節税保険の実質返戻率から見える保険業界の末路。

節税保険の実質返戻率から見える保険業界の末路。

保険業界の末路などと怪しい表現を使いましたが、今回の国税庁のパブリックコメントに示された制約条件は誠に厳しいものがあります。実際の返戻率にあてはめて実質返戻率を計算すると、100%をこえるためには単純返戻率が95%を越えないと難しいようです。

全額損金も半損も認められないということになると、利益の繰り延べによる節税効果はほとんど期待できなくなったということになります。末路なのか新たなスタートなのかはわかりませんが、保険を利用して課税の繰り延べをしてきた中小企業や節税保険を販売の主力にしていた保険営業関係者は、この先転換を迫られていることは疑いがありません。 続きを読む

がん保険、法人の全損既契約は保険金請求が大問題になる深い理由。

がん保険、法人の全損既契約は保険金請求が大問題になる深い理由。

法人で契約するがん保険は、平成24年4月27日までは保険料を全額損金で処理することができました。4月28日以降、国税庁の通達により新規契約については、支払った保険料について二分の一損金算入となりました。

今は、課税の繰り延べができるがん保険は、二分の一損金もなくなり完全にシャットアウトされました。しかし全額損金できるがん保険の既契約は、既得権として維持されていると思います。 続きを読む

節税保険、国税庁のパブコメでトドメか?

節税保険、国税庁のパブリックコメントでトドメか?

2019年4月11日、ようやくにして国税庁から節税保険に関するパブリックコメントが公示されました。

節税保険販売停止のバレンタインショックからほぼ2ヶ月が経過しています。保険業界の混迷に終止符を打つのか、それとも拍車をかけるのかわかりませんが、

『「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)ほか1件の一部 改正(案)(定期保険及び第三分野保険に係る保険料の取扱い)等に対する 意見公募手続の実施について』が公開されました。 続きを読む

生命保険・損害保険、保険営業の違い。

生損保、保険営業の違いを買う側でまとめました。

CIMG3488生損保(せいそんぽ)という言い方があります。生命保険と損害保険という異なる分野をひとまとめにした総称です。

同じ保険商品を扱う分野ですが、生命保険は人を対象とする保険なのに対して損害保険は物を対象にした保険です。似ているようにも思いますが、内容的にはまったく異なります。

柔道と剣道くらいは違いますから、勝ち負けを競う点では同じですがルールも仕組みも道具も違います。 続きを読む