節税保険販売停止の無策、国税庁の暴走!

節税保険販売停止で混乱する保険業界。

CIMG3485 2月14日のバレンタインショックから始まった節税保険全面的販売停止は、3月決算が締まろうとする現時点で国税庁から何の音沙汰もありません。

販売停止は自粛という名目ですが、実際は保険会社が販売を自粛すれば保険代理店にとって完全な販売停止と同じで、抜け駆けするような手はありません。それゆえ保険で生計を立てている保険業界の方々は国税庁の判断を待つよりありません。

社会批判を恐れて保険業界は今のところ無抵抗ですが、国税庁の今回の介入は、過去の例から見てもやり過ぎです。ここに至ってさらに判断を先送りするかのような国税庁の無策はさらに事態を深刻化します。

 ◆ 保険代理店の現状報告。

金融機関系の代理店の話を総合すると開店休業状態で、2月末に多数の駆け込み契約をCIMG3486いただいたお客様のお礼参りをしているそうです。売るだけ売ったので一息ついている感じはありますが、先行きの経営不安がのぞいていました。

これから何を売るかと聞けば、がん保険かドル建て保険ぐらいとの話もありました。がん保険というのは名義変更を前提とした解約返戻金がない法人向けのがん保険です。

これだけでは、節税保険のように毎年、企業決算の度ごとにチャンスが巡ってくる訳ではないので保険代理店の経営は難しくなると思います。

 ◆ 国税庁の通達が遅れるほど保険業界は苦境。

バレンタインショック時点ではすぐにもパブリックコメントで方向性が決まるような話がありました。ところがその後、全面的な販売停止が進む中で保険業界の悲鳴が聞こえるようになりました。

国税庁としても今回の大鉈は振り上げたものの、影響の大きさに戸惑いがあるのでしょう。パブリックコメントがなくなり通達が出るという話が3月はじめから、4月になり、さらに先という情報が出てきたのですが、最近の不確かな情報では7月以降などとささやかれています。

通達時期の情報が逃げ水のように先送りされています。それまで保険業界は指をくわえて待つしかないのでしょうか。法人専門の代理店にすればまさに死活問題です。駆け込み加入した企業にしても決算を迎える場合、判断が難しくなります。最悪決算修正が必要になります。

◆ 保険業界の沈没は不況、景況悪化は税収減。

節税保険とは言いながら、加入した時点では節税になっているわけではありません。利益を保険会社に預けているだけです。預けた保険料は保険会社では収入保険料として儲けになります。銀行は預かるだけですが、保険会社は保険料をお預かりするとは言いますが、収益として計上されます。必要経費を引いた残りが保険会社の利益となり課税されます。

節税保険に加入してもお金は周り巡って利益となり、結局どこかで余剰分は課税されます。また、解約すれば損金で保険料を落としていた分の戻りは解約返戻金として雑収入になりますから、ここでも課税が待っています。

出口対策ができていれば、保険の雑収入は費用化できますが、費用化した分はまたどこかの会社の利益となり、課税対象になります。節税保険が拡大すると一時の法人税減収となると思いますが、長い目で見れば、キャッシュは周り巡って景気を活況化させ利益となって戻ってきます。

今回の国税庁の処置が、保険業界の不況の要因になれば、まさに官製不況というべきです。

 ◆ 国税庁通達の落としどころを考える。

保険業界は国税庁の強引な介入は不当であることをもっと主張すべきです。節税保険では日経新聞やその他のマスコミも批判的な論調を掲載しました。それゆえ保険業界は、後ろめたさから温和しい対応となっています。しかし被害者は保険業界だけでなく中小企業全体です。

半分費用化できる長期平準定期保険まで販売停止では、すでに中小企業に根付いている保険による退職金準備が崩れてしまいます。この問題は影響の範囲が大きく、落としどころが難しいのですが先送りは許されません。国税庁の通達はいつ、どのような制約をかけてくるのでしょうか。

ソフトランディングの落としどころとしては、例をあげると

1)既契約には遡及しない。

2)5月1日以降の新規契約に適用する。

3)全額損金の定期保険の損金率を半分にする。(短期の定期保険は除く。)

混乱をきたさないようにするための要件についてhokenfpとしては上記のように考えます。虫が良すぎるでしょうか。

◆ まとめ

平成最後のミスショットとも言うべきバレンタインショックはどうも平成中には解決が見えないようです。新時代の保険業界に禍根を残さないよう国税庁には穏便な処置をお願いしたいところです。

節税保険は加入する方も売る方の代理店も節税しか頭にありません。ところが解約するまでは保障機能がちゃんとあるのです。5年か10年かは保険の種類によりますが事業保障になっています。

もともと中小企業でも同族会社でなければ節税保険に加入する意味がありません。会社の利益を簿外に貯蓄して喜ぶ一般株主はありませんから。

日本の中小企業は事業承継でも経営環境でも厳しいものがあります。たとえば働き方改革などは大企業の話です。それが大手を振って中小企業の経営を圧迫しています。せっかく納税猶予制度などの改革をすすめ、中小企業の育成と継続を支援しようというときに、思いつきで無策なことをすべきではないと思います。国税庁の暴走!などと過激なタイトルにしましたが他意はございません。

保険の間違いやすい経理処理、注意点まとめ。

保険の間違いやすい経理処理と注意点をまとめました。

CIMG3480 法人で保険を契約すると支払った保険料の経理処理に迷うことがあります。

損金処理(費用として落とす)ことができるのか、保険積立金(資産として税金を払う)として計上すべきなのか保険証券を見ただけでわかる人は少ないのではないかと思います。

また解約返戻金や保険金を受け取ったときも保険積立金が一致せず苦労することがあります。法人保険では課税庁の通達などの指導により同じ保険でも時期により取扱いが変わることがあります。

それに加え未経過保険料なるものが返金されたり、配当金があったりするとさらにややこしくなります。法人で契約する生命保険の経理処理についてわかりやすく、押さえるべきポイントを整理しました。とくに、間違いやすい経理処理の注意点について重点的に解説しました。少しでもお役にたてば幸甚です。

 ◆保険の種類による経理処理の違い。

生命保険にはいろいろな種類があります。保障性の高いもの、いわゆる「掛け捨て」と呼ばれるタイプと資産性の高いものがあります。契約する目的により生命保険の種類は使い分けるようになっています。

保障性の高いものは保険料が費用化できますので損金として利益から落とすことができます。一方資産性の高いものは、払った保険料が費用にならず保険積立金として資産に計上します。保険商品も開発が進み保険の種類を見ただけでは経理処理が判断しにくくなっています。

わかりやすくするため基本的なことを箇条書きにします。

 1)終身保険は全額資産計上します。

被保険者が死亡すると保険金が出ます。期間の定めがなく一生涯の保障があります。解約しない限り保険金が必ず受けとれますから、実質的には保険料を積み立てているようなものです。よって全額を資産計上します。

 2)養老保険は基本的に資産計上しますが、福利厚生の条件により半分を費用化できます。

期間の定めがあり、満期になると満期保険金が受け取れます。保険期間中に被保険者が死亡すると満期保険金と同額の死亡保険金が受けとれます。どちらの場合も保険金が必ず受け取れますから実質的保険料を積み立てているようなものです。よって養老保険は全額を資産計上します。

例外として福利厚生目的で全従業員を被保険者として養老保険を契約すると保険料の半分を費用化することが認められています。ハーフタックスと呼ばれますが、死亡保険金は従業員の遺族受取り、満期保険金は会社受取りとなります。

 3)定期保険は基本的に損金処理しますが、長期の定期保険は前払い保険料を一部資産計上します。

年齢によりますが、期間の短い定期保険は全額を費用化できます。ところが長期の定期保険は前払い保険料が資産化するので一定の期間、保険料のうち損金化できる割合が制限されます。いわゆる二分の一損金の長期平準定期保険などがこれに該当します。

基本は定期保険ですから、前期で資産化した前払い保険料も最終的にはすべて費用化することが建前です。(長期平準定期保険の場合、実際は途中解約して解約返戻金を受取ります。)

 4)医療保険は基本的に損金処理しますが、一部の貯蓄性の高いものは資産計上します。

医療保険にはがん保険を始めとして、いろいろ種類がありますが基本的に保険料は費用化できます。ところが一部のがん保険などで前払い保険料が資産化する法人向けの特殊な医療保険があり、費用化に制限がかかりました。貯蓄性の高いがん保険などでは二分の一を資産計上するルールが示されています。

 5)年金保険は全額資産計上します。

一定期間保険料を積み立て、年金として受け取ります。保険料は年金の原資として積み立てているので、全額を資産計上します。

保険の分類にはいろいろな考え方がありますが、本質的な区分でいえば上記の5種類です。これに特約が加わったり、終身保険と定期保険が組み合わされたり、あるいは終身保険に医療保険が特約として付加されたりします。ややこしいですが、組み合わされた保険はそれぞれのパーツごとに保険料を分解して経理処理を判断する必要があります。

◆契約時期と通達による経理処理の違い。

保険の経理処理を複雑にしている原因のひとつが契約時期による経理処理の違いでしょCIMG3481う。こればっかりは保険にかかわっていても正確に答えることは難しいものです。知らなければ経理処理としては、まったくどうしようもないところです。

同じ保険でも通達が出ると経理処理の取り扱いが変わります。多くの場合既契約には及びませんが、同じ逓増定期保険やがん保険でも全額損金処理でよい契約と二分の一損金で処理しなければならない契約が混在することがおこります。

保険証券を見ても経理処理までは書いてありませんから知識や情報として引き継いでいくしかありません。経理の人が変わるとこの引き継ぎまではできないとしたもので、経理処理の間違いの原因となります。

・注意すべき事例をあげておきます。逓増定期保険の経理処理は通期でみれば複雑なルールがありますが、ここでは触れません。全損にできない通常の逓増定期保険としてお考え下さい。

 1)逓増定期保険

平成20年2月27日までの逓増定期保険契約については全額損金が可能。

平成20年2月28日以後に契約した逓増定期保険は二分の一損金。

 2)法人契約のがん保険

平成24年4月27日までの法人契約のがん保険については全額損金が可能。

平成24年4月28日以後に契約した法人契約のがん保険は二分の一損金。

 3)長期傷害保険

長期傷害保険(終身保障タイプ)は医療保険として全額損金で販売されましたが、

平成18年4月28日付け国税庁の「長期傷害保険(終身保障タイプ)に関する税務上の取扱いについて」と題する文書回答により既契約を含め四分の三資産計上。

長期傷害保険は、既得権すら認められず契約を継続する意味がなくなり多くの企業で解約されたと思います。

 ◆保険会社の社名変更によるミスが多発。

よく見かける経理処理の誤りは、保険会社の社名変更が原因になっていることが多いように思います。生命保険会社はよく買収や提携などにより社名が変更になります。

そうすると経理担当者は区別がつかなくなり、別の保険契約として処理してしまう場合があります。とくに外資系の保険会社はよく社名が変わります。保険契約は長期的に管理するものですから、社名変更は経理担当者にとり全く迷惑な話です。

 ■生命保険協会の生命保険会社変遷図(4シートに分かれています。)

いくつか混乱の事例をあげると、AIGスター生命とエジソン生命がジブラルタ生命と合併したことがありましたが、逓増定期の契約はAIGスター生命で解約返戻金を払うのはジブラルタ生命というようなことがおこります。保険証券はもちろんAIGスター生命のままですから事情を知らなければ訳がわからなくなります。

アイエヌジー生命は合併もしていないのに勝手にエヌエヌ生命に社名変更しました。こんなことをされたのでは保険積立金が帳簿上つながりません。

メットライフ生命に至ってはアリコジャパンからメットライフアリコ、そして今ではメットライフ生命と社名が変遷しています。アリコジャパンで入ったガン保険はメットライフ生命で解約することになります。

経理担当者としては、知識がなければ別々の会社として保険契約を区別してしまいます。数年もすれば流れを追うことすら困難になります。

社名変更は保険契約者たる顧客にとれば迷惑千万以外の何ものでもありません。保険会社はもう少しユーザー目線で判断いただきたいものです。そうかと言ってどこかの損保系の生命保険会社のように旧社名を全部つなぎ合わせるようなことも知恵が回るとも言えません。サラリーマンにすれば、年末調整の枠に書き切れなくて困ってしまいます。

 ◆未経過保険料返還による経理処理。

CIMG3482もう一つのややこしい問題として未経過保険料という問題があります。未経過保険料とは読んで字のごとく先払いしている保険料でまだ保険期間が経過していない分の保険料です。

たとえば年払いの保険料は一年分を先払いします。保険料を支払って一ヶ月目に解約すると、まだ保障に充当されていない11ヶ月分の保険料が残るはずです。

これを未経過保険料といいますが、元々は毎年の解約返戻金は最初から決まっており未経過の保険料は返還されないとうことが基本でした。ですから事務処理としては解約返戻金が正確に計算できるのでわかりやすかったのです。

ところが未経過保険料を返還しないのはおかしいと言うことになり平成22年4月から保険法が変わり年払いの生命保険でも解約時期に応じて未経過保険料を返却することになりました。そのため解約した場合の入金額の予測は保険会社に照会をかけないと正確な金額が把握できなくなりました。

未経過保険料の返還には例外があり、話をややこしくしています。その一つ目は平成22年4月以前の契約は未経過保険料を返還しなくてよいのです。とすればがん保険などは社員の入社時期により契約はばらつきますから解約するときは、未経過保険料が返還される契約とそうでない契約が混在しさらにややこしくなります。

また、最近はやりの初期低解約返戻金型の保険の一部も未経過保険料が返還されないものがあります。保険の性格上未経過保険料を返還すると低解約返戻金という部分との整合性がとれなくなるので例外扱いになっているのですね。当然、無解約返戻金型という解約返戻金がないものも未経過保険料を返還できない理由は、保険の数理がわからなくてもなんとなく理解できます。

未経過保険料は保険料の戻りと解釈できますが、保険料を損金で落としていれば、解約返戻金と同じ雑収入で受けることになります。実務では解約返戻金も未経過保険料もひとまとめにして解約返戻金として雑収入とするところが妥当な処理かと思います。この辺の処理精度はお知り合いの税理士さんにお尋ね下さい。

未経過保険料の補足として逓増定期保険のときは注意が必要です。名義変更一時所得のスキームで逓増定期保険を解約するとき、保険料を払い込んですぐに解約するより、未経過保険料が充当されるのを待ってから解約した方が解約返戻金が多くなる場合があります。未経過保険料を返還してもらうより、解約を先送りした方が受取額が増えるのです。いろいろあるものです。

 ◆配当などの経理処理。

最近では解約返戻率をよく見せるため無配当の保険商品が多いですからわかりやすいのCIMG3483ですが、まだ配当が出る会社も少なからずあります。生命保険の配当は多くの場合少額です。

経理処理をされるかたは、配当などの通知が保険会社から来ると処理に困られるようです。通知に従い配当金積立金として資産計上するのが正しい処理だとは思いますが、現金で入るわけでなく、保険会社で積み立てとしての記録になります。

その都度配当が処理できていなくても、保険金や解約返戻金に含まれて支払が発生しますから、最後に雑収入で計上すれば問題はないと言えるのではないかと思います。

ただし厳密に言うと受け取るときには保険金(または解約返戻金)+配当金+配当利息となります。配当金とそれについた利息には消費税は課税されません。この辺は経理の専門家ではないので、配当金の正しい経理処理ではなく実務的な視点で取り扱いについて申し上げました。

 ◆まとめ

生命保険の間違いやすい経理処理について、実務の現場から注意点をまとめれば法人の経理担当者や保険担当者のお役に立つのではないかと思い、少々踏み込んで書きましたが、なにやら愚痴が間(あいだ)に挟まってしまいました。なかには「そうそう!」と膝を打って共感いただける方もいらっしゃるのではないかと思っています。

保険は法人向けでも個人向けでも開発が進み複雑化しすぎました。保険の主契約という核の部分が見えなくなる特約デコレーションのオンパレードです。この結果、保険の内容を正しく理解できる契約者が少なくなり、経理処理の誤りも多発します。

特に経理担当者が変われば、もはや所期の保険の目的を理解することはできなくなるように思います。とくに解約時期がタイトな契約は判断を誤るとハンパでない損失が発生します。

窓口となった保険代理店や保険営業に保険の契約管理を任せることは、人の人生ですから所詮無理があります。hokenfpとしては売りっぱなしではない顧客サービスを徹底すべきだと考えています。保険の契約管理(解約管理)や経理処理に対して、保険会社が責任を負う仕組みを構築することを提言したいところです。

節税保険、バレンタインショックの行く末!?

節税保険の終わりと保険業界の行き詰りについて。

全額損金処理できる法人契約の生命保険に対して2月13日の夕方、国税庁が新たな方針を示し、生命保険会社各社は強硬な国税庁の圧力に対し14日以降続々と販売自粛あるいは販売停止を打ち出しました。

保険営業にとれば青天の霹靂(へきれき)というか、チョコレートどころではない生業(なりわい)に関わるバレンタインショックとも言うべき一大事です。CIMG3473

すぐにもパブリックコメント、通達となるような雰囲気でしたが1ヶ月以上過ぎても音沙汰がありません。

これでは保険会社も代理店も動きがとれません。通達の結果によってはさらに深刻な事態も想定されます。このようなことは過去に経験がありません。

これは保険業界だけでなく中小企業の資金繰りや事業承継にも影響が少なからずあります。国家権力の横暴が招いたバレンタインショックの行く末を保険契約に関わる現場から検証した報告です。

 ◆ 駆け込み全損保険の結末は?

保険会社は一斉に販売停止をしたわけではありません。各社各様に理屈をつけて独自の締め切りを設けて顧客を追い込んできました。

多くの保険会社は申込みの締め切りを2月20日とし診査と保険料は2月中に完了としていました。しかしさらにモグリの手法もありました。それは節税目的で2月に全損保険を契約し、3月の通達の結果を見てから保険料を振込むかどうかを判断するというような、都合のよい話です。

これはまったく国税庁が切れそうな駆け込み契約になりますが、2月中に申込みと診査が終われば2月契約となり保険料は3月末まで猶予があります。

フツーの保険常識では、申込書と診査と保険料の振込みがそろった時点が契約成立となるのですが、N社とN社は申込みと診査が終われば契約成立です。保険料は後でもよくなっています。これは利益の出ている企業にとれば、3月決算をにらみながら全額損金保険の既得権を手に入れる最後のビッグチャンスです。

この結果、どうもバレンタインショックを逆手にとった駆け込み販売が急増したようです。この事情は国税庁も把握しているようですから、なかなか通達が出ないところをみると雲行きが怪しいところです。

 ◆保険代理店の苦境と保険業界の行き詰まりについて。

今回のバレンタインショックで一番先行きを案じているのは保険代理店だと思います。CIMG3474

困ったことは今後の成り行きがわからず、売るべき保険商品が販売停止のままでは営業活動もできないので開店休業になります。

実際3月に入ってから代理店からのアポ連絡はほとんど途絶えました。国税庁の通達が出るまではなすすべがないという深刻な事態です。

もちろん、国税庁の通達の内容によれば、さらに深刻なケースも想定されます。このままでは、保険代理店を廃業せざるを得ないようなことにもなりかねません。最後にどっさりと契約を取り込んだものの、下手をすれば最後のボーナスというような笑えない苦境が見えてきます。

一方、久々の大ヒット商品だけでなく半損商品まで封じられた保険会社は、低金利時代にますます難しい舵取りを迫られることになります。

◆バレンタインショックは中小企業の経営を圧迫。

中小企業の経営者にとって節税保険という利益温存手段が失われるのは大きな損失です。

中小企業は毎年安的に利益が出るとは限りません。経営とは泥縄のようなもので、いつ何時(なんどき)ピンチに見舞われるか予測できないのです。経営のピンチを救う切札はなんと言ってもキャッシュです。会社のキャッシュを無駄なく活用するためには保険は限りなく有効なのです。

法人保険は退職金を保険で積み立てることや損金効果を利用して自社株評価を下げることで事業承継をスムーズにおこなうこともできます。また逓増定期の名義変更スキームでは後継者に経営資金を集中できます。これらすべての法人保険で得られるメリットが封じられたことになります。

◆金融庁の無責任と国税庁の横暴、縦割り行政の弊害。

保険商品は保険会社が設計し、金融庁の認可を受けます。その結果のあおりを受けるのが国税庁ということになります。国の行政というのは縦割りになっていて金融庁と国税庁はそれぞれの都合でものを言い指導してきます。その結果振り回されるのが民間企業です。

たとえば金融庁幹部の発言を引用すると「死亡時の保障という本来の趣旨から外れており、脱税を助長するような商品」などと認可しておきながら問題点を指摘しています。国税庁に至っては「これまでのルールを当てはめると形式的には全額が経費扱いとなるが、実態と大きく乖離(かいり)する商品が開発されている。それが、『節税効果』を前面に出して販売されている。」と言うわけです。

今更何を言っているのでしょうか。その結果、法人契約できる全損商品だけでなく半損処理ができる長期平準定期の解約返戻率まで問題視され全面的な販売停止となりました。これでは保険会社も販売する代理店も保険営業も生活できなくなります。このような横暴で混乱を招く指導は行政としてあるまじきことです。

保険を買う側のhokenfpが興奮することではないのですが、企業の決算を狙って法人保険を販売している方のやり場のない怒りはよく理解できます。

まるでGoogleの検索アルゴリズムのアップデートにより、これまで必死で築いてきた検索順位を圏外に飛ばされてしまったサイトのような苦渋を感じてしまいます。

◆バレンタインショックの行く末に暗雲。

節税保険は加入より解約管理が重要です。ところが代理店が立ちゆかなければ解約管理ができないことになり、5年後10年後には解約時期を誤る会社が続出し、本当の全損保険ショックになりかねません。

バレンタインショックの行く末は暗雲が漂っています。保険代理店の苦境、保険会社の経営悪化、中小企業のキャッシュフロー悪化など国家権力による無策と横暴の結果がもたらす弊害は日本経済にとっても被害甚大です。

低金利時代で保険業界は青息吐息のなか、追い討ちの所業です。今後の生きる道はドル建て商品になるのでしょうか。新商品に期待が集まりますが、今度ばかりは認可する金融庁も保険会社も慎重な開発姿勢になるでしょう。となれば養老保険でも売りつつほとぼりが冷めるのを待つしかありません。

事業保障では法人保険の加入と見直しは一生で数度、決算毎に保険の検討をする意味がなくなり、他の損金手段にシフトせざるをえません。そうなれば保険販売の間口(まぐち)は極端に狭くなることでしょう。

◆まとめにならないまとめ。

CIMG3478保険会社各社はバレンタインショック以降の保険販売には確認書に捺印を求めてきました。確認書とは要するに「通達が出て、全損でなくなっても責任は負いませんよ。」という念書です。うかつにハンコは押せない話ですが、責任回避とばかりも言えません。

3月末まで時間があるので、まだ保険料を振り込んでいないという中途半端な方も大勢いらっしゃるように聞きます。

しかし来週には保険料を振り込む方も態度を決めなくてはなりません。通達が出る出ないにかかわらず、保険料を振り込んでおき、全額損金にできないとなれば、決算修正するしかありません。

今回ばかりは通達がでれば一件落着とはいかないように思います。このままの締め付けが続けば、保険業界の先行きは真っ暗です。

逓増定期の名義変更スキームも解約返戻率の極端な差があってこそ成り立ちますから、解約返戻率を高く設定できないとうま味がなくなり立ち消えとなりそうです。法人の利益はレバレッジドリース等へ流れることになるのでしょうが、利益がでる法人では打つ手が限られます。

節税保険で簿外に利益を貯金して必要な時に解約して使うというメリットがなくなってしまいます。日本経済を支える中小企業の経営の選択肢を狭めてしまうことになり、経済全体の活力を奪うことにつながります。今となってはバレンタインショックが尾を引かないようにソフトランディングを願うのみです。

2019/3/20 追記

バレンタインショックは、国税庁としても想定外の騒ぎになり振り上げたこぶしの落としどころが見えなくなっているような感じです。保険会社としては死活問題ですから、相変わらず売りつづけているN生命もあるようです。いよいよ混沌としてきました。

保険に限らず何ごとも専門家。

保険に限らず、何ごとも本当の専門家に相談。

(副題:節税特化型保険営業の危機)

CIMG3472法人保険に限らず、会社の財務でも労務問題でも、また補助金などの申請でも素人がネットで情報を収集すればある程度のことまでできるようになりました。

ネットがない時代、有資格者は別格の専門家として頼りにされてきましたが、様変わりしました。

有資格者の専門家としての価値が低下し、分野を特化した専門家の価値が上がってきました。たとえば税理士さんでも得意分野があります。経験的に申し上げれば決算専門の税理士さんは相続対策の経験は少ないですし、不動産を活用した節税にも明るくないです。ところが不動産評価に強い税理士さんもいます。

法人保険でも販売する代理店はお得意のパターンをもっています。当然ながら得意でない保険商品に対しては知識も少ないですがなにより熱がはいりません。ゆえに何ごとも専門家、それも特化型の本当の専門家でないとベストな選択はできないようです。

 ◆ 本当の専門家はわずかしかいない。

仕事柄(hokenfpは保険ブログが仕事ではありません。)いろいろな専門家や情報源と接します。その中でも詳しい専門家が時折いらっしゃいます。

先日も貴重な話を聞く機会がありました。何事も専門家、しかし実感として本当の専門家はわずかしかいません。弁護士でも税理士でも有資格者として知識だけでなく継続的に情報収集や勉強をされていると思いますが、万能ではないのです。

得意分野がありそれを外すと一般的知識にとどまることが多いようです。士業の先生方に相談するにしても相手の得意分野、経歴、実績を見た上でないと奥の深い相談はできないのです。もちろん保険分野においても同じようにプロといってもピンからキリまであります。肩書きで相手の能力を測ることはできないように思います。

◆ 特化型の専門家でセカンドオピニオン。

ただ特化型の本当の専門家に出会うにはそれなりのアンテナとネットワークが必要です。

自分が抱えている課題を解決する提案ができれば良いのですが、経営者はもっと良い解決策はないかと模索します。通り一遍の解決では満足せず踏み込んで行くからこそ経営者なのですが、その結果として提示された提案のウラをとろうとセカンドオピニオンを探します。

こういう貪欲さが本当の専門家に出会う機会を拡大します。本当の専門家に出会うには思いのほか手間がかかります。

保険代理店でも同様です。税理士顔負けの税制情報に明るい代理店もいます。とにかく情報が早い代理店もいます。相手の人格と人間性、知識の奥の深さはさまざまです。法人保険は事業保障の設計だけが目的ではありません。

相続・事業承継、財務などにも明るくないと強引なおすすめしかできないことになります。それはそれでGNP(義理人情プレゼント)戦術ですからよし悪しは言えませんが、専門的な情報が加われば鬼に金棒となります。

◆ 特化型営業で自分ブランドを構築。

特化型の専門家は、得意分野を絞り込みます。そした○○なら誰それという自分ブランドを構築します。

買う側から言えば保険に限らず何ごとも専門家を見つけることですが、売る側の立場から言えば、いかに得意分野に特化した自分ブランドを構築するかが生き残りのポイントのように思います。

今後、法人保険は大きく変わることが予想されます。まるでGoogleアルゴリズムのアップデートのようにルールが変わりお金儲けの山が動いてしまいました。節税に特化した代理店の危機とも言えると思います。さて、今後、法人保険では何に特化するか悩ましいところです。まだ通達が出ていないので確定的なことは申し上られませんがが、今回のTax-savingアップデートは特化型保険営業の戦略転換を迫るものだとすら思っています。

10連休、保険料口座振替27日の恐怖。

10連休、27日保険料口座振替の落とし穴は知らないと一大事。

CIMG3471今回の天皇陛下の退位と皇太子さまのご即位に伴う、降ってわいたような10連休は、4月決算企業には重大な影響があります。

節税保険に加入して口座振替にしていると大きな落とし穴に陥りかねません。

それは多くの保険会社の保険料口座振替日が契約月の27日になっていることに原因があります。

これを今年のカレンダーにあてはめると、まず4月27日は土曜日ですから金融機関は休みとなります。翌週の29日は昭和の日で祝日、普通なら30日が平日ですから口座振替が行われて問題はおこりません。

ところが今年ばかりは下記のカレンダーのように休日が10日間も連続します。10日続くと振替日は5月7日(火)ということになります。これでは4月決算企業は保険料の振替が決算に間に合わず翌期扱いとなり当期の費用にできないという重大な問題になります。

要するに5月1日に新天皇陛下の即位に伴う休日が入ったためその前後を含めて国民の休日となり4月27日以降の月内に金融機関が営業する平日が一日もないのです。

これは節税対策で全額損金の法人保険に加入している4月決算の企業は、まさかの一大事です。経理担当者としては、ぼんやりしている場合ではありません。何とかしないと納税額が増加し予定外のコストとなります。

2019年、ゴールデンウィーク10連休カレンダー

1)4月27日(土)休日

2)4月28日(日)休日

3)4月29日(月)昭和の日

4)4月30日(火)退位の日(国民の休日)

5)5月1日(水)即位の日・改元

6)5月2日(木)祝日と祝日の間の国民の休日

7)5月3日(金)憲法記念日

8)5月4日(土)みどりの日

9)5月5日(日)こどもの日

10)5月6日(月)振替休日

◆ 特例法が参議院を通過し、法案が成立。

皇太子さまが即位される5月1日と「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日をその年一回限りの祝日扱いとする特別法案が成立しました。それによりなんと10連休となりさまざまな問題が取り沙汰されています。

想定外の不都合の中でももっとも影響の大きなものが保険料口座振替27日の恐怖です。

利益の出ている4月決算の企業は、今年だけのこととは言え、いわれのない大ピンチです。普通では気がつきにくいところですが、情報の早い代理店からは情報提供がありました。この時点では保険会社も寝耳に水、サポート対応も後手という有り様です。

今回の件では他にも資金繰りに影響が出ると思います。ギリギリの資金運用では乗り切るにも厳しい場合があります。降ってわいた災難のようなものですが、クリアしなければなりません。

◆ 5月の口座振替が4月扱いにできない厳しい理由。

利益が出ている企業は期末にはいろいろ経費となるものを集めます。社員旅行で海外に行ったり決算賞与を考えたり、全額損金の節税保険を契約したりと利益の圧縮に努めます。

その要件は税務上「支払ったこと」が要件になっている経費です。たとえば決算賞与や年払いの生命保険料など、他には倒産防止共済の前納掛金などがあります。

この条件を満たすためには法人保険の年払いの生命保険料などは注意が必要です。

たとえば4月決算の会社で、年払いの生命保険料を4月中に払っている場合に当てはまります。年払保険料は法人税では「短期前払費用」という取り扱いになります。保険料は前払いになりますから条件が厳しいのですね。

<引用です。>
前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。

例のお得意のそれ以外は認めませんよという口調です。ここにも「支払った場合において」「その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める」とあります。税務的な期限までに支払っていないとその期の損金としては認めませんと言うわけです。

繰り返しになりますが、4月決算の会社の場合、「4月末までに払って」「その期に経費処理していれば」経費にしていいよ、ということなのです。すなわち5月7日になったのではその期の損金には認めませんというつれない回答なのです。

よって4月決算企業であって年払い保険料口座振替の場合は、保険会社に連絡して、今年は口座振替ではなく振込みに変更してもらうことが必要になります。ただし口座振替日が月末ではない保険会社もありますのでご確認下さい。

手続きが間に合わないと、4月中に保険料の支払いができなくなりますのでくれぐれもご注意下さい。

仮に処理が遅れて振込みと口座振替が重複しても二重になった保険料はどの保険会社でも速やかに返金してくれますので心配は無用です。いわゆる保険料の戻りですね。しばらくでも二重に保険料を払うと問題は資金繰りだけです。

こういうネタに関して税務署から特別の対応をするようなことは言わないです。規定通りで判断されることになると思います。4月決算の会社は、直ちに保険会社に連絡し保険料を振込みに変更しましょう。

本件は顧問の税理士に確認しましたが、ひとこと「それは絶対ダメ!」とのことです。つまり4月決算の企業は5月7日に口座振替になった保険料を4月の費用にすることはできないのです。いずれにしても、ギリギリになってからでは手遅れになることもありえます。甘く考えずに万全の体制で10連休を迎えましょう。

◆ まとめ

今からできることは、すぐに保険会社に連絡して振込みに変更して下さい。ある保険会社では、口座振替はそのまま残しておいて今回だけ振込みにすることができるそうですので、振込用紙の郵送を依頼しました。口座振替は半月以上前に保険料の収納をする会社から銀行に通知が行くので早めに手続きをする必要があります。

節税保険はその性格上保険料を会社の費用として落とせるところに魅力があります。とすればどの企業も当期の利益予想が見えてから検討を始めます。それゆえ加入時期は決算月に集中します。その決算が運悪く4月という場合、今回のような事態が発生します。

取り急ぎの情報提供になりまとまりがなく。失礼します