超低金利時代の生命保険の考え方|最後のチャンスか!?

超低金利時代の生命保険の考え方は変わり目を見逃さないことです。

かってない超低金利時代に突入しました。日銀がマイナス金利を導入してから10年国債の利回りがマイナス0.035%、5年国債はマイナス0.25%となり安全資産としての国債に投資する意味がなくなりました。

利回りがマイナスということはどういうことなのか、どうもすんなり理解できませんが国債を買っても儲からないことだけは確かです。

CIMG2433まったく家のタンスに現金を置いておいても銀行に預けておいても大差ないのですから、誠に運用難の時代になったものです。金を借りる人には都合がよいのですが、お金を預かる金融機関は銀行にしても保険会社にしても手をこまねいているわけにはいきません。

◆生命保険会社の台所事情

生命保険は予定利率という基準があり契約者から預かった保険料を安全確実に運用しなくてはなりません。国債は安全ですが運用益はその分低水準です。ハイリスク・ハイリターンは投資の法則ではありますが、生命保険会社は預かっているお金ですからリスクをとるような投資を選択することはできません。

とすれば国債に投資運用している限り今の時代ではほとんど運用益が見込めないことになります。保険料として契約者から預かったお金を時たま発生する保険金支払に当てていくほかあ
りません。

低金利時代でもリストラでもしない限り生命保険会社の予定事業費率が下がることはまずありませんから、結局保険商品の見直しやら販売停止などでしのいでいくほかないのです。

CIMG2405特に保険会社は金利が下がったからと言って既契約で約束した利回りを下げることは出来ないルールです。金利が下がったから契約した保険金も下がりますでは、変額保険なら別ですが、普通の生命保険では契約者が納得するはずがありません。

低金利時代には過去の予定利率のよい時代の保険契約が重荷になり保険会社を破綻に追い込むことすらありました。

生命保険会社はそういう経験から超低金利時代にはいち早く率のよい保険は売り止めと称して保身に走ります。すでに一時払終身保険はどこの生命保険会社も販売を停止しているようです。ほかにも率のよい終身保険や年金保険、学資保険も売り止めの情報が耳に入ってきます。各社とも今後さらに予定利率を下げる予定のようですから、バナナのたたき売りではないですが最後のチャンスとばかり結構売込み圧力が強くなってきています。

◆超低金利時代の買う側の考え方

ここにきて生命保険を買う側としては、時期外れというか、決算でもないのに生命保険の検討が増加します。たしかに予定利率が変わる前に生命保険に入れば銀行に預けて手数料を取られているよりはお得になります。

いつの時代もそうですが、予定利率が下がったり法人税が下がったりしてもそれはそれなりに次のスキームが生まれ生命保険業界は商売を続けていくものです。

しかし超低金利時代の生命保険は資金の運用ではなく純粋な意味での事業保障を考えるよい機会でもあります。以前は課税の繰り延べ効果が主体で保障がおまけで付いてくるようなことでしたが、これからの時代は事業保障にプラスして節税緊急予備資金の蓄積が目的になるように思います。

◆まとめておくと

どこが低金利の底なのかを見極めつつ保険契約は見直していく必要があります。大事なことですが、低金利時代だからといってリスクが下がるわけではないので間違えないようにコストのかけ方を慎重に、ですね。

個人の方には老婆心ながら
老後資金を運用するにしても率が悪いからといってリスクのあるものに投資するのは控えてください。その点生命保険なら将来の死亡保険金や解約返戻金は確定した契約ですから安心できます。

まとめとして言えること、

超低金利時代の生命保険の考え方は変わり目を見逃さないことです。

実質返戻率を理解できる人はいない|法人保険の真価について。

実質返戻率を理解できなくても、法人保険の真価は理解できます。

生命保険の解約返戻金を見るとき単純返戻率実質返戻率とがあります。多くの方が判断材料にはなってもその意味を理解している訳ではないと思います。CIMG2439

できるだけわかりやすく説明を試みます。理論的な説明や計算式は下記サイトが詳しいですが、私が読んでもよく理解できないレベルです。

◆法人生命保険の注意点実質返戻率のウソ!

1) 単純返戻率について

単純返戻率は「いくら戻るか」です。払った保険料が何パーセント戻るかが単純返戻率です。減ったお金が保険会社の取り分です。

最初は単純返戻率が悪い、戻りが少ないのが普通です。生命保険の募集手数料が引かれるからですね。結構大きい金額です。

2) 実質返戻率について

説明が難しくなるのが実質返戻率です。実質という言い方が誤解の元です。言うなれば参考返戻率です。戻ってきて得をしたわけではなく、損金として解約返戻金の使い道があれば節税になりますから、税効果ありとなります。

確かに税効果を考えると実質返戻率と言いますが、あくまでも出口対策がきちんとできていての話です。その計画も無しにとりあえずの繰り延べは節税としての妙味がありません。

3) 経営と繰り延べの意味

ただ経営者としては今期に落とせるものは集めてでも今期に費用で落とすという考えもあります。毎年利益が出ている企業であれば経理的には、どこで落とそうが同じように見えますが経営的視点から見れば甘い考えという他ありません。

経営はいつどんな事態が発生するかわかりません。いくらこれまで順調でも来期も同じ利益が出るとは限らないのです。少しでも可能性を広く構えて利益はできる限り繰り延べて、あわよくば投資の穴埋めや役員退職慰労金などの損金出口につなぐことです。それ以上に儲かればその時に税金を払うだけです。

4) キャッシュフローに対するリスク管理

ここをとことん緻密に考えることが経営の理にかなっています。利益が出たからといって、いい顔をして安易に税金という見返りゼロ、不遇のコストを支払いすぎることがないよう考えなくてはなりません。払うなではなく払いすぎないようにと申し上げています。その目的で法人保険を活用する手法はキャッシュフローに対するリスク管理でもあります。

契約する生命保険会社に手数料を払って繰り延べているのです。おまけとして保障がついてきます。他のページでも経営は泥縄と申し上げております。転ばぬ先の杖とも申します。

◆経営は泥縄、保険は命綱、体験を側近が語ると。

5) まとめ

法人保険はうまく組み合わせて使えば経営者の心強い味方になります。実質返戻率の意味がわかっても意味がありません。経営リスクとキャッシュフローの重要性、そこから導き出される繰り延べの効果を理解しなければ法人保険の価値はわかりません。ただし実質返戻率は保険の中身を比較するときの資料としては有効です。

CIMG2438今となっては法人保険の選択肢も狭くなりました。

リスク覚悟で外貨建ての投資型保険を試してみるか、解約時期の管理が必要な全損型定期保険か、半損ながら単純返戻率のよい長期平準定期保険を選択するかぐらいでしょうか。

法人保険を買う側から見れば、安全な選択肢は長期平準定期保険ですがポイントを申し上げると下記になりましょうか。

・実質返戻率が5年以内に100%超になること。
・単純返戻率が20年以内に100%超になること。
・退職時期の単純返戻率が95%超であること。
・長期的に信頼できる生命保険会社を選択すること。

ゆえに管理が難しい法人保険は避けられた方が賢明かとアドバイス申し上げます。

法人保険┃リスクを理解できない経営者。

法人保険で買う側の気持ちを掘り下げると、リスクを理解できない経営者が見えてきます。

保険営業で企業を回るとなかなか知り合いでもないと相手にしていただけません。企業にとって事業保障保険が必要なことは理解していても売り込まれると腰が引けるのです。

● 社長不死身の法則

ほとんどのオーナー経営者は自分がいつか死ぬと言うことを自覚してはおられません。社長不死身の法則と私は言っていますが、口では自分の万が一をあれやこれや心配されますが、本質的に自覚されていないのはよくわかります。

CIMG1759これは仕方がないことです。リスクというものは誰の目にも見えません。いつどこでどんな形で襲い来るかわかりません。大病をするとか災害にでも合わない限り気づかないのが普通です。自分には遠い話、直接関係がないように思うものです。

人の死亡率は100%です。中でも病死は9割以上、ほとんどの方は病死する定めにあります。

リスクは学ぶ・教わると言う方法もあります。そこに保険営業のツボがあると言えるでしょう。法人保険では事業保障という面よりも資金ショートに対する法人保険の解約返戻金による緊急予備資金という切り口のほうが多くの経営者は理解しやすいように思います。

特に若手の経営者は、自分の健康には自信があるが企業継続に必要な長期的に安定した資金(キャッシュフロー)には自信が持てないとしたものです。

● リスクは感情で理解

リスクを理屈で理解しているうちはわかっていません。これはヤバッ!と思ったり背筋がぞっとする体験がリスクを回避したり恐れる行動につながります。リスクマネジメントをこねくり回し理論や計算で評価しても本質的な理解には至らないのです。リスクを理解するには恐れ、不安という感情に基づく動機がないと回避行動につながりません。

回避行動とは安全対策投資であったり保険加入であったりします。適切な言葉で言うとリスクの移転が保険加入です。しかし生命保険事故ではリスクの移転とは言えない実態があります。言うならば生命保険金はリスクの経済的補填にすぎません。損害保険と異なり生命保険事故が発生すると金銭では元に戻らないものがあります。

● 買う側は自分で買いたい

リスクをある程度理解し保険の必要性を理解しても、買う側(顧客)にすれば売り込まれるのは嫌なのです。自分で選んで買いたいのです。法人保険を販売するときのツボはリスクを経営者にいかに感覚的に理解いただくか、そして売り込まずに説明すること、そして自ら選ばせることが重要です。

「遺言信託」と「遺言代用信託」生命保険との違い。

「遺言信託」と「遺言代用信託」の活用法と生命保険との違いについて。

日経新聞に遺言信託と遺言代用信託についての記事が掲載されていました。保険とは直接関係ないですが争族(争続)予防システムと言う意味では保険のようなものです。

遺言信託と遺言代用信託とは相続に関係するという点と、読んだ文字面ではとてもよく似ていますが、内容的には全く別物です。遺言信託は相続税がたくさんかかる資産家で大枚払っても自分の死後、遺言をきっちり執行して欲しい方向けの仕組みです。主に銀行や証券会社が資産家の社長向けに提案してきます。
◆遺言信託のわかりやすいサイトです。

遺言代用信託は契約者からお金を預かり生前に決めておいた方法で指定した受取人にお金を払いだす仕組みです。遺言代用信託で預けたお金は相続の引き出し制限から外れるので、受け取り方を一括払い出しにすれば葬儀代に当てられるし、分割にすれば相続財産を一気に渡すのではなく年金形式で渡すこともできます。今のところ手数料はかからないそうなので手軽に利用できるようです。利用者が急増しているというのも納得できます。
◆遺言代用信託のわかりやすいサイトです。

1)遺言信託について

遺言信託の料金体系は各社バラバラですが基本料金の他に財産の多寡による費用と相続が発生するまでの期間の維持費用がかかります。普通に遺言を書いて揉めない家庭なら誠にもったいない費用がかかります。しかし税務や相続のプロが遺言に基づき、きっちり執行しますから確実と言えば確実です。

しかしそのためには依頼する金融機関に自分の資産状況を洗いざらいさらけ出さなくてはなりません。当然金融機関もビジネスですから資産活用やら生命保険やら相続対策を提案する糸口になります。それがいやなら自筆証書遺言かもう少し確実な公正証書遺言でもよいように思います。

CIMG2437最近では証券会社が料金の安い遺言信託を提案しています。遺言信託で儲けるのではなく手に入れた情報で金融商品を提案して利益を得る戦略ですが、どうも乗りにくい話です。また遺言信託は毎年遺言の見直しにつき合ってくれますが有料です。金融機関が責任を負いますから担当者が変わってもそこは安心できます。相続対策をあてにしていた税理士の先生が先に亡くなるような仕切り直しの不都合はありません。

でも感覚的に遺言信託に踏み切れない資産家の事情と気持ちがよくわかります。結局は相続人と後継者の知的な資質と人間性に対して信頼があるかどうかになりそうです。ただお話を伺うオーナー経営者はもっと読みが深いのです。相続のその場になると人が変わるということ、善人が欲ボケしてしまうということがあります。それはいくら我が子でも、また今はそうは見えなくても、お金という財産の前には執着心を捨てることなど出来ないと読み切っておられます。

さてどうするか、遺言信託にも迷いが残りますがこのまま年を重ねるばかりでは安心した旅立つことができません。おすすめは自分でまずざっくりと遺言を書いてみることです。そうすれば自筆証書遺言で済むか、公正証書遺言が必要か、どうも心配が残るのでこの際遺言信託を選択すべきかが見えてくるように思います。

2)遺言代用信託について

一方、遺言代用信託は貧乏人向き(相続税がかからない一般人)の仕組みです。もちろん資産家でも利用価値がないことはないですが、葬式代が立て替えられないレベルの人用ですね。扱える金額が100万円~3000万と少額になっています。

葬式のタイプも最近はいろいろですが家族葬とかでないかぎり、お供えもありますから葬儀費用はその中から払えることが多いのではないでしょうか。葬儀屋も死亡届を出す前に必要なお金を下すようにアドバイスしますし、香典開きの後に集金にくるようです。

CIMG2440しかし香典を辞退にするとやはり持ち出しが多くなりますからある程度の葬儀費用としての資金を用意しておく必要があります。突然の事故のようなことでなければ予測できますから前もって現金をおろしてきて手元におくようにします。

普通はこれで回りますが、遺言代用信託を利用すると相続人死亡後もその範囲でお金を自由に下せるそうです。(利用したことはありません。)相続発生時の金融機関の対応は素早いですから本当に現金が下せなくなります。田舎の郵便局やらJAなら多少の融通は利かしてくれますが、一般の銀行には通じない話です。

そういう意味からご心配な相続人は自分の葬儀費用で遺族が困らないように遺言代用信託と言う選択もあります。まさに一種の葬儀費用保険みたいな性格です。

3)遺言代用信託と生命保険金について

最後に遺言代用信託と生命保険の違いを追加しておきます。生命保険金は受取人固有の財産ですから遺留分減殺請求の対象になりません。

◆生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

しかし遺言代用信託で受け取ったお金は遺留分減殺請求の対象になりますから例え相続税がかからないとしても他の相続人の遺留分を侵害しないように注意する必要があります。

昔は相続における遺留分などの知識はもっていない人が多かったのですが、最近はネットの発展で誰でも簡単に調べられるようになりました。その結果かどうか知りませんが、貧乏人の相続訴訟件数がやたら多い時代になりました。貧乏人ほど遺産分割は慎重にと言えると思います。そういう方にとれば自分の財産をあげたい相続人に確実に渡す手段としては遺言書よりも確実な生命保険の受取人指定と遺言代用信託は使える手です。

4)まとめ

ご案内したように遺言信託と遺言代用信託とは利用者層が異なるだけでなく内容的にも違うものです。遺言信託はどうしてもかなり費用がかかります。遺言代用信託は無料です。どちらも便利なようで迷いが残る仕組みです。

ある程度お年を召して先が見えたころにエイヤ!で選択することになるように思います。元気なうちには踏ん切りがつかない気持ちもわかります。

相続の場面では奥様やお子達の関係がよくても難しいことはいくらでも起こります。相続が発生したその時にはすでに自分の発言権はなくなっているのですから、そのことをお考え下さい。遺言信託をお勧めしているのではなく、きっちりとした自筆証書遺言をできるだけ早めにお書きになる事をお勧めしています。自力できちんと遺言がかけるなら遺言信託は結構な金額のムダ遣いになるかもしれませんからね。

生命保険の指定代理人請求の落とし穴。

生命保険には指定代理人請求という仕組みがありますが、落とし穴もあります。

生命保険は金融商品ですが、人の生死に関わり大金が動きます。そのため特殊ルールがいくつもあります。例えばリビングニーズ特約のように余命6ヶ月の宣告を受けると生前に生命保険金が受け取れるという仕組みです。

実際死にゆく身の上ではお金などそれほど意味があろうはずはありませんが、付き添う家族には大きな意味があります。リビングニーズ特約は本人が余命を自覚して自分で請求する仕組みです。本人が保険金を手にして何かをすることを思いつかない限り意味のない制度です。

これに対して指定代理人請求と言うものがあります。

CIMG2457契約するときにサインすれば自動付帯される場合もありますが、別枠で手続きを必要とする保険会社が多いようです。

要するに本人が自分で保険金を請求できないような場合に代わって保険金を請求できる人を事前に指定しておく制度です。

保険会社によっては「指定代理請求特約」とか「指定代理人請求特則」とか言い方はいろいろありますがルールはほぼ同じです。これは保険料が余分にかかるわけではないので付帯しておけばよさそうなものですが、契約者の意思と保険契約の時期により付帯していない場合があります。ご自分の契約を今一度確認されることをお勧めします。

指定代理人請求は認知症とか重篤な場合で被保険者の意思表示ができないようなケース、あるいは本人に告知していない場合などに威力を発揮します。

でもそんなに簡単に契約者であり被保険者である本人に気づかれずに保険金を請求できるものでしょうか。

保険会社は、契約者に内緒で保険金を受け取った場合、契約者からの問い合わせには回答せざるを得ないと回答しています。生命保険会社は指定代理請求人により保険金を支払ったことを被保険者に連絡することはないと説明しますが多くの場合、契約者は被保険者です。言っていることはよく考えれば矛盾だらけの何の配慮もないアホな話です。

気の毒にもあっさり亡くなれば問題は発覚しませんが、抗がん剤治療が効を奏して小康状態になったときどうするのでしょうか。本人にばれる機会がないとは言えないのです。保険会社は保険金を支払ったお知らせを送付するのでしょうか。この辺は事例を知りませんがある程度リスクを覚悟する必要があります。治癒の見込みがあれば告知し本人の意志で抗がん剤治療をするのでしょうが、進行性のがんなどでは告知しないケースもあります。

指定代理人請求にしてもリビングニーズ特約(指定代理人がリビングニーズ特約で保険金を請求することも可能です。)にしても本人に内緒で保険金を請求するには相当の理由と勇気が必要です。生死が関わるととたんに難しくなる保険金請求です。

本人に告知していない場合はためらいが・・

他人が請求するわけでなし、指定代理人請求は正当な保険金請求ですが被保険者たる本人にすれば指定代理人請求で家族が保険金を請求していれば自分が重篤な病気であることを知ることになります。脳梗塞とかで意思表示ができないような場合は後になって本人に知られても問題はありませんが、やはり告知していないがんなどの病気の場合はためらいが残ります。

最近はがんも告知する時代ですが、やはり言えないケースもあります。契約者であり被保険者である本人が、家族の指定代理人請求で自分の本当の病気を知ったとしても、無理を承知で申し上げると、そこはショックを包み隠して知らぬふりをするのが配慮というものです。