相続対策と相続税対策の違い|なぜ節税だけでは失敗するのか。

相続対策と相続税対策は、一文字違いでよく似ています。しかしこの二つは意味合いも狙いも別物です。

両方を意識して相続対策をするためには、どのような視点が必要かを検証しています。

◆ 「相続対策=相続税対策」という大きな誤解。

相続対策を「税金を減らすこと」と捉えるケースも少なくありません。

しかし現場で起きているのは、

・税金は減った
・でも納税キャッシュが足りなくなった
相続財産はキャッシュが一番。

・結果、売却するしかなくなった
カンタンにはできない相続税の物納、納税資金がないと一大事。

というケースです。

◆ 相続税対策は「数字」、相続対策は「人」。

相続税対策は、税額をどう下げるか
相続税が高いという誤解による過度な節税対策に落とし穴。

相続対策は、誰が、どう納得するか
老後の相続対策は相続税がかからなくても必要な理由。

この2つは、異なる性質のものです。

ここを混同すると、やっていることと結果に齟齬(そご)をきたします。

相続税対策はできたが、家庭不和の原因となったり、相続対策はできたが納税資金が足りなかったりすることが起こります。

◆ 節税ビジネスが生む「過剰対策」のトラブル。

・不動産を買えば節税になる
・保険に入れば安心
生命保険金を分けると相続税がかからなくても贈与税が。

・贈与を繰り返せば問題ない
暦年贈与のデメリットを克服する手法。

こうした提案の多くは、税金だけを見たビジネス視点です。

結果として、

・分けられない不動産
・解約できない保険
生命保険解約で失敗したくない方、ベストな手順公開!
低解約返戻金型終身保険の罪作り、ピンチで解約すれば大損デメリット。

結果として、説明が難しい対策が残ってしまうことがあります。

◆ 税理士への依頼だけでは対応しきれない場面。

税理士は主に税務の専門家であり、家族関係の調整は専門外となることが一般的です。家族感情や人間関係の専門家ではありません。

・相続人同士の関係性
・再婚・内縁・疎遠な家族
子がないと被相続人の兄弟に相続権、遺言書がないと嫁の悲劇。
・感情的な対立構造

これを無視した相続税対策は、火に油を注ぐことになります。

税理士の役割は重要ですが、相続ではそれに加えて家族間の調整も重要になります。

◆ 本当に優先すべきは「争わない構造」。

相続で最も大切なのは、

「誰が得するか」ではなく
「誰も壊れないか」

そのために必要なのは、

・遺言書
・生命保険
・生前の説明と合意

です。

◆ 相続税対策が「邪魔になる」ケースもある。

・節税のために財産を歪めた
相続税が高いという誤解による過度な節税対策に落とし穴。

・分けやすさを犠牲にした
・感情の整理を後回しにした
相続で遺留分の放棄をさせることはできるか、その意味と手続き。

こうした対策は、相続対策としては失敗です。

◆ このカテゴリーで扱う論点。

このページでは、
相続と税金を混同したことで起きた問題を、
以下の記事で整理しています。

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・相続税ゼロでも揉めた家庭の話
生命保険金を分けると相続税がかからなくても贈与税が。
老後の相続対策は相続税がかからなくても必要な理由。

・税理士提案を鵜呑みにして失敗したケース
相続税を節税したければ不動産に強い税理士を。

◆ 相続で一番高くつくのは「勘違い」。

相続税は、お金さえあればお金で解決できます。
壊れた家族関係は、元に戻りません。
相続対策と相続税対策を分けて考えることが、
最大のリスク回避です。

本テーマの全体像は → 生前贈与の基本解説はこちら

【参考】
・国税庁:贈与税のしくみ
・国税庁:相続税の計算
・法務省:相続に関するルールが 大きく変わります

★ このページを書いている人

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売る側で3年、買う側で20年。
法人保険・相続・事業承継の現場に長く関わり、
制度では説明できない「判断のズレ」と失敗事例を数多く見てきました。

保険の話は、商品や制度ではなく
「誰が、いつ、どう判断するか」で結果が決まります。

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判断を誤らないための視点だけを残しています。