ローンは繰り上げ返済するな!

ローンは繰り上げ返済するな!

保険は相談するな!とは申し上げましたが、今回、ローンは繰り上げ返済するな!などと意味不明なことを言い出しております。決してコロナウイルスに頭をやられたわけではなく賭け麻雀で負けた訳でもありません。相続税がかかるような場合はローンの繰り上げ返済しないほうが良い場合があるのです。相続税がかかるかどうかの分岐点が相続税の改正以後下がりました。かなり多くの方に影響があるように思います。

◆ 相続税対策は節税より納税資金対策。

相続対策は相続税の節税対策ではなく納税資金対策が重要であることは、過去の記事の中でも再三申し上げてきました。不動産屋や建設会社の口車に乗って節税のためにお金を借り、賃貸アパート経営に失敗して元も子もない人のことが法事で話題になることがあります。確かに相続税は無くなりましたが虎の子の財産をなくしてしまったのでは意味がありませんね。景気は水ものです。いつまでも右肩上がりというわけにはいかないのです。今回のコロナ危機のように新型のコロナウイルスだけであっさりと景気の先行きは不透明になりました。

◆ 納税キャッシュがあるかどうか。

相続税がかかるということは、相続税を期限までに現金で納税しなければならないということです。ところが財産といえば親の家屋敷ばかりでキャッシュはそれほどお持ちでないケースがあります。普通にサラリーマンをして、子供を大学にやりマンションのローンを払っていれば手元にキャッシュが残るはずがありません。繰り上げ返済をしたくてもまとまったお金は宝くじくらいしか期待できないですから、もともと相続税の納税キャッシュが潤沢にあるわけではないのです。

それでも地価の高い都心の周辺や交通至便な駅前などは、そこそこの評価になり、相続すれば相続税がかかる場合があります。相続財産は換金性の低い不動産が主体というのはよくあるパターンです。それゆえ相続税がかかるなら手元資金が必要になります。もし退職金などで一時金が手に入っても今一度よく考えて繰り上げ返済をすべきか、納税のための手元資金として残すかをお考えください。

◆ 保険金は確実な納税資金。

そうは言ってもローンは心の重荷、70歳までのローンを抱えていると、繰り上げ返済したいと思う気持ちはわかります。経験がありますから言えますが、ローンは目に見えない重荷であると同時に、抱えていると自由がないのです。新しい人生の選択肢が制限され、気が重いのです。

 生命保険金で納税資金が用意できているなら、退職金でローンの繰り上げ返済をすることは、利払いを減らすことになりお得になります。相続人の納税資金対策として生命保険はやはり有効な手段なのです。ここでは詳しく触れませんが、生命保険金は受取人の固有の財産です。相続税の課税対象の財産にはなりますが、遺産分割で分ける必要がないありがたいお金になります。

 特に、兄弟姉妹がいて遺産分割を要求されそうなときは、生命保険金で代償分割を行うことができます。この場合は、兄弟姉妹に支払ったお金には贈与税がかかりません。生命保険は何かと万能でかつ安全確実な資金を提供することができるのです。

◆ まとめ

思いがけない相続税で苦労しないためには、まず相続財産の評価が必要です。でも節税に興味のない被相続人に正確な相続財産の目録をお願いするのは骨が折れます。何度必要性を説明しようとも、相続対策もしない遺言書も書かないというかたくなな親の気持ちもよくわかりますから、ここが大きな壁になることは間違いがありません。少なくとも相続税が足りないからと言って銀行では納税資金のためのローンは組めないと思います。大枠で財産額を把握しておき相続税がかかるかどうか、かかるとすればいくらくらいか、遺産分割の落としどころ、納税資金を生命保険で確保する設計をじっくり考えてみることをおすすめします。

コロナ不況、最初に削る保険料。

コロナ危機、最初に削る保険料と保険の本質。

DSCF1918日本全国、いやいや全世界が新型コロナウイルスにより同時不況に陥りそうです。本番はこれからですが、どこまで不況が深刻化するか予断を許さないところです。保険業界も営業活動が自粛になっていますからなすすべがありません。

コロナ危機はあらゆる分野に及び、すでに破産や民事再生法を選択した企業も多数に上っています。企業の現場にいれば伝わってきますが、これはまさに氷山の一角であり事態ははるかに深刻です。外食産業だけでなく関連産業は大打撃を受けており、悲鳴が聞こえてきそうです。

◆ まだ見ぬリスクと目の前のコロナ危機。

保険はリスクを認識して契約するものですが、本音の部分ではまだ見ぬリスクより今の生活です。保険は法人でも個人でも経済的余力があって入るものです。衣食住の生活費を切り詰めて入るほど、未来の、それも未定のリスクを自覚している人はいないものです。わかりやすく言えば不確定な未来のリスクより、目の前の経済的ピンチの方にお金をかけるのは普通の感覚です。

◆ 解約か減額か払済かの選択肢。

コロナ危機で売り上げが激減すれば保険料負担が過大になるときがきます。本来保険料は固定費に分類できますが、キャッシュがピンチになれば変動費化するほかありません。保険料を削減する方法は状況によりいくつかの手法があります。支払う保険料を減額することで乗り切れそうな場合は、保障額はその分下がりますが保障を残しつつ保険料の支払を少なくすることができます。

減額とは部分的な解約ですから、その分に対応する解約返戻を受け取ることができます。保険料の減額分と部分的な解約返戻金が財務的な助けになります。それでは乗り切れそうにない場合は解約を考えます。解約すれば保障はなくなります。払済にするという選択肢もありますが、詳しくは下記のページをご参照ください。

■生命保険の払済が一般的ではない実態を報告。

◆保険の解約や減額の意味するところ。

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何事もなければ保険にかけるコストは無駄になります。一生涯何の保険にも入らずに平穏に暮らした方もいます。保険に助けられた人もいます。

保険の本質は相互扶助と言いますが、保険に加入する人も保険を勧誘する保険営業も相互扶助を意識して使命感をもってやっているわけではありません。保険営業にすれば収入を得て暮らしていくためのビジネスとして保険を販売しています。

突き詰めると生保も損保も保険料を支払う契約者は、ほとんどの場合受け取るお金より支払うお金の方が圧倒的に多いのです。その差額が保険会社の収益になり保険営業のコミッションに変わります。

保険会社は基礎利益が数千億、自己資本が数兆円などと自慢げに告知していますが、それも元はと言えばすべて契約者が支払った保険料です。話がそれていますが、申し上げたいことは未曾有のコロナ危機に際して保険会社は苦境の契約者を救済する大胆な施作を打ち出せないのかと思ってしまいます。

確かに各社各様にしょぼい施作を打ち出してはいますが、解約してでも当面のキャッシュを必要とするピンチの企業には、十分な支援にはなっていないのが現実です。相互扶助の理念が少しでもあればもう一歩踏み込んだ支援策が可能なはずです。

コロナ危機と保険の自殺免責、自殺大国復活か?!

コロナ危機と保険の自殺免責の関係、自殺大国の汚名。

DSCF1886コロナ危機は経済に甚大な影響を与えています。聞こえてくる声は悲鳴に近いものがあります。政府の支援策は不十分で時間がかかります。固定費がかかる中小企業では補助金申請をしつつ、返済のあてがなくても金融機関から緊急融資を受けてつないでいくほかありません。

それでも経営をつなげなければ、社会的に非難されようとも従業員を解雇し生命保険を解約するしかありません。すでに倒産や自己破産を選択したところも聞こえてきます。早々に破産してしまえば再建する道もあるかもしれませんが、頑張れば頑張るほど事態が悪化することもあります。その結果、あってはならないことですが、生真面目な経営者は魔がさすと言いますが、限られた選択肢から最悪の手段を選択することも起こります。

日本は数年前までは年間3万人を越える自殺大国でした。ここ数年で2万人まで減少してきましたが、このままでは逆戻りになりかねません。そういう厳しい局面で保険はどのように機能するのか、保障とは何か、自殺免責も含めてまとめてみました。

 ◆ 日本の自殺者は交通事故死者を上回る怪。

日本人は保険好きで知られていますが、一方では自殺好きでもあります。自殺することが好きな人はいませんから自殺を選択する人が多いということです。自殺の理由としては健康上の理由が一番ですが、それに次いで多いのが経済的理由です。亡くなった人にアンケートを取って心理を確認することはできませんから本当のところはわかりませんが、たぶん一つや二つではない複合的理由だと考えられます。

日本の自殺者数は平成10年から平成23年までなんと3万人超が続いていたのです。交通戦争と呼ばれた時期の交通事故死者ですら1万人超ですから、毎年3万人もの人が自ら命を絶つ異常な国だったのです。ここ10年は景気がよかったせいか減少が続き、令和元年の自殺者数は20,169人となり、対前年比671人(約3.2%)減となりました。驚くべきことは男性の自殺者数が女性の約2.3倍となっていることです。男性が精神的に弱いからなのかそれとも社会的・経済的に責任が重い結果なのかは定かではありませんが、同性としては穏やかならぬ心情です。

 ◆ トランプはババ抜き4度、破産しても大統領。

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米国の大統領であるドナルド・トランプは過去に4度破産していることはよく知られていることです。

不動産王と言われながらも世界一の貧乏人となり、借金を残して大統領に君臨しています。特異な例ではありますが、あきらめなければそして生きてさえいれば、チャンスは何度でもやってくるという証明のような人物です。

人に迷惑をかけることをいとわない破天荒な生き方、歯に衣を着せぬ配慮に欠いた暴言ともいえる発言の数々は日本人の感覚では理解できませんが、その人を選ぶ米国人も不思議な人たちです。破産は人生の終着点ではなく単なる通過点と割りきる尊大さも生命力につながるということでしょうか。

 ◆ 生命保険の自殺免責。

「自殺免責」とは、生命保険の被保険者が自殺した場合に、保険会社は生命保険金支払い義務が免責になることを言います。自殺の場合、保険会社は保険金を払う責任を免れるということです。意図するかどうかは別にしても、自分を犠牲にした保険金詐欺のようなことになりますから、保険法では被保険者が故意に自らの生命を絶った場合、保険会社は保険金支払いを行う責任を負わないとする免責事項があります(保険法51条1号)。

そういう保険法の規定があっても保険会社としては契約してから一定の期間を経過している場合は自殺を意図した保険契約とも言えないので、免責期間経過後の自殺であれば保険金が支払われることがあります。これは、自殺を決意した人が、その思いを抱えながら何年も生きることは難しいとされているからです。

自殺でも保険金が支払われる場合については、保険会社ごとに定められたルールにのっとって、そのケースごとに判断されます。自殺による保険金の支払いについては、保険会社ごとに1~3年程度の免責期間が設定されています。自殺免責は2年程度が多いようです。

 ◆ 解約返戻金で生き残るか、生命保険金で清算するか。

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保険業界にいると人の生死にかかわることがありますが、まれに自殺もあります。零細企業では1億円の保険金があれば取引先や社員を路頭に迷わせることなく清算することができる場合があります。

生命保険には解約返戻金がないかあるいは契約して日が浅いと解約返戻金が少ない契約もあります。初期低解約返戻金型の生命保険はコロナ危機だからと言って解約すると大損する場合があります。この場合、契約者貸付はさらに少なくなります。

こういう場合、解約返戻金で生き残ることは難しくなり、生命保険金で清算するという悪魔のささやきが聞こえてきます。解約返戻金より巨額な保険金の誘惑が、人の人生を踏み誤らせるとしたら、生命保険の趣旨から外れしまい生命保険を扱うものにすれば悲しい限りです。生命保険会社に対して自殺免責の期間に対する問い合わせが増加するようなことになると社会問題となるかもしれません。

 ◆ 開き直れば保険は不要。

コロナ危機で経営の危機に陥って暗澹たる気分の方が検索された結果、ここにたどり着かれたとすれば申し上げたいことがあります。トランプではないですが、生きていれば何度でもやり直しができるのです。

もはや選択肢がないように思うギリギリの極限はご自分の妄想なのです。道がないわけではなく見えていないのです。常に道はあるのです。家族や支援してくれた人に迷惑をかけるかもしれません、それは試練として甘んじて受け止めること、そして開き直って一歩下がって見直してください。生命保険は助けになるときとそうでないときもあります。腹をくくれば保険は不要になります。保険契約は全部解約しキャッシュにしましょう(解約返戻金があれば)。それでも行き詰まるなら自己破産も有力な選択肢です。自死ほどつまらぬ選択はなしと言えるのです。終息しない感染症は過去に一度もありません。そのうちきっとよくなります。

 ◆ まとめと保障額も少ない、解約返戻金も少ない節税保険の無力。

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バレンタインショックの駆け込みで加入された節税保険は、まだ解約返戻金も十分伸びていませんし、死亡保障も初期の災害死亡だけです。自殺免責にも引っかかりますから今回のコロナ危機には役立たずです。この種の保険の解約は最後の手段にしてください。

これまでの既契約である全額損金や二分の一損金の保険商品は、コロナ危機のような一時的な経営のピンチやキャッシュフローの不足時期に解約することで雑収入と解約返戻金が役に立ちます。保険による緊急予備資金を簿外に蓄積しているメリットが今こそ発揮されるのです。

まとめとして申し上げたいことは、自殺での保険金給付という事態は後にのこる家族や友人を悲しませてしまうことになります。生命保険に自殺免責があり、それは一定の期間で免責でなくなり保険金が支払われるようになりますが、決して悪魔のささやきに耳を貸さないでください。生命保険契約があったばかりに自殺という選択肢が一つ増えるのでは、あまりに本末転倒です。今回の苦境と試練がきっと次の飛躍の糧になる日が来ます。もう少しの辛抱です。

法人保険、コロナ解約の劇損。

法人保険、コロナ解約の劇損情報を検証する。

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保険代理店からの情報では保険の解約が相次いでいるそうです。本番はまだこれからだと思いますが、保険料を払うどころではなく、家賃や人件費が払えないのですからキャッシュを確保する手段はなんでもやるといったところでしょうか。

保険は解約時期を誤ると損失が大きくなることがありますが、目の前のピンチを乗り切るためには背に腹は代えられないと言うことかと思いますが、冷静に一考を要するところです。

 ◆ コロナ対策、保険解約の心理。

コロナ対策としていろいろな支援があり緊急融資(例:新型コロナウイルス感染症特別貸付[日本政策金融公庫])もありますが、それが間に合わない場合や、それだけではどうしようもない場合、保険の解約を検討することになります。余力があれば解約せずに契約者貸付という選択肢もありますが、今回の場合いきなり解約というケースが多いようです。

解約すれば保障がなくなりますが、会社が存続してこその保障であり保険ですから、資金ショートを前にしては保険の解約もやむを得ないという考え方です。新型コロナウイルスが終息して売上が戻ってきたらまた入ればよいのです。

保険には緊急予備資金としての役割があります。保障機能のほかに貯蓄機能もありますから、キャッシュがピンチのとき強い味方になってくれます。今回のコロナウイルスのような先の見えない危機のなかではいざとなったら、手遅れにならないうちにためらわず解約することもお考え下さい。

 ◆ 解約は最終手段、ベストな方法を選択。

ただ、保険の解約で注意しなければならないのはそのときの解約返戻率です。初期低解約返戻率の保険や逓増定期保険、契約してから年数が浅い保険は判断を誤って早期に解約すると劇損を被る場合があります。なんでもかんでも解約するのではなく、保険商品の特性を見極めて、払込を停止し振替貸付に移行したり、契約者貸付を利用したりすることを考えます。場合によっては保険を担保にお金を借りることもあると思います。

まず手元の保険証券、契約内容のお知らせ、法人契約・個人契約を整理してみてください。そして現時点での解約返戻金がわからなければ、保険会社のサポートか契約した保険営業に問い合わせてください。すぐに解約返戻金の額を教えてくれます。

 ◆ 保険の解約手順。

保険の解約は担当営業に依頼して解約請求書を届けてくれますが、営業活動自粛中では時間がかかる場合が考えられます。手っ取り早いのは保険会社のサポートに連絡して保険証券番号と本人確認ができれば、解約請求書を数日以内に郵送してくれます。必要事項を記入して実印(金額によります。)を押し印鑑証明書を添えて郵送すれば数日で入金します。最悪でも一週間以内に着金するようです。

ただ一気に解約に走るのではなく一度立ち止まり他に方法がないか考えることをおすすめします。

 ◆ まとめ

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解約は最後の手段だと申し上げましたが、さらに最後の手段もあります。ここでは詳しく述べませんが、生命保険には追い詰められた苦境の経営者に悪魔のささやきをすることがあります。

そういう誘惑にかられないためには、さっさと解約して開き直ることが長い人生では正しい判断になると考えます。

ここからは知恵と度胸と交渉力がものを言います。緊急融資を受けても返さなくてはなりません。保険の解約の話をまとめてきましたが、緊急事態宣言はいつまで続くかわかりません。このままの状態で営業が再開できなければいつかは、保険の解約だけで乗り切れないときがきます。そのときにどうするか、話が保険から離れてしまいますが金融機関との付き合い方、図太く生き残る方策については改めて考察することとします。

テレワークに不向きな保険営業。

保険営業がテレワークに向いていない理由について考察。

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新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い緊急事態宣言が発令され、多くの営業はこれまでに経験したことがなiいテレワーク(在宅勤務)強いられていると思います。国内の多くの生命保険会社も訪問を伴う営業活動の自粛を行っています。

2020年5月2日の日経新聞の記事によると「生保営業、非対面に 明治安田など大手コロナで接触抑制」とあります。もともと国内生保は大量の営業職員を抱えているため、直接会って顧客と関係を深めることを重視する面談営業を非対面にすることには抵抗があったと思いますが、ここにきて部分的な転換をしたことになります。

ただし既存の契約がある顧客に対して追加で医療保険や契約変更がある場合に限定しているようですから、全面的な取り組み変更ではありません。実際はリスクに対する丁寧な説明が必要な外貨建て保険や新規顧客ではまだハードルが高いということだと思います。

 ◆ 生保営業のテレワークと訪問自粛。

営業にとってお客様を訪問できないという事態は、既存の顧客に対しても新規顧客に対しても大きな痛手です。面識のある既存顧客であれば契約の保全業務はテレワークでも可能だと思いますが、新規契約を提案したり、クロージングしたりするには面談でないと難しい面があります。

また社内会議ではWebシステムなどで相手の顔を見ながら話ができますが、営業活動ではテレビ商談やWeb面談はできないでしょう。テレワークはできてもテレセールスはできないということです。そもそもテレアポだけでもなかなか相手をしていただけないのが営業の実態です。メールや電話だけで注文や契約が取れるほど営業は甘い仕事ではありません。

ましてや保険営業という職種は、保険商品の説明ができれば契約が取れるというほど単純なものではありません。まず顧客との人間関係と信頼を得ることから営業活動が始まります。それゆえ電話やメールだけではお互いの信頼関係や安心感が醸成されにくいのです。人生で家に次いで大きな買い物になる生命保険をよく知らない人にお願いすることがそもそもあり得ないと考えるべきなのです。

保険営業にとってテレワークが問題なのではなく、訪問自粛が重大な足かせとなります。

 ◆ テレワークで契約が取れればGNP(義理・人情・プレゼント)は不要。

保険業界ではそもそも出社することに意味がないということがあり、週に何回か会議や報告のため出社するという会社もあります。国内生保では毎朝長々としたモチベーションを下げる朝礼をしてきましたが、無意味な出社はテレワークにすれば営業効率は上がると思います。

しかし、テレワークと訪問自粛とは保険営業にとり別問題です。保険の営業は食えないほどの固定給がべースで、成果給で生活を支えていますから結果が出なければ生活できません。訪問自粛とはお客様が全く来ない外食レストランと同じです。数か月も続いたら固定費がかさんで経営破綻するしかありません。

訪問できなければ、営業の必殺技GNP(義理・人情・プレゼント)も威力を発揮しません。保険営業にとって出社することに意味はそれほどありませんが、顧客と会えないとなると、さすがにどうしようもありません。面談は契約への近道ですが完全に道を絶たれています。

そうかといって保険営業はパチンコ屋と一緒で、営業自粛による売り上げ減少を保証してくれる仕組みもなさそうです。雇用調整助成金や持続化給付金も中途半端な保険営業の救済措置にはならないのではないかと思います。営業活動の自粛を行っても休業ではないですし、個人事業主としての側面がある以上保険会社が救済するということも期待できないところです。しかし営業活動の自粛を保険会社が指示したとすれば、保険営業職員の生活を保証する責任は保険会社にあるはずです。この辺はまだ情報が見えてきません。

 ◆ 被保険者の健康状態を面前で確認。

新規に保険契約をするときには、告知や医師による診査があります。また保険会社によっては面接士と呼ばれる仕事があります。被保険者の本人確認、そして面前での健康状態の確認と署名をいただく責任があります。これはテレワークに移行したりネットで手続きしたりすることはできません。少額の保険であればリスクは低いですからネットのような通信で完結しても大きな問題にはならないと思いますが、しっかりした保障がついている契約では営業活動が自粛中でも、契約と診査は面談を避けて通ることはできません。

 ◆ テレワークと保険営業まとめ。

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保険会社はそもそもストック型のビジネスです。保険営業が集めてきた保険料を運用することで収益を上げます。

ですから保険会社はこれまでの預かり保険料のストックがありますから営業活動自粛と大見え切ってもそれほど腹が痛まないのです。

ところが保険営業の成果は初回の保険料から引き当てられるコミッションだけです。

損保のように毎年コミッションが入るわけではないので常に新規契約を取り続けないと生活が成り立たなくなります。営業自粛とは保険営業にとれば即、苦境が待ち受けています。言い方は下品ですが保険営業の気持ちからすれば抵抗を続けるパチンコ屋と同じ気持ちです。自粛もクソもない生きるためには顧客に合わなくてはならないという気持ちになります。

感染拡大の中、保険営業のあり方とう記事を以前に書きました。保険営業は自律性の高い仕事です。本音を言ってしまえば保険営業とはお客様と合わなくては仕事になりません。新型コロナウイルスが拡散しているからと言って休んでいることはできません。もちろんお客様に迷惑をかけることはできませんからマスクとアルコール消毒液持参で、お客様の状況に合わせて準備する配慮が必要です。

保険営業に限らずあらゆる事業でいつまでも営業自粛を続けることはできないでしょう。どこから動いていくか、それまでにすべきことは何か、これまでの既契約や見込み顧客にお見舞いの電話や情報提供のメールを送ることぐらいはできそうです。(制限がある会社もあります。)また成績にはなりませんが、今こそ解約に悩む多くの零細企業や外食関係の企業にサポートをすべきときです。相手が困っているときに役に立つ情報を提供することが次の契約につながります。

今回のコロナ・ショックで経済活動は大きなダメージを受けると思います。いつか終息すると思いますが、その後の世界は大きく様変わりしていると予測できます。今こそ、その後の世界で生き残る方策に知恵を絞るときです。