ガンでもはいれる相続保険で非課税枠ガッチリ。

ガンでも無告知ではいれる相続保険でガッチリ節税できます。(生命保険の非課税枠活用)

CIMG3355生命保険のなかでも相続で威力を発揮する保険商品があります。できれば相続税を払わず無申告で済ませたいけれど、正直に告知すれば入れる保険がないという方向けの相続保険です。

これらは生命保険の非課税枠を活用した相続税の節税に強い保険です。

うたい文句は無告知(告知なし)ではいれる一時払い終身保険です。相続保険をうまく活用し非課税枠一杯に相続税をガッチリ節税してください。生命保険を活用した非課税枠をできるだけわかりやすく、順を追って説明しました。

◆ 相続とは、わかりやすく。

「相続」とは親が亡くなりその財産を配偶者や子がもらうこと。簡単に言えばそういうことですが、相続する財産が多ければ相続税がかかります。

また財産だけでなくすべての権利や義務も引き継ぐことになります。財産とは金銭、不動産、株式などの有価証券、生命保険契約など経済的価値のあるものすべてを意味します。わかりやすく言えばお金に換えることができるものすべてです。

 ◆相続財産の評価は相続発生時。

相続では遺産が多いほど相続税がたくさんかかります。財産が少ないと相続税がかかりません。ここまでの財産だったら相続税は払わなくていいですよというバーがあり「基礎控除」と言われています。

財産をお金に換算したすべての金額から3,000万円と相続人の数×500万までが相続税の非課税範囲となります。配偶者と子二人が相続人という場合、3,000万に500万×3人を加えて4,500万円までが相続税のかからない非課税範囲になります。

この基礎控除の金額を越える財産があると節税対策を考えなくてはならなくなります。このとき気をつけることは相続財産の評価は今の価値ではなくいつ来るかわからない相続発生時の評価額になります。

有価証券や不動産は価値が増えたり減ったりします。相続税はかからないと思っていても知らない間に地価や株式が値上がりし相続税の非課税範囲を超えてしまうことがあります。そうすると相続税がかかるため税務署に申告をして相続税を納める必要が出てきます。

 ◆ 一番簡単で安全な節税対策は相続保険。

生命保険で相続税対策をすることは当たり前のように思っていましたが、世の中そうでもないようなのです。他にもいろいろな節税対策がありますが一長一短です。

一番簡単で安全な節税対策は相続保険を使った非課税枠の活用です。相続保険という商品があるのではなく、保険料を支払い生命保険契約を保険会社と結ぶことで死亡保険金の非課税枠が使えて、相続税の節税になるという税制上の仕組みがあります。生命保険と相続は人の生死に関わるという点で相性がよく、節税だけでなく保険金の受取人を指定できるため相続人同士の争いを防ぐこともできます。

生命保険が相続税の節税になるというのは、相続税では死亡保険金控除という非課税の仕組みがあるからです。相続財産のなかに生命保険金があれば500万×相続人の数だけ非課税になります。先ほどの例で言えば4,800万に500万×3人で6,300万まで相続税がかからなくなります。この非課税枠は相続財産が5,000万前後の小金持ちサラリーマン相続には大きなメリットです。

今は相続税がかからなくても将来的に評価額が上がり基礎控除を越えそうな方には、生命保険の非課税枠は安全確実な節税対策になります。念押しで申し上げますが、財産はお金だけでありませんから、将来的に評価が上がる可能性がある不動産や有価証券などの予測を考えておくことが大事です。簡単に予測できるものではないですが、最悪のケースを考え前もって対策を準備することが節税につながります。おさめる必要のない相続税を払うことがないよう非課税枠を利用した相続保険をお考えください。

◆ 生命保険に入れない方が非課税枠を確保する方法。

ところが、生命保険に関わっているとわかるのですが生命保険に縁のない方が結構いらっしゃいます。相続保険で非課税枠と言っても保険契約ができなければどうしようもありません。

根っから保険嫌いという方に非課税枠を説明しても仕方がありませんが、特に健康に問題がある方は最初から保険を検討することをあきらめています。生命保険には告知書があり自分の健康状態を正直に告げなくてはなりません。ウソを言ったり適当なことを告知すると告知義務違反となり保険金が支払われなくなることがあります。そうなると生命保険の非課税枠どころではありません。生命保険の非課税枠を利用するためには死亡を原因とする保険金でないとダメなのです。

相続保険では告知義務に反するようなことは告げてはいけません。しかし正直に告知すると普通の生命保険には入れないということもあります。そこであきらめる必要はなく、最近は告知する必要がない保険があります。ガンでも重大な病気でも保険料が払えてサインさえできれば入れる保険を無選択型、あるいは無告知型と呼びます。

生命保険の相続税の非課税枠500万を確保するためには、親が契約者(保険料負担者)かつ被保険者(体を提供する人)で受取人が相続人(配偶者・子)である生命保険契約が必要です。それも相続発生時に保険金がうけとれる終身保険です。終身保険とは期限がなく一生涯の死亡保障が続く保険です。この条件がそろわないと保険の非課税枠が使えないのです。

人間いつかは死にますから時期に関係なく終身保険金は必ず受け取れる保険です。保険料の払い方は一定期間に払い込みを終えるタイプと終身にわたり保険料を払い続けるタイプ、そして一度にまとめて払い込む一時払いがあります。一時払い終身保険は保険と言うより保障性が低く貯金のような商品です。金利低下にともない国内生保に限らず外資系保険会社でも円建ての一時払い終身保険はことごとく売り止めとなっています。

◆ 無告知で誰でも入れる生命保険。

では、どうすればよいか。高齢で生命保険に入れるような健康状態でなく、ガンの告知も受けたような方が生命保険の非課税枠を利用する方法はないのかということになります。

円建ての一時払い終身保険は売り止めとは申し上げしたが、ドル建ての一時払い終身保険を検討することができます。一時払い終身保険は支払った保険料が保険金で戻ってくるような、保険というよりは貯蓄に近い保険商品ですから保険会社にもリスクがほとんどありません。ですからドル建て一時払い終身保険は告知不要、無告知契約ができます。非課税枠が使えてまさしくガンでもはいれる保険というわけです。

生命保険としての保障性のメリットはほとんどありませんが、終身保険として死亡保険金が出ますから生命保険の非課税枠は使えるのです。円建ての一時払い終身保険が売り止めになった今、この保険の目的は最初からそこにあります。この非課税枠をうまく利用した相続税の節税効果が高い仕組みです。

ドル建ての一時払い終身保険は、予定利率の高いドルで運用しますから円建てとは違い資産運用というメリットが期待できます。しかしリターンがあれば為替リスクもあります。

◆ まとめ

相続税の基礎控除の引き下げで増税になり、景気回復と東京オリンピックでわずかばかりの資産の評価が高くなり相続税がかかるかもしれないと思っている元サラリーマン層の皆様向けに生命保険の非課税枠をできるだけやさしく解説しました。これまで相続税対策なんて気にもしていなかった気楽な小金持ち層の方に手っ取り早く安全確実な節税方法として生命保険の非課税枠の活用法をご案内しました。

普通に終身保険に入っていれば相続発生時に生命保険の非課税枠が使えます。ここでは相続保険として、無告知ではいれるドル建て一時払い終身保険を案内しています。たとえガンにかかっても生命保険で相続税の節税をすることをあきらめる必要はないと言うことを申し上げました。

生命保険を活用すると非課税枠だけでなく、受取人指定の機能を使い代償分割なども可能になります。とても多彩な相続対策の切り札が生命保険です。また相続財産が5,000万を越える場合は、生命保険の非課税枠だけでは足りなくなると思います。暦年贈与で毎年贈与税の非課税範囲110万ずつ贈与して生命保険契約の保険料とする方法が有効です。

hokenfpとしてはサラリーマンの末席ですので、相続税の節税の話をしながら自分自身は節税する必要がないのです。田舎の土地は値上がりするどころか不良資産化し、築15年目を向かえるマンションの価値も下がるばかりです。資産家にアドバイスをしながら、自分自身は生命保険の非課税枠の必要がないことを思うと、うれしいやら悲しいやら、いやはや不思議な心境ではあります。

無保険世代の相続税対策。

生きる力のなくなった無保険世代の相続税対策。

CIMG3397ある程度の高齢者になると生命保険とも縁が無くなります。家族もそれぞれ独立し家庭を持つようになると、親として肩の荷がおりて、生命保険の死亡保障の必要性が低くなります。

それまでに保険料負担に耐えきれずに解約したり見直したりした保険もあるでしょう。

サラリーマン世帯であれば相続税の心配もなく安心していたところが、相続が発生し思いがけず不動産を含めた遺産が入ることがあります。

ところが今や無保険の世代となり相続税対策を今から考えなくてはならない方も多数いらっしゃるのではないかと思っています。もう一度生命保険を見直しその活用を考えることも有効になります。

◆ 生きる力の後遺症。

かつて日本の生命保険業界では基礎利益でも契約数でもダントツの保険会社がありましたが、そこの主力商品が「生きる力」という名前でした。10万円ばかりの終身保険に更新型の定期保険をのせた商品です。

若いときのリスクを安い保険料で大きくカバーするには意味がありましたが、10年更新ごとに保険料が高くなり、最後にはとても払えないような保険料になります。保険商品としてのよし悪しを論じる気はないのですが、評判が悪くて他の保険会社のターゲットになった商品です。

この保険に入っていた方は最後にはわずかの終身保険が残るか、解約されていると思います。60歳前後では新たな生命保険に入ることは保険料が高くなることに加え、体の健康状態などもあり難しくなります。「生きる力」は多くの生命保険嫌いを量産し無保険の世代を生み出したのではないかと危惧しているところです。

 ◆ 低金利政策がもたらす保険業界への副作用。

国の政策として進められてきた低金利政策は保険業界にも大きな影響を与えてきました。予定利率が史上最低になり貯蓄性のある生命保険がどんどんなくなり最後には一時払終身保険まで販売中止になる有り様です。

予定利率の低下は貯蓄性のある保険だけでなく保障性の高い定期保険などにも影響を与えます。必要な保障を得るためにはより割高な保険料が必要となります。その結果生命保険会社の新商品は見栄えばかりで特約のデコレーションが多くなり、ただでさえわかりにくい保険をさらに複雑なものにしました。

おかげで相続税対策として必要な、いわゆるまともな終身保険があまり表に出てこないのです。

 ◆ 無保険世代の生命保険の目的は保障から相続対策へ。

もともと生命保険はシンプルなものでした。生命保険の基本は終身保険、定期保険、養老保険に集約できます。それ以外には年金保険と医療保険があり5つの分類で説明が可能です。生命保険商品に特約という飾りがつき比較を難しくしてきました。

その結果、本来の生命保険の目的、必要な保障額という大事な部分が欠落してしまったように感じています。葬式代程度の定期保険では家族は守れないのです。医療保険では元はとれないのです。生命保険でもうけようと思わないこと、自分と家族の将来のリスクを見極め自覚した上で、保障を買うという考え方が必要です。(少々力が入ってしまいました。本題ではありません。)

しかし高齢になると生命保険の活用方法が変わってきます。生命保険の機能は幅が広いのです。相続対策と相続税対策には安全確実、明快な生命保険がもっとも効果的であると言えます。

◆ 死亡保険金控除 500万×相続人数。

相続税がかかるなら生命保険を活用した死亡保険金控除は使わなくては損です。

相続税はざっくりと言えば相続人が配偶者と子供二人、合計3名の場合4,800万以上の遺産があれば相続税がかかります。死亡保険金控除500万×3名=1,500万を加えれば6,300まで相続税がかからないということになります。

これ以上の遺産がある場合は贈与税の非課税の範囲で毎年110万円ずつあげる暦年贈与が必要になります。たとえば子供二人に毎年110万円ずつ10年間あげると2,200万が非課税で贈与できますが、相続発生前の3年分の贈与は相続税に持ち戻しになりますので、660万は引かなくてはなりません。

結局、非課税で有効な贈与は1,540万円となり基礎控除と死亡保険金控除を合わせると7,840万まで相続税の非課税バーが上がります。これで大体クリアできる方が多いように思います。

◆ サラリーマン世帯の相続税対策。

でも普通のサラリーマン家庭では相続税対策は考えていないと思います。「それほど財産があるわけでなし、貧乏人は苦労がなくていいね。」などと思っていると住んでいる家が不動産として評価が上がっていたり、親父から引き継いだ株式が値上がりしたりと生活は少しも豊かになっていないのに、思いがけないことがあるものです。

それであれこれ評価額を足し算するとこれが相続税がかかるかどうかぎりぎりのところに来ています。これ以上評価が上がると相続税対策を考えなくてはならないというようなことが起こります。

実際、東京オリンピックまでは地価が上昇傾向でなおかつ株式も上昇しています。あわてて不動産会社が主催する土地活用、相続税対策セミナーなどに参加すると、うまい話にはまってしまいます。

残念ながらサラリーマンオーナーはこの手の仕掛けに免疫がないようです。親切にされて、口車に乗せられて泣きを見た高齢の方が多いのです。これはほんとにお気をつけください。

素人が生命保険以外の相続税対策に手出しするくらいなら相続税を払った方がよほどましだと言えるほどです。

生命保険で相続税対策をすることは当たり前のように思っていましたが、世の中そうでもないようなのです。他にもいろいろな節税対策がありますが一長一短です。

 ◆ まとめ

無保険世代のご高齢の方が、これは生命保険で相続税対策と思い立ったところが、とても生命保険に入れる状況ではないということがあります。相続を考えるようなお年になると、体のそこかしこに問題があります。正直に告知しようものなら門前払いです。

そうかと言って告知義務に違反する度胸もないとなると打つ手がなくなります。無保険世代になった方には打つ手がまったくないかというとそうでもありません。下記ページにも書いていますが、無告知型とか無選択型と呼ばれる告知不要の生命保険もあります。

後がないようなご高齢の方には無告知型の一時払終身保険を死亡保険金控除500万×相続人数まで入っておくことです。ただ国内生保などでも一時払い終身保険が売り止めで、外貨建てが主力になっています。まさに相続税負担を下げるためだけの相続保険と言えると思います。長生きすると為替リスクもありますからご注意くださいね。

■外貨建て一時払終身保険の使い道。

■一時払終身保険の無告知は究極の顧客視点。

■一時払終身保険の新型、90歳まで無告知で入れます。

特別受益の泥沼相続。

特別受益にこだわると泥沼相続に。

CIMG3350 優良な中小企業は毎年利益が出ます。ところが事業承継ではこの利益の蓄積が足かせになることがあります。もうければもうけるほど自社株評価はうなぎ登りとなり後継者に自社株を贈与しようにも贈与税という大きな壁が立ちはだかります。

しかし何の対策もせずに相続が発生すれば莫大な相続税となり後継者が納税キャッシュに困ることになります。

賢明なオーナー経営者はいち早く事業承継対策に取り組み自社株評価を下げる工夫をして自社株を贈与しようと考えます。

せっかく贈与税に大枚はたいて自社株贈与を終えたと思ったら中小企業者の納税猶予制度です。最初は使い物にならない縛りがありましたが、緩和修正され中小企業の事業承継に役立つ仕組みとなりました。

その結果、用心深く先手で手を打った贈与が裏目に出てしまったようなものです。税制改正というものは後手に回るとしたものですが、もはや後戻りもできません。結果的には自社株の贈与による事業承継は納税猶予制度の出現で見込み違いになりました。でも自社株贈与の問題はそれだけではありません。

自社株の生前贈与は特別受益と見なされ贈与時の評価ではなく現在の時価で持ち戻しとなるリスクをはらんでいます。特別受益を言い出すと相続協議は泥沼にはまります。特別受益の泥沼相続は抜け出せるのか、オーナー経営者のもくろみが外れるとどのような問題が噴出するのか、順に見ていくことにします。

■相続┃特別受益持ち戻しの恐怖。

◆ 特別受益の範囲。

特別受益とは聞き慣れない言葉です。「トクベツジュエキ?何それ、お肌にいいの?」日常では意味が通じません。言ってみれば生前贈与ですが、それが扶養の範囲なのか遺産の前渡しなのかは相続人の立場の違いにより難しい判断になります。

親にすれば子はすべて平等に育てたつもりでも、兄弟姉妹で差がつくのが普通です。昔は嫁にやる娘には花嫁道具一式にお金をかけて相続の時は放棄するという暗黙の合意がありました。言ってみればこれも特別受益です。

マンションのローンの頭金を出してもらっても同じく特別受益です。今どき大学までの学資は扶養の範囲ですが、他の兄弟が高卒で就職していれば、その差は特別受益と見なされるかもしれません。相続税に関係なく相続には特別受益問題がからみついてきます。

民法上、特別受益の対象となるのは以下の3つですが立場上4.項目目を追加しました。

1.遺贈

2.結婚または養子縁組のための贈与

3.生計の資本として受けた贈与

4.自社株贈与

実は5番目に生命保険金を入れるかどうか迷うところです。生命保険契約による保険金の受取人は相続財産とは一線を画し、受取人の固有財産として遺産相続協議にかかわらず保険金を受け取る権利があります。しかし特別受益と言えないことはないのです。やはり安全なのは、受け取り生命保険金の持ち戻しの免除を明記することです。

被相続人が特別受益の持ち戻し免除の意思表示をせずに亡くなると、特別受益の対象となる遺贈または贈与を受けた相続人は原則として特別受益の持戻しをする必要があります。

被相続人にすれば会社を守るためにせっかく生前に計画的に争いが起きないよう生前贈与を行ってきたにもかかわらず、持ち戻しの免除の意思表示を忘れるとすべてご破算になってしまうのです。

こうなると争いの種をまき散らしたようなもので、収まりのつかない特別受益の泥沼相続に突入するかもしれないのです。

 ◆ 特別受益の持ち戻し免除の意思表示。

生前に苦慮を重ねて相続税や贈与税の節税と財産分与に知恵をしぼってきた方にとれば、特別受益であっさりひっくり返されたので死にきれません。これまでの財産を築いた親の思いと意思が、相続には反映されることが本来の姿です。死にきれませんとは申し上げました、そのときには被相続人はこの世の相続に意見することはできません。

それゆえ遺言書で特別受益の持ち戻しを免除する意思表示(わかりやすく言えば、遺言者が生前贈与などを遺産に加えないことを指示する。)それだけに最後に抜かることなく遺言書に一言「遺言者は、これまで長男○○○○、にした生前贈与による特別受益持ち戻しについては、これをすべて免除する。」書き加えてください。  老婆心までに申し上げておきますが、遺留分に配慮し、相続人にはよくよく言い含めておくことが大切です。

 ◆ まとめ

資産税専門の税理士や相続案件の多い税理士にとり円満相続を目指すことは、業務上のメリットがあります。相続人が権利の主張ばかりになるとまとまる話がまとまらなくなります。事業承継に配慮し苦心の末、自社株贈与を終えたオーナー経営者には、事業継続すら危うくする「特別受益」と「遺留分」は落とし穴になる可能性があります。後継者がもうければもうけるほど特別受益が膨らみ事態は深刻になります。また経営者でなくても争族の原因となる特別受益には注意が必要です。

恨みはないですが、相続に関しては弁護士がからむとやっかいです。食えない弁護士が相続に口出しすると収まりがつかなくなるのです。この話はよく聞きますが、OB税理士も同意見でした。税理士は話をまとめることで業務が円滑に進みますが、弁護士は一相続人の利益を最大にすることで自分の収益も大きくなりますから、もめればもめるほど金になります。皆さんがそうだとは申しませんが、相続人の知り合いの弁護士がからんでくると特別受益だ遺留分だという話になり、親が必死で考えた相続設計をひっくりかえしてしまいます。

繰り返しになりますが、遺言書は被相続人の生前の意思です。そうなると唯一の武器が特別受益の持ち戻しの免除を明記した遺言書になります。経営者の多くはうちでは、そのようなことは起こらない。ちゃんと言い聞かせてあるとおっしゃいます。そうはいかない人間の性(さが)が誰にも潜んでいるからこれだけ争族が多いのです。我が子といえどもこの件に関しては信用してはいけないということです。ここを外されないようお願いしておきます。

譲る相続、その理由。

相続では譲るという選択肢が道を開くことがあます。

CIMG3348日常の生活では普通の人はお互い譲り合って生活しています。「済みません。」「ありがとう。「どうもどうも。」の簡単な声がけや軽い会釈などで相手に敵意がないことが確認できると譲り合いの気持ちが生まれます。

道を歩いていても、車を運転していても気持ちよく譲り合うことで争いは起こりません。ところが相続の場面ではなぜか譲り合うことはできません。

相続財産とは平たく言えば、姿かたちは違いますがお金です。いわゆる現ナマであり一万円札の束です。それも日頃では手にすることがない一財産ですから譲ることなどできない相談です。相続税がかからなくても同じことです。

◆ 争族、争続、相続

仲のよい家族、親族がいがみ合い仲違いし法事も葬式も墓参りも縁切り、果ては裁判で争うことになるのを、争族とか争続と言います。そこまで行かなくても家族関係がギクシャクすることは相続という特異な空間では普通に起こりえます。

昔の川柳に「泣く泣くもよい方をとる形見分け」というのがありますが、道は譲れても財産は譲れないのが相続なのです。相続税がかからない人ほど争族は熾烈になるというのは人の世の法則のようなものです。

田舎では土地の境目で争いが起こることがあります。田んぼのあぜ道には境目の目印として大きな石を埋め込んで、隣があぜ道を削るとわかるようにしてあります。今は畦畔ブロックで仕切られているところが多いと思います。なかにはこの境目の石を邪魔者とばかりにどけてしまってあぜを削り込む強欲な農民もいます。

これをわずかずつ何年も繰り返すとあぜ道が曲がりお米の取れ高に影響するだけでなく所有地の現況が変わってしまいます。削られる方は、あぜ道が細くなり潰れますから、自分の田の方から盛り土するしかありません。こういうとき夜も寝られないぐらい腹が立つのですが、田舎では町内で争うことはできませんから、表面はニコニコしながら末代まで恨むというような空恐ろしい話になります。

妙な事例で申し訳ないですが、相続の争いもこれと似たような醜さが潜んでいます。

◆ 被相続人の心理は揺れ動きます。

被相続人である親は子が複数いるとその配偶者や孫を含めて公平にしようとします。相続では公平こそ不公平というようなことがよくあります。

親の子に対する好き嫌いもあります。世話になった子、よくしてくれる息子の嫁、寄り付きもしない次男とその嫁、慕ってくれる孫、ところが息子の嫁には相続権がなく寄り付きもしない次男に相続権が同じだけあるのはおかしいと感じます。

子たちが争わないように遺言を書こうとしますが、誰に何を渡すかとなると一向に腹が決まりません。それでも遺言書にかかれない親心があります。孫の顔を見るとせっかく書いた遺言の割り振りが気になりだします。親の家族一人一人に対する気持ちは複雑なので割り切れるものではありません。

相続というのは、相続人だけでなく被相続人の心理も穏やかではないのです。

 ◆ 争いを最小限にできるのは生命保険。

相続財産でもらう立場の相続人にとりもっとも喜ばれ感謝されるのはキャッシュです。次に換金性の高い生命保険や株式などです。換金性の低い不動産などは資産価値が高くても目先のキャッシュほど感謝されないことがあります。

そういう意味では目の前のキャッシュは感謝されても生命保険の受取人指定は感謝されないようです。相続が発生するまではキャッシュにはならないからですね。

結局、最後はキャッシュ、財産の換金性は大事なことなのです。節税に走りすぎて換金性の低い財産に多くをシフトすると相続人が困ることになります。

また金の切れ目が縁の切れ目、身内も親子も皆同じということができます。贈与が過ぎると老後貧乏、という事例も事欠きません。節税もほどほどに。

 ◆ それでも譲る気持ちが道を開く。

相続は長い目で見ると違った答えが見えてきます。欲得をむき出しにすると目先の利益にこだわることになりますが、長い目で見ることが大事です。時には譲る心が膠着状態を打破することがあります。

たとえば兄弟で争うような場合、独身であれば弟が家屋敷を相続してもいずれ我が子が相続することになります。相続分割協議ではお互いが主張ばかりしていても決着することはありません。期限は10ヶ月と限られていますから、やむにやまれぬ譲歩ということもあるでしょう。

あと一歩の譲歩、その譲る気持ちを持つことが大事です。一歩譲ることでまとまる話があります。そうは言っても、わかっていても、譲れないのが相続ですが。