逓増定期保険の解約時に困る未経過保険料の怪。

逓増定期保険の解約時に困る未経過保険料についての報告です。

平成22年4月から保険法が変わり年払いの生命保険でも解約時期に応じて未経過保険料を返却することが示されました。

金融庁の一見妥当な判断のようですが、全く契約者にとっては得にもならないうっとうしい話なのです。CIMG2068

未経過保険料とは読んで字のごとく保険会社はまだ時機が到来していない先払いの保険料は返却しなさいよと言うことです。

年払いや半年払いだと一年分の保険料を前払いしていることになりますから、月払いに直して未経過月の保険料を返却することがルール化されたのです。

至極まともな話ですが解約返戻金と未経過保険料の合計は実際の返ってくるお金で考えると得になるわけではないのです。

保険会社は解約する時期に応じて年払いであろうが半年払いであろうが、月単位で解約返戻金を計算してそれに未経過分の保険料を上乗せして返金してきます。

その結果、解約返戻金として予定していた金額に届かなくなるのです。それっておかしいやん、と思うのは普通の感覚です。

実はがん保険の解約の時にも同じ問題があり下記に詳しいですが、その時はまさか手取りが減るとは思っていなかったのです。未経過保険料が戻るのですからその分保障費用がかからなくなり戻りが増えると考えていました。でも逓増定期保険の解約で確認するとそうじゃなかったのです。

◆解約返戻金の不一致を説明すると。

詳しく述べることはできませんが、保険料を払ってすぐに解約するとその時点の解約返戻金と残り11か月分の保険料の合計が戻ります。

一年後に解約すると未経過保険料は0円となり解約返戻金だけが戻りますが、その差が100万以上になることが普通にあります。一年待った方が儲かるのです。

保険料を払って一年寝かせた時の解約返戻金の方が即解約よりも戻りがかなり多いのです。

しかもその一年間は保障が続きます。とは言ってももともと保障目的ではないですから、さっさと解約して解約返戻金で借りているお金を返済したいところです。CIMG2085

逓増定期保険の名義変更でいえば一時所得の申告も一年ずれることになります。妙に惜しい気持ちと先延ばしになるうっとうしさに悩むことになります。

解約返戻金の一時所得で予定していた次の逓増定期保険も契約できなくなります。金融庁も契約者に不利な改悪をしてどうするのでしょう。ボヤキ節が聞こえてきます。

物納問題の深刻さは相続を追い詰める理由。

物納問題の深刻さは相続を追い詰める理由は複雑です。

個人資産があれば物納はできないという当たり前でありながら、相続人にすれば「何で?」と思うのが当然ですが、このことが相続をより複雑にします。

相続して相続税を納税するなら相続した財産から払うのが普通に思うことです。

でも現金や保険を相続すると言うことはもともと運がよい方で相続財産と言えば自社株であったり不動産であったり換金性の低いものになります。CIMG2036

さらに節税対策をやりすぎるとお金が賃貸不動産のような短期で換金が難しい物に置き換わり、結果として納税キャッシュはさらに少なくなり、対策をしたものの、はからずも相続人を困らせる結果となります。

すでにご案内のように平成18年度の税制改正で物納要件が厳格化されました。これは課税庁の物納は最後の最後まで認めないというキャッシュフロー重視の徴収姿勢です。

公式で示せば、現金>延納>物納となります。

自分の財産も含めて現金(もしくは相当品)があればまず現金、それがなければ年収予定を計算私して必要最低限の生活費を引いた残額で延納です。

それでも期限までに払えない場合に限り物納という仕組みがあります。

要するに個人で換金可能な資産があれば物納は認められないのです。

物納までの道のりはあまりにも遠くなったため物納が減少したというのも無理ないところです。詳しくは他のサイトに譲るとしますが、他にも様々な縛りや条件があります。

今までのように簡単に物納できるわけではなくなりました。もちろん証券類も保険も換金可能ですから納税資金と見なされます。

解約すれば損をするような保険の場合銀行から納税資金を借りてでも残すかどうかです。

言えることは早くから保険を活用して納税資金対策を怠りなく準備することです。不動産にしても売る覚悟で準備をしておかないと足元を見られます。

とにかくいつでも売れるように早くから準備することです。現実的には一定の資産がある経営者にとってはなかなか厳しい物納なのです。

役員退職金の否認が増えている理由と対応策について。

役員退職金の否認が増えているとすれば重大なことです。

役員退職金の否認が増えている理由とは書きましたが、知り合いの税理士法人に確認すると否認の事例はあるがそれが一般的とは言えないという意見です。

保険の営業トークに役員退職金を二度もらうみなし退職という話法がありました。

今もありますが何かと問題をはらんでいます。その役員退職慰労金の原資を法人契約の生命保険で準備しませんかというスキームです。CIMG2062

確かに役員退職金は高額になりますからよほど優良企業でも準備なしでいきなり支給するのはキャッシュフロー的に厳しいものがあるでしょう。

それで役員退職金は別枠で用意する必要があるのですが、その話は別のページにゆだねるとして、ここで申し上げたい注意すべき点は役員退職金の正当性です。

OB税理士の先生がよく言うことは、

1. 形式基準を満たしているか。

つまり正式な取締役会、株主総会を開催してきちんと議事録を残しているか。
社長が一人で決めて議事録を形だけで作成していないか。

2. 実質基準を満たしているか。

本当に引退、退職しているか。やめたふりではないか。
経営の実権や決済権を握ったまま偽装引退になっていないか。

3.  役員退職金の支給額が妥当かどうか。

支給額は税務署に事前相談すればリスクは軽減されます。自分勝手に決めないことです。

それやこれやを考えても一般庶民からすれば考えられないような巨額の役員退職金ですから本来税制優遇されるのは得心できないところでしょう。

しかし資本主義経済のもとでは中小企業の事業承継における存続と言うことを考えると課税当局にとっては退職金税制も許容範囲と言うことのようです。

退職と言えば会社を離れ縁が切れるのが普通の感覚です。

それを形だけ引退したように見せかけ、退職金だけ有利な税制で受け取ることは許しませんよと言うことが課税当局の意図するところです

退職金は過大でない限り法人としては損金算入が認められます。また受け取った役員にしてみれば通常の所得税から見ると退職所得控除があり、残りの額の半分が課税対象になります。

その上分離課税となっていますから半端な有利性じゃないのです。それだけに課税当局としても退職金に関しては微に入り細に入り厳しい見方をするのです。

注目すべきは「法人税基本通達9-2-32」です。以下引用です。
法人が役員の分掌変更又は改選による再任等に際しその役員に対し退職給与として支給した給与については、その支給が、例えば次に掲げるような事実があったことによるものであるなど、その分掌変更等によりその役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められることによるものである場合には、これを退職給与として取り扱うことができる。
 (1)常勤役員が非常勤役員(常時勤務していないものであっても代表権を有する者及び代表権は有しないが実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く。)になったこと。
 (2)取締役が監査役(監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者及びその法人の株主等で令第71条第1項第5号《使用人兼務役員とされない役員》に掲げる要件の全てを満たしている者を除く。)になったこと。
 (3)分掌変更等の後におけるその役員(その分掌変更等の後においてもその法人
の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く。)の給与が激減(おおむね50%以上の減少)したこと。

何を言っているかということを一言でいうと「実質的に引退したかどうか」ということを損金算入の条件にしているということでしょうか。

会社には毎日来ていないが、家に経理部長を呼びつけて決済している、幹部には家から携帯とメールで叱咤指示しているというケースは口裏を合わしても隠ぺいするのは難しくなるでしょう。

実際のケースでは優良申告法人などでは未だに退職金でも形式要件さえ満たしていれば大目に見てもらえるという暗黙の了解のような感覚が経営者にあります。

経営者の本音からすれば未熟な後継者に経営の実権をゆだねると幹部連中が増長して会社の存続を危うくするから、自分が目を光らせていないと心配でならない。

そんなもん税務署が何やかや言ったところでいざというとき助けてくれないのは銀行と同じ、会社が立ち行かなくなったのではとても引退どころではなくなってしまう。

軌道に乗るまで見守るのがいかんわけがない。という理屈も首肯できないこともないです。

ただ見方が厳しくなる傾向にありますから形式要件だけでなく実質的な要件にも十分配慮して思いつくままにアバウトでやらないことです。

そこの押さえがきちんとできていて退職金が認められることは会社にとっても経営者の事業承継・相続設計にとってもすこぶる重要な要件なのです。

相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

相続対策と相続税対策は似て非なるもの相続対策ありきの理由。

よく似た言葉ですが一文字「税」というところが違います。

かたや相続対策は相続財産の分け方ですから相続税がかかるかかからないかに関わらず相続人100人が100人とも必要とする対策です。CIMG2166

身の回りに何ぼでもある争族の事前の対策です。相続税対策は相続税という税金をいかに安くして相続人としての分け前を多くするかという対策です。

お金がない貧乏人でも相続対策は必要です。
「泣く泣くもよい方を取る形見分け」というような川柳にあるように人間の本性が見え隠れするどころかむき出しになります。

また相続財産が少ないほど遺言書や生命保険などの対策ができていないので争いも熾烈になり解決に時間もかかります。

◆相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由

とくに被相続人の面倒を見たり介護をした人がいればこれまたもめる要因になります。平成21年に家庭裁判所で遺産分割調停が成立した件数のなんと73%が相続財産5000万以下のケースです。

この辺は無策でもほとんどか全く相続税のかからないゾーンです。相続財産が1億あるとあの手この手で相続税対策をして相続税がかかるかどうかの分岐がこのあたりになります。

相続人の数にもよりますので、しっかりとした計算が必要なゾーンです。

この範囲の家庭からの家庭裁判所への申し立てをふくめると90%以上になるのですから、争族の水準の低さがうかがえるというものです。

 

生命保険を買う側の事情がわかる強みは他にない。

生命保険を買う側の事情がわかる強みは他にないと申し上げて間違いないと思います。

生命保険はわかりにくく難しいという通り相場があり、残念なことにそれが生命保険の敷居を高くしていると言えるでしょう。

生命保険は売る側と買う側では事情がずいぶん異なります。“売る”と“買う”ですから正反対の立場になるため当然と言えば当然です。

売る方は何とか自分の扱っている生命保険を売り込んで結果を出したいという思いがあります。

買う方はもともと生命保険の必要性からして疑念を抱いていますから、この隔たりは結構大きいわけです。CIMG2121

それを夜討ち朝駆け拝み倒しで、じゃなかったリスクを説明し生命保険の商品的価値を理解してもらうことで売り込まなくてはなりません。

買う方はだまされないようにガードを張りつつも不安がよぎります。ここを畳みかけて情に訴えることで保険契約は成約へと進みます。

実際の場面では比較購買をしているつもりが営業担当の好き嫌いに理屈を付けて保険商品の善し悪しを判断します。大方の保険契約はそういう経緯で成立します。嘘のようなホントの話です。

生命保険を買う側といえば企業の保険担当ですが、そんなものを設けるほど手が余っていることもないでしょうから普通は財務か経理担当者が窓口になります。

ところが買う側の弱点はこの経理担当者にあります。たいていの場合生命保険のことなどほとんど理解していません。契約時には説明もありますからざっくりと理解はしますが一週間もすればほとんど忘れています。それが生命保険の普通なのです。

買う側の事情としてもお寒いばかりです。それ故にしっかりした信頼のおける代理店かアドバイザーがいないと生命保険の価値を引き出し損ねることがあるのです。

買う側にとって足りないのは生命保険のメンテナンス能力です。まさに長期的に責任をもって見てくれるアドバイザーというか保険専門家が必要なのです。

法人保険は後継者に全部譲渡で得する方法。

法人契約の保険は後継者に全部譲渡で得する方法、についてご説明申し上げます。

だれもこの種のアドバイスはしてくれないのです。買う立場で言えることはきちんとした法人保険の知識とテクニックを理解し確実なアドバイスができる人はほとんどいません。

保険代理店は手前味噌、得意分野だけですから話は割り引いて聞きつつセカンドオピニオンが必要です。

税理士の先生はほとんど役に立ちません。概略と基本はわかっていますが裏ワザと保守テクニックは期待できません。CIMG2057

ましてや保険会社所属の営業マンやら証券会社、銀行はさらにあきません。みんな売ることには熱心ですが自分の利益にならない他人取扱いの保険のことなど興味を持つ方がおかしいと言うべきです。

愚痴はさておき、どの会社でもこれまで何本かの法人保険に加入しているはずです。社長の身に何かあれば会社や従業員が困りますからどんな会社でも何本かの法人保険に加入していると思います。

金庫の奥深く、金庫株ならぬ金庫保険が見つかるものです。払込をすでに終わった予定利率のめちゃくちゃ高いころの終身保険が静かに眠っていたりします。

払込満了ともなると毎年の支払いが発生しませんからB/Sに載ることは載りますが財務担当者は普通あまり興味を示しません。

他にも退職金準備と事業保障を兼ねた長期平準定期保険があったり、余裕のあったころに知り合いの代理店に拝み倒されて入った変額終身保険だったり他にもいろいろあると思います。

当然この話は社長が被保険者で会社契約の保険の話です。

下手な財務担当なら予定通り解約して退職慰労金に充てようとします。少し知恵が回ると法人保険を退職慰労金の現物支給を考えます。

それではまだ知恵が足りないのです。簿外に退職慰労金の原資が蓄積されているなり、他で資金が工面できるなら社長被保険者の保険は医療保険を除き、すべて後継者に譲渡してしまうのです。

何の問題もありませんが、一つだけあるとすれば後継者の購入資金です。

そんなものは社長が退職慰労金から貸し付ければよいのです。相続発生までスズメの涙ほどの利息を払いつつ借りっぱなしでよいのです。相続が発生したら精算すればよいだけです

これの良いところは後継者の買取資金に保険というレバレッジが効いて何割か増しの保険金が受け取れます。

それも相続税にはかからずにです。契約者が後継者、被保険者が社長、受取人が後継者になりますから、税制上はとても有利な一時所得になります。

さらに他の相続人に遠慮することなく後継者に資金を集中できます。

だから申し上げたいのは簿外に退職慰労金の資金をしっかり貯める法人保険の長期的計画が会社の存続に大きな影響を与えるのです。

長い目で法人保険を活用すると相続・事業承継で驚くような働きを見せてくれるのです。ホントにここをお分かり頂きたい。

生命保険管理は財務責任者に任せて失敗する理由。

生命保険管理は財務責任者に任せて失敗する理由についての考察です。

中小企業の経営者はどこまで行っても代表取締役社長であると同時にトップセールスです。うまいことを言った人がありました。確かに代表取締役営業部長が会社の顔になっているのです。CIMG2162

また一方では代表取締役財務部長だったりします。会社がまだそれほどの規模でないときには自分で仕入れも製造もはたまた機械の修理までやっていた社長が規模が大きくなると目が行き届かないので部下の行動に不満や不信がつのります。

社長一人の力で伸ばせるのはせいぜい30億までで、社長が自らやればやるほど社員の成長機会を奪います。任さなければ会社は大きくなりようがありません。

経営とは平凡な人に非凡な仕事をさせる業なり、とも言います。

とは言いながら任してはいけないのが法人保険の管理です。保険は財務全体に関係しP/LやらB/Sに影響を与えるだけでなく簿外の緊急予備資金の管理にも深い関係があります。ここは人任せにしないことです。

生命保険の特性として言えることは自分で関わっていてもその内容を忘れてしまいます。

契約が成立すると途端に生命保険のことが関心の外に追いやられてしまうのです。

ましてやそれは人任せにするとさらに激しく忘れます。激しく忘れるとは妙な言い回しになりましたが本当に法人保険の契約内容、名義変更譲渡、減額、失効、払済などのテクニックを駆使すると、半年もすればもう何をどうしたか思い出すのがとても困難になります。

そこへきて後継者に名義変更したりしていると保険証券が新しい契約者の元へ行きますから手許書類を見ても変更内容が思い出せませんから一層混乱に拍車がかかります。

これ嘘も隠しもしませんが法人保険の買う側のプロを自認していても実際の話です。わからなくなること度々に及ぶのです。

それだけに法人保険は人任せにしないことを肝に銘じて頂きたいと切に申しあげたいのです。買う側だからこそわかる法人保険の意外と大きい忘れるリスクです。

掛け捨て生命保険の名義を相続発生直前に書き換える。

事業承継スキームとして掛け捨て生命保険の名義を相続発生直前に書き換えるという手法を提案している書籍があります。

それも定期保険を、だそうです。全くバカげた話です。

確かに生命保険契約の名義変更は何度でもできます。そういう意味では会社で契約していた生命保険を死をまじかに控えた経営者に名義変更すると死亡保険金は家族の受取となり相続税の対象となります。CIMG2233

法人で死亡保険金を受け取ってしまうと払込保険料を費用で処理していれば保険金は全額雑収入にはなりますが、これは会社の信用を維持するための運転資金になるものです。

その生命保険はもともと何の目的でかけたかということです。

それ以前の問題として定期保険で解約返戻金が0などというものはお勧めしにくい商品ではありますが保険料を押さえて保険金を大きくする仕組みだと思います。

でも定期保険です。そのうち保険期間が満了してしまいます。

終身保険や超長期定期保険なら受け取れることでしょうが解約返戻金が0になることも保険料を全額損金にすることもできません。

ただし95歳ぐらいの長期平準定期保険を後生大事に抱えておき被保険者死亡を待つという手も、姑息ながらありますが。実際無理な話です。

毎年保険料を払う時期だけ法人名義にしてあとは個人名義にしておいて死亡保険金を受け取るのを待つようなことになります。そんなこと普通の神経でできますか。

私の憤りに対して間違いを指摘していただける方を募集します。本代返せ、です。

とは言え生命保険の受取人変更の注意事項も必要ぬなると思いますので、下記をご参照ください。

◆生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。