相続時精算課税制度をデータで見ると意外な真実。

相続時精算課税制度について過去の利用状況を分析しました。
無題

少々見にくい表になりましたが苦心の自作でTable Pressでもうまくいかなかったのでエクセルを画像化して取り込んでみました。そのせいでピントが甘いし、背景も白でなくなにか薄汚れた感じになってしまいまして誠に失礼しています。

相続時精算課税制度は平成15年に創設されました。その後数年は利用者がのびて平成17年には年間82千人が利用していましたが、その後減り続け平成22年に下げ止まってからは5万人前後の利用者で推移しています。

暦年課税に戻れないこと、相続税の節税効果がないことなどから相続時精算課税を選択する人が減ったものと思われます。上記の表は過去3年分の暦年課税及び相続時精算課税の申告状況をまとめたものです。表を見て仮説として考えていることが果たして裏付けられるか、検証してみます。

表から読み取れることは下記5項目です。

その1) 暦年課税は申告件数、納税額とも右肩上がりで伸びている。

表には出てきませんが暦年課税は平成20年まで減り続けていました。平成21年から一転して増加に転じ平成26年では1.7倍まで増えています。暦年贈与の節税効果が見直された結果であると思われます。平成27年の相続税の増税を前に財産移転が進んだものと想定できます。

その2) 暦年課税は約75%の人が贈与税を納税している。

CIMG2448贈与税の暦年課税には年間110万円の基礎控除があります。それ以下なら贈与税の申告も不要です。当然考えられることは75%の人は相続財産を暦年贈与で計画的に減らしその贈与の証拠とし贈与税の申告納税をしているものと思われます。とすれば残る25%の人は贈与税かからない110万以下なのにご丁寧に贈与税の申告をされているということです。

確かに計画的に暦年贈与を行うときには贈与金額を一定にしないで時々は基礎控除以上に贈与して贈与税を払うほうがよいというアドバイスが一般的ですがそれだけではなさそうです。やはり名義預金という課税当局の理屈に対抗する証拠として例え基礎控除以下でも贈与税の申告をしているということでしょうか。

その3) 相続時精算課税の申告者は5万人前後で横ばいである。

相続時精算課税は平成22年以降下げ止まり、横ばいということはやはり相続税のかかる人も相続税のかからない人も含めて一定の需要というか使い道はあるということです。しかし年間5万人は多いのか少ないのか判断ができません。この中に仮説で予測している相続税のかからない人の親か子への資金援助が含まれていることでしょう。とすればまだまだ少ないと思われます。

相続税がかからなくて親からローン返済の資金援助を受けた方の何割かが相続時精算課税を選択しその他多くの人は知らぬ存ぜぬの時効待ちのような気がします。

その4)相続時精算課税は申告者の約94%が納税していない。

これは想定範囲ですが、相続税の増税により相続税のかかる人が4%から6%に増えるという予測がありますが、そのままの残りの相続税のかからない人94%の人が納税する必要のない2500万以下の贈与を行ったということではないでしょうか。

確かに相続税がかからないのに一時的とは言え2割の贈与税を払う気にならないところですから当然ではあります。4%の方は本当の資産家で事業承継か何かの対策で一気に贈与する必然的な理由があったものと思われます。

その5)相続時精算課税は暦年課税の約10%で推移している。

あまり重要なことでもないですが、暦年贈与の優位性がはっきりした結果だと思います。平成21年まではずっと相続時精算課税は暦年贈与課税の20%超の利用件数がありましたから、使い道が明確に分かれたということで、今後この傾向は変わらないように思います。

まとめ)相続時精算課税制度の意外な真実まとめ。

CIMG2449相続時精算課税制度の導入当初数年は手探りで相続時精算課税制度を選択した方も多かったようです。

様々な制約、手続きの煩雑さ、直接的な絶税効果がないこと、一度選択すると暦年課税に戻れないなど不都合な面も出てきた結果、条件的緩和(年齢制限の変更・対象を孫拡大等)がありましたが、限られた用途に限定する形で年間5万人に利用される形に落ち着いたということのようです。

それに引き替え簡明で手続きがわかりやすい暦年贈与が多用されるようになったということです。一番のメリットは基礎控除110万が毎年使えてそれなりの相続税の節税効果があることですね。

背景には相続税の基礎控除が引き下げられ増税になった結果、少しでも早めに暦年贈与で相続財産の減らしておきたいという新たな相続税対象者の思いが見えてきます。

以下のサイトを参考にしました。
◆国税庁。平成26年分の所得税及び復興特別所得税、消費税並びに贈与税の確定
申告状況等について

相続時精算課税制度に関する総まとめのページです。

◆相続時精算課税制度がとことん悩ましい本当の理由。

孫への相続時精算課税制度の適用は踏んだり蹴ったり。

孫への相続時精算課税制度の適用は踏んだり蹴ったりということもあります。

孫はとりたて可愛いものです。特に爺婆にとれば自分を慕ってくれれば、尚可愛くて目の中に入れても痛くないと言う形容がなるほどと納得できたりします。できれば手元に資産でもあれば孫に残してやりたいのが爺婆心と言うものです。

確実に孫に渡す方法は3つあります。

 ◆生命保険の受取人を孫にする。

一つは生命保険の受取人を孫にするのです。被保険者を孫の親にして契約します。自分の相続が発生したら保険契約はそのまま親が契約者となり相続で引き継ぎます。親が亡くなると保険金が孫に入ります。30年先か40年先かわからない遠大な3代にわたる保険設計ですが、そのころ孫はそこそこのよい年になっており爺婆のお金を今自分が手にしていることに感謝出来るでしょうか。幼い孫によくよく言い聞かせておくことです。

◆教育資金の一括贈与を使う。

二つ目は教育資金の一括贈与にかかる非課税措置です。ご存じかと思いますが1,500万円まで一括贈与出来る仕組みが出来ました。やたら細かいルールがあって金融機関に急所を握られて、あほらしさが先立つ仕組みです。ええかっこCIMG2458して貧乏人が使う意味はあまりありません。唯一相続税がどっさりかかりそうな人は早めに財産をまとめて減らしておくと言う意味で使えます。孫が4人いればまとめて6000万の財産を一気に減らす効果がありますからね。(注:この制度は平成31年3月31日まで延長されました。)

しかしながら、爺婆が孫の教育資金を出してやるのはもともと税金がかかる性格のものではないですから、贈与という意味では慌てないことです。必要な時に必要なだけ援助してやれば贈与税の心配もないし、あげる都度感謝され喜ばれるというものです。
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◆相続時精算課税制度で孫に一括贈与する。

三つ目は相続時精算課税制度を使って一気に孫に2500万円まで贈与してしまいます。平成27年からの新しい条件ですが孫の年齢は20歳以上となります。

今回の話題は孫への相続時精算課税制度の適用はデメリットがやたら多いのでご注意を、と言う趣旨です。

一代とばして孫に贈与すれば相続発生時には代襲相続として相続税が2割加算されます。一回相続税を飛ばしていますから仕方がないですが損な気がします。それに孫は相続税を払わなければならないのに法定相続人ではないから相続の基礎控除一人当たり500万円が使えないのです。孫への相続時精算課税制度を使った贈与はもう一つうまみがないのでお勧めしません。

それより暦年贈与でぼちぼちあげてください。それで自分がやばいと思ったら一気に相続時精算課税制度を使いお孫さんに贈与してください。それならわかります。

CIMG2467爺婆にとり相続時精算課税制度を選択すると一番のデメリットは、それ以後かわいい孫におこずかいをあげられなくなることでしょうか。あげれば金額の多寡にかかわりなく2割の贈与税が発生しかつ贈与税の申告という誠にうっとうしい手間が発生するのです。

現金ならわからんでしょうから小まめに小分けしてあげてください。つまらん制度に先走りせずに、盆暮れに50万ずつでもあげてみてください、どれだけ子や孫に喜ばれるか。

不思議なもので自由にならない大金や使途の決まっているお金をあげるといわれても、またその金額が大きくてもそれほどうれしくないのです。目の前にある10万円のほうがよほどうれしいのは誠に不思議なことです。贈与のコツは喜んでもらうこと、ツボを外さなければお線香の一本もあげてもらえるというものです。

逆の見方もあるということです。ご参考までに。

◆贈与は孫にするとゼッタイお得な理由。

相続時精算課税制度 | 貧乏人の怖い落とし穴5つを解説

相続時精算課税制度の怖い落とし穴、5つを相続税がかかりそうにない貧乏人向けに考察しました。

相続税がかかりそうにない一般庶民が相続時精算課税制度を使うときの落とし穴があります。これは落ちると這い上がれない深さがあるので同制度の適用をお考えの方に警鐘を鳴らしたいと思います。CIMG2460

失礼ながらあえて相続税のかからない方を資産家の対極に考えて貧乏人と呼ばせていただきました。もし中流意識をお持ちでしたら貧乏人は失礼ですのでお詫び申しあげる次第です。いつの時代も一部の資産家と大多数の貧乏人たる一般庶民で構成されるのがこの世のならいです。そういう意味で貧乏人と申しあげたのであり、悪気は御座いません。

本講をまとめるについては福田真弓税理士のオフィシャルサイトを参考にしました。数ある関連のブログでも内容的に秀逸です。「必ずもめる相続の話」「必ずもめる相続税の話」の著書は購入して読ませていただきました。

私の場合は保険会社から転じて買う側ですから一社専属で事業承継、相続設計、保険設計に取り組んできました。内容的には深くても広がりがありません。お付き合いする税理士さんも相続の専門家であることはめったにありません。通り一遍の知識はお持ちですが踏み込んだ質問には即答できないのが普通です。そういう意味で福田税理士の現場から発信する情報と知見は幅広くかつ実務的です。

◆相続税がかからない人が相続時精算課税制度を選択するときの落とし穴です。

相続時精算課税制度は相続税がかかるような資産家には節税効果がないので特殊なケースを除いてお勧めしませんが、そうでない94%の一般庶民が贈与税を回避してまとまった資金を親から援助してもらうときには一考の価値があります。しかしながらここにも注意すべき落とし穴がいくつかあります。相続時精算課税制度は一度選択すると二度と後戻りができないのが特色です。落ちてからでは遅いので十分ご検討下さいませ。

その1)相続税がかかるようになるリスク

相続時精算課税制度を選択した時点では相続税がかかるほどの資産はなく将来税金を払うなど考えもしない方もおられます。ところがそれが発生するのは10年後か20年後かもっと先かもしれません。その時にどうなっているかは誰にも予測がつきません。

単に田舎の二束三文の田畑に道路が通り地価が高騰することだってありえます。会社を経営していれば今は青息吐息でも事業が成長し自社株評価が驚くほど高くなることもあります。宝くじに当たっても、死亡保険金を受け取っても資産が基礎控除以上になれば同じことです。その時は予定外の納税をすることになります。ただし相続時精算課税制度で贈与された財産はそのままの評価ですから、意味がないことはないので素直に払うことですね。

その2)遺留分侵害リスク

もともと被相続人が財産分与を決める権利があります。生前贈与や遺言で指定すれば世話になった人や好きな人に財産を自由にあげることができますが、一方では相続人にも一定CIMG2461の権利を認めています。いわゆる遺留分です。法定相続割合の半分は(配偶者と子2人の場合、子の法定相続分は1/4、遺留分は1/8)もらえるわけです。

暦年課税のようにその都度毎年完結していれば問題にはなりませんが、相続時精算課税制度は贈与済みの財産も相続財産として再度カウントされますから遺留分を算定する金額に加算されます。そうなると遺留分を侵害する可能性が出てきます。

主な相続財産が家屋敷しかなくそれを同居する長男に相続時精算課税制度で贈与する場合などのケースが該当しそうです。相続税がかからなくても相続はあります。もちろんそういうケースでも遺留分という権利はあるということです。

その3)生前争族リスク

被相続人の死後、相続財産の分割をめぐり家族がいがみ合うのが争族ですが、相続時精算課税制度は争いを被相続人の生前に発生させる可能性があります。

財産分与の権利は被相続人たる親が握っているとは言え相続時精算課税制度で法定相続分を上回る財産を長男に渡そうものなら他の兄弟が黙っているとも思えません。税務署に確認すればわかる話ではありますが、知らせなければわからないのも相続時精算課税制度です。後に内緒にしていた相続時精算課税制度でもらった財産が明るみに出ます。この話し合いは遺言書でもない限りまとまりそうにもないような切ない気がします。

争族は相続税のかかる人よりかからない人のほうが圧倒的に多いのです。やるならきちんと他の相続人にも話をし、例え資産が少なくて相続税がかからなくても遺言書を残しておくことです。

その4)不動産を贈与すると税金リスク

相続税がかからない人が相続時精算課税制度を活用して不動産を贈与する場合は生前に名義変更をして死後の憂いをなくしておきたい場合です。不動産の贈与は税金がからんできます。登録免許税(2%)と不動産取得税(3~4%)が発生します。相続で不動産を取得すれば不動産取得税は非課税(0円)、登録免許税は(0.4%)とかなり違います。

相続時精算課税制度を利用して不動産を贈与しても喜んでばかりはいられないのです。

たとえ税金がかかっても生前に名義変更する必要があるケースもありますから一概には言えませんが、ある程度理解のある相続人であれば遺言書にするのがお得になります。相続税もかからないのに税金を余計に払って急いで名義変更する理由もないと思います。それぞれの家庭の意事情によりますね。

その5)民法上と税法上での評価違いのリスク

もう一点注意事項は福田税理士のサイトで見つけたのですが、税法上は相続時精算課税制度でもらった財産の評価はその時点に固定するのですが、民法上は相続発生時の時価で遺産の分割を行うということです。先読みができており予想通り評価が上がったのでその結果、評価を抑制することはできたのですが遺産の分割ではそうはいかないのです。当然民法で規定されている遺留分の額も大きくなります。それがどのような影響を及ぼすかわかりませんが揉めないことを祈るだけですね。

福田税理士のサイトでは以下のように書かれています。
「民法の特別受益の計算上は「相続時」、相続税の計算上は「贈与時」の時価で考えます。そのため、例えば贈与時の時価が100万円で、相続時には時価が1億円になった株式なら、遺産分割を行う上では1億円、相続税の計算上は100万円だと考えて、取り分や相続税を計算します。相続財産に「持ち戻す」という行為は同じでも、贈与財産をいくらと見るかが違うのです。」

まとめ)相続税がかかってもかからなくても落とし穴がある相続時精算課税制度

相続時精算課税制度の一般的なデメリットや落とし穴についての解説サイトは山のようにありますので、一般的な落とし穴は別項目として概要のみを列記します。

・親(被相続人)より子(相続人)が先に亡くなると相続税が2回
・相続時に価値がなくなっていても支払い義務は残る
・暦年贈与で節税できない分が他の相続人の負担増になる
・相続時精算課税制度を選択した建物は小規模宅地の特例が使えない
・相続時精算課税制度で取得した不動産は物納に使えない
・孫への相続時精算課税制度は2割増し、相続税の基礎控除600万なし

とまあ相続税がかかろうとかからなかろうといろいろ出てきます。暦年贈与のシンプルさには遠く及びません。相続時精算課税制度が出てから相続税の改正があり基礎控除が減額され相続時精算課税制度はさらに評判が悪くなり選択する方が大きく減っています。

CIMG2403多くの貧乏なサラリーマンのような立場の圧倒的多数の方が贈与に関して疑問を持っているのを感じてきました。普通に生命保険の名義変更をしたり子のローンの支援をしたり、普通に親子間では贈与があります。

それを相続税がかからないのに贈与税がかかるなど貧しい庶民には納得できる話ではないのです。

すべてのケースで税務署から指摘があるわけでもないですし、税務署から言われればもはや反論すらできない勝ち目のない勝負になります。

贈与税の不安を抱えながら贈与するのではなく、すっきりした形で非課税で贈与できれば安心できます。

贈与も相続もたびたびあるわけではないのです。すべからく事情のよくわからないド素人が普通です。税理士にも縁がない、税務署にも縁がないサラリーマン向けの相続時精算課税情報を発信できればと思っています。

 

相続時精算課税制度対比表 | 選択の特例と住宅取得等資金の非課税制度

相続時精算課税制度と相続時精算課税選択の特例と住宅取得等資金の非課税の特例について対比表にしました。

CIMG2469相続時精算課税制度の中でも特にややこしく難解な説明が多いのが以下の対比表の部分です。相続時精算課税制度で検索し上位100サイトをしらみつぶしに調べた結果最もわかりやすいサイトを見つけました。

そこですら基礎知識がないとほとんど理解できない複雑さです。

そこでわかりにくいところを補足し言い換えて庶民向けに対比表を作り替えました。ここまでわかりやすい(自分で思っているだけですが)対比表はないと思います。

 相続時精算課税制度相続時精算課税選択の特例住宅取得等資金の非課税の特例
非課税         2500万円700万円~1200万円(平成28年1月~平成29年9月)
平成29年10月から500万円~1000万円となります。
相続税がかからなければ非課税。相続税がかかるとき相続税に持ち戻して課税。
暦年贈与はもらう人の合計ですが相続時清算課税制度はもらう人とあげる人の組み合わせ自由、親2人子2人ならそれぞれ2本合計4本まで可能です。
・受贈者(もらう人)につき一本です。
・相続時精算課税制度併用可能。
贈与者贈与する人(あげる人)は60歳以上の両親と祖父母(直系尊属)に限定(60歳とは贈与の年の1月1日時点の年齢です)。両親、祖父母、年齢制限なし60歳未満でもOK。
受贈者受贈者(もらう人)、20歳以上の相続人(まだ相続が発生していないので推定相続人と言います。)お孫さんもへの贈与もOKです。
税率とりあえず2500万のまで無税、それを越える部分はとりあえずの贈与税率2割、その結果、相続税がかかればこれまでに支払った贈与税を清算し相続税として納税することになります。相続税がかからなければ全額非課税となります。・暦年課税:非課税枠700万円+基礎控除110万円までは非課税、それ以上は累進課税の贈与税。
・精算課税併用:非課税枠700万円+2500万円までとりあえず非課税、越える部分は2割の贈与税。
贈与財産の種類相続時清算課税制度は何でもOKです。何でもとはお金でも不動産でも株式でも保険でも美術品でも可能です。何しろ債務免除でも構わないのですが、金銭価値に評価する必要があります、贈与回数にも制限はありません。あるのは2500万円の一時的な非課税の枠だけです。自己の住宅と敷地購入資金、増改築のための資金を贈与した場合に適用。
贈与物件の引き渡し特に制約等はありません。贈与の翌年の贈与税の申告期限(3月15日)までに自宅として居住していること、または居住が確実であること。
贈与物件の要件特に制約等はありません。・床面積(登記簿面積)50㎡以上なら制限なし。
・店舗併用住宅の場合住居は1/2以上必要です。
・中古住宅及び増改築の要件はここでは割愛します。
・床面積(登記簿面積)50㎡以上240㎡以下。
・店舗併用住宅の場合住居は1/2以上必要です。
・中古住宅及び増改築の要件はここでは割愛します。
申告例え少額でも贈与税が生じなくても贈与があれば贈与の翌年の2月1日~3月15日までに贈与税の申告書を提出しなければなりません。
その他相続時清算課税制度を一度選択すると暦年課税には二度と戻れません。
もらう人は直系卑属で年齢制限がありますが収入の制限はありません。
受贈者(もらう人)の収入が2000万円以下という制限があります。
<三井不動産リアルティの贈与税のコーナーを参考にしました。>

堅いことを言えば1万円を贈与者からもらっても申告義務が生じるわけです。例え贈与税が発生しなくても贈与の合計額は当局で厳重に管理されますから仕方がありません。

現実の場面ではある程度まとまった金額の贈与がなければ一々申告はしていられないと言うのが実状ではないでしょうか。

それでも気になる方は相続時清算課税制度を選択していない別の母親ルートから迂回してもらえば110万円以内なら暦年課税の基礎控除以下ですから申告義務はないことになります。

何か変ですがね。申告義務のうっとうしいところは手間だけではなく時期の制限があるところです。一年分のもらったものを合計して翌年の2月1日から3月15日までに税務署に対して贈与税の申告書を提出しなくてはなりません。

遅れたら残念ながら2割の贈与税が課税(相続時に精算)されることになります。贈与額が2500万円に達していなくても一旦は贈与税が課税されますからご注意のほどを。暦年課税は申告を忘れても期限後申告が可能ですが、相続時精算課税は期限後では贈与税が課税されることになります。

相続時精算課税制度に関する総まとめのページです。

◆相続時精算課税制度がとことん悩ましい本当の理由。

生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与です。

生前贈与は内緒が基本、喜ばれてこそ贈与です。

生前贈与は内緒になってしまいます。

生前贈与するときに他の相続人に贈与の事実を詳しく報告することはあまりないと思います。と言うか実際はなかなか言えないもので、元々公平にはなりえないものだけに、良かれと思い報告しても説明を聞いた子たちも形だけの納得でしっくりこないものがあるはずです。

◆生前贈与は波風が立ちます。

相続税がかかるかからないに関わらず贈与はあげる側にももらう側にも波風が立ちます。これは人間とし如何に聖人君子であろうとも欲得があるから仕方のないことです。どんなに仲がよくてもお金があっても、こと贈与と相続は心中穏やかではないのが相続人です。

生前贈与は贈与のツボを押さえること。

贈与はもらう側にすれば棚ぼたの不労所得です。他の相続人(兄弟)が親からまとまったお金をもらったとすれば心穏やかなはずがありません。

またあげる側にしても贈与のツボを心得ていれば、内緒でお前だけに贈与するが他の相続人には言わないように念押しすることで贈与の効果は倍増します。自分だけ特別扱いをしてもらったことは、もらったお金のうれしさ以上に大きなものがあります。

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生前贈与は喜ばれてこそ価値があります。

少なくとも経済社会においてお金は万能です。異論はあるかもしれませんが生活していく上でお金はいらないという人はいないはずです。ましてや家のローンがあり子供の進学があり、車の買い替えが目の前に迫っていれば喉から手が出るほど欲しいのがお金です。

これまで親に迷惑をかけてこなかった出来の良い子供たちには、親に無心はなかかなかできないもの。嫁にせっつかれて親に身の上相談のような振りをして暗に無心するのが関の山です。

親の方は子の苦境を察してやらねばなりません。そういうときに支援の手を差し伸べると本当に喜ばれます。贈与はタイミングが大事です。本当にお金が必要な時に他の兄弟に内緒で助けてやるのです。生前贈与をするならば相手が言い出す直前を察することです。そうすれば本当に喜ばれて感謝されます。それこそ意味のある生前贈与といえます。感謝の気持ちは長続きはしませんがね。

◆生命保険料の贈与は相続発生後感謝されます。

当座の生活資金やローン返済にはなりませんが、生命保険料の定期的な贈与は価値があります。せっかく現金を贈与しても保険料にもっていかれますからその時はさほど感謝されないのですが、相続が発生した時に親の有り難さと価値がわかります。もらった現金は墓参りするころにはすっかり忘れていますが、受け取った保険金は死ぬまで忘れません。

相続時精算課税制度の使い道マトリックス。

相続時精算課税制度の使い道を相続税がかかるか、かからないかで整理しました。

相続時精算課税制度は相続税の節税効果がないとか、一括非課税で贈与できてローン返済の肩代わりが出来るとかいろいろ言われています。

自分の場合は本当に贈与税が非課税になるのかどうか、どういう使い方をすれば有利なのかわかりにくい制度です。また相続時精算課税制度を一度選択すれば暦年贈与に戻れないと聞いているが、一体どちらが正しい選択なのかどうもよくわからない、と言う声が聞こえてきます。

お持ちの財産や年齢、健康状態、相続人の間の関係などがからみ相続税がかかる場合とかからない場合は、それぞれ相続時精算課税制度の意味と使い方が変わってきます。CIMG1956

WordPress初心者がようやく表組のプラグインを使えるようになったところですのでつたないながら初の枠付きマトリックスです。

やはり縦横に枠をとり整理すると全体像の把握は容易になります。マトリックスの列ごとに解説を書いていますのでお読みいただければ理解しやすいものと思います。

基本的に本ページは相続時精算課税制度の基本知識をある程度お持ちでありながら、どうもよくわからない、あるいは自分のケースはどうすればよいのかわからないという方のために選択に際してのパターンを示しています。実際のケースではもっと複雑に事情が混在しますし、情報の精度を吟味する必要もありますのであくまでの一つの目安とお考え下さい。

 相続税のかかる人(その1)相続税のかからない人(その2)相続税がかかるかどうかわからない人(その3)
節税効果基本的に節税効果なし贈与税の節税効果ありまず暦年贈与、相続税がかかるかどうかの見極めが必要
贈与物件値上がり物件贈与
収益物件贈与
住宅取得資金の非課税制度活用
非課税で現金贈与
資金援助
相続時精算課税制度の特例&住宅取得資金の非課税制度活用
相続時精算課税制度の特例&住宅取得資金の非課税制度活用
活用可否できるだけ長く暦年贈与、頃合いを見計らって相続時精算課税制度積極的に活用する価値あり相続財産を基礎控除以内に
不動産の評価を専門家に
その他自社株贈与など特殊なケースに効果大贈与税の申告手間が発生不動産は贈与でなく相続で取得するほうが有利

その1)相続税のかかる人は特殊なケースでないと相続時精算課税制度を選択するメリットが見えてきません。値上がり物件や収益物件を贈与すれば現在評価と相続時評価との差額に対する相続税は節税になりますが10年先か20年先か、もっと先かもしれない相続時発生時に予定通りの評価になっているということは保証の限りではないのでギャンブル的な要素があることは間違いないと思います。

それよりはできるだけ長く暦年贈与して生命保険に加入しておく方がよほど利口だと思います。

特殊なケースというのは中小企業の事業承継で行う自社株贈与です。これは相続時精算課税制度を使う価値があります。新株予約権付社債を発行し評価額を大きく下げておき、できるだけ暦年贈与で移動しつつ、最後にエイヤ!で一気に相続時精算課税制度で贈与税を納税しつつ自社株を後継者に移してしまいます。そしてじっと7年間辛抱して時効を待ちます。別に違法ではないですが何事も用心用心です。このスキームは相続税の前払いをしても十分な価値があります。

その2)相続税のかからない人はたくさんいらっしゃいます。

まとめて贈与したいと思っている相続税のかからない人は相続税かかる人の10倍以上はいらっしゃるのではないかと思います。

贈与税は相続税の補完税と言いながら相続税がかからなくても贈与をすれば贈与税が課税されます。これでは子や孫に住宅資金などのまとまった資金援助ができません。

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だからこそ相続税のかからない大多数の人こそ相続時精算課税制度を活用し堂々と贈与すればよいのです。一度相続時精算課税制度を選択する2500万円まで贈与税は課せられませんが、それ以降の贈与は発生するたび毎年贈与税の申告が必要です、などと固いこと言わずに小分けして現金で渡しておけばその都度喜ばれるし感謝されるし、課税当局も感知するところではなくなります。

その3)相続税がかかるかどうかわからない人というグループもかなりいらっしゃるのではないかと思います。今はかからなくても土地や住んでいる家が思いがけず道路が通り値上がりすることもあるでしょうし、税制が変わり相続税の基礎控除が変わるようなことがないとは言えません。相続人が宝くじに当たったとしても相続税はかかるでしょうから先のことは誰にもわかりません。

できることはまず暦年贈与で生命保険に入ることです。

万が一相続税がかかるようになった時の納税資金です。ある程度相続が近づいて来たら思い切って相続時精算課税制度を使うことを考えます。一つには財産の分割を生前にしておくような意味もあります。遺産分割を生前に行う意味は争続を防ぐこともありますが、特殊関係人(愛人と認知している実子)にきちんと遺産がわたるよう配慮する意味もあります。遺言書や生命保険の受取人指定と同じく確実に財産を渡してしまうことができます。

注意すべきことは他の相続人の遺留分を侵害しないよう適切な配分を考えることです。争続を防ぐために相続時精算課税制度で生前に財産分与を図ったことが自分の死後争いの元になったのでは死ぬに死にきれないところです。

まとめとして

相続税がかかる人とかからない人では相続時精算課税制度は使い勝手が異なります。将来の予測も含めて慎重に検討する必要があります。相続時精算課税制度の特例&住宅取得等資金の非課税制度は項目に上げてはありますがここでは触れないこととします。また不動産の贈与は登録免許税と不動産取得税が絡んで損得関係の判断を難しくします。実際は親が不動産を購入し評価を下げて相続時精算課税制度で子に贈与するほうがお得になります。この辺もまとめて次回に別ページで説明する予定です。