贈与税は免れると考えるのは甘い考えです。受贈者(もらった人)単位で1年間のもらったお金を合計して考えなくてはなりません。

もちろん両親それぞれから贈与を受けることもありますし、それ以外の親戚が贈与してくれることもあります。全部合わせて贈与税は一年分の合計金額が課税対象です。

合計する期間は毎年1月1日から12月31日までの期間の金額合計です。贈与を受けた日から1年のカウントが始まるのではないので、ご注意を。例えば12月31日の贈与はその年に合計されるだけで、翌年のお年玉とは合計されません。元旦からはまた新しい贈与税の合計が始まります。

現実には親子関係であれば、年に何回も現金を渡します。お小遣いやカメラが欲しいとか車が欲しいなど小金からまとまったお金を渡すこともあります。いちいち覚えていられるものでもありません。

扶養の範囲で渡す分はノーカウントが原則です。線引きは難しいですが、少額のお年玉まで贈与とは言わないでしょうが、お年玉が200万ならこれは贈与税の対象です。通常の生活に必要な範囲は非課税と考えれば問題とならないようです。

親が子の結婚式の費用300万を負担しても贈与とはならないように、あまり神経質に考える必要もないところです。親が子名義の生命保険の保険料を長期間負担することもよくあります。合計するとそれなりの金額になりますが、子が独立するまでは、贈与とは言われません。

◆ 贈与税の非課税範囲

子に渡すお金がすべて贈与税の対象になるわけではありません。課税されない贈与がほとんどですから、ここを見極めることが必要です。

例えば課税されない代表的なものが、扶養にかかる生活費や教育費です。親には子を扶養する義務がありますから、これを贈与税の対象にはできないのです。他にも支給型の奨学金や一人暮らしの子に対する仕送り、大学の入学金や授業料、家族旅行の費用なども非課税範囲と言えるでしょう。

他にも冠婚葬祭費、お祝い、お中元も原則非課税です。離婚して財産分与を受けた時も贈与とはみなされません。

注意すべきは「みなし贈与」です。贈与したつもりがなくても実質贈与は課税対象になります。例えば不動産の名義変更をして相場より安く子に譲渡すると差額は贈与とみなされます。

生命保険の名義変更でもお金が動くわけではありませんが権利が移動し、贈与税税の対象となります。

◆ 複数贈与の贈与税計算方法

贈与税の計算はそれほど複雑ではありません。でも複数人から贈与を受けた場合は、注意が必要です。

特に直系尊属(両親、祖父母)から20歳以上の子が贈与を受けた場合だけ贈与税率が変わりました。それ以外の一般贈与の税率と直系尊属の税率が異なり二重化することになったのです。

親や祖父母からの贈与は税率が低くなり、それ以外の贈与は税率が高くなる傾向があります。贈与税計算で問題となるケースは直系尊属からの贈与とそれ以外の贈与が混在する場合です。

それぞれの贈与で税率が異なるので贈与税の速算表の両方を使う様な場合、もらった金額の合計で贈与税の計算ができないのです。

事例:父親から300万、叔父さんから200万もらうと。
父親(直系尊属)300万+叔父(一般贈与)200万=合計500万

まず合計金額から基礎控除をマイナスします。
500万-110万=390万(課税対象額)

直系尊属の父親、一般贈与の叔父さん、それぞれの税率で計算。
父親 390万×15%-10万(税額控除)×300/500(比例按分)=29.1万円

叔父 390万×20%-25万(税額控除)×300/500(比例按分)=21.2万円

計算した両方の贈与税の税額を合計します。
29.1+21.2=50.3(納税額)

これは知らないと贈与税の計算を誤るところです。複数の人から贈与を受けた場合、年間でもらった金額を一度すべて合計し、基礎控除を差し引いてからそれぞれの税率の計算を行い、比例按分して合計します。

基礎控除の110万をそれぞれの贈与に反映させ、異なる税率と異なる税額控除を計算し、最後に贈与額に応じて比例按分してから合計します。

知らないとできないですね。

◆ まとめ

一口に贈与といっても色々あります。制度と仕組みはシンプルですが、実際の生活にあてはめてみると判断に迷うこともあります。

また贈与税は庶民が日常的に意識するものではないので贈与税の対象と言われてもピンとこないのです。知らないうちに贈与になり基礎控除の110万を大きく超えているような場合は、期限までに贈与税の確定申告をした方が安心です。

知らなかったでは済まないのが税金です。税務署から「お尋ね」が来てからでは無申告加算税とか延滞税などというつまらないコストが余分にかかります。

特に相続税がかからないような方には、税務署もあまり着目しないようですがそれでも通常考えにくいような多額の贈与や生命保険の名義変更となると税務署も責任上放置できないという事情があります。しっかりとした知識を元に、贈与の方法とタイミングをお考えください。

具体的には下記サイトをご参照ください。

◆生命保険の名義変更で贈与税はかかるか。

◆贈与税の税率話法には大きな嘘がある。

◆贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

▽hokenfp独り言

脊柱管狭窄症で左右の太ももが痛くて歩きにくくてかないません。オパルモンを服用すると痛みは軽減できるのですが、痛みがなくなるわけではなく無理をすると痛みがぶり返します。困ったものですが、付き合っていく覚悟が必要です。おかげで無理をしないようになり、人生安全運転です。ところが実は体のことに関して言えば、安全運転ほど危険なものはありません。体は壊れない程度に酷使してなんぼのものです。また10,000歩通勤、再開するぞ!とは言ってみたものの、家内いわくまっすぐ帰れないので家計に響くそうです。太ももに響くより家計にひびくほうが痛いので考え直すことにします。

贈与あれこれと生命保険。

贈与あれこれと生命保険。

CIMG3112贈与は相続以外の唯一の財産移転手段です。被相続人から相続人へ、言い換えれば親から子へ財産を移す方法は相続するか贈与するかのどちらかになります。

税率の高い相続税を少しでも節約しようとするならば、贈与の基礎控除(110万/年)を活用した生前贈与が王道と言われます。

これに生命保険をからめて毎年保険料を贈与する暦年贈与が安全確実、効率的な節税対策です。

贈与と一言でいっても色々な贈与があります。知っていると知らないとでは相続対策の選択肢が大きく異なります。相続と贈与の本質的な違い、贈与のバリエーションについて
解説します。しっかり理解されて早めの対策が大事です。

◆ 相続と贈与の基本的な違い。

相続と贈与は一定額以上であれば課税対象であり、親から子へ資産を移すという点では同じですが、その違いは贈与が贈与者の意思によって行われるのに対し、相続は被相続人の死亡によって強制的に開始されます。

もうひとつの相続と贈与の大きな違いは、相続は民法で定められた相続人にしか行うこと
はできませんが贈与は相手を選びません。相続人以外の誰にあげても贈与です。

またほとんどの贈与は生前に行われますから、贈与の相手だけでなく贈与者が時期を選べるということもあります。

◆ 贈与のバリエーション

贈与には単純な贈与から条件付き贈与など様々な贈与パターンがあります。知らなくても
良いのですが、こういう贈与もあるという参考になさってください。

実際の親子間では条件を付けてもあいまいな口約束だったりします。もともと子に相続させるつもりの財産の一部ですから、書面で条件を明確にして契約書で残すようなことも普通はしないものです。

生前贈与:

生前贈与には贈与税の基礎控除(110万)を活用して行う暦年贈与のほかに教育資金の一括贈与、結婚子育て資金の一括贈与、住宅取得等資金贈与などの制度化されたものを活用すると大幅な節税になる場合があります。

またケースによっては相続時精算課税制度を利用した一括贈与という手段も有効なことが
ありますが、節税効果を見極めた上での慎重な選択が必要です。

負担付き贈与:

贈与に対して何かしらの負担を求めると負担付き贈与になります。家を贈与するから老後の面倒を見てほしいなど、受贈者に負担を条件として贈与を行うことがこれにあたります。

条件付き贈与:

贈与に条件を付けると条件付き贈与になります。例えば国立大学に合格したら車を買ってあげるとかいうのも条件付き贈与です。親子間ではよく見かける空約束です。第三志望の私立大学に合格しても車を買う羽目になるのはどこの親も同じです。

◆ 遺贈と死因贈与

生前贈与と異なる特殊な贈与があります。相続と同じで死亡することで発効する贈与契約
です。贈与には違いないので贈与の相手は相続人でなくても構いません。贈与ですからお世話になった隣のおばさんでも昔からの友人でも構いません。

遺贈:

遺贈とは遺言書によって行う贈与のことです。遺贈によれば相続人以外に財産を渡すことができます。もともと相続財産は被相続人のものですから自由に処分する権利があります。(ただし相続人の遺留分は侵害できません。)内縁の妻や愛人など相続権のない人に財産を残すには遺贈が確実です。

死因贈与:

死因贈与とは遺言書によらず、自分が死んだら財産をあげるという約束です。死因贈与は口約束でもOKですが、生前に贈与者と受贈者が合意し契約が成立していなければなりません。二人だけの口約束だけではもめるもとですから、書面で契約書を残すくらいが必要なところです。

◆ 口頭の贈与と書面による贈与

贈与は「あげる」「もらう」の合意があれば有効です。本来別に書面で契約する必要はあ
りません。親子のやり取りではいちいち贈与契約書などむしろ不自然です。とは言え、しかしながら税務署対策で贈与契約書などを作成される方もあると思いますが、名義預金とか定期金贈与などと言う課税当局の無理筋に反論するためには贈与契約書も意味があります。

贈与は口約束だけで成立します。しかし遺贈だけは必ず遺言書で行わなければなりません。また口頭の贈与はいつでも解消できるのに対して、書面による贈与は解消できません。さらに口頭の贈与であっても贈与が完了していれば解消はできません。

親子間では「あげるもらう」は当たり前、「あげない返せ」も日常茶飯事、贈与の口約束を反故にするくらいは驚くにあたりません。面倒をみると言った娘に一時払い終身を名義変更して贈与して贈与税知らんふりはよく見かけますが、親子喧嘩の結果、名義変更した保険を返せとなり再度親に名義変更するなど、実際にあります。付き合う保険営業も大変ですが、課税当局も相続発生までは放置です。

贈与は知識をしっかりと押さえ時間をかけて行うことが必要です。うまく使えば結構大きな資金を移動することができます。計画的によく話し合い相互に理解・納得の上で贈与を始めてください。

注意点が3点あります。

その1)子や孫かわいさに贈与のし過ぎにご注意下さい。老後資金が枯渇するばかりか不労所得を持たせると子や孫の道を誤らせることになります。キャッシュを持たせるとろくなことはありません。生命保険のように換金にハードルがあるものをご検討ください。

その2)暦年贈与は相続発生前3年分が相続財産にもち戻しになり相続税の課税対象となります。計画的に早めに始めてください。

その3)めったにないとは思いますが、遺贈された財産は受遺者(もらう人)が相続人でなくても贈与税でなく相続税が課税されます。また受遺者が被相続人の配偶者、父母、子以外の場合は相続税の2割加算があります。あっさりもらえるわけでもないのです。

名義変更後の減額による課税回避策。

名義変更後の減額による課税回避策に対する私見。

CIMG3024生命保険契約はいろんなテクニックが使えます。

やりすぎはいけませんが、合法的な範囲で工夫をすることも節税になることがあります。

特に思いがけない相続税がかかるような場合、基本的には生前贈与で手持ちの資産を減らしていく手法が王道です。

ご承知のように贈与には110万円の基礎控除があり、もらったお金が年間で基礎控除以内なら贈与税はかかりませんし、贈与時の申告も不要です。

名義変更した生命保険契約を贈与税の基礎控除の範囲で減額して解約返戻金を受け取るようにすれば、手間暇はかかりますが、贈与税無しで解約返戻金を渡すことができます。

生命保険の減額は契約者の自由ですから解約返戻金が110万を越えないように年に一回減額解約を繰り返します。

仮に解約返戻金が100万を越えると税務署には保険会社から支払調書が行きますが、基礎控除の範囲であれば問題になることはありません。

その解約返戻金で契約者を子(受贈者)に被保険者を親(贈与者)で新たな生命保険契約をすれば確かに生命保険を子に移転したことにはなります。

このスキームは一定の条件を伴います。

理解できない方もあろうかと思いますので、基礎的な要件を整理します。

注意1)

生命保険契約は名義変更(契約者変更)をすれば贈与になりますが、生命保険が現金に変わる時(解約返戻金)に贈与が発生したとみなされます。名義変更しただけでは贈与にはなりません。従って贈与税の時効も開始しません。

注意2)

元々被相続人たる親が契約者であり、同時に被保険者の生命保険契約が名義変更の対象ですから、予定利率のよい時代の保険を解約することにならないような注意が必要です。

注意3)

名義変更後、再度親を被保険者として契約しようとしても体調などの理由で契約できないこともあり得ますし、年齢的には元の契約よりも被齢が上がりますから保険料の割には保障額が少なくなります。予定利率も変わっているでしょうからよくなることは少ないと考えられます。

注意4)

他に贈与できる現金があるなら、110万円以内で贈与を繰り返し、そのお金で子を契約者とし親を被保険者とする新たな生命保険契約をするほうが、無駄がなく、理にかなっています。

◆ 話の出どころと結論

代理店営業がコピーを持ってきた新日本保険新聞なる記事の中の「保険税務・そこが知りたい」のQ&Aからhokenfpとして違和感じたところを書き残すことにしたものです。

生命保険の名義変更後の連年減額のスキームは生保のおばちゃんがよく持ち出す話です。そうすれば税務署に支払調書が行かないので贈与がバレル心配ないという話法です。

しかし、名義変更して減額するくらいなら暦年贈与で現金を渡せばよいと言えるように思います。

すでに相続税対策で毎年暦年贈与を行っているなら使えないスキームになります。

よって「名義変更後の課税回避策」と大きなタイトルになっていますが、さほどのメリットが感じられないところです。

誤解があるようなら、しかるべきご意見を頂戴できれば幸甚です。

生命保険|思わぬ課税みなし贈与!

生命保険で思わぬ課税に要注意!みなし贈与の注意点あれこれ。

CIMG2272OB税理士に聞くと相続税務調査については調査のポイントを教えてくれます。

ここは元本職ですから的外れはありません。

一番多い指摘は名義預金だそうです。

名義だけ変えていても実質的な所有者は被続人というわけです。

奥様のへそくりも子ども名義の預金もこれに該当します。

◆ 贈与の基本。

一般庶民は贈与に税金がかかるとは実感できるものではありません。日常生活では縁のない話です。しかし税法では1年間に110万円(贈与税の基礎控除)以上もらうと贈与税の納税義務が発生します。

勘違いが多いのはいくらあげても、あげる人には贈与税はかかりません。贈与税はもらう人単位です。例えば両親から100万ずつ同じ年にもらったとします。合計200万から110万を引いた残りの90万に贈与税がかかります。

では車を買ってもらったらどうなるのか、というような疑問が出てきます。通常一般的な扶養の範囲であれば贈与などを意識する必要はありませんが、500万の車を成人している子に買い与えればまぎれもない贈与です。車の名義は親にしておくことです。

もともと贈与とは民法上でいえば契約書も特別な手順も必要ではなく単に「もらう側」と「あげる側」の双方が合意して成立する契約と定義されています。よくおすすめにある贈与契約書はあくまで傍証であり、双方の合意が基本です

ここで問題になるのが、どちらかが一方的にあげたとしたとしても、もらった側の認識がなければ贈与は成立しません。これがよく問題になる名義預金のパターンです。

通帳も印鑑もあげる側が管理して、もらったお金をもらう側が自由に使えなければ相続税調査では名義だけを借りた、あげる側の名義預金とされるのです。当然、相続財産に合算されて課税されることになります。

◆ 贈与のつもりがなくてもみなし贈与。

もう一つの相続税調査の視点は「みなし贈与」という聞きなれない言葉です。当人にしてみれば贈与をした認識がないのに贈与とみなし課税するという税法独自の理不尽なやり方です。

一番わかりやすい事例で言うと、1億円の不動産を子に5,000万で譲渡すればその差額5,000万はみなし贈与ということになります。買う側からすれば贈与を受けた認識はなく安く買えただけです。しかしそこは得をした認識があると思います。

こういう取引は後日発覚すると、最初から適切な取引をするか、贈与税の申告を行っていた方がはるかに得になることになります。もちろん、残念ですが、後日発覚すれば時計は巻き戻せません。

あとでとやかく言われないためには、1億円の不動産を不動産鑑定士にお願いして鑑定結果を基にした取引を行うことです。もちろん不動産鑑定士さんもいろいろで結果に幅はありますが、有資格者としての一線は引いてこられます。

その結果1億円の不動産の鑑定が8,000万になっても、専門家の鑑定評価があればみなし贈与などと指摘を受けることはありません。鑑定費用は結構かかりますが。

◆  生命保険でみなし贈与が適用されるケースについて。

みなし贈与は形としては贈与ではないけれど、もらう側が何らかの得をしていればその分はみなし贈与として贈与税がかかるというものです。

生命保険の場合では、死亡保険金を受取人が受け取る場合は相続税の対象になりますが、保険料を親が負担し満期保険金の受取人が子の場合、完全に贈与になります。

これは贈与ですから相続税の死亡保険金控除の500万も関係がありません。

お金に変わった時点で受取った満期保険金から110万円(贈与税の基礎控除)を引いた残りに贈与税が課税されます。

もちろん、受取金額が100万円を越えれば、保険会社から税務署に支払調書がいきますから隠し立てすることもできません。できれば税務署から「お尋ね」が来る前に申告するのが安全な道です。

不動産でも、何でも本来の時価より安く譲り受けた差額はみなし贈与とされます。

また親が子に金を貸し、返却しないからといって債務免除しようものなら、やはりみなし贈与です。もっと細かい話なら、例えば親子間で利息の設定をせずにした金銭の貸し借りですらみなし贈与とされる場合があります。

生命保険でも不動産でも対価を支払わずに名義変更すればみなし贈与です。

身に覚えのある方もいらっしゃるでしょうが、課税当局の網にたまたまかかっていないだけで、支払調書(平成30年より記載事項の変更注意)が税務署に行けばバレバレです。

◆ まとめ

みなし贈与は生命保険や不動産だけでなく、いろんなケースがあります。家族間のやり取りで得をしたかなと感じた場合、ほとんどはみなし贈与となっていると思います。

親にローンの肩代わりをしてもらう場合も、一時払の生命保険に加入して相続税対策で名義変更するような場合も同様です。

現金をもらうだけが贈与ではないと言うことです。

生命保険の名義変更など、すぐに使えるお金でなし、実感がないのでもらったつもりがないのもわかります。しかし後で泣きを見ないためには得をしたかなと思ったら税理士さんか税務署に相談に行くことです。くれぐれも、あわよくば、などと思ってはいけません。

贈与税の配偶者控除はオシドリ贈与。

贈与税の配偶者控除はオシドリ贈与

生前贈与の中にもあまり知られていない贈与の非課税制度があります。オシドリ贈与とも呼ばれる贈与税の配偶者控除です。

オシドリと言えば日本画の題材や写真の対象によくなる夫婦仲のよい水鳥のことです。

夫婦は一心同体ということもありますから、築いた財産も被相続人一人ではなく配偶者の協力があったればこそとするならば、オシドリ贈与も首肯できるところです。

奥様の功績に報いる仕組みとして居住用の不動産(自宅)もしくはその購入資金は2000万まで贈与税が非課税となるのです。

暦年贈与と併用できますから合計で2110万まで非課税と、課税当局にすれば結構太っ腹です。

CIMG2663オシドリ贈与とは言いますが、適用条件はそれなりに厳しいといえます。でも普通に夫婦で年を取っていけば離婚でもしない限り条件に届く日が来ます。

 

 

 

①婚姻期間が20年以上

②夫婦の居住用不動産もしくは居住用不動産取得のためのキャッシュ贈与

③贈与の年の翌年3月15日まで夫婦が居住(以後も居住する見込み)

④過去に同一の配偶者からオシドリ贈与を受けていない、別人ならOK

(他にも細かい諸条件がありますがここでは割愛します。)

そういうことになると最近の離婚率や再婚率を見ると適用条件の中では①番をクリアするのが、とくに厳しいものがあります。

うちの場合はずいぶん以前に条件はクリアしていますが、相続税の心配がなく贈与するさしたる物件もないのでとりあえず安心です。

ただ配偶者に非課税で贈与できたとしても、二次相続では贈与した分は相続税の課税対象になります。課税当局の手の内で贈与しているだけ、というような気もします。

配偶者の住む家がなくなってはいけませんが、そうでないなら生命保険で対策をするほうがよほど効果的です。このブログとしては話を生命保険で締めるしかないのでご容赦ください。

実際のオシドリは夫婦仲がよいわけではなく、毎年パートナーを変えるそうですから贈与税の配偶者控除の条件からは外れます。

生前贈与、止めときゃよかった親の不安。

生前贈与、止めときゃよかった親の不安、老後用心。

生前贈与、親の不安と心配の種は尽きないとしたものです。

その結果、生前贈与、止めときゃよかった親の後悔などと言う笑うに笑えない老後貧乏が待っています。

確かに財産家に取れば、相続税の節税の基本は生前贈与です。

生前贈与の手法については以下にまとめました。

◆生前贈与を非課税に|何から始めてよいかわからない方へ。

◆生前贈与でもめずに節税できるはずがない。

生前に贈与できれば親の意志を明確に反映でき、争族も少なくなるでしょう。

しかしそこには相続税を上回る高い税率の贈与税が立ちはだかります。

その贈与税をできるだけ抑制できる制度を活用しつつ資産を移動することが生前贈与です。

生前贈与は上手く活用すれば相続税の節税になります。しかし実際の場面ではすんなりいかないことも多いのです。

何億もお持ちの方は比較的スムーズに事が運びます。節税意識も高く知識も豊富です。事前準備も専門家に依頼して怠りなく進めておられます。

一方では生前贈与に波風が立つことがあります。

相続税の基礎控除が減額され小金持ち家持ちの相続財産5000万位が課税対象に躍り出てきました。うちは関係ないと思って何の対策も準備も事前情報も十分でない層が広がっています。

相続税の改正は平成27年1月1日以降に発生する相続に適用されます。

老後というのは思いがけないお金がかかることがあります。

CIMG2692この見込みを誤って節税に走り生前贈与のし過ぎで老後のお金に困るなどというのはまさに本末転倒です。

老後は病気にお金がかかるます。家の改修が必要になった、持ち株が思いがけず下がった、保証人をしていた親族が破産した、痴呆症になり施設に入所する費用がかかったなどなどきりがないほど入り用があるものです。

老後の波乱は予測できませんが、順調にいくとは限りません。投資の失敗から老後破産もあとを絶ちません。

リスクの高い資産運用に手出しをしてはいけないのが老後の資金運用です。</h3>
破産したくなかったら、許容範囲は生命保険レベルと心得てください。生命保険は換金性が高く比較的安全な投資であるばかりではなく、相続税を節税するあらゆるテクニックに有用です。

暦年贈与による生命保険契約は生前贈を活用したはポピュラーな節税対策です。

孫かわいさにかっこつけて教育資金の一括贈与や結婚・子育て資金の一括贈与などは特にご注意下さい。5000万クラスの小金持ちの相続税節税対策ではないと心得て下さい。

老後の資金は手厚く、相続税などは後に残る子どもらが考えればよいこと。先走らず慎重に、金の切れ目が縁の切れ目と言います。悲しいかな現実は、お金あっての親子であり親孝行でもあります。

結婚・子育て資金の一括贈与の意味不明。

結婚・子育て資金の一括贈与は意味不明と言う他ありません。

CIMG2691結婚・子育て資金の一括贈与という制度ができたのですが、あまり話題になりません。

巷間の話題からすると「贈与って税金がかかるんだ、へえーっ」といったところです。

だれも親から結婚資金の援助をしてもらって贈与税がかかるとは思いもしません。

贈与税の認識効果はあるようですが、基本的によくわからない制度です。

① 一括贈与制度の狙いと人気

平成27年4月1日から平成31年3月31日までの時限立法ですが、親や爺婆から子や孫の結婚資金や子育て資金を1000万円まで贈与しても贈与税が非課税になるという制度です。

意味不明と申しあげたのは、それってもともと非課税じゃん、ということです。

子や孫の教育資金の一括贈与の非課税措置という時限立法もありました。教育資金の一括贈与が人気だったので後から結婚・子育て資金として追加された制度です。

確かに教育資金の一括贈与は金融機関の宣伝効果もあり、意外と利用者が多かったことも事実です。

平成25年4月1日から施行された教育資金の一括贈与の非課税措置につづき、その後平成27年4月から結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置がスタートしました。どちらも平成31年3月末までの時限立法となっています。

② 一括贈与税殿縛りとメリット

どちらの制度も金融機関にお金を預けて領収書にも厳しい縛りがあります。元々非課税ながら制度を利用すると、がんじがらめになるようなことにもなります。

価値があると言えば一括で資産を動かせるということ。つまり暦年贈与のような悠長な節税対策はやっていられない場合とか、贈与の3年持ち戻しがヤバイようなときには有効です。

生命保険を活用した暦年贈与で確実に節税するにも時間がかかります。また生命保険に加入するには被保険者としての健康状態も問われます。

まとめて資金移動が出来ることがメリットといえるでしょう。

③ 早く死んだら儲けものとも言えない微妙さ

変な話になりますが、教育資金の一括贈与は贈与者死亡時に残額があっても相続税の対象から除外されますが、結婚・子育て資金の一括贈与の場合は贈与者が亡くなると贈与を受けた資金を使い切っていなければ残額は相続税の対象になります。

但し孫に贈与した分が例の一代飛ばし相続税の2割加算になりません。

また相続発生前の3年持ち戻しは受贈者が孫でなく相続人であってもありません。

結婚・子育て資金の方は早く死んだら儲けものとは言えないですが、長生きした分は若干なりとも節税できる訳ですね。

国税庁のサイトには以下の様に記載があります。(教育資金の一括贈与には当てはまりません。)
・資金管理契約期間中に贈与者が死亡した場合の取扱い
贈与者の死亡による課税関係は生じない。 死亡した贈与者に係る資金残額は相続
又は遺贈により取得したものとみなされ、贈与者の死亡に係る相続税の課税対象
となる。

注1 当該資金残額については、相続税法第18条(相続税額の2割加算)は適用しない。
注2 当該資金残額以外に相続税の課税対象となる取得財産がない場合には、相続税
法第19条(相続開始前3年以内に贈与があった場合の贈与加算)は適用しない。

④ 暦年贈与との併用が可能。 

相続時精算課税制度は暦年贈与と二者択一であり一度相続時精算課税制度を選択すると暦年贈与には戻れませんでした。

しかし資金の一括贈与はどちらの制度も暦年贈与と併用可能です。

暦年贈与を活用しつつ、教育資金や結婚・子育て資金は非課税で援助しつつ、それでも追い付かない場合やいざとなったら一括贈与制度を使い一気に相続財産動かすというような感じですね。

⑤ 老後資金の確保、他の親族への配慮、援助はほどほどに。

一括贈与をご検討の方に申し上げたいのは、ええかっこせずに老後資金はしっかり残しておくことです。生命保険もしっかり掛けたうえで余力があればの話です。

また贈与はもらう方にも不労所得が発生しあれこれと弊害が出ます。

援助はあわてず騒がず、最後にすることです。

また爺婆は孫には盲目になりますが、自分だけが爺婆でないことも忘れないでください。

孫一人に普通ご健在なら贈与したいと思う爺婆は4名いることになります。くれぐれも一人よがりの贈与にならないように。

まとまって資金移動する必然性が低い場合は、小出しにぼちぼち援助してあげてください。

もちろん教育費も結婚資金も子育て資金も非課税です。領収書がどうのこうの、金融機関との契約も届け出も何もいりません。

制度を使わない方がよほど気楽なものです。

生前贈与を非課税に|何から始めてよいかわからない方へ。

生前贈与といっても何から始めてよいかわからない方へ、もちろん贈与税は非課税で。

親も子もそこそこのお年になると何かのきっかけで生前贈与を考えるようになります。

親は老後資金のやりくり算段が見えてきたら、相続税や相続のもめ事が心配になり、子の方は子供の学費やら家のローン負担が重い時期になってきます。

双方の事情がかみ合って機が熟する頃になると「生前贈与」と言うことが見え始めてきます。

ところが生前贈与には税金の知識がからんできます。非課税で贈与するテクニックが必要になります。

これまでサラリーマン一本でやってきた方や主婦業の相続人にとれば所得税は理解できても贈与税は理解できません。贈与税はもらった人にかかります。お金がないから親の援助を受けているのです。贈与税が払える訳がないのです。贈与税なんて非課税が当たり前、これが普通の庶民感覚です。

cimg2505古臭い言い方で失礼しますが、娘を嫁にやるときは花嫁道具一式揃えて持参金付きで送り出しました。次男に新屋を持たせるとき土地家丸ごと建てて住まわせました。誰も贈与税などとは言いませんでした。

また困っている子供や親族に資金援助もありました。それほど世知辛くなく人のつながりと血縁が重視された時代のことです。もちろん贈与税など知りもしませんでした。家の存続が最重要事項で相続争いもそれほど目立つこともなかった時代です。非課税にする方法すら考える必要がなかったわけです。

そもそも身内にお金を渡すことが、贈与税の対象になるなど思いもしません。だから頭から非課税だと思っていますから税理士さんに相談することもありません。サラリーマンや小金持ちには税理士さんは必要ないのが普通です。

■生前贈与のツボ

この辺の庶民感覚と税法上のギャップが生前贈与のハードルを高くしています。

贈与税の対象にならないものは生活必要経費、子供の学費と贈与税の基礎控除110万、税務署が補足できない少額の現金贈与などです。

贈与税の対象とされるのは多額の現金、生活費以外の資金援助、不動産、株式、生命保険契約などの資産の贈与です。もちろん生命保険の名義変更も贈与税の対象です。生命保険の契約という多額の資産の所有権を譲渡するわけですから非課税などということはありません。

子供の海外留学費用やフェラーリを買い与えたら贈与税はかかるかなど線引きの難しいケースもありますが、相続税がかからない貧乏人たる庶民は高額な贈与はしたくても、もともとできません。ローン返済の資金援助とか住宅取得資金援助、生命保険の名義変更、あるいはまとまった現金贈与の時に考えればよいレベルです。

ただ相続税がかかるようなまとまった財産をお持ちの方は計画的な生前贈与により相続財産を減らしていくことが重要です。

まるまる贈与税を払うのではなく贈与税がかからない範囲でこまめに贈与するとか、税制の仕組みをうまく利用して少額の贈与税で生前贈与を実行するなど様々な手法があります。詳細は以下のページに詳しいのでここでは触れません。

■贈与税がかからない生前贈与まとめ

■生前贈与はもめないが死因贈与はもめる元

■親不孝、この子にはあげたくない贈与。

結論です。

生前贈与の難しさは上記に書きました。何の対策もせずに相続に突入すれば迷惑をこうむるのは子や孫たちです。相続税がかかるか、かからないかにかかわらず生前贈与は有効な相続対策(相続税対策)です。適切な生前贈与で争続を未然に防ぐことも人の親たる被相続人の務めです。財産というお金がからむと人は別人になります。くどいようですがこれは人間として仕方がない性(サガ)というものです。無用の争い事を身内に引き起こさないよう、よくよくお考えの上、慎重にということが結論になります。

生前贈与でもめずに節税できるはずがない。

生前贈与でもめずに節税できるはずがないとは情けないですが、贈与の難しさです。

生前贈与の対極にあるのが相続ですが、生きている間に贈与する相続税対策あるいは相続対策として生前贈与にはいくつかの方法があります。

基本的には「贈与税がかからない生前贈与まとめ」にリスト化しました。

ただそれは生前贈与の方法論であって実際の場面ではそれぞれの思いや経済事情があり、関係者の内には心情論が渦巻きます。あえて「生前贈与でもめずに節税できるはずがない。」と申しあげたのはそういう事情こそが生前贈与の障害になると考えているからです。

どこのサイトも公平に贈与することを当然のように勧めていますが、私は経験的に申し上げれば、生前贈与は不公平が当たり前と考えています。

CIMG2414兄弟姉妹は元々他人の始まりと言うではありませんか、お互いが譲り合うということは相続の場面では無理があるのです。親としても自分が子として育ててきた兄弟姉妹といえども公平なつもりでも好き嫌いが出てくるものです。

兄弟姉妹それぞれこれまでかかった養育費は異なります。家庭の経済事情も変わっていて当然です。ましてやそれに嫁でも絡もうならさらに激しくなるのはいずこも同じこと。

親がいくら公平に思って配慮しようが、子に取れば公平などということはありえません。どの子にも納得させる方法はそれぞれの贈与を秘密にすることです。そしてこっそりあげることが本人の自己満足につながります。すべてのケースにあてはまるとまでは申し上げませんが、知らぬが仏ということもあります。

相続税がたっぷりかかる方は怠りなく生前贈与を活用して節税してください。そして遺言書を書いてもめることがないよう執行人も指定してください。

しかし相続税がかかりもしない人ほど、お金には汚くて争いは熾烈になるのは例をあげるまでもありません。それだけに被相続人たる親は自分が生きている間に生前贈与を活用して好きな子に財産譲っておくことです。何と言われようと自分の財産ですから自分が決めればよいのです。

◆贈与税がかからない生前贈与まとめ

① 暦年贈与

最も基本的な方法はご承知の通り年間110万円の基礎控除を使う暦年贈与です。相続税がかかるなら贈与契約書と贈与税の申告、時々の納税と通帳・印鑑はもらった子が管理ということが条件です。

でも相続税がかかりもしない貧乏人が贈与契約書や贈与税の申告するほどアホらしいことはありません。とてもそんな手間をかける気にならないのが普通の神経です。子に贈与するときは現金、それもあまり大きな金額にしないで、多めのおこずかいの範囲で何度もあげてください。ただし習慣化しないようくれぐれもご注意を。もらうのが当たり前になると副作用が出てきますから。

②相続時精算課税制度

この制度は相続税がかかる方にはお勧めしていません。コツコツと暦年贈与を繰り返し相続財産を減額していくのが基本的な節税になります。

相続税がかからないサラリーマンが、親からローン返済の支援を受けるときはご検討ください。親からといえども、また相続税がかからなくても贈与税は逃れられないものと思ってください。唯一相続時精算課税制度を活用すれば非課税で2500万まで資金援助を受けることができます。

相続時精算課税制度はいろいろルールがあり申告が必要ですが、相続税がかからないレベルならあとはそれほど手間はかかりません。

③教育資金の一括贈与

意味不明の制度ですが資産家の方は早めにお孫さんに教育資金をまとめて渡すことで相続財産を減らすことができます。

相続税がかからないほどほどの資産家の方には孫が喜ぶ顔見たさに無理してあげたいでしょうがやめておくことです。孫の教育費をあげるならその都度必要なだけあげればよいことです。もちろんそれで非課税に決まっています。その方がよほど感謝されます。

もともと課税されない教育費や養育費を1500万まで非課税にする制度は金融機関のためにあるようなものです。それより老後資金が不足することがないようしっかり管理することが大事です。

④相続時精算課税選択の特例と住宅取得等資金の非課税の特例

これは使えます。住宅取得等資金の非課税の特例は平成28年から金額の枠が少なくなりましたがまだまだ使えます。相続時精算課税選択の特例とは住宅取得等資金の場合親の年齢制限なしで2500万の贈与税の非課税枠が使える制度です。平成28年6月時点で最大3700万まで非課税で贈与が可能です。かなりの物件が入手可能になります。

CIMG2404相続税がかからなければ精算することはないのでこの制度は使い得ですが、考えてみれば普通に親から3700万もらえるような人は相続税がかかるような気がします。値上がり確実な都心のマンションなら価値を固定する意味で価値がありますが、そうでないなら別の節税対策を検討することも必要になりますね。

この情報は難しいところがありますので専門サイトへいって概略を把握しこれはいけると思ったら専門家にお尋ねしてください。

⑤贈与税の配偶者控除

使える範囲が狭いので若い人向きではありません。婚姻期間が20年以上の夫婦の間という大前提があります。居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合ということがハードルになります。居住用の不動産に限るわけです。

うまくすれば配偶者控除2000万と贈与税の基礎控除110万は非課税になりますが、要するに家を贈与ずるか買う資金を贈与せねばなりません。とりあえず住むところがあれば使いようがないのです。普通の熟年夫婦なら二人仲良く今の家に住んでいるでしょうし、仮に建て替えるにしても家内に贈与して建て替える意味はないように思います。

他のページでも触れましたが家内に遺産が入ってもそれを贈与税の配偶者控除としては、主人名義のローン返済には使えないのです。ローン返済は居住用不動産を取得するための金銭ではないですから。で、やむなく家内に借金してローン返済を終えて、毎月家内に返済を続ける羽目になったのが他ならぬ私の事例です。贈与税の配偶者控除は贈与税の申告を必要としますから、普通はめんどくさいことになります。

⑥まとめ

生前贈与について勝手ながらの私見を述べてきました。しゃくし定規にはいかないのが贈与です。うわべは平静を装いつつも貰うほうは心中穏やかではないのです。

CIMG2432とはいうものの親にしてみれば自分の死後、子供たちがわずかばかりの財産を巡って醜い争いをするようなことは、自分の目の黒いうちになくしておきたいものです。

遺言書を書くほどの財産も器量もないなら不公平だろうが何と言われようが自分の思うように生前に贈与しておくのがよろしいようです。

ただし生命保険の名義変更は慎重にと申し上げておきます。

するならば生命保険は受取人変更にしておくことです。相続税がかからなければ何事も起こらず生命保険受取人固有の財産になりますから確実な死因贈与と同じです。

生前贈与の仕組みを5項目紹介しました。概ね網羅できていると思います。ここでは生前贈与の概要と私見を披露していますので、具体的な情報は当ブログ内の他のページを検索してご確認くださいませ。

相続時精算課税制度をデータで見ると意外な真実。

相続時精算課税制度について過去の利用状況を分析しました。
無題

少々見にくい表になりましたが苦心の自作でTable Pressでもうまくいかなかったのでエクセルを画像化して取り込んでみました。そのせいでピントが甘いし、背景も白でなくなにか薄汚れた感じになってしまいまして誠に失礼しています。

相続時精算課税制度は平成15年に創設されました。その後数年は利用者がのびて平成17年には年間82千人が利用していましたが、その後減り続け平成22年に下げ止まってからは5万人前後の利用者で推移しています。

暦年課税に戻れないこと、相続税の節税効果がないことなどから相続時精算課税を選択する人が減ったものと思われます。上記の表は過去3年分の暦年課税及び相続時精算課税の申告状況をまとめたものです。表を見て仮説として考えていることが果たして裏付けられるか、検証してみます。

表から読み取れることは下記5項目です。

その1) 暦年課税は申告件数、納税額とも右肩上がりで伸びている。

表には出てきませんが暦年課税は平成20年まで減り続けていました。平成21年から一転して増加に転じ平成26年では1.7倍まで増えています。暦年贈与の節税効果が見直された結果であると思われます。平成27年の相続税の増税を前に財産移転が進んだものと想定できます。

その2) 暦年課税は約75%の人が贈与税を納税している。

CIMG2448贈与税の暦年課税には年間110万円の基礎控除があります。それ以下なら贈与税の申告も不要です。当然考えられることは75%の人は相続財産を暦年贈与で計画的に減らしその贈与の証拠とし贈与税の申告納税をしているものと思われます。とすれば残る25%の人は贈与税かからない110万以下なのにご丁寧に贈与税の申告をされているということです。

確かに計画的に暦年贈与を行うときには贈与金額を一定にしないで時々は基礎控除以上に贈与して贈与税を払うほうがよいというアドバイスが一般的ですがそれだけではなさそうです。やはり名義預金という課税当局の理屈に対抗する証拠として例え基礎控除以下でも贈与税の申告をしているということでしょうか。

その3) 相続時精算課税の申告者は5万人前後で横ばいである。

相続時精算課税は平成22年以降下げ止まり、横ばいということはやはり相続税のかかる人も相続税のかからない人も含めて一定の需要というか使い道はあるということです。しかし年間5万人は多いのか少ないのか判断ができません。この中に仮説で予測している相続税のかからない人の親か子への資金援助が含まれていることでしょう。とすればまだまだ少ないと思われます。

相続税がかからなくて親からローン返済の資金援助を受けた方の何割かが相続時精算課税を選択しその他多くの人は知らぬ存ぜぬの時効待ちのような気がします。

その4)相続時精算課税は申告者の約94%が納税していない。

これは想定範囲ですが、相続税の増税により相続税のかかる人が4%から6%に増えるという予測がありますが、そのままの残りの相続税のかからない人94%の人が納税する必要のない2500万以下の贈与を行ったということではないでしょうか。

確かに相続税がかからないのに一時的とは言え2割の贈与税を払う気にならないところですから当然ではあります。4%の方は本当の資産家で事業承継か何かの対策で一気に贈与する必然的な理由があったものと思われます。

その5)相続時精算課税は暦年課税の約10%で推移している。

あまり重要なことでもないですが、暦年贈与の優位性がはっきりした結果だと思います。平成21年まではずっと相続時精算課税は暦年贈与課税の20%超の利用件数がありましたから、使い道が明確に分かれたということで、今後この傾向は変わらないように思います。

まとめ)相続時精算課税制度の意外な真実まとめ。

CIMG2449相続時精算課税制度の導入当初数年は手探りで相続時精算課税制度を選択した方も多かったようです。

様々な制約、手続きの煩雑さ、直接的な絶税効果がないこと、一度選択すると暦年課税に戻れないなど不都合な面も出てきた結果、条件的緩和(年齢制限の変更・対象を孫拡大等)がありましたが、限られた用途に限定する形で年間5万人に利用される形に落ち着いたということのようです。

それに引き替え簡明で手続きがわかりやすい暦年贈与が多用されるようになったということです。一番のメリットは基礎控除110万が毎年使えてそれなりの相続税の節税効果があることですね。

背景には相続税の基礎控除が引き下げられ増税になった結果、少しでも早めに暦年贈与で相続財産の減らしておきたいという新たな相続税対象者の思いが見えてきます。

以下のサイトを参考にしました。
◆国税庁。平成26年分の所得税及び復興特別所得税、消費税並びに贈与税の確定
申告状況等について

相続時精算課税制度に関する総まとめのページです。

◆相続時精算課税制度がとことん悩ましい本当の理由。

孫への相続時精算課税制度の適用は踏んだり蹴ったり。

孫への相続時精算課税制度の適用は踏んだり蹴ったりということもあります。

孫はとりたて可愛いものです。特に爺婆にとれば自分を慕ってくれれば、尚可愛くて目の中に入れても痛くないと言う形容がなるほどと納得できたりします。できれば手元に資産でもあれば孫に残してやりたいのが爺婆心と言うものです。

確実に孫に渡す方法は3つあります。

 ◆生命保険の受取人を孫にする。

一つは生命保険の受取人を孫にするのです。被保険者を孫の親にして契約します。自分の相続が発生したら保険契約はそのまま親が契約者となり相続で引き継ぎます。親が亡くなると保険金が孫に入ります。30年先か40年先かわからない遠大な3代にわたる保険設計ですが、そのころ孫はそこそこのよい年になっており爺婆のお金を今自分が手にしていることに感謝出来るでしょうか。幼い孫によくよく言い聞かせておくことです。

◆教育資金の一括贈与を使う。

二つ目は教育資金の一括贈与にかかる非課税措置です。ご存じかと思いますが1,500万円まで一括贈与出来る仕組みが出来ました。やたら細かいルールがあって金融機関に急所を握られて、あほらしさが先立つ仕組みです。ええかっこCIMG2458して貧乏人が使う意味はあまりありません。唯一相続税がどっさりかかりそうな人は早めに財産をまとめて減らしておくと言う意味で使えます。孫が4人いればまとめて6000万の財産を一気に減らす効果がありますからね。(注:この制度は平成31年3月31日まで延長されました。)

しかしながら、爺婆が孫の教育資金を出してやるのはもともと税金がかかる性格のものではないですから、贈与という意味では慌てないことです。必要な時に必要なだけ援助してやれば贈与税の心配もないし、あげる都度感謝され喜ばれるというものです。
AIUの海外留学保険

◆相続時精算課税制度で孫に一括贈与する。

三つ目は相続時精算課税制度を使って一気に孫に2500万円まで贈与してしまいます。平成27年からの新しい条件ですが孫の年齢は20歳以上となります。

今回の話題は孫への相続時精算課税制度の適用はデメリットがやたら多いのでご注意を、と言う趣旨です。

一代とばして孫に贈与すれば相続発生時には代襲相続として相続税が2割加算されます。一回相続税を飛ばしていますから仕方がないですが損な気がします。それに孫は相続税を払わなければならないのに法定相続人ではないから相続の基礎控除一人当たり500万円が使えないのです。孫への相続時精算課税制度を使った贈与はもう一つうまみがないのでお勧めしません。

それより暦年贈与でぼちぼちあげてください。それで自分がやばいと思ったら一気に相続時精算課税制度を使いお孫さんに贈与してください。それならわかります。

CIMG2467爺婆にとり相続時精算課税制度を選択すると一番のデメリットは、それ以後かわいい孫におこずかいをあげられなくなることでしょうか。あげれば金額の多寡にかかわりなく2割の贈与税が発生しかつ贈与税の申告という誠にうっとうしい手間が発生するのです。

現金ならわからんでしょうから小まめに小分けしてあげてください。つまらん制度に先走りせずに、盆暮れに50万ずつでもあげてみてください、どれだけ子や孫に喜ばれるか。

不思議なもので自由にならない大金や使途の決まっているお金をあげるといわれても、またその金額が大きくてもそれほどうれしくないのです。目の前にある10万円のほうがよほどうれしいのは誠に不思議なことです。贈与のコツは喜んでもらうこと、ツボを外さなければお線香の一本もあげてもらえるというものです。

逆の見方もあるということです。ご参考までに。

◆贈与は孫にするとゼッタイお得な理由。

相続時精算課税制度 | 貧乏人の怖い落とし穴5つを解説

相続時精算課税制度の怖い落とし穴、5つを相続税がかかりそうにない貧乏人向けに考察しました。

相続税がかかりそうにない一般庶民が相続時精算課税制度を使うときの落とし穴があります。これは落ちると這い上がれない深さがあるので同制度の適用をお考えの方に警鐘を鳴らしたいと思います。CIMG2460

失礼ながらあえて相続税のかからない方を資産家の対極に考えて貧乏人と呼ばせていただきました。もし中流意識をお持ちでしたら貧乏人は失礼ですのでお詫び申しあげる次第です。いつの時代も一部の資産家と大多数の貧乏人たる一般庶民で構成されるのがこの世のならいです。そういう意味で貧乏人と申しあげたのであり、悪気は御座いません。

本講をまとめるについては福田真弓税理士のオフィシャルサイトを参考にしました。数ある関連のブログでも内容的に秀逸です。「必ずもめる相続の話」「必ずもめる相続税の話」の著書は購入して読ませていただきました。

私の場合は保険会社から転じて買う側ですから一社専属で事業承継、相続設計、保険設計に取り組んできました。内容的には深くても広がりがありません。お付き合いする税理士さんも相続の専門家であることはめったにありません。通り一遍の知識はお持ちですが踏み込んだ質問には即答できないのが普通です。そういう意味で福田税理士の現場から発信する情報と知見は幅広くかつ実務的です。

◆相続税がかからない人が相続時精算課税制度を選択するときの落とし穴です。

相続時精算課税制度は相続税がかかるような資産家には節税効果がないので特殊なケースを除いてお勧めしませんが、そうでない94%の一般庶民が贈与税を回避してまとまった資金を親から援助してもらうときには一考の価値があります。しかしながらここにも注意すべき落とし穴がいくつかあります。相続時精算課税制度は一度選択すると二度と後戻りができないのが特色です。落ちてからでは遅いので十分ご検討下さいませ。

その1)相続税がかかるようになるリスク

相続時精算課税制度を選択した時点では相続税がかかるほどの資産はなく将来税金を払うなど考えもしない方もおられます。ところがそれが発生するのは10年後か20年後かもっと先かもしれません。その時にどうなっているかは誰にも予測がつきません。

単に田舎の二束三文の田畑に道路が通り地価が高騰することだってありえます。会社を経営していれば今は青息吐息でも事業が成長し自社株評価が驚くほど高くなることもあります。宝くじに当たっても、死亡保険金を受け取っても資産が基礎控除以上になれば同じことです。その時は予定外の納税をすることになります。ただし相続時精算課税制度で贈与された財産はそのままの評価ですから、意味がないことはないので素直に払うことですね。

その2)遺留分侵害リスク

もともと被相続人が財産分与を決める権利があります。生前贈与や遺言で指定すれば世話になった人や好きな人に財産を自由にあげることができますが、一方では相続人にも一定CIMG2461の権利を認めています。いわゆる遺留分です。法定相続割合の半分は(配偶者と子2人の場合、子の法定相続分は1/4、遺留分は1/8)もらえるわけです。

暦年課税のようにその都度毎年完結していれば問題にはなりませんが、相続時精算課税制度は贈与済みの財産も相続財産として再度カウントされますから遺留分を算定する金額に加算されます。そうなると遺留分を侵害する可能性が出てきます。

主な相続財産が家屋敷しかなくそれを同居する長男に相続時精算課税制度で贈与する場合などのケースが該当しそうです。相続税がかからなくても相続はあります。もちろんそういうケースでも遺留分という権利はあるということです。

その3)生前争族リスク

被相続人の死後、相続財産の分割をめぐり家族がいがみ合うのが争族ですが、相続時精算課税制度は争いを被相続人の生前に発生させる可能性があります。

財産分与の権利は被相続人たる親が握っているとは言え相続時精算課税制度で法定相続分を上回る財産を長男に渡そうものなら他の兄弟が黙っているとも思えません。税務署に確認すればわかる話ではありますが、知らせなければわからないのも相続時精算課税制度です。後に内緒にしていた相続時精算課税制度でもらった財産が明るみに出ます。この話し合いは遺言書でもない限りまとまりそうにもないような切ない気がします。

争族は相続税のかかる人よりかからない人のほうが圧倒的に多いのです。やるならきちんと他の相続人にも話をし、例え資産が少なくて相続税がかからなくても遺言書を残しておくことです。

その4)不動産を贈与すると税金リスク

相続税がかからない人が相続時精算課税制度を活用して不動産を贈与する場合は生前に名義変更をして死後の憂いをなくしておきたい場合です。不動産の贈与は税金がからんできます。登録免許税(2%)と不動産取得税(3~4%)が発生します。相続で不動産を取得すれば不動産取得税は非課税(0円)、登録免許税は(0.4%)とかなり違います。

相続時精算課税制度を利用して不動産を贈与しても喜んでばかりはいられないのです。

たとえ税金がかかっても生前に名義変更する必要があるケースもありますから一概には言えませんが、ある程度理解のある相続人であれば遺言書にするのがお得になります。相続税もかからないのに税金を余計に払って急いで名義変更する理由もないと思います。それぞれの家庭の意事情によりますね。

その5)民法上と税法上での評価違いのリスク

もう一点注意事項は福田税理士のサイトで見つけたのですが、税法上は相続時精算課税制度でもらった財産の評価はその時点に固定するのですが、民法上は相続発生時の時価で遺産の分割を行うということです。先読みができており予想通り評価が上がったのでその結果、評価を抑制することはできたのですが遺産の分割ではそうはいかないのです。当然民法で規定されている遺留分の額も大きくなります。それがどのような影響を及ぼすかわかりませんが揉めないことを祈るだけですね。

福田税理士のサイトでは以下のように書かれています。
「民法の特別受益の計算上は「相続時」、相続税の計算上は「贈与時」の時価で考えます。そのため、例えば贈与時の時価が100万円で、相続時には時価が1億円になった株式なら、遺産分割を行う上では1億円、相続税の計算上は100万円だと考えて、取り分や相続税を計算します。相続財産に「持ち戻す」という行為は同じでも、贈与財産をいくらと見るかが違うのです。」

まとめ)相続税がかかってもかからなくても落とし穴がある相続時精算課税制度

相続時精算課税制度の一般的なデメリットや落とし穴についての解説サイトは山のようにありますので、一般的な落とし穴は別項目として概要のみを列記します。

・親(被相続人)より子(相続人)が先に亡くなると相続税が2回
・相続時に価値がなくなっていても支払い義務は残る
・暦年贈与で節税できない分が他の相続人の負担増になる
・相続時精算課税制度を選択した建物は小規模宅地の特例が使えない
・相続時精算課税制度で取得した不動産は物納に使えない
・孫への相続時精算課税制度は2割増し、相続税の基礎控除600万なし

とまあ相続税がかかろうとかからなかろうといろいろ出てきます。暦年贈与のシンプルさには遠く及びません。相続時精算課税制度が出てから相続税の改正があり基礎控除が減額され相続時精算課税制度はさらに評判が悪くなり選択する方が大きく減っています。

CIMG2403多くの貧乏なサラリーマンのような立場の圧倒的多数の方が贈与に関して疑問を持っているのを感じてきました。普通に生命保険の名義変更をしたり子のローンの支援をしたり、普通に親子間では贈与があります。

それを相続税がかからないのに贈与税がかかるなど貧しい庶民には納得できる話ではないのです。

すべてのケースで税務署から指摘があるわけでもないですし、税務署から言われればもはや反論すらできない勝ち目のない勝負になります。

贈与税の不安を抱えながら贈与するのではなく、すっきりした形で非課税で贈与できれば安心できます。

贈与も相続もたびたびあるわけではないのです。すべからく事情のよくわからないド素人が普通です。税理士にも縁がない、税務署にも縁がないサラリーマン向けの相続時精算課税情報を発信できればと思っています。

 

相続時精算課税制度対比表 | 選択の特例と住宅取得等資金の非課税制度

相続時精算課税制度と相続時精算課税選択の特例と住宅取得等資金の非課税の特例について対比表にしました。

CIMG2469相続時精算課税制度の中でも特にややこしく難解な説明が多いのが以下の対比表の部分です。相続時精算課税制度で検索し上位100サイトをしらみつぶしに調べた結果最もわかりやすいサイトを見つけました。

そこですら基礎知識がないとほとんど理解できない複雑さです。

そこでわかりにくいところを補足し言い換えて庶民向けに対比表を作り替えました。ここまでわかりやすい(自分で思っているだけですが)対比表はないと思います。

 相続時精算課税制度相続時精算課税選択の特例住宅取得等資金の非課税の特例
非課税         2500万円700万円~1200万円(平成28年1月~平成29年9月)
平成29年10月から500万円~1000万円となります。
相続税がかからなければ非課税。相続税がかかるとき相続税に持ち戻して課税。
暦年贈与はもらう人の合計ですが相続時清算課税制度はもらう人とあげる人の組み合わせ自由、親2人子2人ならそれぞれ2本合計4本まで可能です。
・受贈者(もらう人)につき一本です。
・相続時精算課税制度併用可能。
贈与者贈与する人(あげる人)は60歳以上の両親と祖父母(直系尊属)に限定(60歳とは贈与の年の1月1日時点の年齢です)。両親、祖父母、年齢制限なし60歳未満でもOK。
受贈者受贈者(もらう人)、20歳以上の相続人(まだ相続が発生していないので推定相続人と言います。)お孫さんもへの贈与もOKです。
税率とりあえず2500万のまで無税、それを越える部分はとりあえずの贈与税率2割、その結果、相続税がかかればこれまでに支払った贈与税を清算し相続税として納税することになります。相続税がかからなければ全額非課税となります。・暦年課税:非課税枠700万円+基礎控除110万円までは非課税、それ以上は累進課税の贈与税。
・精算課税併用:非課税枠700万円+2500万円までとりあえず非課税、越える部分は2割の贈与税。
贈与財産の種類相続時清算課税制度は何でもOKです。何でもとはお金でも不動産でも株式でも保険でも美術品でも可能です。何しろ債務免除でも構わないのですが、金銭価値に評価する必要があります、贈与回数にも制限はありません。あるのは2500万円の一時的な非課税の枠だけです。自己の住宅と敷地購入資金、増改築のための資金を贈与した場合に適用。
贈与物件の引き渡し特に制約等はありません。贈与の翌年の贈与税の申告期限(3月15日)までに自宅として居住していること、または居住が確実であること。
贈与物件の要件特に制約等はありません。・床面積(登記簿面積)50㎡以上なら制限なし。
・店舗併用住宅の場合住居は1/2以上必要です。
・中古住宅及び増改築の要件はここでは割愛します。
・床面積(登記簿面積)50㎡以上240㎡以下。
・店舗併用住宅の場合住居は1/2以上必要です。
・中古住宅及び増改築の要件はここでは割愛します。
申告例え少額でも贈与税が生じなくても贈与があれば贈与の翌年の2月1日~3月15日までに贈与税の申告書を提出しなければなりません。
その他相続時清算課税制度を一度選択すると暦年課税には二度と戻れません。
もらう人は直系卑属で年齢制限がありますが収入の制限はありません。
受贈者(もらう人)の収入が2000万円以下という制限があります。
<三井不動産リアルティの贈与税のコーナーを参考にしました。>

堅いことを言えば1万円を贈与者からもらっても申告義務が生じるわけです。例え贈与税が発生しなくても贈与の合計額は当局で厳重に管理されますから仕方がありません。

現実の場面ではある程度まとまった金額の贈与がなければ一々申告はしていられないと言うのが実状ではないでしょうか。

それでも気になる方は相続時清算課税制度を選択していない別の母親ルートから迂回してもらえば110万円以内なら暦年課税の基礎控除以下ですから申告義務はないことになります。

何か変ですがね。申告義務のうっとうしいところは手間だけではなく時期の制限があるところです。一年分のもらったものを合計して翌年の2月1日から3月15日までに税務署に対して贈与税の申告書を提出しなくてはなりません。

遅れたら残念ながら2割の贈与税が課税(相続時に精算)されることになります。贈与額が2500万円に達していなくても一旦は贈与税が課税されますからご注意のほどを。暦年課税は申告を忘れても期限後申告が可能ですが、相続時精算課税は期限後では贈与税が課税されることになります。

相続時精算課税制度に関する総まとめのページです。

◆相続時精算課税制度がとことん悩ましい本当の理由。

生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与です。

生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与です。

生前贈与は内緒になってしまいます。

生前贈与するときに他の相続人に贈与の事実を詳しく報告することはあまりないと思います。と言うか実際はなかなか言えないもので、元々公平にはなりえないものだけに、良かれと思い報告しても説明を聞いた子たちも形だけの納得でしっくりこないものがあるはずです。

◆生前贈与は波風が立ちます。

相続税がかかるかからないに関わらず贈与はあげる側にももらう側にも波風が立ちます。これは人間とし如何に聖人君子であろうとも欲得があるから仕方のないことです。どんなに仲がよくてもお金があっても、こと贈与と相続は心中穏やかではないのが相続人です。

生前贈与は贈与のツボを押さえること。

贈与はもらう側にすれば棚ぼたの不労所得です。他の相続人(兄弟)が親からまとまったお金をもらったとすれば心穏やかなはずがありません。

またあげる側にしても贈与のツボを心得ていれば、内緒でお前だけに贈与するが他の相続人には言わないように念押しすることで贈与の効果は倍増します。自分だけ特別扱いをしてもらったことは、もらったお金のうれしさ以上に大きなものがあります。

CIMG2470

生前贈与は喜ばれてこそ価値があります。

少なくとも経済社会においてお金は万能です。異論はあるかもしれませんが生活していく上でお金はいらないという人はいないはずです。ましてや家のローンがあり子供の進学があり、車の買い替えが目の前に迫っていれば喉から手が出るほど欲しいのがお金です。

これまで親に迷惑をかけてこなかった出来の良い子供たちには、親に無心はなかかなかできないもの。嫁にせっつかれて親に身の上相談のような振りをして暗に無心するのが関の山です。

親の方は子の苦境を察してやらねばなりません。そういうときに支援の手を差し伸べると本当に喜ばれます。贈与はタイミングが大事です。本当にお金が必要な時に他の兄弟に内緒で助けてやるのです。生前贈与をするならば相手が言い出す直前を察することです。そうすれば本当に喜ばれて感謝されます。それこそ意味のある生前贈与といえます。感謝の気持ちは長続きはしませんがね。

◆生命保険料の贈与は相続発生後感謝されます。

当座の生活資金やローン返済にはなりませんが、生命保険料の定期的な贈与は価値があります。せっかく現金を贈与しても保険料にもっていかれますからその時はさほど感謝されないのですが、相続が発生した時に親の有り難さと価値がわかります。もらった現金は墓参りするころにはすっかり忘れていますが、受け取った保険金は死ぬまで忘れません。

相続時精算課税制度の使い道マトリックス。

相続時精算課税制度の使い道を相続税がかかるか、かからないかで整理しました。

相続時精算課税制度は相続税の節税効果がないとか、一括非課税で贈与できてローン返済の肩代わりが出来るとかいろいろ言われています。

自分の場合は本当に贈与税が非課税になるのかどうか、どういう使い方をすれば有利なのかわかりにくい制度です。また相続時精算課税制度を一度選択すれば暦年贈与に戻れないと聞いているが、一体どちらが正しい選択なのかどうもよくわからない、と言う声が聞こえてきます。

お持ちの財産や年齢、健康状態、相続人の間の関係などがからみ相続税がかかる場合とかからない場合は、それぞれ相続時精算課税制度の意味と使い方が変わってきます。CIMG1956

WordPress初心者がようやく表組のプラグインを使えるようになったところですのでつたないながら初の枠付きマトリックスです。

やはり縦横に枠をとり整理すると全体像の把握は容易になります。マトリックスの列ごとに解説を書いていますのでお読みいただければ理解しやすいものと思います。

基本的に本ページは相続時精算課税制度の基本知識をある程度お持ちでありながら、どうもよくわからない、あるいは自分のケースはどうすればよいのかわからないという方のために選択に際してのパターンを示しています。実際のケースではもっと複雑に事情が混在しますし、情報の精度を吟味する必要もありますのであくまでの一つの目安とお考え下さい。

 相続税のかかる人(その1)相続税のかからない人(その2)相続税がかかるかどうかわからない人(その3)
節税効果基本的に節税効果なし贈与税の節税効果ありまず暦年贈与、相続税がかかるかどうかの見極めが必要
贈与物件値上がり物件贈与
収益物件贈与
住宅取得資金の非課税制度活用
非課税で現金贈与
資金援助
相続時精算課税制度の特例&住宅取得資金の非課税制度活用
相続時精算課税制度の特例&住宅取得資金の非課税制度活用
活用可否できるだけ長く暦年贈与、頃合いを見計らって相続時精算課税制度積極的に活用する価値あり相続財産を基礎控除以内に
不動産の評価を専門家に
その他自社株贈与など特殊なケースに効果大贈与税の申告手間が発生不動産は贈与でなく相続で取得するほうが有利

その1)相続税のかかる人は特殊なケースでないと相続時精算課税制度を選択するメリットが見えてきません。値上がり物件や収益物件を贈与すれば現在評価と相続時評価との差額に対する相続税は節税になりますが10年先か20年先か、もっと先かもしれない相続時発生時に予定通りの評価になっているということは保証の限りではないのでギャンブル的な要素があることは間違いないと思います。

それよりはできるだけ長く暦年贈与して生命保険に加入しておく方がよほど利口だと思います。

特殊なケースというのは中小企業の事業承継で行う自社株贈与です。これは相続時精算課税制度を使う価値があります。新株予約権付社債を発行し評価額を大きく下げておき、できるだけ暦年贈与で移動しつつ、最後にエイヤ!で一気に相続時精算課税制度で贈与税を納税しつつ自社株を後継者に移してしまいます。そしてじっと7年間辛抱して時効を待ちます。別に違法ではないですが何事も用心用心です。このスキームは相続税の前払いをしても十分な価値があります。

その2)相続税のかからない人はたくさんいらっしゃいます。

まとめて贈与したいと思っている相続税のかからない人は相続税かかる人の10倍以上はいらっしゃるのではないかと思います。

贈与税は相続税の補完税と言いながら相続税がかからなくても贈与をすれば贈与税が課税されます。これでは子や孫に住宅資金などのまとまった資金援助ができません。

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だからこそ相続税のかからない大多数の人こそ相続時精算課税制度を活用し堂々と贈与すればよいのです。一度相続時精算課税制度を選択する2500万円まで贈与税は課せられませんが、それ以降の贈与は発生するたび毎年贈与税の申告が必要です、などと固いこと言わずに小分けして現金で渡しておけばその都度喜ばれるし感謝されるし、課税当局も感知するところではなくなります。

その3)相続税がかかるかどうかわからない人というグループもかなりいらっしゃるのではないかと思います。今はかからなくても土地や住んでいる家が思いがけず道路が通り値上がりすることもあるでしょうし、税制が変わり相続税の基礎控除が変わるようなことがないとは言えません。相続人が宝くじに当たったとしても相続税はかかるでしょうから先のことは誰にもわかりません。

できることはまず暦年贈与で生命保険に入ることです。

万が一相続税がかかるようになった時の納税資金です。ある程度相続が近づいて来たら思い切って相続時精算課税制度を使うことを考えます。一つには財産の分割を生前にしておくような意味もあります。遺産分割を生前に行う意味は争続を防ぐこともありますが、特殊関係人(愛人と認知している実子)にきちんと遺産がわたるよう配慮する意味もあります。遺言書や生命保険の受取人指定と同じく確実に財産を渡してしまうことができます。

注意すべきことは他の相続人の遺留分を侵害しないよう適切な配分を考えることです。争続を防ぐために相続時精算課税制度で生前に財産分与を図ったことが自分の死後争いの元になったのでは死ぬに死にきれないところです。

まとめとして

相続税がかかる人とかからない人では相続時精算課税制度は使い勝手が異なります。将来の予測も含めて慎重に検討する必要があります。相続時精算課税制度の特例&住宅取得等資金の非課税制度は項目に上げてはありますがここでは触れないこととします。また不動産の贈与は登録免許税と不動産取得税が絡んで損得関係の判断を難しくします。実際は親が不動産を購入し評価を下げて相続時精算課税制度で子に贈与するほうがお得になります。この辺もまとめて次回に別ページで説明する予定です。

 

 

相続時精算課税制度の節税効果を庶民視点で徹底検証

相続時精算課税制度の節税効果を庶民視点で徹底検証しました。

税理士さんに相続税対策を依頼するような資産家ではなく、日頃は税理士さんも税務署にも縁がない一般庶民の立場での相続時精算課税制度の使い道にフォーカスしました。

もともとサラリーマンというか雇われの身の上では相続税の心配をするほどの資産もなく、税金は源泉徴収で有無を言わさず召し上げられていますから節税意識すら持たないのが庶民です。CIMG2033

その庶民にとれば小難しい相続時精算課税制度も、厳めしい税務署も縁遠い存在と言えるのではないでしょうか。

自分の親からまとまったお金を援助してもらってもそれで贈与税がかかるなど思いもしません。人から、親からの援助にも贈与税がかかると聞きつけて一生懸命に「贈与税 時効」で検索をかけながらため息をついているレベルの方の一助になればと思います。

◆お金や資産の所有者が変わる時は売買でも贈与でも税金が絡んできます。

少額は問題にならないのですが、一年に合わせて110万以上(もらう人単位なので60万ずつ両親からもらうと110万円を越えます。)なら贈与税の納税義務が発生します。実際は現金で小分けすればわかりにくくなりますが、後生大事に銀行口座に入れてしまうとバレバレになってしまいます。

◆生命保険の名義変更をしても贈与になります。

生命保険の契約でも何も考えずに名義変更してしまうこともあります。かんぽ生命で親が自分を被保険者にして養老保険をかけてくれていれば、契約者は親ですが満期になれば子供名義で再契約することもよくあります。

親から自分に名義変更され満期になって満期金を子が受け取ればまぎれもない贈与です。100万円以上なら保険会社から支払調書が税務署に生きますから隠しようもないところです。

ただし名義変更をしただけでは贈与になりませんし税務署も関知しません。保険金を受け取ったり解約返戻金を受け取ったとき、その時から贈与の事実が発生します。残念ながら名義変更したところで時効は開始しないのです。

相続時精算課税制度で相続税は節税できない。

以前のブログで相続時清算課税制度には節税効果はないという説明をしてきました。相続税の節税ということでは残念ながら役に立たない仕組みです。

相続税は自分には関係ないからとお思いの方には諸注意があります。平成27年から相続税が改正されて基礎控除が大きく減額されました。基礎控除は5000万から3000万に、一人当たりの控除額も1000万から600万までとなり配偶者一人子供2人の標準的なケースでは基礎控除合計で8000万から4800万まで下がりました。

これは庶民にとってもかなり危ない数字です。家屋敷から株式、ゴルフの会員権まですべて合わせて4800万以下でないと相続税対策が必要になるということです。

せっかく庶民のための相続時精算課税制度の使い方を考えようというときに、はからずも相続税がかかることになれば、悲しいかな贈与税の節税狙いが意味をなさなくなります。

◆それでも相続税のかかる人は6%以内、残る94%の人こそ相続時精算課税制度。

相続税の増税で相続税がかかる人が4%から6%に増える予測があります。

増税になっても相続税がかからない残る94%の庶民にどれだけ資産があるかわかりませんが、110万以上を贈与すればやはり贈与税の対象になります。小金を何度もあげるほうが感謝されることは間違いないのですが、一時的にまとまった援助が必要な時があり、また住宅ローンなどはまとめ返済できれば大きな節約にもなります。

ここでの出番が相続時精算課税制度というわけです。手間はかかりますし手続上のハードルも高いですがきちっとした手順を踏んで贈与税の申告をしておけば後の憂いはなくなります。贈与税の時効も心配することもなくなります。

◆税務署は甘くない、銀行口座の動きはすべて把握しています。

税金は自己申告制ですから知らん顔すれば無事すぎると思うのは甘い考えです。税金は自主的に申告し支払わないと、脅かすわけではありませんが誠にえげつないことになります。CIMG2034

一般に追徴課税といわれますが、無申告加算税・延滞税などが予想されます。相続税がかからなくても、贈与税を申告しなければ裁きは同じなのです。税務署が贈与の事実を知るのは保険の場合支払調書ですが、銀行に照会をかければ銀行は洗いざらい報告します。残念ながら、大金の動きは隠しようがないといったところです。

◆相続税がかからない庶民には贈与税を回避する意味がある。

実際の場面では、相続時精算課税制度の使い道は事業承継における自社株贈与や資産家の特殊なケースに限られると判断してきましたが、そうとも言えない面を確認しました。

ひょっとしたら相続税のかからない多くの層がこの相続時精算課税制度の活用方法に悩んでいるのではないかという疑念が生まれました。

もともと確定申告の経験なし、税理士とも縁なし、税務署には医療費控除の確定申告をした経験があるくらいのサラリーマン世帯は相続税も贈与税も縁がないものと思いこんでいたことでしょう。贈与すれば贈与税がかかることは知っているが自分には関係がないし少々の贈与は現金で渡しておけばわかることはないという考え方があるのも事実です。

相続税がかからないと思っているのに贈与税なんてとんでもない話で

しかし親からの贈与はある程度のお年になると誰しも考えるようになります。結婚すれば親は4人、親の老後生活のメドが立つようになると生きているうちに子や孫にまとまった資金を贈与して支援をしたくなります。

子の方もステップアップ償還で借りたマンンションのローンがあと半分残っていたりする時期です。孫の学費を祖父母が支援するのは贈与にはなりませんが、子のローンの残債を親が肩代わりすれば、これはやはり贈与とみなされても仕方がないところです。

とすれば贈与税を合法的に払わずに済ませる方法は、相続時精算課税制度ということに落ち着きます。資産家用の制度かと思いきや多くの貧しき小金持ちのための仕組みだということになりそうです。

◆自分で申告するか税理士に依頼するか。

現金の贈与だけなら頑張れば自分でできそうですが、不動産の評価が絡むようなケースはやはり専門家に相談するのが妥当です。

特に注意すべきは不動産の贈与は登録免許税、不動産取得税、移転登記手数料等がかかります。所有権移転登記も贈与契約書も自分でやれば可能ですが税金関係は必然的にかかります。CIMG2085

ただ庶民サラリーマンは日々忙しく自分の時間もままならない中で結構な手間を要します。お金は少々かかりますが専門家に依頼するほうが安全確実ではあります。所有権移転登記は司法書士の分野になりますから税理士を通じて依頼するなどの方法を考えてください。

◆まとめ

実は相続時精算課税制度の情報サイトは山盛りあります。簡単にまとめているところもとことん詳細に説明しているサイトもあります。きれいに図示しているところもあります。そちらで検索して情報を仕入れていただくほうが正確でわかりやすいと思います。

私が[hokenfp]としてどうしてもわからなかったことをまとめました。どのサイトも漏れなく良くまとめてありますが、視点が違うのです。資産家相手の切り口なのです。

相続税がかかる人を対象に情報発信をしなければビジネスになりませんから仕方がありません。スポットだけの素人小金持ちの贈与税の申告がビジネスになりにくいのは無理からぬところです。

相続時精算課税制度がとことん悩ましい本当の理由。

相続時精算課税制度とは何か、メリット&デメリットをまとめました。

問題提起:相続税の仕組みの中でもわかりにくく、かつ使いにくい制度の一つが相続時精算課税制度です。実際の現場でもあまり一般的ではありません。

検索エンジンでやたら検索数が多いのもこの相続時精算課税制度の仕組みの難しさを表していると思います。

しかし読んで字のごとくといいますが、漢字の良いところは見ただけで「相続時精算課税」何となく意味が解ることでしょうか。

確かに相続の時に改めて精算し課税ますよという制度です。何故このような制度が出来たのか、メリットとデメリットを素人視点で〔hokenfp〕がまとめてみました。

できるだけ懇切丁寧に、かつ詳細に相続時精算課税をわかりやすくすることを心がけましたが一応の専門家ではありますが、噛み砕けていないところは順次修正するということでお許しください。

◆基本的な相続時精算課税制度のルール

・60歳以上の両親、祖父母から20歳以上の子や孫への贈与に適用(贈与年の1月1日の年齢)」

・2500万の特別控除(一時的に非課税でも相続時にもち戻し精算)

・2500万を越える部分は一律贈与税20%(一時的税率、相続時にもち戻し精算)

・何でも、いくらでも、何回でも贈与可能(現金・不動産・保険・金融資産全般)

・贈与税の確定申告必要、相続時精算課税制度選択届出書、他証明書類(贈与年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告)

・最終的に相続税が基礎控除内なら申告不要、贈与税を納めていれば確定申告で還付金

・相続時精算課税制度を選択すると暦年贈与には戻れない。

暦年贈与は受贈者(もらう人)単位の基礎控除(110万円)であり課税です。しかし相続時精算課税制度は、暦年贈与に後戻りできない代わりに両親だけでなく祖父母からの贈与もOKですから贈与者単位で何本も走らせることができます。これは暦年贈与と相続時精算課税制度の本質的な違いです。

養子縁組を利用すればさらに相続時精算課税制度が可能です。1対1の贈与でかつ不可逆的(後戻りできない)な相続時精算課税制度です。

①相続時精算課税制度の勘違いするポイント

相続時精算課税制度を使う場合よほどしっかり制度を理解してからでない勘違いしそうです。

これは相続税のかからない人が贈与税をかからないように資産移転するときとか、事業承継・相続設計で評価を一時的に下げた自社株を一気に贈与するときなどに意味があります。

普通の相続税がかかるような相続のケースでは暦年贈与でこつこつ渡していくほうがよほど相続時精算課税制度より節税効果は高く確実です。CIMG2012

この相続時精算課税という仕組み自体の適用範囲が狭いこと、非課税という言葉が出てくるのに実際は節税効果が期待できない仕組みであること、手続きが煩雑なことなどが影響してどうも勘違いが多い相続時精算課税制度となっています。

②相続時精算課税制度のわかりにくさの原因

2500万円まで非課税などと書けば普通の人は勘違いするにきまっています。その2500万までの特別控除額を越える部分の相続税は一律20%といえばこれまた勘違いの原因になります。とにかく「相続時精算課税制度」節税効果はないのです

相続時精算課税制度で受贈した財産が値上がりしてもそれは制度としての節税効果ではなく投資の運用成果です。

暦年贈与とは本質的に方向性の異なる実にややこしい制度なのです。相続時精算課税制度の狙いは親から子への早期の資産移転を目的としていますから、まずはその面でのメリットを見ることです。

③相続時精算課税制度は誰にとってメリットがあるのか

将来的に値上がりが確実なものがあれば相続時精算課税制度は有効な手法です。

相続税の申告時点での評価が固定するので相続時に値上がりしていても相続税評価には関係がありません。

もちろん逆にどれだけ下がっていても見直しはありません。でもまあ考えてみれば確実に値上がりする相続資産があるのでしょうか。

債券にしても不動産にしても値上がりを保証することなど誰にもできないと思います。

採算の取れている賃貸の収益物件などは、将来的に安定した家賃収入が見込める物件であれば相続時精算課税制度が有効とは言えますが、相続発生が10年先か20年先か、もっと先かということになればその時に果たして価値ある物件であるかどうかは誰にもわかりません。

この辺、メリットが見えない制度たるゆえんです。結論の出るのがずっと先になるところが相続時精算課税制度のわかりにくさの一因でもあります。

実はこの相続時精算課税制度は贈与財産の種類、金額、贈与回数の制限はないということになっています。とすれば生命保険にも使えるわけです。

どうしても専門的になる部分があるのでお許しいただきたいのですが「資産運用型保険」などは相続時精算課税制度を使うなら名義変更譲渡にちょうどよい生命保険になります。

契約者 :            親(被相続人)  被保険者:親         受取人:子
これを契約者 : 子                      被保険者:親    受取人:子

に名義変更します。契約者の変更ですから贈与税の対象になります。この変更は税務署に支払調書はいきません(平成30年1月1日より支払調書は提出されます。)が、自主的に解約返戻金相当額で相続時精算課税制度を使い申告し贈与してしまう手です。

さて生命保険としては商品にもよりますが150%前後の相当なレバレッジが効いていますから十分価値があるように思います。

ただし贈与を受けたつもりでも解約返戻金相当額は相続財産にもち戻して相続税が課税されます。

CIMG2032やはり一番よいのは暦年贈与で金を渡して買い取らせるとか、後継者なら役員報酬を増額するなり貸付けるなり、逓増定期の名義変更で資金移動を進めるなりの手立てで買い取らせるのが税制的にもベターではあります。

ただ相続税対策上、のんびり暦年贈与をしている時間がないとか、逓増定期の名義変更はどうも安心できないという向きには一気に方がつく相続時精算課税制度はあるかもしれません。

④そして相続税がかからなくても相続時精算課税制度の思いがけない使い道

養老保険の満期金の受取でも契約者以外が受け取る場合は贈与になり基本的に贈与税が発生します。でも相続する財産もなく相続税もかからないのに贈与税は払う気にならないところです。

そんな時には思いがけないというか、まさかの相続時精算課税制度の出番になるわけです。普通、相続時精算課税制度をこんな使い方をしているかどうか、検索だけでは読み切れませんでしたが、税務署は間違いなくあなたが満期金を受け取ったことを生命保険会社からの支払調書で知っています。

税務署は調査権限(正しくは質問検査権)があります。あなたを含め家族名義の金融機関のお金の動きはすべて把握できますから実際逃げ場はないのが本当のところです。

税務署からお尋ねというか通知が来る前に相続時精算課税制度を利用して贈与税の申告をしてしまうことですね。

なにしろ2500万までは非課税ですから。その後相続に突入して相続財産が基礎控除以下なら本当に完全な非課税になります。これならなるほど制度的な意味があります。

同様の手口でといえば言い方は若干悪いですが、相続税がかかるかどうか以下の小金持ちの親御さんは子供の住宅購入資金でもローンの支援でも相続時精算課税制度を使い非課税で贈与するのが利口な方法です。

ただ相続時精算課税制度には住宅取得資金の贈与という別枠があります。あわせてご利用いただくと結構高額なマンションが買える金額になります。(いろいろ制約条件は付きますが、最後の紹介しているリンクをご参考に。)

ただし注意事項です。一つは住宅取得資金とローンの返済は同じではありません。住宅ローンの返済は取得後の借入金返済ですから住宅取得資金ではないそうです。

子供の住宅ローンの返済を相続時精算課税制度で支援したければ現金を贈与し相続精算課税制度で非課税とすることです。(嫁の親が支援する場合は、娘の亭主の名義のマンションでは親子関係がないと相続時精算課税制度は使えないことになります。

娘に相続時精算課税制度で一括贈与し、娘が亭主に貸し付けて定期的に返済させるような回りくどい方法になりますが仕方ありません。)

⑤相続時精算課税制度を事業承継に本格的に利用するケース

相続時精算課税制度が最も有効に使えるのは中小企業の事業承継・相続設計です。とくに自社株を生前に後継者に贈与するときに威力を発揮します。

長年にわたり利益が出てきたような中小企業は内部留保が膨らみ、知らないうちに自社株はとても高くなっています。

新株予約権付社債の発行やら役員退職金の支給などで自社株評価を下げて相続時精算課税制度で贈与税を払いつつも一気に後継者に贈与してしまいます。

若き後継者には意欲はあっても自社株を買い取るような資金はありません。

贈与税の納税資金を含めて贈与する必要があります。何の対策もしないで相続発生まで持ち越すと自社株は時価で評価され莫大な相続税ということになりかねないのです。これは相続税対策としても大きな意味があります。

⑥相続時精算課税制度の手順と必要書類

また相続税がかからなくても相続時精算課税制度は税務署への申告が必要です。

この辺の判断や考え方、申告手順まで踏み込んで解説します。贈与税の申告は前年一年の受贈分を受贈者が2月1日から3月15日までに税務署に申告します。

相続時精算課税制度では、申告書の他に「相続時精算課税選択届書」を提出します。

それ以外の書類です
・受贈者の戸籍謄本(受贈者の氏名、生年月日、推定相続人である子又は孫であることを証明する書類)
・受贈者の戸籍の付表の写し(受贈者が20歳に達した以降の居所を証する書類)
・贈与者の住民票の写し(贈与者の氏名、生年月日、60歳に達した以降の居所を証する書類)
とまあいろいろそろえなくてはいけないわけです。たびたび提出する書類でもないのでその都度の確認が必要ですが、つまらない贈与税を払わないためにはそれなりの手間が発生します。CIMG2005

相続時精算課税制度をできるだけわかりやすい言葉で事例を交えて説明しましたがいかがでしょう。

もともとの制度の趣旨から外れていろいろな用途が発見され広まっていきます。まだまだ使い道はアイデア次第のようにも思います。

今どきの一時払い終身保険は予定利率が地に落ちて(1%以下)相続時精算課税制度を使って贈与するほどの価値もありませんから生命保険では活用範囲がかぎられてしまうようです。

まとめとしてご案内させていただくと。右サイドバーのカテゴリーをクリックいただくとプルダウンメニューになっていまして、その中の「贈与と保険」を選択いただくと相続時精算課税制度に関する情報を別の角度からまとめたページを見ていただくことができます。よろしければご覧ください。

相続時精算課税制度に関するページです。ご参考までに。

◇相続時精算課税制度をデータで見ると意外な真実。

◇孫への相続時精算課税制度の適用は踏んだり蹴ったり。

◇相続時精算課税制度 | 貧乏人の怖い落とし穴5つを解説

◇相続時精算課税制度対比表 | 選択の特例と住宅取得等資金の非課税制度

◇相続時精算課税制度の使い道マトリックス。

◇相続時精算課税制度の節税効果を庶民視点で徹底検証

◇相続時精算課税制度の意外な使い道があった、その手でローン完済!

◇相続時精算課税制度は節税できる仕組みではない。

◇結婚・子育て資金の一括贈与の意味不明。

◇生前贈与でもめずに節税できるはずがない。

 

贈与税の配偶者控除はローン返済に使えるか?

贈与税の配偶者控除はローン返済に使えるかという熟年夫婦の問題を検証しました。

配偶者(妻)が遺産相続でもらった資金を贈与税の配偶者控除で夫のローン返済に充てることがでできれば、これはありがたい仕組みです。自分にそのまま当てはまるだけに真剣に検証してみました。CIMG2359

贈与税の配偶者控除というあまり知られてない制度があります。国税庁のサイトにはNo.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除を特例として案内しています。

これによると配偶者間で一年に2,000万と贈与税の基礎控除110万を合わせると2,110万まで非課税で贈与することができます。

何かと条件が厳しいですが、このケースに当てはまりそうな人は、サラリーマン末期の住宅ローン返済がまだ10年以上残っている人です。もう少し実態に即して書けば継続雇用で定年ながらかろうじて首がつながったものの収入がガタ減りという方が今回の話題の対象者になります。

下記に国税庁の制約条件を上げます。
(1)婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
(2)特例を受けるための適用要件
A) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
B) 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
C) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
(注)配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

それほど資産がなくてローン返済を続けてきたが、まだ10年ほど残っているのにいよいよ定年になり、先行きのことを思うと住宅ローンを払いきれない不安や老後の困窮、破産が頭をよぎります。

そういう時親が亡くなり遺産が入る場合があります。自分の親ならそのまま一括返済に充てれば長年苦しんでいたローン返済はなくなります。親が亡くなって喜んでいる場合ではないですが、返済できると気持ちはとても落ち着きます。CIMG2121

ところが自分の親ではなく配偶者の親が亡くなり、遺産が入った場合は配偶者は相続で受け取っていますから(相続税がかからないレベル)税金はかかりませんが、夫名義のローン返済に充てると贈与と言うことになり贈与税の対象となります。

普通に考えれば同じ財布でしょうから夫の収入はローン返済に充てて配偶者の遺産は生活費に充てれば贈与ではなくなりますが、できれば一括返済し返済額の削減もしたいし、何より楽になりたいとは誰しも思いす。それで配偶者から夫にお金を貸し一括返済し夫からは毎月返済してもらうようなことになります。(うちはこのパターンです。)

夫にすればローンは返済したものの今度は配偶者という債権者に責められることになります。(苦笑)

ひょっとしての思いつきで贈与税の配偶者控除を考えてみると夫も配偶者ですからこの制度を使えれば一気に問題が片付き肩の荷がおりるのではないかと思います。これはしめたと思いつつさらに調べると条件に「居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合」とあります。言っていることは

住宅ローンの返済は「居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与」にはならないと言うわけです。取得するための費用ではなく取得が終了し借入金の返済をしているので取得費用ではないという例のお上の筋論です。

どうも腑に落ちない話ですが、専門家に確認しても同様の回答ですから仕方がないです。

そんならとこちらも知恵を絞ります。思いつく必殺の贈与は今住んでいるマンションを贈与税の配偶者控除を使いローン丸ごと配偶者に贈与してしまいます。(20年近く住んでますから二束三文です。)それで配偶者が相続したお金で繰り上げ一括返済するなら贈与にはなりません。どうせ同じ財布ですからなかなかの名案ですが、マンションの名義は配偶者に変わります。

それと勿論のことながら登記の変更を伴いますから所有権移転登記コストが発生します。なんか名案のようでばからしいとこもあります。夫婦で貸し借りはなくなりますが、夫としての発言権は著しく低下しそうです。

それは困るとお思いの向きには、やはりぼちぼち返済し、年間110万円ずつ贈与税の基礎控除の範囲で借金の支払いを配偶者にまけてもらうと返済は早く済みます。

金銭借用書をきちんと書いてハンコも押して、この程度の手間を惜しんでいる場合ではないのであとで問題にならないよう手順を尽くすことです。

どちらにしろ配偶者の遺産に助けられたわけですから。老後破産リスクが軽減されたことにここは感謝しつつも大きな顔はできないわけです。これからずっと。

ということでこのブログ始まって以来初めて「保険」という言葉が含まれていません。

贈与税の税率話法には大きな嘘がある。

贈与税の税率は高いと思い込んでいませんか?

贈与税の税率話法には大きな嘘があるものです。保険を買う側としてはいろいろなセミナーやプロのアドバイスを聞きます。関係の書籍も読み漁ります。正しい判断をするためにネットをフル活用して情報収集をします。

おかげで保険に関しては税理士の先生はもちろんのこと半端な保険代理店以上に保険の情報通になりました。とくに買う側は一社専属ということはありませんから乗合代理店以上に各社のフェアな情報を得ることができます。

その結果言えることは、どこが主宰するセミナーであろうと、だれが執筆した書籍であろうと目的は顧客誘引でありビジネスですから真実から離れたあおり話法がまかり通っています。公平に情報提供してくれるセミナーなど幻想というほかありません。

そんなセミナーではおもしろくもないしビジネスとしてお金も動きませんからね。これは買う側からすれば大きな嘘の構図です。気を付けなくてはならないところです。

例えばある書籍には『単純に現金を生前贈与しようものなら、金額が増えれば増えるほど、その税金は驚くほど高額になります。贈与税の最高税率も相続税と同じように55%まで上がっており、贈与額が3000万を超えた段階で、受贈者の手取りはほぼ半分以下になってしまうのです。』とあります。CIMG2102

知らない人が読めば大変なことの様に思ってしまいます。完全なあおり話法です。確かに3000万円超の贈与税率は贈与税率表で55%になっていますが、超過累進課税という仕組みですから枠を超えた分だけに高い税率が課せられるのです。

税額を調整するために税額控除も設けてありますし110万円の基礎控除もあります。正しくは3000万円の贈与税は一般の贈与で39.83%であり20歳以上の直系卑属への贈与であれば34.52%となります。一度計算してみてください。

それよりも何も3000万円も一度に贈与するなんてことは誰もしません。暦年贈与で分割する訳ですからあり得ない税率であおっているとしか思えないところです。

例えば多めの贈与をする場合でも500万の場合、一般贈与で贈与税率10.6%、20歳以上の直系卑属への贈与であれば贈与税率9.7%にすぎません。

◆贈与税の税率は高くない何度も言うが贈与税は高くない

実はこの話法があふれかえっているのです。贈与税や相続税の税率表で超過累進課税の仕組みを説明せずに税率部分だけを強調することでセミナー受講者の不安心理をあおっています。全くビジネスとは言えひどいもんです。

買う側からアドバイスしますが、贈与税の税率表にダマされたらあきまへんで、ホンマに。

といえば知り合いの社長は数十億の資産家で相続税に怯えつつあの手この手に手出しをしていました。税理士法人の専門家に相続税を計算してもらっているにもかかわらず自分の相続税は55%かかり半分以上税金にもっていかれると思い込んでいるのです。

相続税を計算していても頭の中には相続税の最高税率が印象として残ってしまうのです。

それで無理から不動産投資をして評価減に走ろうとするのです。

ちょっと待った!

一次相続と二次相続の配偶者控除と基礎控除、生命保険控除などをきちんと説明し相続税にかかる本当の相続税率を説明すると自分の所得税よりはるかに安い税率であることに気が付き安心するといった有様です。

何度も聞いていても分かっていないのです。「これやったら相続税を納税したほうが得やがな!」その通り、節税対策より納税資金対策です。そこまで言わないと真実が見えないと言った現実の例もあります。

贈与税の税率は高くない何度も言うが贈与税は高くない。

贈与税の税率は高くない何度も言うが贈与税は高くない。

贈与税は相続税の補完的な役割があります。贈与税がなければ相続税は成り立ちません。

なぜなら生前に財産すべてをあげてしまえば相続税は意味がなくなりますからね。

相続税を機能させるため相続税より厳しい率で贈与税があるのです。生前にまとまったお金を贈与するときは相続税より厳しく課税しますよ、ということです。CIMG2032

ただし贈与税にも少額の場合の緩和措置として110万の基礎控除がもうけてあります。

少額の贈与を毎年繰り返し110万の基礎控除を有効につかうのが暦年贈与です。

贈与税の税率も相続税の税率と同じで税率表だけを見るとバカ高い税率が目立ちますが仕組みは超過累進課税という一定の金額を超えた部分だけに上の枠の税率が課せられるのです。

贈与した金額にまるまる贈与税率表の税率がかかるわけではありません。贈与税の税率に関する勘違いがここから始まります。

ですから贈与税の計算を実際にしてみると基礎控除もありますからそれほど高い税率になるわけではないのです。

例を挙げていえば、基礎控除の110万を引いた残りの課税金額が400万円だった場合は400万円全体に対して20%の贈与税率がかかるわけではなく、400万円のうち200万円に対して10%、100万円に対して15%、残りの100円に対して20%かかるようになります。
この計算を簡単にするために速算表があり税額の控除額があります。CIMG2047

別々に計算して合算した税額と速算表で400万に税率をかけて控除額を引いた答えが同じになります。自分で電卓を叩いてみてください。

この場合基礎控除を含めて510万贈与して贈与税は55万です。実質の贈与税率にして10.78%になります。

悪名高き贈与税の税率でも実際はそれほどでもない税率になります。

(平成27年1月1日施行、一般的な贈与例であり親または祖父母から20才以上の子へ
贈与する場合は贈与税の税率が変わります。)

贈与額から
110万円を引いた額    税率    控除額
200万円以下      10%    なし
300万円以下      15%  10万円
400万円以下      20%  25万円
600万円以下      30%  65万円
1000万円以下     40% 125万円
1500万円以下     45%  75万円
3000万円以下     50% 250万円
3000万円超      55% 400万円

ここにこまめに贈与する価値が出てくるのです。手間と時間はかかりますが一番確実で贈与税率を抑制することができます。

贈与税の税率表ではいかにも400万を越えれば一気に税率が10%も上がるように見えますがうまくできていて、実際に計算すると控除額がきちんと働いてグラフにするとわりとなめらかな右肩上がりになります。決して急な階段のような形にはなっていません。

テクニックが未熟なので贈与税の税率の増加グラフをお見せできないのはお詫びしますが、450万でも480万でも610万でも特に税率が跳ね上がるようにはなっていません。

贈与税は基礎控除もあり超過累進課税により思いのほか税率表で見るような高い税率にはならないのです

これが贈与税の税率は高くないと申し上げるゆえんです。どしどし暦年贈与をして節税を図るべきです。贈与したお金で〔契約者:子〕〔被保険者:親〕〔受取人:子〕の生命保険の契約を考えるのがやはり何といってもベストです。

くどい話で恐縮ですが贈与税の税率が高いと思い込まずに、実際の贈与税率を見て比較検討するようにしてください。

生前贈与はもめないが死因贈与はもめる元。

生前贈与はもめないが死因贈与はもめる元になります。

贈与にもいろいろありますが一般的には保険会社がよく提案する生前贈与プランに見られるように被相続人が生前に贈与しそのお金で保険料を払っていくいわゆる暦年贈与ですね。

それとは別に死因贈与とは読んで字のごとく死んだらあげるという約束です。

被相続人の死亡を原因として贈与契約が発効しますから贈与契約書がないと贈与の契約の存在を他の相続人に対して証明できません。死人に確認することはできませんからね。

普通は財産を引き継ぐのは相続人です。配偶者や子ですから生前贈与か遺産相続であり死因贈与はあまり意味をなしません。

遺言書で分割を指示すれば遺贈ということになります。そういう意味から死因贈与は内縁の妻とか隠し子のような法的相続権のない人に生前の約束として死んだらあげるという贈与契約を交わすことが多くなります。

CIMG2064

注意することは他の相続人との関係です。生前に話をまとめておかないと死因贈与でもめる元になります。

贈与契約書も公証人役場で公正証書としておくことで贈与契約書としての信頼性を法的に担保してくれます。繰り返しで申し訳ないですが、その時には被相続人は口なしです。(余談ですが手間がかかっても贈与契約書は公証人役場で確定日付を取得しておくと固いです。)

他の相続人との話がまとまっていないのに相続に突入すると死因贈与でもらうはずの家の所有権移転登記が出来なくなったりします。

死因贈与は相続税になりますが、それよりも生前に生命保険等を使って資産を贈与する方法を考えたほうがよさそうなところです。

通常は血縁関係がないと保険金の受取人にはなれませんが、同居生活が長く事実婚の場合は認めてくれる保険会社もあると思います。

ガンになったらお孫さんに贈与しなさい

ガンになったらお孫さんに贈与しなさい。

近年ではガンは治る病気となりつつあります。しかしこれからも死因の第一位の座は変わらないと思います。運悪く顔つきの悪い極悪のガンというのもありますから恐ろしい話です。ガンは早期発見早期治療が一番ですが健康診断人間ドックが万全というわけでもありません。

ガンになるとやにわに自らの死を意識し始めます。当然相続のことやら遺言のことやらが頭を駆けめぐります。 CIMG1976

ここで問題となるのは相続開始前の贈与です。相続開始前3年間の贈与は相続財産に持ち戻して相続税の対象とするルールがあります。何故かというとガンなどの余命が見えるような病気になると人情として相続税を軽減するための駆け込み贈与が起こりがちです。これは贈与として認めませんよというわけです。仕組みとは言え結構冷酷な話でもあります。

ところが相続人以外は関係がない話です。相続人以外では相続税逃れにもなりませんからこの規定は適用されないのです。

厳密に定義すれば法定相続人でない人で、遺言書などにより遺産を取得していない長男の嫁や孫などへの贈与は、相続開始前3年以内の贈与であっても相続税の課税価格に加算されません。

とすれば直系卑属でも一可愛いお孫さんに贈与すれば3年持ち戻しの規定は適用されません。

健康管理には十分気を付けること。人間ドックを全面的に信用しないこと。忙しいとか言って胃カメラを先延ばしにしたり一年飛ばしにしないこと。それで我が身がヤバイ思ったらお孫さんに多めのおこずかいあげて笑顔を見ておくことですね。
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贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

贈与税の時効を気に病む人へ贈与税の時効は名義預金に適用されない!秘策大公開。

CIMG2462贈与税の時効は名義預金には適用されないという課税当局の理屈があります。一般的に贈与税の時効は6年(国税通則法/国税の徴収権の消滅時効)とされていますが故意の場合7年になります。相続税がかからないからといって贈与税の心配をすることがないとは言えないのです。自分の親からの贈与に税金がかかるといわれても素直には納得できないところがあるのも無理からぬところです。贈与税は庶民感覚では全く理不尽な税金です。普通の人の感覚ではちょっと払う気にもなりません。

相続税の課税逃れを防ぐ仕組みとして相続税と贈与税はセットで考えるようになっています。いわゆる資産税ですね。あまりなじみはないでしょうが税務署には資産税課があり納税協会には資産税部会まであります。れっきとした一部門なんですね。

1)贈与が成立する条件とは。

①贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)のあげる・もらうの合意があること。両者の自筆・捺印の贈与契約書があればなおよい。

②もらった人(受贈者)が自分の意思でもらったお金を自由に使えていること。印鑑と通帳を自分で管理し、実際にお金を何かに使っているとなおよい。

注意することは、預金の名義を変えたら贈与になるとか贈与税の申告書を税務署に提出し贈与税を納付すれば贈与の証拠になるというのはよく言われる「したつもり贈与」でありあくまでも傍証にすぎません。確かにないよりはあった方が良いですが決定的な贈与の証拠としては弱いのです。なぜなら贈与する親が印鑑を用意すれば、名義変更も申告書も親が自分一人で段取りできますからね。

2)名義預金は贈与の時効が開始しない。

故人からもらっていたお金が名義預金と見なされると贈与税の時効が開始しないのです。

名義預金だから元々故人お金であり贈与そのものがないことになりますから、時効も開始しないというわけです。素人の考えからすればずいぶん無茶な言い分ですが、これが名義預金と見なされる一番多いパターンです。

経営者の配偶者で会社の役員になっていても会社とあまり関わりを持たず出社されることもない奥様タイプがおられます。奥様の役員報酬を奥様の通帳に振り込んでそっくり残しておき、生活費はご主人の報酬からあてていかれると奥様名義の預金がご主人の役員報酬の一部と見なされたりします。これも奥様の名義を借りたご主人の名義預金だと言うわけです。もちろん贈与でもなければ贈与税の時効も関係ありません。そっくり相続税の対象になります。それも延滞税付きです。

名義預金と見なされないためには贈与税の時効など考えずに済むように、きっちりあげたもらったの証明を贈与契約書に自筆で残すことです。なおかつ時々は贅沢をして贈与されたその預金から服を買うことがよろしいようです。財産があると本当に手間もかかります。なければないで寂しいものですがね。

3)生命保険の名義変更は保険金を受け取る時、贈与開始。

贈与税の時効は生命保険の名義変更にも関係があります。世間の保険営業では「そんなもん通知が行くわけでなし、税務署にわかりませんがな。」というトークがまかり通っています。

生命保険の契約者を子に変更すれば紛れもない贈与です。贈与税がかかると考えるのが普通です。

しかし今後マイナンバーの活用範囲が広がれば知りませんが、今のところ生命保険の名義変更をしても課税当局が知り得ることはありません。ではそのまま知らんふりして6年が過ぎれば晴れて時効となり生命保険契約の贈与が課税なしで成立するのでしょうか。

世の中そんなに甘くないわけです。税務署にすれば隠れ贈与は相続税の調査の時に調べればよいというスタンスです。家族の預金関係、口座のお金の動きはすべてつかんでいます。保険金を受け取るにしろ保険料を払うにしろ銀行を経由せずにはできません。保険会社は現金で持参してはくれないのです。

保険契約がお金に変わるとき贈与の事実を税務署が知り得ることになります。

CIMG2457そのときその生命保険契約の名義変更を時効と判断するでしょうか。その人の収入に見合わない生命保険契約があれば疑って当然です。銀行預金でも名義預金というわけですから、あえて言えば名義保険です。受贈者の名義を借りて保険契約をしただけで元のお金は贈与者のものであるから、贈与は成立していないと言われそうです。贈与税の時効は名義保険には適用されない!!ということにならないとも限りません。

ただ税務署も忙しいので相続税がかからない人や過大な資金移動がない場合はいちいち調べている手間暇もないようです。ただ言えることはお金の動きを銀行の口座で追跡できれば税務署がつかめないことはほとんどないと言えそうです。この辺をわきまえて自分の資産具合と相談し、ほどほどに名義変更するかきちんと贈与税を払っておくかですね。

国税庁のサイトには以下の記述があります。

「生命保険契約について契約者変更があった場合」

契約者の変更があってもその変更に対して贈与税が課せられることはありません。ただし、その契約者たる地位に基づいて保険契約を解約し、解約返戻金を取得した場合には、保険契約者はその解約返戻金相当額を保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税が課税されます。

なるほどというか、当たり前ですね。受取人は保険金を受け取った時、契約者は受贈した契約の解約返戻金等を受け取った時に贈与として課税されるわけです。

名義保険でもなんでもなく贈与税の時効も何も関係なくお金に変わって受け取るとき課税関係が発生するのです。その時のことを考えて名義変更をしましょう。

不動産でも預金でも株式でも名義変更すればそれは贈与です。

できれば贈与税の時効などということを知らずに済ませたいものです。待てど暮らせど来ない贈与税の時効とはなお悲しい話です。

4)子への資金援助は相続時精算課税制度で贈与税を回避する。

相続税がかかる人には特殊なケースでない限り相続時精算課税制度はお勧めしませんが、相続税がかからないと予測されるサラリーマン世帯が親からの一時的な資金援助を受けてローン返済を行うような時には有効な手段となります。

CIMG2453たとえ親からでも、また相続時にはどうせ引き継ぐお金でも、親が存命中にお金をもらえばまぎれもない贈与です。相続税がかからない貧乏なサラリーマン世帯でも110万以上をもらえば贈与税を払わなければならないのが税法です。

私の推測ですが贈与税の時効は隠れたる大問題ではないかと思っています。試しに[贈与税 時効]での検索数をgoogleAdwordで調べるとなんと月間2900件もあります。贈与税の時効を気に病む人が大勢いらっしゃるのではないかと思います。

課税当局が親子間の贈与をどのように把握するのか、どういうケースに対して贈与税の納付を求めてくるのか定かではありませんが、当局が調べる気になれば銀行に照会をかけるだけですべては手の内となります

そういうことなら相続時精算課税を活用し堂々と非課税で贈与すればよいのです。贈与税の時効を気にするような後の憂いがなくなります。

相続時精算課税制度は申告の手間もかかりますし、注意事項もやたら多いですが相続がかからないレベルでかつ現金2500万以下なら税理士に頼まなくても個人でも申告可能です。ただ少々細かいルールの勉強は必要ですが・・

5)贈与税の時効を気にすべきは受贈者(もらった人)です。

当たり前ですが贈与税を納税すべきは受贈者(もらった人)です。もらった奥様や子どもの方に贈与税の納税責任があります。

ところが贈与税の時効を気にかけているのは贈与者ばかりなのです。もらった方は贈与税も贈与税の時効もどこ吹く風、他人事どころか知りもしないというケースがあります。失礼な言い回しをあえてお許しいただければ贈与税の時効は親の苦労の構図そのものです。

贈与した側は時効も何も関係がありません。もらったが側が課税当局の調査対象となるのです。たぶん贈与税の時効を検索しているのは日本全国の心配症の親御さんばかりなのでしょうね。時効というから何か犯罪でも犯して逃げ隠れしているようで落ち着かないのでしょうが、よく考えてみればたかが贈与税です。追徴課税のほかに延滞税、無申告加算税を支払うだけで済みますから・・

6)贈与税の税務調査について

普通贈与税の税務調査が入ったとはあまり聞きません。ほとんど相続税の税務調査の時にまとめて調査されるようです。したがって相続税を軽減する目的で贈与を行うならきちんと贈与契約書を作成し双方の意思を明確にし、時には贈与税の申告をし一部でも贈与税を納税し、かつ受贈者(もらった人)が自由に使えることが重要です、それらの要件が欠けると名義預金と指摘され何十年前の贈与でも相続税の対象となります。

ということは相続税のかからないような人は相続税の調査もないわけですから心配はいらないと言えるでしょうか。実はそうとも言えないのです。

贈与されるものの中には現金だけでなく生命保険や不動産、海外送金などもあります。これらは100万円を越えると税務署には「支払調書」と呼ばれる書類が提出されます。言い逃れできない証拠になりますので課税当局も放置するわけにはいきません。税務署から「お尋ね」が来る前にこういうケースは必ず自主的に贈与税の申告をして下さい。

ま、それ以外は家計のお金の動きは、何に使ったかいちいち調べるほど税務署も時間があるわけではないので調査の対象になりにくいと言えます。

◆まとめ

贈与税の時効を気に病む全国のよき親御さんへできる限り詳細に、精魂込めて執筆しました。頭の中のもやもやが少しは晴れて自分の場合は何をすればよいのか、何もしなくてよいのか、ざっくりとつかんでいただけたらこの上なき幸甚です。


・贈与税の時効は名義預金には適用されない。

・生命保険の名義変更はお金に代わる時に贈与。

・相続時精算課税制度で贈与税を回避。

・贈与税の時効を気にすべきは受贈者。

・贈与税の税務調査について。

まだまだ加筆すべきことはありそうですが、ここはいったん筆をおきます。ご意見等あればご遠慮なくお申し越しください。内容的に間違いや見解の相違等があればご指摘いただければ幸いです。

暦年贈与のデメリットを克服する手法。

暦年贈与のデメリットを克服する手法についてまとめました。

暦年贈与を名義預金として否認されない方法として、安全策で言えば保険料を贈与する保険料贈与プランです。よく保険会社がセミナーなどで宣伝しています。しかしこれにも落とし穴があります。もともと保険料の負担能力のない子に親や爺婆がなりかわって保険料を払います。そのまま払うのではなく子名義の通帳から引き落としされるやり方です。

① 契約形態については契約者が子や孫であること。

基本的には以下の形態になります。暦年贈与で振り込まれたお金を保険会社が口座振替で引き落としていきます。特に契約者たる子や孫に受贈者(もらう人)という自覚が生まれないのです。これが一番困るところです。

契約者=子や孫

被保険者=被相続人(爺婆や親)

受取人=子や孫

という契約形態です。

② 子を契約者にして保険料を暦年贈与するとお得な理由。

子の保険料を暦年贈与すれば子や被保険者(被相続人)死亡時に保険金を受け取っても相続財産とは関係がありませんから相続税がかかりません。

一時所得という有利な税制で保険金を受け取れます。一時所得は儲けの半分に所得税が課税されますから相続税よりずっと有利になるのです。

相続税がかからない人は意味がないばかりか、いらざる所得税が発生しますからご注意を。

③ もらった自覚がない保険料贈与プランの問題点。

ただ問題点は子や孫が、もらったことは理解しているが実感がない。通帳は親が持っていて保険証券も親が管理している。そのうち渡すつもりが、そのままになるというケースが意外と多いのです。

子に保険をこっそり払済にして、もらった贈与分を自分の生活費や遊興費に当てるほどの度胸も知恵もないとどうなるか。もらったはずの暦年贈与は親が管理する通帳に入金し知らないうちに保険会社に引き落とされます。

親が死んで保険金を受け取っても右から左への相続税となりますからもらった実感が伴わないのです。

④ 喜ばれてなんぼの贈与が感謝されない味気無さ。

CIMG1973要するにせっかく大金を渡していても喜ばれないどころか面倒くさがられるのです。後に残るは自社株の紙切れのみだと恨みすら買います。

実態は暦年贈与専用の通帳を作りそこから保険料が落ちるようにします。そうすると子ども名義の通帳も印鑑も保険証券も会社の金庫にあって親しか知らないようなことになります。

子にすれば贈与証書にサインをしてますからもらっているという知識はあるのですが本気で理解していません。当然贈与税の確定申告も親まかせです。おまけに通帳も保険証券も改姓届や住所変更すら出さずに放置しているケースがよくあります。

⑤ 生命保険料控除を親が使わないで子が使うこと。

年末の生命保険料控除を贈与した親が使ってはいけません。そりゃ当たり前ですが、抜けることがあるのです。子が使わなくてはなりません。そうすればもらって自分で保険料を払っているという傍証になります。

⑥ 課税当局の見方は決して甘くないのです。

さて課税当局は相続税調査のときにどのように判断するのでしょうか。言って聞かせてわかるようなご子息なら心配いりませんが、そういうものでもないのが肉親です。

有名な国税庁事務連絡(昭和58年9月)を引用します。

3、ところが、最近、保険料支払能力のない子供等を契約者及び受取人とした
生命保険契約を父親等が締結し、その支払保険料については、父親等が子供等
に現金を贈与し、その現金を保険料の支払に充てるという事例が見受けられる
ようになった。

4、この場合の支払保険料の負担者の判定については、
過去の保険料の支払資金は父親等から贈与を受けた現金を充てていた旨、子供
等(納税者)から主張があった場合は、事実関係を検討の上、例えば、 (1)毎年の贈与契約書、(2)過去の贈与税申告書、(3)所得税の確定申
告書等における生命保険料控除の状況、④その他贈与の事実が認定できるもの
などから贈与事実の心証が得られたものは、これを認めることとする。

まさに保険料の暦年贈与をターゲットにした事務連絡です。これは読めばわかります。課税当局は冷酷にも「そうやすやすとは認めませんよ。」と宣言しています。ここまで言われれば贈与税がかからなくても贈与税の申告をする人が多いのもうなずけます。その他贈与の事実が認定できるものまで求めているのです。贈与契約書や過去の贈与税申告書だけでは十分とは言えないと言っているのです。まったく課税当局に贈与の事実の心証を認めさせるのはハードルが高いのです。元から疑ってかかるから見方がまるで違うのです。

どうかここを甘く見ないでしっかり念には念を入れて押さえてください。大事なことです

おや心 れきねん贈与 不和のもと。

暦年贈与も使い方を誤るとデメリットが出てきます。難しいものですが、用心用心、念には念をの心がけです。

暦年贈与のデメリットが意外と大きい理由を説明すると。

暦年贈与の意外と大きいデメリットを説明するとどうなるか。

暦年贈与とは毎年贈与税の基礎控除110万を下回る贈与をくりかえし相続財産を減らしていくやり方です。贈与契約書を作成し時々贈与税の基礎控除を越える贈与を行い、贈与税の確定申告を行うようにすると否認されるリスクが少なくなるとどこのサイトにも書いてあります。

でも実情はそれほど甘くはありません。課税当局は名義預金という切り札を持ち出しあれこれ難癖を付けてきます。

名義預金でないためには「あげる。もらう。」の合意があり通帳と印鑑は受贈者(もらう人)が持つ、なおかつ自由に使えなくてはなりません

そんなこと無理ですよね。毎年100万以上のおこずかいをもらってゲーム一つ買わないなんて子やにはできゃしません。大人になったって同じこと、不労所得の贈与があれば車買ったり旅行行ったりするのが普通、もらった爺婆様にはお土産にあじの開きくらいが相場としたものです。

CIMG1966よほど出来の良いご子息でも渡してしまったらお仕舞いです。

ゆえに暦年贈与は節税効果は高いけどデメリットも大きいと申し上げたいのです。

一番いかんのはコツコツまじめに働きわずかなお金を稼いで生活するという慎ましやかな人間性をぶっ壊すことですね。罪作りな暦年贈与です。まったく。

生前一括贈与はデメリットが大きいのでやめた方がよい理由

生前一括贈与はデメリットが大きいのでやめた方がよい理由。

日経新聞のマネー計画に生前一括贈与についての注意点をまとめた記事が掲載されました。生前の一括贈与は何かと縛りが多い。孫の教育資金を直系尊属がその都度贈与してもこれはもともと教育資金であり必要経費ですから非課税です。

あれこれルールに縛られて手間をかける意味があるとも思えません。ほとんど孫可愛やの動機と金融機関の宣伝効果でしょう。相続税がかからないのに贈与しすぎの爺婆様がいるのも悲しい話です。

CIMG1967よほど財産がない限り贈与は小出しに支援は最後に、本当に困っているときに、です。

金の切れ目は縁の切れ目とまでは言いませんが親子、孫でも金が切れるとギクシャクします。手元の現金をあわてて離さないことをおすすめします。

何があるかわからない老後人生です。計算通りにはいきません。

孫や子の喜ぶ顔が見たくてどうしてもあげたいのなら10万から50万までの小金を不定期にあげることです。くれぐれも定期的にあげて贈与を習慣にしてはいけませんよ。その上であえて言いますが子や孫への贈与節税効果以上の不都合が起こります。贈与は一時的な不労所得です。ろくなことはありません。一生懸命働いている子や孫の為になるとは限らんのです。

贈与税の税務調査はあるのか.

CIMG1831贈与税の税務調査、あまり聞かない税務調査です。

相続税と贈与税は資産税と言い税務署内でも担当が別れます。贈与税は相続税の補完税的な性格があり相続税の税務調査の時に贈与税の調査も行われるのが普通です。

贈与税単独で税務調査をするほど税務署は暇ではないですが、無申告の大きなお金の動きはきっちり把握していますから不動産の譲渡や保険金などの受取りには目を光らせていると考えて良いでしょう。

怪しい案件には得意の「お尋ね」を発信して脅しをかけてきます。全部お見通しですよ、自主的に修正申告して手間をかけさせないでもらえませんか、といった具合です。

こうなったら蛇ににらまれた蛙ですから身に覚えがあろうと無かろうと放置することはできません。自主的に修正申告をすれば納税はやむを得ないですが基本的におとがめなしとなります。

もともと税務署はまともに争って勝てる相手ではありません。早々に幕引きをするのがベストです。税務署にしてももともと相続税のかからない貧乏人の贈与を見張ってみても意味がありませんからね。

普通の家庭で家族間でお金が動いてもそれは生活費であったり学費であったりします。子供にせがまれて車を買って誰も贈与税を払ったりしません。出来の良い子が海外留学をして仕送りをしても贈与とはなりません。税務署も金融機関のお金の動きは把握できても中身まではわからないのです。生命保険や不動産の譲渡など非日常的なまとまったお金が動くとき税務署は注目します。数年泳がせておいて申告しないようなら「お尋ね」で自主申告をうながします。

課税当局のお堅い方でも納税協会などで一杯入ると口が柔らかくなります。そういう席では結構本当のことを教えてもらえます。時期により税務調査に力の入り方が変わるそうですし、成績ということもあるようです。話していると統括官といえども普通のわが身保身のサラリーマンです。ただ課税当局の質問検査権は強力で甘く見てはいけないことだけは間違いないそうです。全部事前に調べて話を誘導するそうですから油断がなりません。

相続税の税務調査は調べに来るのではなく確認しに来るのです。

ゆめゆめ油断なきよう、甘く見ないよう申し上げておきます。

 

生命保険の名義変更で贈与税はかかるか

生命保険の名義変更で贈与税はかかるか。

生命保険の名義変更は国税庁では「生命保険契約について契約者変更があった場合」として照会に対してと回答しています.

「相続税法は、保険事故が発生した場合において、保険金受取人が保険料を負担していないときは、保険料の負担者から保険金等を相続、遺贈又は贈与により取得したものとみなす旨規定しており、保険料を負担していない保険契約者の地位は相続税等の課税上は特に財産的に意義のあるものとは考えておらず、契約者が保険料を負担している場合であっても契約者が死亡しない限り課税関係は生じないものとしています。したがって、契約者の変更があってもその変更に対して贈与税が課せられることはありません。ただし、その契約者たる地位に基づいて保険契約を解約し、解約返戻金を取得した場合には、保険契約者はその解約返戻金相当額を保険料負担者から贈与により取得したものとみなされて贈与税が課税されます。」

と回答しています。
CIMG1933なんのこっちゃ、相変わらずすっきりと理解できないお上の文面ですが、要するに契約者が誰であるか関係なしに保険料を負担せずに死亡保険金を受け取ったら相続税を課税します。

解約すれば解約返戻金を受け取った段階で名義変更していればその時の契約者に贈与税を課税しますよ、と言うことです。

お金に変わるとき課税関係が発生するだけでそのほかの名義変更等は課税当局は関知しませんよと言うことです。

お金になるとき銀行を経由せずに受け取ることはできませんから課税当局にとってすべて手の内なのです。

贈与税の調査は相続税と一体ですから相続税のかからない貧乏人には名義変更しても課税当局に関心をもってもらうことはあまりなさそうです。

しかしです。下記に詳しく書きました。

◆贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

しかし支払調書が届くと税務署としては放置するわけにはいかなくなります。この辺の見極めは重要です。

 

生命保険の名義変更で無申告加算税が!

生命保険の名義変更は要注意、贈与税の無申告加算税が課せられる可能性があります。

生命保険は契約者を自由に変更できます。被保険者は契約するときの条件の一つですから何があっても変えることはできませんが、契約者と受取人は簡単な手続きで変えることができます。

保険の営業をやっていれば名義変更をすすめる場合があります。課税当局に通知が行くのは保険金や解約返戻金が支払保険料を100万円以上上回ったときだけですから大丈夫です。という例の話法です。

どこに届けCIMG1691出る必要もないですし直接の関係者以外は知り得ることがないのです。従って生命保険の名義変更をしただけでは何事も起こりません。

ここに課税関係の問題点が潜んでいます。

保険会社の営業職員やら保険代理店の言うままに名義変更をして知らぬ存ぜぬを決め込んでもよいものでしょうか。また生命保険の名義変更が贈与と言うことなら時効はどうなるのでしょうか。悩み尽きない方のお役に立てばと思い下記8項目のポイントをまとめました。

①生命保険の名義変更とは、詳しく説明すると。

②贈与税、相続税が課税されるパターンは。

③非課税になる保険金もあります。

支払調書を保険会社が提出すると。

⑤生命保険の名義変更に対する課税庁のスタンス。

⑥無申告加算税、重加算税の厳しさについて。

⑦ここでも贈与税の時効について。

⑧生命保険の名義変更にかかるリスクまとめ。

① 生命保険の名義変更とは、詳しく説明すると。

生命保険の名義変更とはわかりやすく言えば保険契約の契約者変更です。契約者とは生命保険の所有者です。保険会社に契約の申込みをして保険料を支払う人で、契約の当事者です。その当事者を他の誰かに変更するということは、譲渡するということになります。

有償による譲渡は売買であり、無償の譲渡は贈与です。ここで問題にしている名義変更とは保険契約の無償の譲渡、すなわち贈与のことです。

死亡事故や満期には生命保険金が支払われ、解約すれば解約返戻金があり、それを受け取る権利がある人、もしくは保険金を受け取る人を指定できる権利を持った人が契約者です。その権利を名義変更して他の誰かに差し上げるのが契約者の変更です。

よって金銭的価値のあるものを贈与していることに間違いはないわけです。普通で考えれば親が契約している生命保険を子に有償譲渡はしません。生命保険の名義変更とは保険契約の無償譲渡、つまり、まぎれもない贈与なのです。

② 贈与税、相続税が課税されるパターンは。

生命保険の名義変更は贈与者と受贈者の関係でいろいろなパターンがあります。個人⇒個人、法人⇒個人、個人⇒法人、法人⇒法人と様々ですが、ここでは個人⇒個人と法人⇔個人について説明します。

その1 個人⇒個人

個人⇒個人の契約者変更はほとんどが親⇒子になります。子⇒孫や祖父⇒孫という場合もありますが原則は同じです。ただし被保険者により課税関係が変わりますので一覧表を作成しました。

■被保険者が親(被相続人)の場合

 
契約パターン①契約者被保険者受取人説明
変更前
相続発生時は死亡保険金が相続税の対象
変更後無償(贈与):受取保険金が相続税の対象、解約返戻金は贈与税の対象
有償(譲渡):受取保険金又は解約返戻金は一時所得の対象

親が被保険者の場合を考えてみると、親から子へ名義変更していても、相続発生時点では相続税がかからなければ過去の贈与も知られていないわけですからおとがめなしとなるように思います。すでに親から名義変更をしてしまった人は解約などせずにそっと持っておくことが大事です。親が亡くなり親からもらった生命保険の保険金を手にした時に課税関係が発生しますから相続税がかからないなら贈与税の問題は晴れてクリアできたことになそうです。

しかし相続税がかかる人はそうはいきません。相続税の税務調査で過去の贈与と相続税の申告漏れが発覚することになります。これまでの保険料負担者が誰なのかは銀行のお金の流れを追えば隠しようがないのです。生命保険の契約者は確かに子ではありますが、とやかく言わずその時は贈与税ではなく相続税をきちんと払い精算すればよいのです。

■被保険者が子(相続人)の場合

契約パターン②契約者被保険者受取人説明
変更前解約返戻金相当額が相続税の対象
変更後無償(贈与):相続税がかからなければ発覚せず、解約返戻金は贈与税の対象
有償(譲渡):子の相続時に孫が相続税

子が被保険者の生命保険契約は親が被保険者の場合と異なります。名義変更しても親の相続時に生命保険がお金に代わるわけではないからです。わかりやすく言うと親の相続時点では契約者たる地位に基づいて保険金を受け取ったわけではないですから相続税がかからなければ何も起こりません。子が被保険者である生命保険がお金に代わるのは何十年も先の子の死亡時に孫が保険金を受け取る時になります。理屈から言えばその時に課税関係が発生するわけですから放置しておけば孫の代に引き継がれます。

でも相続税がかかるレベルの人は、そこまで当局が納税を猶予してくれるとも思えません。税務署は相続税の調査をするときは家族の銀行口座のお金の動きを過去にさかのぼって把握してきますから、それまでの保険料の支払いは保険会社からの支払調書が行かなくても完全に把握可能というわけです。なるほど、もしそうだとすれば保険契約の相続はやはり解約返戻金相当額に課税してくると考えるのが妥当です。

その2)法人⇒個人

名義変更は法人から個人へも可能ですから会社でかけていたお宝保険を退職慰労金として個人へ現物支給することはよくやります。解約返戻金相当額で支給することになりますから保険金との差額が儲けとなり相続税の対象となります。

後継者に資金的余裕があれば後継者に有償で譲渡し、新たな契約者および受取人とすると保険金受取時の課税関係は相続税から一時所得に変わります。親がお金を融通してもよいから親が被保険者の保険契約は後継者が買い取るべきです。それぐらい相続税と一時所得では税率が違うのです。普通の場合は相続税より一時所得のほうがかなり有利になります。

その3)法人⇔個人

経営者は会社で医療保険を契約します。保険料は会社で負担し損金で落とします。人間ドックで精密検査を指摘されたら個人名義に変更します。検査の結果、異常無しなら法人契約に名義変更し会社で保険料を払い続けます。ガン保険でも同じことですのでうまくコントロールすれば個人で無駄な保険料を支払うこともありません。

医療保険やがん保険の中には解約返戻金がな無いものもあります。名義変更しても所得にも贈与にもならないけれどしっかり保障が確保されるわけですから、とてもうまいキャッチボールになります。医療保険といえども下手に法人で保険金を受け取ると雑収入として課税対象になりますが、個人で医療保険の保険金を受け取ると非課税です。

名義変更はとても簡単ですので、こまめにご利用ください。

③ 非課税になる保険金もあります。

CIMG2450誤解があるといけませんので、補足説明になりますが、生存給付型の保険金で入院給付金や診断給付金などの医療保険の給付金は基本的に被保険者が受取りますが税金は非課税です。

生存給付金がある場合でも通常それまでの払込保険料を生存給付金が上回る事はないと思いますから申告は発生しないとしたものです。

医療保険以外でも生命保険の解約返戻金は通常払込保険料を上回る事はありませんから一時所得にもならないのですが、新たな契約者として保険料を負担していないのに解約返戻金を受け取るというと、そこはやはり贈与という課税関係が発生します。

④ 支払調書を保険会社が提出すると。

普通支払調書といえば個人事業主が一年分の支払いを証明してもらい確定申告に使用する書類ですが、ここでいう支払調書とは所得税法で規定されている「生命保険契約等の一時金の支払調書」のことです。

実にシンプルな書類で保険契約の名義変更など記載する枠すらありません。それじゃわからないだろうと思っても残念ながらそういうものでもないのです。税務署が疑念を持ち契約内容と経緯を照会すれば保険会社は洗いざらい報告しますから隠しようはないのです。本人の収入に見合わない過大なお金が保険会社から支払われていれば、疑って当然なのです。

かっては個人が受け取った保険金や解約返戻金が支払保険料を100万円以上上回らなければ支配調書は発行されないという説明もまかり通っていましたが、国税庁のサイトを見る限り支払保険料の累計額にかかわらず、100万円以上支払いがあれば支払調書は税務署に提出されると思われます。

とすれば逓増定期保険の名義変更で個人名義に変更後解約すればすべて課税当局には支払調書が提出されていることになりますから、やはり一時所得の申告は放置できないところです。

⑤ 生命保険の名義変更にたいする課税庁のスタンス

単に契約者を手続き上変更しただけでは贈与税の対象にはならないという国税庁の回答があります。契約者として保険契約を解約し解約返戻金を取得した場合には贈与として課税するという立場です。

保険契約がお金に代わる時初めて課税関係が発生する。

すなわち贈与の始まりであり贈与の時効の開始となるわけです。誰に名義変更をしてもお好きなように、解約返戻金をうけとったり相続税の調査の時にお相手しますという、どうもしっくりこない理屈ですがね。

⑥無申告加算税、重加算税の厳しさについて。

追徴課税というのは過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税、の4つのパターンに延滞税がオンされます。本税に上乗せして課税されるのでサラ金真っ青の厳しさなのです。

私は払ったことがないので実感はわいてきませんが加算税率は半端ではありません。完全なペナルティ税率ですね。参考までに以下に税率表を作成しました。

贈与税の時効を待つ身には脅かし以外の何物でもないです。贈与税でいうと過少申告加算税か無申告加算税ぐらいでしょうか。贈与税の追徴だけでもありがたくないのに加算税とは、とほほです。税務署から「お尋ね」があれば放置せずに自主的に修正申告することが傷口を広げないことになります。

項目説明加算税率備考
過少申告加算税自主的修正申告加算なし正当な理由があると認められる場合も同様。
期限内申告、修正・更生10%
50万円までの部分
15%50万円を越える部分
無申告加算税自主的期限後申告5%正当な理由があると認められる場合も同様。
期限後申告15%50万円までの部分
20%50万円を越える部分
重加算税仮装・隠ぺい事実35%期限内申告の場合
40%期限後申告の場合
延滞税法定期限までに完納しない場合7.3%~14.6%最初の2か月間は7.3%、それ以降は14.6%

⑦ ここでも贈与税の時効について。

贈与税の時効いに関しては下記のページで詳しく書いています。
◆贈与税の時効を気に病む人へこれで安心、秘策公開!

生命保険の名義変更をすればまぎれもない贈与であることはご案内の通りです。有償で譲渡すれば売買となり贈与ではなくなりますが実際は親子間で誰もそんなことはしません。

保険代理店の言うままに名義変更して放置するのが普通のパターンです。そのときこれは贈与になるかもしれないと気が付く人のほうが少ないのではないでしょいうか。あとになってじわじわ気になるのが贈与税の時効です。

数年たつと延滞税などが気になりだします。時間がたてばたつほど修正申告はできにくくなります。生命保険契約がお金に変わることなく相続に突入すれば贈与税は相続税に代わります。途中解約したり満期金があると課税当局の知るところとなりそうはいかなくなります。この辺が見極めどころかもしれません。

⑧生命保険の名義変更にかかるリスクまとめ。

生命保険の名義変更には確かに贈与税という問題が隠れています。多くの勘違いは相続税がかからなければ贈与税も関係ないであろうという勝手な思いこみ、生命保険の契約者を変更することが資産の移転であるという認識の欠如、贈与税と言う一般庶民には日常的になじみのない税制、確定申告の手間や税理士への相談などがハードルになりついつい放置されてしまいます。

日本中いたるところで生命保険の名義変更は行われていて、その多くはいまだ露見せずということかと思います。時々満期保険金を受け取ったり解約返戻金を受け取ると税務署の知るところになり「行政指導」としての「お尋ね」がとどき、慌てふためいて修正申告をする羽目になります。

生命保険の名義変更をしてはいけないと申し上げているわけでもなく、正直にその都度贈与税の申告をせよと申し上げているわけでもありません。どうなった時に税務署が贈与の事実を知りえるのか、最悪の場合はどうなるのか、注意点は何かをお伝えしたいと思ったことが執筆のきっかけです。さんざん検索をしましたが断片的情報ばかりで自分の場合どうなるかがわからないのです。

結構詳しいつもりの自分の場合が、果たしてどうなるか見えてこなかったのが動機とも言えるでしょう。誰しも申告していない隠れ贈与はあります。一筋縄ではいかないけれど保険契約がお金に代わる時がポイントであるとは言えると思います。

 

贈与税の税率は高くないが贈与は親子の縁を軋ませる理由。

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贈与税の税率は税率表で見るほど実際は高くないのです。

贈与税 誰が払う、意外と勘違いします。よく考えればわかりそうなものですがあげた親の方が払うつもりになっていて、もらった子どもは知らん顔なんてよくあります。

贈与税はもらった人、つまり受贈者が確定申告をして納税する責任があります。言ってみれば受贈税ですね。

そんなめんどくさいことは親まかせということもよくあります。

自分がいくらもらっていくら贈与税を払ったか知らないケースもよく見かけます。

もう一つの勘違いは贈与税の基礎控除110万や贈与税率の規制は、もらったひと受贈者ごとの制限です。両親から別々にもらっても合わせて一年間にいくらもらったかで贈与税が決まります。

納税者も税率もすべて受贈者を起点に考える仕組みです。でも受贈者が不動産をもらったときなど納税できないときには贈与者に納税責任が発生します。実質的には受贈者よりよほど贈与者の方がよほど気を使う贈与です。

暦年贈与のデメリットが意外と大きい理由を説明すると

贈与税の税率はきちんと計算すればそれほど高くありません。

例えば直系尊属からの贈与は基礎控除110万、贈与額ごとの贈与税率、控除額を差し引いて実質的な贈与税の税率を計算すると、

310万の贈与なら実質の贈与税率は6.45%。510万の贈与なら実質の贈与税率はわずかに9.8%となります。

念のための計算式です。(エクセルがうまく貼れないので抜き書きです。)

A) 310万(贈与額)-110万(基礎控除)=200万(贈与税対象額)

200万(贈与税対象額)×贈与税率10%(控除額0円)=贈与税20万 20万/310万=6.45%

B) 510万(贈与額)-110万(基礎控除)=400万(贈与税対象額)

400万(贈与税対象額)×贈与税率15%(控除額10万)=贈与税50万 50万/510万=9.8%

贈与税の税率表を見て判断するのではなく実際に計算してみると贈与の税率の低率部分では所得税よりお得な税率になっています。

どんどん暦年贈与を活用して資金を移動するのがお得なわけです。そんなに難しくないですから一度自分で贈与税を計算してみるのが明快ですね。贈与税の税率は思ったほど高くない、実感できると思います。

贈与税は相続税と同じく一定額以上になった場合にその超過金額に対してのみ、一つ上の税率を適用する超過累進税率方式になっています。超過していない低い部分の税額をもともとの低い税率にするため税率表には基礎控除の110万とは別に税金の控除額が記載されています。この控除額を引くことで税率表の税率より実際の税率が低くなります。

贈与税の税率は決して高くないのですが、安易な贈与は親子関係に軋みをもたらす元です。

贈与の迷路で迷ったときのしるべ11選です。ご参考までに。

◆暦年贈与の注意事項3つあげると

◆贈与は保険で受けるのがベスト

◆贈与、贈る気持ちともらう側の腹積もりが複雑怪奇。

◆気安く贈与する失敗が招く家庭不和。

◆この子にはやりたくない贈与

◆下手な贈与は争いのもと、親心と贈与の難しさ。

◆兄弟にどう贈与するか公平主義か秘密主義か

◆贈与の基本的な考え方私見

◆感謝される贈与のやり方をこっそり伝授

◆贈与者と受贈者の気持ちを整理すると見えてくる贈与の本音。

◆子供に金を残すくらいなら使い切りなさい。

 

贈与で子供に金を残すくらいなら使い切りなさい。

CIMG1806子供に金を残すくらいなら使い切りなさい。

お金というものはあったらあっただけよいというものではないように思います。

 

少し足りないくらいがもめ事が少なくなります。子供は可愛いからお金を渡したくなるのが親心です。

もらう側の子供にすればいきなりの不労所得、そのときはうれしいし助かりますからくれた親に感謝します。でもその感謝も長続きしません。

何度もあげると今度はもらうのが当たり前、もらえなければ不満に思います。

お金を上げた結果、疎まれるというか、金の切れ目が親孝行の切れ目というか、そういうものです。

ですから我が子も含めて人への援助は最後の最後でよいのです。お祝いはいち早く届けるのがコツですが、援助はあわてないことです。

暦年贈与の難しさも「あげる・もらう」が当たり前になることの難しさがあります。あげたものを返せとは言えないですから時として贈与ばかりがよいとも限らないのです。

せっかく自分の老後のためにためたお金ですから思い切り散財すればよいのです。豪邸に住み高級外車に乗り世界一周旅行に行き、ブランド物で身を固めるのもよいものです。というかうらやましいことです。お金は残さなければもめ事のネタは少なくなります。その方がお子達も人間的によく育ちます。子供に金を残してやりたい親心は痛いほどわかりますが、子供に金を残すぐらいなら使い切りなさいということも半面の真理としあることは間違いないのです。

ただし使い切って長生きして銭足らずなんてことにはならないよう、くれぐれも計画的に。

贈与者と受贈者の気持ちは、えこひいきが贈与の本音。

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贈与者受贈者本音、贈与者は通常親か祖父母になりますが贈与する立場で本音を言うと

節税はしたしされど無闇に贈与はしたくないといったところです。

贈与する側が自分で通帳も印鑑も管理して定期的に贈与証書を作成して念のために公証人役場に日付の証明をもらいに行くまで手間をかけてもお金は直接渡したくないというパターンは相続税の税務調査において名義預金で否認の最たるケースです。よくあるというか、ほとんどこのケースです。少々出来の良い子でも後継者として期待している子でも、早めの贈与はしたくないし、贈与は親が管理したいと思うものなのです。

渡せば貰うで贈与は成立しますが、それではもらう側の無駄遣いは管理できません。

もらう側からすればケチくさいことをして相続税を多く払う羽目になるのはごめん被りたい、いつまでも一人で握って裸の大将でいれば損をするのは後継者になるとの思いです。

それぞれに思いは違いますが贈与においては、ストレートに本音はぶつけるわけには行かないところです。

こういう贈与の問題は第三者に依頼して設計させることです。

保険を始め贈与者・受贈者双方が納得するうまい仕組みがいくつもあります。専門家にご相談ください。

親も子も納得する贈与システムはやはり暦年贈与終身保険に加入する手です。これならムダ遣いの心配はなくなりますし、相続対策にもなります。でも注意すべきは契約者は子であるということです。とすれば保険証券も契約者の住所も子になっていないとおかしいわけです。会社の金庫に保険証券をしまっておいたりぜずに子に、ちゃんと説明し渡して管理させることです。

教育資金一括贈与は無意味か安心確実か?

教育資金一括贈与は安心確実か?

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2015年12月31日までの時限措置として孫への教育資金贈与が1500万円まで非課税ということです。

(同制度は平成30年3月31日まで延長されています。)

但し金融機関を窓口として学校を通じて領収書を提出できるものに制限されます。確かに無駄遣いの防止にはなりますが、もともとどういう意味があるのでしょうか。

教育資金なら日常的に領収書などと言わなくてもその都度あげればよいわけですし、別に贈与税の非課税枠110万円もありますからあえて有効な制度とも思えませんが金融機関の宣伝で多くの契約が集まっていると聞きます。

この制度が節税効果をあげるのは相続税が大掛かりで、かつかなり高齢の資産家にとってまとまった資金贈与で相続税の節税をはかることが目的ならそれなりの価値があります。

普通の団塊世代の小金持ちの高齢者には金融機関に手数料を払って利用するほどの価値があるかどうか検証する必要がありですね。

もらう側としては贈与でも都度贈与でも相続でも出してくれるのならそれでいいですが

本音を言えば教育資金の贈与で手間がかかるのはいやですね。

手間をかけてもよいケースは、娘が二人で結婚して孫が5人のようなケースで、さらに相続税が間違いなくかかる方ですね。この場合一人頭1500万非課税で贈与できれば7500万もの金額が相続財産から税金なしで移行できるのですからすごいこととは言えます。

この制度のよいところは贈与者(両親/祖父母)が途中で亡くなっても贈与税や相続税が課せられないところです。ただし受贈者たる孫や子が30歳になって残額があれば贈与税の対象になるというわけです。これなら贈与者も納得できそうです。資産具合によって使い分けが必要な制度です。

感謝される贈与のやり方をこっそり伝授

CIMG1814 感謝される贈与のやり方をこっそり伝授しましょう。

贈与はもらう側にとってとてもうれしいのです。現金を手渡してくれるのは実感が伴うので感謝の気持ちも倍増です。

でも普通は大事に遣うつもりがしばらくすれば大方なくなって何に遣ったかわからないようなことになります。

それでも10万ずつもらうと実際生活費にあてたとしても気持ちが豊かになり感謝の気持ちがわいてきます。

相続税とか贈与税とかに関係なく非課税の範囲でこまめにあげることが喜ばれる贈与のコツですね。

ただ癖になると今度はもらえるのが当たり前になり、もらえないと口には出さないけど不満がでるものです。

感謝の気持ちというものは長続きしないものなのです。

目的が相続税の節税であれば困っているときにまとまった資金を援助してあげたりローンの返済を肩代わりしてあげると大きく感謝されます。普通の時に贈与するのではなく本当に困っているときの贈与は価値があるということです。せっかくですから感謝させる贈与をよく考えて実行したいものです。

贈与の基本的な考え方私見

CIMG1819贈与の基本的な考え方私見です。

贈与はよく考えて安易に行わないことが大事です。知り合いの経営者がぼそりと言いましたが

「汗水垂らして稼ぐのと違ってお金をただでやるとろくなことがない。」

確かに不労所得を手にすると後継者の出来不出来にもよりますが心がけが変わることがあります。一般的に贈与の基本的な心構えを3つあげると、

その1)恩に着せないこと。

その2)保険で受けること。

その3)秘密主義で親の財産を詳しく教えないこと。

となりましょうか。自分で使い切るぐらいのつもりで、とは言っても経営者にとって後継者に事業承継する場合は早めの贈与対策が必要になります。それぞれの事情、相続財産の多寡、事業承継の都合によっても変わりますが贈与の基本は慎重に熟慮して長期的展望と覚悟を持って対処すべきですね。

いろんな場面に遭遇してきましたが、贈与で一番いかんこと、一番甲斐がないことは恩に着せることだと言えると思います。せっかく喜ばせようと贈与をしても恩着せがましいことを言えばその価値は雲霧消散してしまいます。人の気持ちを考えるなら何も言わずに「いつもすまないね。」と言ってお金をあげつつ感謝の気持ちを伝えるのです。例え親子だろうが同じこと、相手の気持ちを大事にすることですね。

兄弟姉妹に贈与|公平か内緒か、間違うと一大事。

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兄弟にどう贈与するか公平主義か秘密主義か、内緒にすべきか誰しも悩むところです。

子どもに贈与する場合独りならよいのですが兄弟姉妹がいる場合は公平にしたくてもそうはいかないケースの方が多いですね。

もともと嫁にいったり独立したり、これまでにかかったお金もみんな異なります。そこへきてそれぞれの子らの事情も違います。

就職がなくて金に困っている子、始めたものの事業に行き詰まっている子。比較的安定した生活をしている子も子供の進学とローンで苦労していたりします。

我が子といえども相性があり好き嫌いもあります。とても平等にはできないのが普通です。同じ金額を贈与しても不公平に思うのが人の人情、あげなきゃよかったとなることもままあります。

結局自分の気持ちに素直にあげること、しいていえば秘密主義で思いだしたように不定期にあげることが争いを少なくするコツでしょうか。秘密主義とは平たく言うと内緒ということです。

中小企業の経営者は公平より企業継続を優先すべきです。

ただ自社株評価が高くて事業承継に苦労している中小企業のオーナーはもっと計画的に展望を持って取り組まないと会社の存続にかかわります。特に兄弟間の後継者争いが起こらないようきちんとした絵を描いておくことが肝要です。

普通の家庭なら兄弟平等にということもあるでしょう。田舎では家制度の考えが残っていますからまだ長子相続、たわけもの(田圃を分けるのは馬鹿者という意味・取れ高が少なくなりどちらも立ち行かなくなるから)ということもあったりします。

会社経営でも平等は事業承継を危うくすることにつながります。後継者を決めれば資金を集中する必要があります。他の兄弟には遺留分放棄をさせてでも、とまで考える経営者すらあるのです。

兄弟と言えども平等は少しも平等にならない場合もあります。それゆえ秘密主義もやむを得ないこともあります。贈与といえども立場立場で一筋縄では行かないのです。

贈与は孫にするとゼッタイお得な理由。

贈与は孫にするとお得な理由があります。

財産を贈与すると贈与税という税金がかかります。相続財産として子に残すと相続税がかかる場合、贈与を考えます。贈与には基礎控除として受贈者一人一年あたり110万円の非課税枠があります。これをうまく活用して非課税の範囲か、もしくは少額の贈与税を納税しつつ相続財産を減らしていくやり方です。暦年贈与と呼ばれますが、実際は相続税のかかる人ばかりが贈与をしたいわけではないのです。

相続税がかからなくても子や孫に贈与をして喜ばしてやりたいと思うのが人情です

でも下手な贈与は争いのもと、親心で贈与して争いになったんでは本末転倒もよいところです。普通はまず自分の子に贈与を考えるものです。子のうちには金に困っている子、親思いの子、遠方に嫁にいった子、それぞれの事情で金には苦労しているものです。CIMG1822家計が苦しくて親に援助を求める子も親にしてみれば心配の種です。お金というものはよほど達観していてもあったらあったで苦労するけどなけりゃないでやりくり苦労があります。

そこに子にとっては予定外の贈与をもらえば大助かりですが他の兄弟のことが気になります。子に配偶者でもいればよけいな勘ぐりでさらに複雑な状況も起こってくるものです。

相続税の増税でにわか相続税対象者は下手な贈与をするくらいなら知らぬ存ぜぬで放置するのも妙手な場合があります。

相続税は相続人が払うもので黄泉の国へ旅立った被相続人が気にしても仕方がないとも言えます。わが子に遺産を当てにするなと言うほうが無理ではありますが、むやみな贈与をせずに成り行きに任せることも選択肢としてあるのではないかと思ったりします。

ただ親心としては、生きている間にわが子や可愛い孫にはできればお年玉をあげて喜ぶ顔が見たいのです。ポチ袋に入るくらいならいいですが、贈与となるとお正月に限らず大きめの金封に「気持ち」と書いて渡したりします。孫にとっては巨額のお年玉ですから親に内緒と言われても黙っていられません。そうこうして家庭内には波風が立ちはじめます。

贈る事情もおありでしょうが、もらう側の状況と都合にも配慮して、できれば援助としての贈与はギリギリに、少額のお祝いは一番にあげてください。ただし自分の老後資金に十分な余裕をみてということになります。

悲しい現実ですが、贈与はあげだすと金の切れ目が縁の切れ目になったりします。

そんなつもりで世話をしていないのに、悲しいかなそんなつもりが心の中にできてし
まうのです。不思議な心理ですがこれは体験するとわかります。

贈与は孫にするとゼッタイお得な理由を5つにまとめました。

1)贈与は子にするより孫にするほうがもめ事が少ないように思います。ただし孫には何人いても平等にです。わが子には兄弟ごとに差を付けたりしますが孫なら平等でもしっくりするものです。

2)贈与を孫にすると次の代なので相続税がかかる方なら一代飛ばしの節税効果があります。孫は相続人ではないので2割加算はありますが有利には違いありません。

3)孫は相続人ではないので孫への贈与は贈与の3年もち戻しもありません。もともと相続税と贈与税は同じ穴のむじな(古い言い方で失礼)というか補完関係にありますから相続発生直前の駆け込み贈与は相続税にもち戻して課税されます。CIMG1832

4)へは教育資金の一括贈与などで1500万の非課税枠があります。別に教育資金は孫のために祖父母が負担しても、もともと非課税ですが一括して贈与税無しで1500万を孫に移せるメリットはあります

(注:教育資金の一括贈与は平成27年12月31日で終了しています。)

5)生命保険料分を毎年贈与して子が被保険者、孫が契約者、受取人とすると孫が生命保険金として受け取る時は親の相続時ですからずいぶん先のことになりますが、ムダ遣いの心配がなくなります。もちろん孫が成人して急に資金が入用な場合は契約者貸付も使えますし、いざというときは解約して現金化することもできます。

贈与するなら孫がよい理由は様々ですが一番あげたい理由は世間の垢にまみれておらず、無垢な分だけ素直に喜んでくれるということです。孫が小さいうちは勘繰りもしなければ複雑な人間関係も影響を与えませんし、金の切れ目が縁の切れ目などと思わすに済むところが何よりなのです。

親不孝┃この子にはあげたくない贈与。

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親不孝、この子にはあげたくない贈与。

贈与税は相続税の補完税的性格があります。相続財産の前渡しのような仕組みですから税率的にも額が大きくなると相続税より不利になるようになっています。

相続税より贈与の税金が安ければ生前贈与ばかりになりますからね。少額なら贈与、大きな遺産は相続税と言うことになります。

生前に贈与するには親子関係がしっくりいっていないといけません。

遺言を書くならそれでよいですが多くの方は遺言まで書くほどの気持ちはもっていないと思います。

相続税を払わなくてよいレベルでも遺言書は必要です。遺言書がなくて相続になれば誰にどれだけあげるかは法律で指針が示されます。しかしながら故人の財産は個人のものです。誰にどれだけあげるかは遺言書の効力が何より勝ります。

でも贈与にはあげる側の親の気持ちがでてしまいます。

いくら公平にと思ってもかわいい子とそうでない子がいます。親不孝な子もいます。一銭も渡したくないほど腹の立つ子もいます。それは人間だから仕方がありません。

相続になればあの世であきらめて眺めるしかありませんが、生きているうちの贈与は自分の思いどうりにしたいものです。そうですよね。

あげたくない子にあげずにすます方法はやりたい子に小金で渡すしかないですね。できるだけ内緒でこまめに。

世の中の基準をフェアーと考える間違いが迷いを生みだします。世の中のすべてはもともとアンフェアーと理解することです。アンフェアーこそが人間社会の基準の根底にあります。親子関係とてアンフェアーを前提にすれば遺言書は不可欠ですね。

自分が死んだら、後のことはわからないのだから気にしても仕方がない、という考えもあると思います。それはそうですが、後に残る家族が醜い争いをしないためにはしかるべき準備として遺言は必要だと思います。果たしてあの世からこの世が見えるかどうかは知りませんが、自分の死後でも遺言という自分の意思が家族のもめごとを裁いていくのは悪い気はしません。

気安く贈与する失敗が招く家庭不和。

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気安く贈与する失敗、贈与税がかかるかからないに関わらず贈与すれば何も考えていない子等が相続財産を意識するようになります。

親の方がまだ十分に財産を把握していないうちに子供は相続関係の本を購入して勉強を始めあれこれ言ってくる訳です。

にわかコンサルタントになり節税の妙案を提案するようになります。親の金目当てほど露骨ではないにしろ親切そうにアドバイスをします。

子に贈与したり遺産を渡すのは仕方がないですがどのように渡すのかどのように分けるのかは親の権利です。

のらりくらり「いくらあるかわからんなあ。」とか相続税がかかるほども財産はないとか言い逃れをして先送りしますが病気でもすると考えがぐらつき子等も矢の催促をするようになります。

親切心が本音に変わり金欲しやのアドバイスに変わっていきます。陰にはやりくり苦労の配偶者がいるとしたものです。この辺から家庭不和の原因になります。

遠慮がなくなると思いやりもなくなります。

気安く贈与するのも失敗

につながりやすいですが、のらりくらりを続けすぎると恨みを買います。

贈与は時機を見て本当に困っているときに助けてあげること、または小金でこまめにあげることのどちらかですね。

贈与、贈る気持ちともらう側の腹積もりが複雑怪奇。

贈与、贈る気持ちともらう側の腹積もりが複雑怪奇。

CIMG1830贈与、贈る気持ちともらう側の腹積もりはどうしても複雑な心理になります。

何の見返りも求めるつもりもなく純粋にあげたい気持ちで贈与しても、気がついたら、頼んだことは気持ちよく何もしてくれない、自分の用事がなければ帰ってもこない、そんなつもりじゃないのにお金がからむと気持ちが濁ります。

子の方にしても親に親切にして何かと世話をしていても、そんなつもりがないのに金目当てのような気持ちが去来し兄弟姉妹間で不幸な妄想が膨らみます。まさに複雑怪奇。

贈与はお金が絡みますから、人間の性でしょうか、厄介な心理です。

そんなつもりがないのに今まで通りに気さくに親切にできなくなることがあります。

こんなことならあげにゃよかった、もらわなよかった、偽らざりし気持ちです。

でも本音の深いところではお金は欲しいのです、贈与は有り難いのです。困ったものです。もらう側の腹積もりも複雑です。

ここに贈与の難しさがあります。贈るほうも、もらう方も本音と建前のなかで揺れ動きます。節税も楽ではないのです。

贈与は生命保険で受けるのがベスト|安全確実ムダ遣いなし。

CIMG1832贈与は生命保険で受けるのがベストだと言えます。

親が子に贈与するとき一番の心配は贈与したお金を無駄に使うのではないかということだと思います。

 

できれば貯金しておいて大きなお金が必要になったときの足しにして欲しいと思うのも当然です。

生活費や遊興費に消えてしまっては自分のこどもだから仕方がないというものの苦労してためてきた金を釈然としない気持ちがよぎります。

贈与したお金で親を被保険者にした終身保険に加入することはなかなか利口な選択肢です。親が死んだときはほとんどの場合払込保険料以上の死亡保険金が受け取れます。

途中で解約すれば現金にはなりますが払込保険料よりも解約返戻金の方が少額になりますから解約にはためらいがでます。

この場合子がもらったお金で親に生命保険をかけていますから保険金は相続財産ではなく子供の一時所得扱いです。注意すべきことは贈与税がかかるレベルで贈与する場合贈与金額に贈与税分を足してあげてくださいね。

贈与というのは簡単そうで難しい問題をはらんでいます。あげる方ももらう方もそれぞれの思惑がります。贈与を表に出し公平を装うには生命保険は便利です。内緒の贈与は現金がベストです。

ケースバイケースで使い分けてください。

暦年贈与のおいしい使い方3項目を伝授。

CIMG1770相続税の最もオーソドックスで手堅い節税は暦年贈与でしょうか。

相続税のかからない人には関係ないですが平成27年の1月1日からは相続税の基礎控除が5000万と相続人一人当たり1000万から3000万と一人当たり600万へ下がりましたから相続税におびえる人が増加します。

かと言って早めに旅立つというわけにもいかんでしょうが、ガンの末期で余命一二ヶ月などと言われると家族一同困惑します。

それはさておき暦年贈与は確実に続ける必要があります。贈与税は相続税の補完税ですから相続税よりも税率が高くなっています。

今回の相続税の増税の不満を和らげるかのように贈与税の体系が一般の贈与の場合と、20歳以上の子どもに贈与する場合の税率が変わっています。直系の子どもへの贈与が有利になっています。

暦年贈与で注意することは子どもが小さいときだけです。ただ出来の悪い子どもの場合、贈与するしりから使い込んでしまうこともありますから工夫が必要です。

もともと贈与はあげる、貰うという意志が双方にあれば事足ります。

贈与契約書を作成し公証人役場で日付の証明をもらうことまでアドバイスしていた税理士もいますが、いくら形式的にそろえても名義預金と見なされればおしまいです。

暦年贈与を名義預金と見なされないためにはもらった本人が通帳と印鑑を管理していなくてはなりません。

一番良いのは大目にあげて一部子どもが自分で下して家電製品でも買っとけば間違いないところです。注意事項はすべてに当てはまるわけではないですが

①「通帳を子どもが管理する」②「贈 与したお金は親が被保険者となる終身保険で吸い上げる」③「時々多めに贈与して贈与税の申告をしておく」

といったところでしょうか。念のため納税するのは受贈者です。つまり子どもに贈与税の分もあげておかないと納税できなくなります。

また年間贈与を合算して申告するルールですが現金であげておけば多額でない限りわかり様がありません。でも遊興費に使っておしまいとなりそうですが。