遺言書か法定相続か遺産分割協議か、相続の優先順位は?

遺言書か法定相続か遺産分割協議か、相続の優先順位は?

遺言書があれば、遺言書に従うのが普通と言えると思います。厳密な話では、相続人全員が合意すれば、傍目(はため)に不公平であろうと遺産分割協議で決着できます。長男が他の相続人を押し切って独り占めしようと、他の相続人の納得があれば、どのような分け方でも誰からも文句を言われる筋合いはありません。

そういう意味では、遺言書か法定相続かあるいは遺産分割協議かという優先順位は、相続人全員が合意できなければ、遺言書優先となります。遺言書がなければ相続人同士の協議になり遺産分割協議をまとめることになります。話がまとまらないような場合の落としどころは、法定相続に従い遺産分割協議書を仕上げて実印を押すことです。 続きを読む

相続税がかからなくても遺留分の大問題。

相続税がかからなくても遺留分の大問題。

相続税がかからないフツーの庶民の相続でも争族は熾烈な身内の争いに発展しがちです。どの相続人にも民法で定められた遺留分の権利はありますから、遺言書で指定したとしても同居する長男だけにすべてを相続させることはできません。

他の相続人である兄弟姉妹の遺留分に配慮して遺言書を書けばよいのですが、相続で分けるものが不動産だけという場合や生命保険による代償分割などの準備ができていない場合は大変です。住んでいる家は売却できないので、分けられる現金が足りないとやはり争いが泥沼化し家庭裁判所まで行く例が多いようです。 続きを読む

改正電帳法の宥恕措置とは?猶予措置との違い、いつまで。

改正電帳法の宥恕措置とは?猶予措置との違い、いつまで。

改正電帳法(電子帳簿保存法改正)は、2022年1月1日に施行されました。 同法では、電子取引のデータ保存を義務化することになっています。しかし、中小企業などでは対応が難しいため、2022年度の税制改正大綱で、電子取引のデータ保存について2年間の宥恕措置(ゆうじょそち)が設けられました。翌年の2024年1月1日から、電子取引のデータ保存は完全義務化となりました。 続きを読む

老老相続と老老介護、複雑化する高齢化時代。

老老相続と老老介護、複雑化する高齢化時代。

老老相続とはまだ認知されていない4字熟語です。老老介護は検索でも多数ヒットしますので社会的に認知されてきた言葉です。

検索数でも5倍の開きがありますので、老老相続とは聞いたことがない方の方が多いと思います。検索予測ツールでも老老相続ではデータがありませんと突き放されます。

しかし、それほど軽い問題ではないところが老老相続の根が深いところです。 続きを読む