法人保険のメインの役割は緊急予備資金。

企業にとって法人保険の役割の中で最重要なものは緊急予備資金です。

経営者にとって企業の継続は社会的責任です。いざというときの隠れた
キャッシュフローとして法人保険の解約返戻金が会社を助けます。

1)企業の責任はゴーイングコンサーン(継続企業)。

経営で最も重要なことは何かと言えばゴーイングコンサーンです。平たく言えば企業は継続することが最重要です。関与する人間は入れ替わっても企業はかじ取りを誤らない限り人の様に死ぬことはありません。経営者本人、経営者の家族、従業員、従業員の家族、CIMG2091その他取引先や会社に関わる人すべてにとって企業の継続が何らかの理由で終了することは最悪の結果と言えるのです。企業に関係する人にとって企業とは生活の糧を得つつ生きがいを見出しながら働く場です。ですから企業は健全で半永久的に継続することこそが社会的責任であり同時に最も重要であるであると言えると思います。それ故、事業承継に取組み後継者を育てることも継続企業のための責任範囲と言えるのではないでしょうか。

2)経営者にとって最も恐れることは倒産/資金ショート。

経営をされている中小企業のオーナー社長が最も忌むべきことであり、恐れることは、災害や事故でも赤字でも損害賠償でも幹部社員の退職でもありません。経営は多くのステークホルダーに支えられて成り立っていますからそれらに対する最大の不義理は倒産です。端的に言えば倒産の直接の原因となる資金ショートこそ経営上のあらゆるリスクの中で最大のピンチなのです。経営者にとればいくら用心しても用心しすぎることはないほどにキャッシュフローについては重きを置いておられると思います。この企業の血流とも言うべきキャッシュフローが途切れる瞬間こそ資金ショートです。その前に適切な輸血ができるかどうか、その万が一に対して資金の備えがあるかどうかが経営するものの責任と言えるのではないかと思います。

3)法人保険の重要な役割は緊急予備資金。

法人保険の役割は緊急予備資金、あえて申し上げればその機能がメインです。法人保険の役割には「事業保障」「節税」「緊急予備資金」「退職金準備」など様々な目的がありました。経営というものの本質を「継続企業」と考えると節税や退職金準備などは重要ではありますが緊急予備資金に比べれば些細なことなのです。

さらにドライに踏み込んで申し上げれば事業保障は経営者万が一の企業存続資金となりますから重要には違いないのですが、経営者本人にしてみればその時に自分はこの世での役割を終えているわけですから、CIMG2166もはや気にしても仕方がないというか気に病むすべがないのです。

生きてこの世で経営を生業とするならば最も避けたい事態は倒産であり、その直接原因は資金ショートであるとすれば、いくら積み立てておいても安心できないというのが本当のところではないでしょうか。そんな資金があるならば投資に回して事業を拡大すればよいという見方もあると思います。

しかしながら長寿企業となるには継続企業の用心として法人保険による緊急予備資金の蓄えが大きな意味をもつと申し上げたいのです。

4)法人保険の解約返戻金はB/Sにのらない簿外資産。

法人保険でも損金になる部分と保険積立になる部分があります。保険積立となれば当然B/Sに掲載される見える資産となります。しかし法人保険には費用として落としているにもかかわらず解約すれば戻ってくる解約返戻金があります。通常はこれが営業外収益となり雑収入となります。解約するまではこの解約返戻金はB/Sにのらない簿外の資産であり言うなれば隠し財布です。例えて言うなら自分の財布以外に鞄の奥深くに予備のお金を入れておき予定外の出費や急な入用にあわてないように準備しておくあの心理です。

もちろん緊急予備資金としてその助けを借りることなく経営できればそれに越したことはなく、緊急予備資金としての役割が終わればあとは退職金として自分に支給する事ができます。もちろん妥当な退職金であれば解約返戻金の雑収入と相殺でき、出口対策としては完璧になります。まさに法人保険は一石二鳥です。このほかに経営者万が一の時の事業保障ともなりますから一石三鳥でもあります。

中小企業のオーナー経営者にしてみれば会社は手塩にかけたわが子と同じ思いです。また社員とその家族に対する責任も重いものがあります。近年は後継者不足でM&Aもやむなしというケースも見かけますがそこに勤務する社員にとれば安泰とは言えない状況が生まれます。できることなら後継者を育成し自分の作った会社を継続発展させてほしいと願うのは普通の経営者の気持ちではないでしょうか。

後継者が会社を引き継ぐにしても法人保険で簿外に蓄積した資金は強い味方となります。

緊急予備資金として引き継いでもよし、設備投資資金として事業拡大に充てることもできます。部分解約や減額という手をつかえば保険の解約返戻金で発生する雑収入と減価償却費を釣り合うようにコントロールすることもできます。実に多彩な使い方ができる金融商品が法人保険なのです。

生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

生命保険の受取人変更にかかる実務ポイントをどこよりも詳しく解説しました。

生命保険は死亡事故が発生すると生命保険受取人に保険金が支払われます。もちろん受取人が保険会社に請求することにより生命保険金の支払いが発生します。CIMG2233

簡単なことの様で、いろんな複雑な仕組み、税制などの問題がからみ保険金受取人の運命を左右します。

もちろん生命保険の受取人変更はそういう意味で重要になります。

知っておいて損はない生命保険の受取人変更知識を12項目にまとめました。

特に生命保険の受取人変更は慎重にかつ速やかに行うことが重要です。ご一読いただければ幸甚です。

 ① 生命保険には契約者、被保険者、そして生命保険金の受取人が必ずある。

生命保険には保険料を負担する契約者、保険の対象として体を提供する被保険者、そして生命保険金の受取人の3者が必ず存在します。

契約者=被保険者はよくあるパターンです。親が自分を被保険者にして生命保険をかければ契約者でもあります。契約者=受取人はありますが被保険者=受取人はあり得ません。

被保険者死亡事故のとき生命保険金を自分で受け取ることはできないからですね。ただし医療保険のように生命保険でも生存給付金の場合は被保険者=受取人となる場合があります。

契約者は生命保険契約を譲渡(名義変更)すれば変わることができます。被保険者はその契約に関しては不変です。

ですが、生命保険の受取人は契約者の意思でいつでも変更自由です。簡単の変更手続きで、受取人は指定されれば権利が発生しますがすべては生命保険の契約者の意思です。

② 生命保険の受取人は契約者(保険料負担者)が記入する。

前項でも述べましたが生命保険の受取人は契約者(保険料負担者)に変更を指定する権利があり、契約者が生命保険の受取人の氏名を記入することで成り立ちます。もちろん受取人を変更する権利も契約者にしかありません。

受取人が自署するようなことはないわけです。したがって生命保険の受取人の指定および変更は契約者の固有の権利です。

ただ生命保険金受取人を変更する場合、契約者だけでなく被保険者の同意を必要としますから通常被保険者承認のサインが必要になります。体を提供する被保険者にすればモラルリスクがありますから受取人変更は知っておく必要があるのですね。

契約者にすれば自分が負担した保険料で誰かが得をするわけですから、その得をする人(生命保険の受取人)を指定するのも変更するのも当然の権利です。

③ 生命保険の受取人は複数指定も割合指定も可能である。

生命保険の受取人は一人と決まっているわけではありません。極端なことを言えば受取人は何人でも枠があれば構わないということになります。生命保険の受取人の記入枠がなければ申し出ることで何人でも指定可能です。もちろん変更も自由です。

但し生命保険の受取人ともなると変更するにも誰でもよいというわけではなく一般的には2親等以内の血族(配偶者・父母・子・祖父母・兄弟・孫)が受取人の条件になります。(配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹等は姻族であり血族ではありません。)

それは他人や血のつながりの薄い人に受取人を変更するとモラルリスクが発生しますので、ここの縛りには生命保険会社も慎重です。複数の受取人を指定した場合は、受取割合を指定する必要があります。

配分がわかればよいのでA男50%B子50%とかA男7割B子3割などと記載します。生命保険の受取人を変更する場合も同様です。

生命保険の受取人とその割合が指定されていると保険会社は厳密に本人確認をして生命保険金を支払います。

自筆証書の遺言書は握りつぶせても生命保険の受取人は確実に履行されますから安心です。

④ 生命保険の受取人変更は費用がかからず何度でもできる。

生命保険の受取人変更は費用がかかりません。必要な都度、何度変更しても問題にはなりません。

遠慮する必要など全くないのですが生命保険の受取人変更には保険会社か代理店の営業が保全手続きとして介入してきます。

付き合いがあればまだ頼みやすいのですが、担当が変わっており疎遠になっている生命保険会社には変更手続きが頼みにくいという実態があります。

生命保険の保全(受取人変更)は営業職員の仕事ではありますが、普通成績にはなりません。CIMG2086

商売ですから縁ができたことを頼りに別の提案を持ってきたりと言うことがどうしても起こります。

不要ならはっきりと断わるか、生命保険会社のサポートのフリーダイヤルに電話して受取人変更の手続きするかです。

サポートのフリーダイヤルは電話での本人確認や保険証券が手元にないと話が進みませんが、新たな勧誘をすることはありません。

用紙を郵送してもらい変更内容を記入して返送するという手順を間違いなく自分で行う必要があります。生命保険の受取人変更も意外な手間が発生したりします。

⑤ 生命保険金は相続財産とは別の受取人の固有の財産である。

これは大きな特色でありメリットなのですが生命保険金は受取人固有の財産という考え方が定着しています。すなわち遺産分割の対象にならないのです。

生命保険の受取人変更はそういう意味で相続にからんで重要な判断になります。

生命保険金として相続財産を受取人の立場でもらうと、不思議なことに受取人個人のものになってしまうのです。判例がそうなっているから仕方がないのですが、受取人に指定されていない他の相続人にしてみれば不公平極まりない話です。

結果として生命保険の受取人指定は遺言と同じ効力があることになってしまうのです。

この仕組みを活用して生命保険を代償分割に活用できるということがあります。よって生命保険の受取人変更は同様の権利ですから安易な手続きの割に重要なことになります。

◆代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

しかしながらです。高額な生命保険金の場合、受取人固有の財産と言いながら裁判で争うと生命保険金は特別受益と判断される場合があります。

どういう基準で高額と判断するかはケースバイケースですが30億資産がある場合1億や2億は特別受益とは言えないですが、1億の資産で6000万の保険金なら「到底是認することができないほどに著しい」不公平になるようです。

金額だけでもないので一概には言えないところです。相続財産の他に受取人として生命保険金を受け取るわけですから他の相続人にすれば何とも納得しがたい話です。

相続の場面では、単に生命保険の受取人を変更したからといってそれで何もかもがスムーズにいくとも限らないわけです。

⑥ 生命保険金は受取人固有の権利であるが相続税の対象である。

ところがです。当たり前と言えば当たり前なのですか受取人固有の財産と言いながら生命保険金は相続税の対象になります。受取人を変更してもみなし相続財産として課税対象となります。

生命保険の受取保険金はみなし相続財産として相続税が課税されるのです。

固有財産ということで喜んだのもつかの間、税法的には逃れるすべはなかったということです。もちろんくどい様ですが生命保険の受取人を変更すれば新しい受取人に納税義務が移行します。

もちろん受取人変更を内緒にするような裏ワザは残念ながらありません。そこまで甘くはないわけです。

ただし一週間ほどでキャッシュになりますから生命保険の受取人にすれば、相続税の納税資金としては何より確実です。

⑦ 生命保険の受取人は遺言書で指定すれば優先的に変更できる。

これは私も知りませんでしたが、保険会社各社「遺言による受取人の変更ができるようになりました。」とあります。これは結構なことのようですが、そんなに変更することがうまくいくのかどうか、気になるところです。よく読むと但し書きに

「遺言で新しい受取人をご指定いただいても、相続人の方などから当社へご連絡をいただかなければ、当社は新しい受取人を知ることができないため、そのご連絡の前に従来の受取人からの請求があれば、従来の受取人に保険金をお支払いします。お支払い後、遺言による受取人変更のお申し出をいただいても、遺言で指定された方に改めてお支払いすることはできません。」とあります。

そりゃそうですが知らなければ生命保険金は早い者勝ちになりませんか、とはいらざる心配でしょうか。

とにかく間違いをなくすためには公正証書遺言にすることです。というより、生命保険金の受取人を変更しておく方が費用がかからずに、かつはるかに確実です。

⑧ 相続放棄をしていても生命保険金は受け取れる。

ここがすごいと思うのは私だけではないと思います。親の借金が大きくて相続財産を借金が上回るような場合、相続放棄をしたくなります。

ところが生命保険金は受取人固有の財産であると申し上げた理屈がここでも通用します。親の借金を背負うくらいなら受取人を変更して他の相続人に譲りたいところですが、生命保険はうまくできています。

相続放棄をしていても生命保険金は受け取れるのです。それも堂々と

「生命保険はその人が死んだ瞬間に、他人にお金を渡す契約が発生するもので あるから、相続財産には含まれない。」何とも杓子定規な理屈ですがこれが判例として定着しています。受取人変更は重大な意味があると言うことです。」

債権者にとれば全くふざけた話です。少しでも誠意があるなら解約して解約返戻金を返済に充てろと言いたくなります。

◆親の借金は相続放棄しても受け取れる保険金の有り難さ。

⑨ 生命保険の受取人は2親等以内の血族なら孫にも指定できるが代襲相続となる。

生命保険金の受取人は配偶者の他、祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫などの2親等の血族の範囲で指定することができます。いつでも変更可能ですからハロー効果バリバリに直近で世話になった親族に変こすることも可能です。

この内、祖父母や兄弟姉妹、お孫さんは相続人ではないので生命保険金の受取人に指定すると微妙な問題が発生します。生命保険の受取人変更も慎重にと申し上げておきます。

生命保険の受取保険金は相続税の対象になりますが生命保険金の非課税枠の500万(一人あたり)の枠は相続人以外には使えませんからお間違いなきよう、ともう一つ、

お孫さんが受取人になると相続税としては一代飛ばしの代襲相続となりますから、お得はお得ですがその人にかかる相続税額は2割増となります

⑩ 生命保険の受取人変更は「忘れるリスク」と「それどころではないリスク」がある。

生命保険の受取人は変更する予定でとりあえず指定すると、ほとんどの場合そのままになります。よくよく事情がないと受取人変更ということまで知恵が回らないのです。

家庭の事情が変わると生命保険の受取人を変更したくなることがあります。ずいぶん昔の契約だと今は担当窓口さえわからないし、受取人変更を申し出るだけでもはばかられる気持になるのも無理からぬことです。

生命保険の受取人変更の手続きをお願いしたら新たな生命保険を提案されたというようなことも起こりますから面倒なことは避けたい気持ちもわかります。

さりとてサポートに自ら電話して手続きするのも面倒なものです。簡単な事務手続きと思いきやどこに何を書けばよいのかさえわからないこともあります。CIMG2088

そんなこんなで受取人変更を億劫さにかまけてためらっているうちに忘れてしまうのです。

ときどき生命保険の受取人変更のことを思い出しながら先送りしていると今度は体力気力が低下して、特に病を得るとそれどころではなくなります。

相続のゴールに近づくということは「忘れるリスク」「それどころではないリスク」がどんどん高まるということですから、わかりやすくまとめると生命保険の受取人変更は元気なうちに早めがベストです。

⑪ 事業承継にからむ生命保険の受取人変更や再検討は元気なうちによく考えて。

一定の資産があり事業承継が絡むときは生命保険の受取人変更は重要になります。特に後継者に資金を集中したい思いと事業承継を考えると、経営者は遺言と保険設計でも受取人指定に重きを置きます。

予定していた後継者が適任でなくなったりすると生命保険の保険金の受取人変更は速やかに行わなくてはなりません。

長男に継がせるつもりが嫁に引っ張られて長男はサラリーマンを続けることになり長女を後継者に指名しなおすような事例も見てきましたが、事業承継としては混乱の極みです。当然受取人も変更せざるを得ません。

経営者の生命保険管理は事業承継が絡みますから特に元気なうちにしっかり見直さないといけません。安易に先延ばしして経営者に万が一のことでもあれば、後に残る家族だけでなくステークホルダーに多大の迷惑を及ぼすことを考えなくてはいけません。

経営者にとって生命保険の受取人変更はよくよく考えて元気なうちに見直すことです。

⑫ 生命保険の受取人にかかる税金をケースバイケースで説明すると。

最後の項目ですが生命保険の受取人変更との関係もあるので受取保険金の税金について説明します。国税庁のサイトに下記の表があります。

No.1750 死亡保険金を受け取ったとき
被保険者 保険料の負担者 保険金受取人 税金の種類
 A       B       B      所得税
 A       A       B      相続税 
③ A       B       C      贈与税

保険料の負担者とは契約者のことです。一番上の所得税のパターンは契約者が家族の誰かに生命保険をかけて自分で生命保険金を受取った場合です。自分で払って自分で受取ってますからその差額は一時所得(所得課税額=一時所得-50万/ 2)で税金としては一番お得になります。

二番目の相続税のパターンでは、一番多いケースですが親が自分を被保険者兼契約者として子を生命保険の受取人にするケースです。当然生命保険金は相続財産に合算され相続税が課税されます。(ただし受取人固有の財産ですね。)

三番目の贈与税のパターンは被保険者・保険料の負担者(契約者)・保険金の受取人がそれぞれ異なります。業界用語でいうと三者三様という保険契約の形態です。

父親が契約者で母親が被保険者で子が受取人のようなケースです。母親死亡時の生命保険金はもともとは契約者である父親のものです。それゆえ母親の死亡保険金は生存している父親から子への贈与と見なされ贈与税の対象となります。CIMG2097

一番お得なのは特別控除額の50万を引いた残りの半分に所得税が課税される所得税(一時所得)です。(相続税がかからないなら相続税の②がお得です。)

生命保険の受取人変更で気を付けて頂きたいのは一番損になるのが三者三様の贈与税のケースです。

生命保険金の受取人変更は税金の種類に注意して指定してください。

老婆心ながら死亡保険金を一時金で受領した①の所得税の場合は一時所得になりますが、年金形式で受領した場合には雑所得の扱いになります。生命保険金は一時所得で受け取っておき計画的にお使いください。

あれこれ書きましたが、生命保険の受取人変更は簡単な手続きですが、奥が深く抜けもあるやもしれません。ご指摘いただければ加筆・追記して参ります。

分かったつもりでも自分の場合はどうなるのか、どうすればよいのかわからないことも往々にしてあります。そういう場合は是非とも専門家にご相談されることが解決への近道であることは申し添えます。

編集後記と言うか愚痴になりますが、生命保険の受取人変更についてどこよりも詳しく書いたつもりですが「生命保険 受取人変更」で検索しても上位どころかいつも圏外です。キーワードも生命保険と受取人変更はどこよりも多く織り込んでいます。故に生命保険受取人変更というキーワードがくどいように頻出します。読みづらい時はお詫び申し上げます。

法人税率20%台へ引き下げ、保険業界大予測。

安部首相の肝いりで法人税の20%台への引き下げが実現しそうです。

自民党税制調査会の幹部会合で法人税の実効税率を来年度から29.97%まで引き下げることが決定しました。毎年年末に出る平成28年度税制改正大綱で詳細は明らかになるのでしょうが大きな影響が各分野に及びそうです。

基本的に減税ではありますが、実のところ悲喜こもごもという感じがしてなりません。法人保険に関わっていればかっては実効法人税率は40.09%と相場が決まっていました。保険の設計書にも単純返戻率と実質返戻率が併記されており、税金を勘案してどこで解約すれば一番得か一目でわかるようになっていました。CIMG2067

要するに単純返戻金が6割を越えれば税効果を考えて出口対策をしっかりしていれば得になるという判断です。それがこのところ実効法人税率が3割台の中ほどに変更になり保険の損得関係がわかりにくくなっていましたが、30%を切るということになれば単純返戻率が70%以下では税金を払って利益を残した方が得になってしまいます。

法人保険で課税の繰り延べをして役員退職慰労金に充てるという従来の話法の説得力が弱くなりそうです。よほど解約返戻率がよくないと節税保険としての価値が低くなります。

保険業界は保険本来の事業保障に重きを置いた営業戦略を展開すべきですが、そうなったらそうなったで手詰まり感は否めないところです。

保険業界としては法人契約をとり続けるためには全損保険の復活もありではないかと思いますが、金融庁が認可するかどうかです。

医療保険の形を借りた全損型の条件付き高解約返戻金のように手を変え品を変え生き延びていくものと思います。

ただ法人保険をメインに扱っている代理店などは売込み障壁がさらに高くなり厳しい状況もあり得るという感じです。

中小企業のオーナー経営者にすれば朗報には違いありません。外形標準課税にしても中小企業にすればどこ吹く風といったところでしょうから利益が出る企業には有利な環境になることは違いありません。

その結果利益を貯めすぎると内部留保金に課税するような話が出てきたりします。

人間万事塞翁が馬とは言いますが、良いことばかりでもなく、さりとて悪いことばかりと言うことでもないようです。保険業界大予測などと大仰なタイトルで失礼しました。

資産運用型保険の事例を集めました。

資産運用型保険というものがひそかに資産家に売られているのです。

前回、普通の保険とは違うルートで資産運用型の有利な保険商品が販売されているということを申し上げました。各社の情報を整理しつつまとめたサイトを探していたら下記の
ようなサイトのに行き当たりました。わかりやすいですね。

◆一目でわかる生命保険業界

(1)保険業界にバンカシュアランスが誕生した経緯

どうも2007年の銀行窓販全面解禁で別の保険分野が形成されたようです。法人保険を主力に扱っていた保険代理店や保険会社の営業職員には銀行マンに保険がわかるかという自負がありましたが、金融機関は顧客との関係性において上位にあり資金を提供するという立場から強みを持っていました。その結果として保険業界から足を洗わざるを得ない人も多かったということも事実です。

低金利時代に金融機関の保険販売意欲に合わせて保険業界は銀行窓販をターゲットにした資産運用型の保険を専門に扱う保険会社を別会社として設立しました。で、その銀行窓販に特化し富裕層の資産運用をターゲットに保険を販売することが「バンカシュアランス」と呼ばれるようになりました。

(2)各社事例の概要説明

一応被保険者は相続にをににらむ世代の代表として70歳男性と69歳女性での試算になります。解約返戻金の戻り具合は提案書の最悪のケースで判定していますので実際はもう少しよくなると考えられます。登場するM生命は金融機関ごとに別会社です。多いんですねM生命。

① N証券が提案してきたM生命の予定利率金利連動型一時払終身保険(米ドル建)は被保険者が70歳でも死亡保険金で127.93%のレバレッジが効いています。予定利率が2.95%で25年後に予定利率が変更されます。解約返戻金は10年でプラスに転じます。

② M銀行が提案するM生命の円建終身移行時特約付通貨選択利率更改型終身保険は保険金額が逓増しますが予定利率が1.45%と低くレバレッジは115.48%です。但し解約返戻金は6年で元が取れます。円建終身移行というところが売りの比較的リスクの低い商品です。

③ S証券が提案してきたのはM生命の積立利率変動型一時払終身保険(米ドル建)です。レバレッジは121.33%で予定利率が2.37%となっています。15年後に予定利率の見直しがあり保険金額が変化します。解約返戻金が100%に戻るのは不明と言わざるを得ませんが概ね20年前後と判断されます。

④ N証券が提案するM生命は通貨選択型一時払終身保険です。男性の場合レバレッジは134.44%女性の場合は156.92%とおどろきの高率です。解約返戻金が100%になるのは13年と11年ですが、これは市場価格調整が加味された最悪のケースです。

⑤ 次々と率の良い保険商品が出るのでM銀行が扱っているP生命の提案をもってきました。ちょっと変わっていまして、初期死亡保険金抑制型一時払終身保険(米国ドル建)です。死亡保険金は最初の5年間は払込保険料のまま据え置かれ5年後から男性でレバレッジ率129.79%、女性で135.05%となります。解約返戻金は3年経過後に100%となります。5年間レバレッジが0%というのがデメリットではありますが当面死亡の予定がないならおすすめの保険となります。

⑥ F代理店の提案ではM生命の積立利率変動型一時払終身保険(米ドル建)です。この代理店はやはり金融機関の窓販用保険商品の事情をよく知らないようです。予定利率は2.45%で15年後と30年後に見直しです。男性の場合で122.35%、女性の場合で135.05%とそれなりのレバレッジ率を示しています。

(3)それでどうかという結論的なお話です。

各社ともに資産運用にふさわしい工夫した保険商品となっています。レバレッジ率を高めるために解約返戻金を抑制したり、初期の死亡保険金を抑制したりと国内生保には見られない仕組みです。

この保険商品を売るには確かに高い財務や相続の知識と保険のハイレベルな知識が必要です。銀行員レベルでも相当勉強していないと質問に対応できないと思われます。

資産運用としては貯金でない保険としてとても利用価値が高いと言えると思います。但し、買う方にも投資する余裕資金と金融知識が必要となります。

それと忘れてはならないことは保険でありながら為替リスクを負い続けるところにリスクとメリットが同居しています。

円安に振れれば大きく儲かる代わりに円高に振れればどんどん儲けは減じていき、損益分岐点を越えたらマイナスに突入します。保険は長期の資産運用です。

先のことは誰にもわからないだけに為替リスクを甘く見ることはできないといったところです。

驚きの生命保険で得する資産運用を紹介。

保険はある一面で言えば資産運用です。資産運用なら損掛けしてはいけないのです。

外貨建て生命保険の中には国内生保では考えられない意外な美味しさがあります。その保険は通常の保険ルートでは販売されていませんから、言うなればあなたの知らないマル得保険テクニックといった感があります。CIMG2101

生命保険にもいろいろあります。法人契約で緊急予備資金の蓄積や節税だけでなく形は生命保険ですが正に資産運用と言うべき商品もあります。

なかなか普通の保険代理店はこの種の商品を持ってきません。知らないのか販売ルートが区分されているかなのでしょうが、金融機関でも証券会社や銀行が提案してきます。

各社保険商品としてはバラバラですが銀行は預金を把握していますから急所を攻めてきます。今お持ちのドルをドル建て保険に投資してくださいというわけです。

これは法人保険ではなく個人に対する保険になります。個人の資産運用や相続対策として有効な保険商品と言えるでしょう。この種の保険商品は外貨建てであることが前提です。

景気の良い国の予定利率が適用されますから死亡保障でも解約返戻金でも国内生保の円建て商品とは比較にならないお得さです。

払込保険料に対して死亡保障が130%超の商品もざらにあります。

解約返戻金でも数年で元が取れて運用次第では銀行預金よりはるかに儲けが大きくなります。株式や不動産のように大振れはしませんが、

ほとんどの商品で形こそ違え元本が割れないよう保証する仕組みがあります。

これは契約者にかなり有利です。リターンの割にリスクがとても低くなります。その上生命保険契約者保護機構という公的なバックがあり責任準備金の9割を保証する手厚い仕組みがあります。CIMG2076

それはさておき保険会社にしてみれば今の景気が続くことが前提の甘い商品と言えるのではないでしょうか。とにかく資金をかき集めるという短期成績重視の経営姿勢が見え隠れします。

ひとたび恐慌でもくれば損失丸かぶりになります。

そういう意味ではやはりリスクのある投資なのです。念押しですがもう一つ大きなリスクがあります。

為替リスクです。円高に振れればどんどん儲けが消えていきます。将来的にドル圏で生活するなら為替リスクは気にするほどではないでしょうが、骨まで外国に埋める気がないなら10年20年先のことはわかりませんから円貨に換える時期を気にしなくてはいけないことになります。

ならば円安を背景に手持ちのドルを円貨に買えて国内生保で一時払終身にはいるという選択肢もありますが、1000万近くつぎ込んで一時払終身保険を契約しても死亡保険金との差額は50万に満たない貧弱さです。

終身に渡り1000万もお金を預けるのに・・です。

各保険会社の事例が集まってきてますので次回に金融機関が提案する外貨建て保険を比較分析したいと思います。乞うご期待です。