保険は後継者に譲渡するのが一番お得。

法人保険は後継者に譲渡するのが一番お得です。

CIMG3066法人保険は役員保険とも言われますが、会社が契約者で受取人も会社という形態が法人契約の基本的なパターンです。

経営者や役員を被保険者として万が一の時、会社に保険金が入ることにより事業上のリスクを回避することが目的です。

◆法人保険は多目的活用。

法人保険には事業保障だけでなく資産運用であったり、節税を兼ねた退職金準備であったり、あるいは簿外の資産形成であったりと多目的な用途があります。

後継者に経営資金を集中することにも有効なスキームがありますから、時には法人から個人へ資金移動することにも使えます。

また生命保険は保険会社との契約ですから外貨建てでもない限り、保障される保険金額や、解約返戻金は確定しています。安全確実な資金運用である理由がここにあります。

◆長期契約の法人保険活用見直し。

どこの会社も事業承継の時期になると、保険契約の内容の見直しが必要になります。後継者あるいは新しい役員を被保険者とした新たな事業保障を確保するために保険加入を検討します。

そうなると、先代経営者の生命保険の処遇が問題になります。

その時点で会長か相談役か、あるいは引退かはわかりませんが、経営権を後継者に委譲すると会社としても必要性が低くなった生命保険をどうするかというこが課題になってきます。

いくつかの法人保険をこれまでかけてくれば、その中には払込満了の保険、保険料の支払いが継続している契約など、それぞれに処理が変わってきます。

これ以上保障の必要性がない場合は解約を検討しますが、それだけでは知恵が足りないと言わざるを得ません。

◆ 事業保障の必要性を考慮し払済か解約か、減額かを検討。

基本的にはまず保険料の支払いを止めるため「払済(はらいずみ)」にできるかどうか、契約している生命保険各社に払済後の保険形態を確認します。

払済後の保険種類が終身保険であるなら「払済」を検討します。定期保険にしか変更できないとか、払済不可で減額のみ可能とかいう場合もあります。

この場合は解約返戻金と解約時の単純返戻率のピークを確認し、それに従い会社の財務状況と相談して解約時期を判断します。

法人保険を解約すると保険積立てがある場合は現金化します。ほとんどのケースで雑収入が発生しますので利益の出口を検討します。

それまで支払っていた保険料の支払いがなくなり、解約返戻金が入金しますから、財務的なキャッシュフローがとてもよくなります。

◆ 役員退職金として現物支給か後継者へ譲渡を判断。

予定利率のすこぶる良い保険などは早々に払込満了となっていると思います。

払済」にした終身保険や払込満了の終身保険などは役員退職金の現物支給として解約返戻金相当額で生命保険契約を支給することもよくやります。

しかし最も税的に効果的なのは後継者に支払の終わった法人保険を譲渡することです。

さらに詳しくは下記をどうぞ。
法人保険は後継者に全部譲渡で得する方法。

譲渡とは解約返戻金相当額で売却することです。

なぜこれが有効かと言うと、

解約返戻金に対する死亡保険金はレバレッジが効いていますから、相続発生時には大きなメリットを享受できます。

譲渡後の契約形態を

「被保険者=先代契約者、契約者=新経営者」となり

「受取人=新経営者」としておけば相続税の対象になりません。

◆ 買い取り資金があれば、後継者の一時所得が一番お得。

法人保険を後継者に譲渡した時点ではお金になりませんが、相続が発生すると後継者が生命保険金を受け取ることになります。

この場合の保険金は相続税とは関係がなくなり、後継者の一時所得扱いになります。

ほとんどの場合、後継者が買い取った金額より受取保険金は大きく上回ります。

わかりやすく言えば実質儲けた部分だけが一時所得となります。さらに一時所得は大雑把に言えば儲けた部分の半分が所得課税の対象(半分が非課税と言えます。)になりますから、これは税的にはかなり有利になります。

保険金から譲渡金額を差し引いた儲けの部分が一時所得(1/2課税、特別控除額50万円)になります。
一時所得は以下にくわしく説明しています。ご参考まで。

● 一時所得は美味しい|生命保険で徹底活用。

法人保険はある時期になると後継者に譲渡するのが一番お得になる理由がここにあります。

◆ 後継者の買い取り資金を調達する方法。

CIMG3067良いことずくめのように申し上げましたが、障害があるとしたら後継者の買い取り資金です。

解約返戻金も相当な金額になっていることも多いと思いますから、まだ日の浅い新米経営者に、おいそれと右から左に出る金額ではありません。

 

しかしせっかく有利な生命保険譲渡ですから工夫して後継者に資金を集中する必要があります。

1)後継者に買い取り資金を融資する。(身内融資より金融機関が安全)
2)役員報酬を増額する。(返済資金に充てる。)
3)暦年贈与を活用し返済資金を贈与する。
4)逓増定期名義変更スキームで資金を後継者に集約する。

あの手この手で後継者に資金を移行しないと経営者のバックボーンとして資金力と信用が形成されません。

役員報酬の増額や暦年贈与の活用で返済計画を組んでおいて、数年後にまとまった資金を手にしたら一気に返済してしまいます。

もちろんそれまでに相続が発生すれば、生命保険金ですべて返済して完了することができます。

この流れで行くと、役員報酬を増額しても暦年贈与で小金を渡しても返済という縛りがありますからムダ遣いの心配が少なくなります。

一度お手持ちの生命保険契約をご確認いただくことをおすすめいたします。

保険証券を見ただけでわかる人はあまりいませんので、代理店か保険会社のサポートに連絡し契約内容が確認できる資料を請求してください。

各企業の保険担当者とオーナー経営者の幸運を祈ります。

相続税を節税したければ不動産に強い税理士を。

相続税を節税したければ不動産に強い税理士が必要です。

CIMG3068「保険は相談するな!」を主宰するhokenfpとしては、法人保険を活用した節税対策相続税対策に関する経験に基づく知見をブログとして公開してきました。

その中では不動産投資による相続税の節税対策は、生命保険に比べリスクが高いとして距離を置いてきました。

節税の口車に乗せられて本当に困っている方もいらっしゃいます。

しかし、好業績の中小企業オーナーは長年の間に不動産資産を獲得しているケースが多いようです。ある意味で納税資金が確保できていれば、節税の意味で不動産に投資されることが効果的な場合があります。

ひとまとめの感触でいうと安全確実・小口の節税が生命保険、ハイリスクかつ大口節税が不動産投資というイメージになります。

不動産の難しさは評価の難しさでもあります。不動産を評価する資格は「不動産鑑定士」です。このところ縁あって何人かの不動産鑑定士の方に会いましたが、実に知識レベルは様々です。

税理士が不動産の評価に疎いのと同じに、不動産鑑定士は税務のことは全くわかっていません。当然と言えば当然です。それぞれ関連が深いのにつながりがあまりないのです。

税務署でも資産税を担当していなければ、OB税理士と言えども相続に関する正確なアドバイスができないのと同じことです。

相続税の大幅な節税スキームを考えるとき不動産評価の知識は必須です。

ここが甘い税理士が相続税の申告を行うと他のルートからの相続税の還付請求などということになり面子丸つぶれになります。(還付請求専門の税理士法人があるくらいです。)

こういう話に必ず噛んでくる資格が不動産鑑定士です。聞くところによる資格取得は超難関だそうです。中にはすごい人もいてWライセンス+OBと言う方もおられます。

●山下太郎税理士事務所  (ご本人には内緒のリンクです。)

この方は税理士+不動産鑑定士+元資産税担当OBというわけです。この組み合わせを見かけることは、まずないでしょう。

このスキルの組み合わせは貴重だと思います。これにhokenfpのスキルと経験を合わせればかなりのパワーが期待できるように思いました。

申し上げたいのは、相続税を節税したければ不動産に強い税理士をお探しくださいと言うことです。

残念ながら保険でできることは手堅いですが限界があります。

何事も本当の専門家を探さないとベストな対策はできないということかと思います。

保険の受取人は妻から子へ変更が一番お得。

生命保険の受取人は妻から子へ変更するのが一番お得になります。

CIMG3065生命保険は加入する際、申込書に必ず受取人を指定します。

生命保険金の受取人を誰に指定するのがよいかは悩ましい問題です。

◆ 一般的な生命保険の受取人指定。

保険の受取人は被保険者死亡時に生命保険会社から生命保険金を受け取ります。

保険料を負担した契約者が受取人(契約者=受取人)の場合もありますが、受取人はモラルリスクが低い姻族であれば他の人でも構いません。

一般的に相続などを意識しない頃に生命保険を契約するときは、収入のある夫が保険料を負担する契約者であり被保険者(契約者=被保険者)でもあります。

受取人は配偶者(妻)という組み合わせにして夫が万一の時、妻が生命保険金を受け取れるように設計します。

◆ 生命保険の受取人は時期により見直すことが必要。

ところが時が経過し、還暦過ぎともなると保険料も払込満了を迎えます。資産や蓄えも増加し相続税を意識するようになると事情が変わってきます。

相続のことを考えるようになると、保険の受取人がこれまで通り妻でよいとも限らなくなるのです。

相続税がかかるようなある程度の資産家は奥様もそれなりにため込むことが多いのです。

その上に保険金の受取人となっていれば、一次相続で死亡保険金が入ることで二次相続での相続税負担が増加することもあり得ます。

配偶者が生活に困らない程度の老後の財産を所有しているなら生命保険の受取人を見直して配偶者(妻)から子に変更することも考えなくてはならなくなります。

◆ 生命保険の受取人は妻から子へ変更する。

例えば受取人を子に変更すれば、その子の固有財産として遺産分割協議の対象からはずれます。(相続税はかかります。)受取人指定を見直すことで財産分与の指定もできるのです。

生命保険の受取人変更については下記に詳細に説明しています。

●生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

相続税がかかるなら、一次相続二次相続を検証し、お得なパターンに受取人を変更することも考えなくてはならなくなります。

◆ 受取人変更まとめ

もちろん生命保険金も相続財産ですから、受取人も自分が渡したいと思う子に指定することが大前提です。

生命保険の受取人は時と場合、状況により最適なパターンに変更する、見直すということが必要なのです。

しかし、受取人を見直す人は少ないのが現実です。忘れてしまっている人がほとんどだと思います。

しかし遺言書を書くことと同じぐらい重要な争族予防策が、生命保険の受取人を見直すことです。

相続タブーが生命保険をややこしくする。

相続財産の話がタブー|保険の受取人は見直しが大事。

生命保険を扱っていると相続がらみの問題点が浮き彫りになります。

CIMG2283生命保険は契約ですからあいまいなところは一切ありませんが、生命保険契約の存在を相続人がどこまで把握できているか、受取人は誰に指定されているかが問題になります。

最近では保険証券も印鑑も不要という生命保険会社も多いだけに、契約の存在を早めにリスト化し共有しておくことがおすすめです。

とは言っても相続には様々なハードルがあります。被相続人の心理には複雑なものがあります。相続手続きの手順も慣れない中、短期での対応が求められます。

この辺を見ていくことにします。

◆ 相続税の申告まで十か月は意外に短い。

相続が発生すると10ヶ月以内という期限に責められることになります。

これは意外と短くて遺産分割の話に手間取るとあっという間に期限が迫ってきます。

相続が意外にややこしいと思うのは、日常的に経験がないためです。

手続きも思ったより複雑で、一次相続は最初で最後の一回だけですから練習もできません。かといって事前準備としてできることは、相続税対策以外には基本的な手順と期限を頭に入れておくくらいです。

最近では、告別式に続いて初七日の法要も済ませてしまいます。

終われば疲れ果てて親族は自分の家に帰ってしまいます。

相続税がかかる家庭では、相続の話は四十九日の忌明け法要が終わってからなどと思っているとあわてなくてはなりません。

ましてや被相続人に借金でもあれば相続放棄も考えなくてはなりません。

単純承認であれば問題はないのですが、相続放棄が必要な場合、相続発生から三か月以内と厳しい期限が眼前に迫ることになります。

相続財産がきちんと遺産リストとして整理されており、必要な情報が一か所に固まっていれば、処理はスムーズですが、多くのケースで何がどこにあるかすらわからないことが多いのが現実です。

そこに至って一番詳しい人がすでにいないということに気が付くことになります。

◆ 相続財産の話がタブーになる事情。

タブーの意味(google検索):ふれたり口に出したりしてはならないとされているもの。禁忌。おかすことが禁じられている、神聖または不浄な事物・場所・行為・人・言葉の類。

相続財産の話がタブー化している家庭は実感としても沢山あると思います。

エンディングノートに相続に関する必要事項を整理し、自分の財産をリスト化し遺言書を書いておけばことはスムーズに進むのですが、それがなかなかできない相談なのです。

その辺の被相続人の事情は以下にまとめてあります。

● 遺言書が書けない本当の理由。

● 遺言書き損じればただの遺書|それでも解らない経営者へ。

親が相続財産を子に知らせたくない心理はとてもよくわかります。簡単に思いつくところを上げただけでも以下のようになります。

この心理は相続人には理解しにくいのです。

・財産があるとわかると生前贈与という無心が出てくる。
・不労所得は子に贅沢を覚えさせ勤労意欲をそぐだけ。
・相続財産をめぐって子らが疑心暗鬼、不仲になる。
・自分の財産をどう分けるか子に口出しされたくない。
・節税はしたいが誰にも手の内は明かしたくない。
・金の切れ目が縁の切れ目、あわてると損をする。
・財産を手放さなければ、子らが孫連れで帰ってくる。

ある程度人生経験を積み、お金がもたらす弊害、財産を前にした人間の欲得の際限のなさについて身をもって知っているから、被相続人はあれこれ思い悩みつつ秘密主義になっていくのです。

その結果、多くのケースでは被相続人は自分の財産の概要は、ざっくり話しても詳細は教えないのです。

意図的ではないにしても、敢えて話していないことも出てきます。

内緒にするつもりでなくてもカードで自由に買える仕組みを利用していると、引き落とされる口座が被相続人名義の口座というようなこともあります。別に暦年贈与をしていて基礎控除の110万円を越えていれば、それは贈与税の対象になります。

兄弟姉妹で片方に便宜を図っているようなケースではうっかり言えないことも出てきます。

相続財産の話が親子間でタブーになる事情はそれなりに深い意味があることをお察しいただきたいと思います。

◆ 相続財産の話がタブーなら遺産リストと遺言書。

仕事柄ついつい被相続人の立場で書いてしまいます。

被相続人にお話しすることは、秘密主義でも構いませんし、家族間の話し合いをしなくてもよいですが最低限、遺産リストと遺言書を書いてくださいとお願いしています。

そして金庫に入れておいてもよいし、家族に見せなくてもよいのですが、必ず見つかるところに置いておくことをおすすめしています。

貸金庫などに隠してしまうと期限までに見つからないことも起こりえます。これは二度手間になったり、もめ事の原因を作ることになります。

遺産リストは被相続人が作れば無駄なくもれなく作れますが、他の人ではそうはいきません。

これができていないと、相続調査で遺産の全容に一番詳しいのが担当税理士でもなく相続人でもなく税務署であったりするようなことになります。

相続財産の話がタブーなのは仕方がないですが、遺産リストと遺言書だけはお忘れなきようにと申し上げておきます。

◆ 相続財産の話は家族間のタブーなら生命保険受取人指定に注意。

よくある落とし穴ですが、相続財産をリスト化するときに生命保険契約も確認すると思います。

この時必ず保険金の受取人を見直してください。

生命保険の契約をするときには受取人はそれほど深く考えずにとりあえず配偶者や子に指定します。相続を前提にすると受取人の再指定は重要です。

生命保険金は受取人固有の財産(みなし相続財産として相続税はかかります。)ですから、遺産の受取人を指定したのと同じことになります。

権利は権利ですが他の相続人との不公平の原因にもなりますから配慮が必要です。また配偶者に相応の財産が残るのであれば、受取人は配偶者から子に変更しておくことが相続税的には有利になります。

生命保険の受取人変更については以下に詳しく書いています。

● 生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

● 生命保険の契約者変更と受取人変更 | 課税関係を解明。

● 生命保険の受取人指定は遺言書より確実な理由。

◆ まとめ-相続財産の話がタブーはタブー。

実のところ相続財産の話のタブーこそタブーなのです。しかし被相続人も人間ですから好き嫌いもあります。生前に手の内を明かして嫌われることもないのです。

ある程度頑固に財産を握り続けていると、逆に子らに疎まれるような事態も見られます。洗いざらいも感心しませんがタブー一点張りも家族関係を考えるとあまりよろしくありません。

大金でなく、小金を不定期に贈与しつつ、生命保険の様な換金性にハードルがあるようなものを組み合わせて生前贈与しておくことです。

その上で、遺言書のありかや財産の概要を節目節目の折に触れて伝えておけば、よしとしたところです。この辺の感覚は配偶者や子らの性格にもよります。しかし信頼しすぎて目測を誤る事例のほうが多いように感じます。

くれぐれも慎重に、何事も小出しに、です。

また相談する人にもご注意下さい。親切な人には残念ながら概して下心がありますから、その分を割り引いて話を聞くことが大事です。相続というのは大金が動く訳ですから、方々無造作に話を進めないようにお考え下さい。