年金受給権の相続税評価をとことんわかりやすく説明。

年金受給権の相続税評価をとことんわかりやすく説明。

ここで取り上げる年金受給権とは個人年金保険です。公的年金には遺族厚生年金や遺族基礎年金が相続の後に関係してきますが、別項にゆずります。

余裕があってもなくても、知り合いの保険営業からすすめられて個人年金保険の一つや二つは入っているものです。予定利率の良いころには今から見ればおどろくほど率の良い終身年金などもありましたが、今では予定利率は史上最低、貯蓄性の高い年金保険は、保険とは名ばかりで金融商品としての妙味はほとんどなくなりました。それでも年金保険の貯蓄機能は老後に備える意味で、資金の賢い先送りといえると思います。

生命保険では過去に契約したものはその時点での予定利率が既得権として引き継がれます。良い時期の年金保険も支払いが終わって年金の受給権が発生すると年金の受取りが始まりますが、相続という区切りで仕切り直しが近づいてきます。年金の受給権は相続でどのように評価されるのでしょうか。

国税庁のサイトの説明を読んで理解できる人はほとんど限られた少数派でしょう。多くのサイトでもわかりやすく説明することに苦心していますが、それでも一般の方がちゃんと年金の受給権を理解するにはハードルが高いと言えそうです。

わかりにくい年金受給権の相続での評価をできる限りやさしく、わかりやすくを心掛け、誰でも理解できる事例を交えた説明にチャレンジしました。プロの方にはわかりきった話かもしれませんが、少々お付き合い下さい。

◆ そもそも年金保険とは。

ここで言う年金保険とは公的年金とは関係がなく個人的に保険会社と契約する年金保険です。保険料は一時払いと分割払いがあります。一定期間保険料を保険会社に支払い年金支払い開始日から年金を受け取ることになる契約です。登場する役者は下記の4種類です。

・契約者(保険料負担者)

年金保険の契約を保険会社と締結し保険料を支払う方です。

・被保険者

保険ですから体を提供する方が必要です。被保険者の生死が年金支払いでは問題になります。

・年金受取人

年金を受け取る人は契約者自身のこともありますが、それ以外の方を指定することもできます。

・死亡給付金受取人

年金支払い開始前に被保険者が死亡するとそれまでの保険料相当を死亡給付金として死亡給付金受取人に支払います。

◆ 年金の受給権が相続税や贈与税の対象になる場合。

年金は最後までもらえればよいのですが、途中で相続や死亡事故が発生すると年金の受給権が相続税や贈与税の対象になる場合があります。これを4つのパターンに分類して具体的に解説を試みます。

①年金の支払いが開始されたときに年金受取人と保険料負担者が異なっている場合があります。

よくあるケースでは親が契約者で子を年金受取人にして一時払い年金に加入すれば、年金支払いが開始すれば、保険料負担者の親から年金受取人の子へ年金に関する権利が贈与されたことになります。

これが一番厄介なケースです。

年金支払いの初年度は年金受給権全体に対して一気に贈与税がかかります。贈与税の基礎控除110万を引いた残りの評価額に贈与税がかかってしまいます。2年目からの年金受取金額は、評価額より多くなりますから贈与税の対象となった年金受給権の評価額を差し引いた増加分に対して雑所得として所得税が課税されます。

やばいと思って契約者を変更してもダメです。

誰が保険料を負担したか税務署はわかりますので、どこまでが贈与でどこから所得になるのか分けて考えなくてはなりません。この事例はよくあります。一時払い年金で契約者と年金受取人が違う場合は後で困る場合があります。

②年金保険は10年確定年金や保証期間付終身年金などがあります。

被保険者が年金受給中に亡くなっても保証期間の年金は相続人が継続的に受け取ることができます。例えば親が契約者で年金受取人が親の10年確定年金は、年金受給開始3年で親が亡くなっても、残り7年分の年金受給権は子(相続)や孫(遺贈)を継続受取人として引き継いで受け取ることができます。

あたりまえの権利ですが、その年金受給権に相続税が課税されるということになります。受給権ですからキャッシュではありません。相続税がかかる遺産があれば、相続税は払わなくてはならないので注意が必要です。相続税がかからなければ、そのまま継続的に受け取っておけばよいのですが、年金受給権の評価額より増えた分に対しては雑所得がかかります。

③確定年金や保証期間付き年金の年金支払い開始後に年金は受け取っているが保険料を負担していない年金受取人が死亡するようなこともあります。

例えば父親が契約者で被保険者、母親が年金受取人のような場合があります。その場合母親の死亡で、年金受給権が保険料負担者でない子に継続年金受取人として引き継がれると、保険料負担者である父親から子に年金受給権を贈与されたことになります。ここでも贈与税が出てきます。残念ながらただもらいはできないようになっているのですね。

④被保険者死亡により支払われる死亡保険金が年金で支払われる生命保険契約の場合、被相続人が保険料を負担していて、その死亡により年金(死亡保険金)の給付事由が発生すると、その年金受給権は相続又は遺贈により引き継がれます。

分割で保険金を受け取るので年金受給権といいますが、要するに死亡保険金の分割受取りのことです。年金受け取りにすると相続財産としては年金受給権の評価額で計算されるというわけです。死亡保険金は受取人固有の財産になりますが相続税は課税されますよということになります。

◆  年金の種類による年金受給権の評価の違い。

・確定年金

被保険者の生死に関係なく約束された期間、年金を支給する契約。

10年とか20年とか期間を決めて契約します。被保険者が契約者の場合年金受給中に途中死亡すれば、残存期間の年金受給権の評価額はそのまま相続財産に合算されます。

・終身年金

被保険者が生存している限り年金は100歳でも200歳でも出続ける打ち出の小槌のような年金保険です。終身年金には確定年金のような残存期間はありませんが、親が契約者で子が被保険者兼年金受取人の場合、親が死亡したときには年金受給権の評価額で相続税の対象になります。

「確定年金」と「終身年金」の年金受給権の評価は、下記のいずれか多い金額になります。というか普通では③が多くなると考えられます。

①解約返戻金

②一時金の額(一時金で受け取れる場合)

③年金年額×残存期間の予定利率による複利年金現価率

(終身保険では残存期間は被保険者の平均余命)

・有期年金

期間を定めた年金契約、期間内でも死亡により年金契約が終了。早期死亡の保証はありません。終身年金と同じく、被保険者死亡で年金契約は終了しますから、長生きばくちのようなところがあります。

年金受給権の評価は、有期期間を確定年金として算出した評価額と被保険者の平均余命で算出した評価額の少ない方になります。

保証期間付終身年金

・保証期間付有期年金

保証期間付の年金契約であれば安心がありますが、その分保険料も高くなります。でも最近の年金保険では保証期間付の年金保険が人気のようです。年金受給権の評価額は込み入りますのでここでは割愛します。

◆  年金受給権の相続税評価がわかりにくい原因。

年金受給権の権利は確かに複雑なところがあります。自分でかけて自分で受け取るなら何の問題もありませんが、親心は子の行く末を案じ、できることは何でもしてやろうという気持ちになるものです。そこに親が契約者で年金受取人が子という契約が生まれる余地があります。

子が小さい時から親が契約者になり貯金のつもりで年金保険に入る場合もあります。親がガンになりがん診断給付金が出たのを機に、一時払いで子に年金保険をかけ子を年金受取人にする親御さんもありました。

いろんなケースがありますが、贈与税に注意ということは変わりません。年金受給権の相続税評価は以前の様に大幅な評価減のスキームは道が閉ざされて、おおむね丸まる評価になったとお考えください。

■終身年金の有り難さ。

終身年金の有り難さ。

◆  年金受給権の相続税評価、まとめ。

年金受給権での注意事項は、年金受給権は相続税の対象ですが死亡保険金控除の対象外、しかし年金保険の死亡給付金は死亡保険金控除(500万/相続人1人)の対象となります。ややこしいですね。

年金契約は保険料を負担する契約者と年金受取人が異なると年金受給権の評価額で贈与という問題が出てくる可能性があります。今一度お手元の保険証券や契約内容のお知らせなどで確認され、保険契約に詳しい方に相談されるのがよろしいかと思います。

いざとなれば、年金受給権を譲り受けた方が贈与税を払えばよいのですが、他の方法としてあっさり解約して現金化すれば損得の確認は必要になりますが、キャッシュであればどうにでもできます。

贈与税は何度も申し上げてきましたが、一般庶民には納得できない悪税です。我が子の家の頭金でも金額に気を付けながら渡してやらねばなりません。相続税がかからない貧しい庶民なのに贈与税などで税務署からにらまれないよう細心の注意をお願いしたいところです。

間違いやすい生命保険の権利とみなし相続財産。

間違いやすい生命保険の権利とみなし相続財産。

相続時の生命保険契約の扱いは契約者が誰なのか、保険料負担者は実質誰なのか、被保険者がだれなのかにより生命保険契約の権利の評価が変わります。

簡単なようで間違いやすいところがあります。国税庁の「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」を参考にできるだけシンプルにまとめました。

◆ 契約パターンによる課税関係。

パターン1)

保険料負担者=親

契約者=親

被保険者=親

生命保険金受取人=子

親が自分の体に生命保険をかけ子を受取人に指定します。一番オーソドックスな生命保険契約の形態です。親が亡くなり相続が発生すると死亡保険金が支払われます。保険会社から支払われる死亡保険金は受取人に指定された子の固有財産となります。死亡保険金は相続財産として相続税が課税されますが、他の相続人が受け取ることはできませんから、指をくわえて見ているほかありません。

パターン2)

保険料負担者=子(暦年贈与で保険料を親から子に贈与)

契約者=子

被保険者=親

生命保険金受取人=子

親から子に保険料を年間110万円以下で暦年贈与し、子が契約者となり親を被保険者として生命保険をかけます。親が亡くなると保険金を子が受け取ることができますが、保険料の出どころは親ですが、贈与が成立していますので保険料を子が払っていることになりますから、相続財産とは関係のない子の財産です。もちろん相続税は関係ありません。生命保険金から支払った保険料を引いた残りの利益部分が有利な一時所得となります。

ただし、贈与契約書などで贈与の証拠をしっかり残す必要があります。

パターン3)

保険料負担者=親

契約者=親

被保険者=子

生命保険金受取人=親

親が契約者となり子に生命保険をかけるパターンです。この契約形態の場合、親が亡くなって相続が発生しても子は健在ですから保険事故は発生していません。しかし保険料負担者が死亡して相続が発生していますからその保険契約に関する権利が解約返戻金相当額で相続税の対象となります。これはまぎれもない本来の相続財産として誰が相続するか遺産分割協議で話し合われることになります。

【誤りやすい事例 ⑨‐申告書第 11 表関係‐】
保険事故が発生していない生命保険契約(本来の相続財産:契約者が被相続人

パターン4)

保険料負担者=親

契約者=子

被保険者=子

生命保険受取人=親

この契約形態は保険料負担者と契約者が異なっていますが、実はとてもよくあるパターンです。親が子名義の銀行預金口座を開設し保険料相当額を振り込みます。生命保険契約では口座振替で保険料が引き去られます。形からすれば相続財産とは言えないのですが、実質的にはみなし相続財産と呼ばれます。

【誤りやすい事例 ⑩‐申告書第 11 表関係‐】
保険事故が発生していない生命保険契約(みなし相続財産:契約者が相続人

ポイント①

子が未成年の場合、親が親権者となり子名義の銀行預金口座を開設することができます。子を契約者にして親が子の銀行預金口座にお金を入れて口座振替にすれば、保険料の贈与になるのか親の名義保険とされるのか判断が分かれるところです。

以下引用①です。

生命保険料の負担者の判定について

  1. 被相続人の死亡又は生命保険契約の満期により保険金等を取得した場合、もしくは保険事故は発生していないが保険料の負担者が死亡した

場合において、当該生命保険金又は当該生命保険契約に関する権利の課税に当たっては、それぞれ保険料の負担者からそれらを相続、遺贈又は贈与により取得したものとみなして、相続税又は贈与税を課税することとしている(相法3(1)一、三、5)。

※生命保険金を受け取った者が保険料を負担している場合には、所得税(一時所得又は雑所得)が課税される。

  1. 生命保険契約の締結にあたっては、生計を維持している父親等が契約者となり、被保険者は父親等、受取人は子供等としてその保険料の支払いは父親等が負担している、というのが通例である。このような場合には、保険料の支払いについて、父親等と子供等との間に贈与関係は生じないとして、相続税法の規定に基づき、保険事故発生時を課税時期としてとらえ、保険金を受け取った子供等に対して相続税又は贈与税を課税することとしている。

3.ところが、最近、保険料支払能力のない子供等を契約者および受取人とした生命保険契約を父親等が締結し、その支払保険料については、父親等が子供等に現金を贈与し、その現金を保険料の支払いに充てるという事例が見受けられるようになった。

  1. この場合の支払保険料の負担者の判定については、過去の保険料の支払資金は父親等から贈与を受けた現金を充てていた旨、子供等(納税者)から主張があった場合は、事実関係を検討の上、例えば、(1)毎年の贈与契約書、(2)過去の贈与税申告書、(3)所得税の確定申告等における生命保険料控除の状況、(4)その他贈与の事実が認定できるものなどから贈与事実の心証が得られたものは、これを認めることとする。

-国税庁の事務連絡(1983年9月)-

ポイント②

この契約形態で3,000万の一時払終身保険を契約すれば、相続税の対象にはなりますが、税法の規定によれば契約者である子が保険契約の権利を相続したことになります。子の部分は孫でも2割加算になりますが同様に遺贈を指定したことになります。相続させたい子や孫を指定することができます。

以下引用②です。

  • 財産評価基本通達 214 生命保険契約に関する権利の評価

相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含む。この項において同じ。)が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時において当該契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には当該金額を減算した金額)によって評価する。

(注)1 本項の「生命保険契約」とは、相続税法第3条《相続又は遺贈により取得したものとみなす場合》第1項第1号に規定する生命保険契約をいい、当該生命保険契約には一定期間内に保険事故が発生しなかった場合において返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約は含まれないのであるから留意する。

2 被相続人が生命保険契約の契約者である場合において、当該生命保険契約の契約者に対する貸付金若しくは保険料の振替貸付けに係る貸付金又は未払込保険料の額(いずれもその元利合計金額とする。)があるときは、当該契約者貸付金等の額について相続税法第13条《債務控除》の適用があるのであるから留意する。

◆ まとめ

相続にかかわる生命保険契約では、おおむね上記の4パターンになると思います。国税庁の「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」に具体的な事例があるように、ここはしっかり税務調査では調べますよということです。

みなし相続財産は手前勝手な解釈をすれば、黙っておればわからないと考えてしまします。ところが税務署はそれほど甘くないのです。また税務署は保険会社から提出される支払調書で保険契約がお金に変わったことを知ります。保険契約に対する課税はお金に変わるとき、すなわち出口課税になっていますから、新規の一時払終身保険を契約しても、既契約の名義変更をしてもその時点では課税されないですし時効も開始しないのです。相続税調査のOB税理士の話ですが、怪しいとにらんだら全保険会社に契約有無の照会をかけるそうです。敵もさるものというわけです。

うまく節税したければ、それなりの知識と手間がかかるということです。生命保険の権利やみなし相続財産とされる生命保険契約がないかどうか、生前であれば打つ手もありますから、契約内容のお知らせを集めて今一度確認しておかれるのがよろしいようです。

親孝行保険の親不孝。

親孝行保険の親不孝。

親孝行というものはなかなかできるものではありません。親の恩に気が付いて親孝行をしたいと思っても、すでに親はこの世にいないとうのが相場です。お盆になるとご先祖様の墓参りをします。田舎のお仏壇にある一番新しい位牌が両親であの世での新しい名前が刻まれています。

親が若いうちは「親孝行保険」をすすめられることがあります。親孝行保険とは聞こえはよいですが、実は親にすればとんでもない親不幸なのです。

保険商品は予定利率が低くなり魅力がなくなりました。貯蓄性はほとんどありませんし、保障を買うにも割高になり保険を売る保険営業もおすすめのネタ切れで行き詰り状態です。

それでも生命保険にはいろいろな切り口が残されています。保険商品は切り口を変えて説明すると新鮮に映ることもあります。少々古臭い切り口ではありますが、お盆ということで親孝行保険を考えてみます。

◆ そもそも親孝行保険とは?

今どきこんな切り口で保険を売ろうという方は少ないでしょう。しかし契約者の家族や親子関係によっては一理あるのです。本来生命保険は親が契約者となり子を被保険者として生命保険をかけることが多いと思います。

子に収入がない間は親が保険料を負担し、子が独立すれば契約者を子に変更します。よくあるパターンですが、保険金の受取人も親から配偶者に変更すると思います。契約形態は下記のようになります。

契約形態は

契約者=親
被保険者=子
受取人=親

変更後の契約形態は

契約者=親
被保険者=子
受取人=配偶者

普通であれば親が先に亡くなりますから何の問題もありません。ところが昨今は超高齢化社会となり親も長生きします。世の中万が一と言うことがあります。子の方が病気や事故で先に亡くなるような不幸もあります。親に経済力や財産があれば単に不幸な出来事になりますが、成長した子が親に仕送りしていたり息子の持ち家に同居していたりするようなケースでは大変です。どう大変なのかをわかりやすく箇条書きにします。

・息子に嫁や子がいれば親は相続人にはなれませんから息子の財産は受け取れません。

・死亡保険金の受取人も配偶者にしていれば、生命保険金は息子の嫁のものです。

・同居の嫁と仲が悪ければ、息子から相続した財産を処分して孫を連れて実家に帰るでしょう。

これは最悪のケースです。後には住むところがなくなった老親が残されます。まさかここまで運が悪いことはないでしょうが、二世帯住宅などにして同居していると可能性があります。

そこで、息子としては自分が万が一のとき、育ててくれた親に保険金が残るようにというのが親孝行保険というわけです。

契約形態は

契約者=子(息子)
被保険者=子(息子)
受取人=親

という親孝行保険のパターンが考えられます。家庭環境や親の財産具合、家族仲などにより考えられる保険です。これは生前贈与のし過ぎでも起こることがあります。相続税がかからないところまで生前贈与をすると、長生きした場合に余力がなくなるのです。思いがけない大金の出費や所有していた株式などが暴落したり、大病をしたりすると予定が狂うのです。

注意すべきことは、親孝行保険の受取人は親ですから、息子の嫁や子がいれば相続人ではありませんから、受取保険金は遺贈により取得したことになります。相続税がかかるほどどの大金ではないと思いますからいらぬ心配ですが、死亡保険金の非課税枠(500万/相続人一人)は適用されません。

親から孫に一代飛ばしで相続させると例の相続税の2割加算が適用されますが、この場合親は相続人ではありませんが、被相続人となった息子からは一親等の血族となり2割加算の適用はないことになります。

◆ 親孝行保険の親不孝、まとめ。

あまり親孝行保険を提案するようなことは見かけませんが状況によってはツボにはまることもあり得ます。そいう趣旨の保険なら親孝行であり親不孝ではありません。親孝行保険はできれば、親が受け取ることなく息子の嫁や孫に受取人変更する日が来ることを願うばかりです。

実のところ申し上げたかったのは、親より子が先に逝くということがどれだけ親不孝かということなのです。人の子の親になってわかりますが、親というものはいつも案じているのは我が子のことばかりなのです。

保険とは直接の関係はありませんが、知り合いに息子がうつ病で自殺したケースがありました。告別式に参列しても見ていられないありさまで、深刻すぎてつらいばかりです。嫁と子はそのまま息子の家に住み続けています。その後、息子の母親は悲しみと後悔のあまり精神に異常をきたし近所付き合いができなくなってしまいます。気の毒で見ていられません。

親孝行保険は結構なことですが、息子の命と引き換えに親孝行保険金を受け取るような親不孝は、どうしようもなく親不孝なのです。お盆になると思い出す話ですが、我が身に置き換えると恐怖で身震いする思いです。

保険営業の宿命は過酷、コロナお盆に焦燥感。

保険営業の宿命は過酷、コロナお盆に焦燥感。

猛暑にコロナ、まったくテレワークも楽じゃないと思います。第二波でまたしても保険営業は訪問自粛状態です。営業に出歩いても受付や玄関先で資料を渡して帰る程度、とても面談できる状況ではありません。ひたひたと身近に迫りくるコロナの足音におびえる日々です。

◆ 保険営業のお盆はあと一件のチャンス

さてお盆はどうするか、年老いた母親一人でお精霊(しょらい)さんを迎えるのはあまりにも寂しいですし、かといって自分すらも安全とは言えない状況です。もしも母親に感染したらと思うとリスクは半端ではありません。そうは言いながら保険営業の頭の中では別のことを考えています。実は保険営業は追いつめられるとお盆も何も関係なく身内を頼ります。

身内を頼りますとは、一般の方にはわかりにくいと思いますが、叔父や叔母、いとこなどの親戚に保険加入をお願いするのです。加入をおすすめするのではなくお願いします。そのために離れた身内に会えるチャンスはお盆ですから、提案書や申込書を持参して帰省することもあるのです。ただ身内に断られると苦い後悔が残ります。

◆ 保険営業の宿命は過酷。

ここにきて知り合いの友人とか都会に住む姪の婿あたりに感染者が出始めています。もはや油断できない状況にあると思います。後悔先に立たずといいますが、保険営業としてやはりここはじっと我慢の巣ごもりお盆にならざるを得ないかもしれません。

保険営業にとればお盆休みは充電期間などという余裕はみじんもないでしょう。焦燥感にさいなまれ、居ても立ってもいられない苦行のごときお盆になるように思います。保険営業は、結果が出ていないと心休まることはありません。それが宿命のようなものです。

◆保険営業のお盆、まとめ。

今や買う立場であるにもかかわらず、コロナ拡大の中、保険営業のお盆を案じてしまうというのは身についた性(さが)というべきですね。

いくら成績を上げてもその地位と収入を守るためには気を抜くことはできません。そういう状況が毎月続きますから、あと一件に苦しむときは夢に出てきます。

保険会社は新型コロナウイルス感染症で営業活動を自粛するよう指示を出している間はノルマは課さないというような報道を聞きますが、甘い考えです。それで保険営業が救われるわけではありません。

保険営業は保険会社のために働いているわけではないのです。自分と自分の家族の生活を守り向上させるために骨身を削っているのです。

気休めですが、いまや保険営業だけが苦境というわけではありません。数多くの零細企業が崖っぷちのピンチに見舞われています。それを思えば保険営業はまだましなほうかもしれません。これまでの成績の貯金もあるでしょうから、どうにか食いつなぐくらいはできるでしょう。ここはじっと忍耐のお盆、はるばる十万億土無明の彼方よりお帰りになるご先祖様に感染させないよう、帰省は断念してzoom読経するかですね。

生命保険が相続に強い5つの理由。

生命保険は相続に強い、保険営業の原点を。

新型コロナウイルス感染症はいよよ第二波、誰もオーバーシュートとは言わなくなりましが感染爆発は世界の事例を見れば避けようがないところです。

日本経済だけでなく世界経済に最悪のシナリオが迫っています。誰も本音を言えない東京オリンピック中止後の景気は、まさにコロナショックがコロナ恐慌になっていくという予測が悲観的過ぎるとばかりも言えないのです。

保険業界も超低金利政策による予定利率最低時代になり、貯蓄性保険受難時代に入りました。保険の営業活動は今も自粛が続き、節税保険は完全にシャットアウトされました。昨年からのバレンタインショックは今や土壇場、保険恐慌と言える厳しさではないかと思います。

大上段で脅かしてしまい申し訳ありません。しかし最悪の事態に備えて戦略を考えておくことが企業においても保険営業においても重要ではないかと思うがゆえに、楽観を戒める意味で申し上げています。

◆ 手詰まり行き詰りの中から保険の強みを見直す。

保険営業は手詰まり感が漂っています。新型コロナウイルスで営業自粛のなか、ご機嫌うかがいに来る保険営業はツボにはまる保険商品が提案できずにいます。もはや切り口を変えてアプローチしないと話が成り立たないという感じです。

保険の機能をもう一度見直し、切り口を再設計しターゲットを組み直す必要がありそうです。生命保険の強みは何かを思い出してみてはいかがでしょう。今回は過去の記事から相続対策に生命保険が特別な強みを持っていることをまとめました。過去の記事では9つの強みをあげていますが、今回はもう少し絞り込み相続に強い5つの理由としました。

■相続対策は生命保険が圧倒的に有利な9つの理由。

◆ 生命保険が相続に強い5つの理由。

1)生命保険金はキャッシュ。

生命保険金は保険金請求をすれば一週間ほどで保険金受取人の口座にキャッシュが振り込まれます。納税資金や円満な財産分け、代償分割などに威力を発揮します。不動産などの財産と異なり金額が確定していますから安全確実と言えます。

■代償分割と生命保険で相続のもめごとはクリアできる。

2)分割指定が容易。

生命保険は契約者が受取人を自由に指定できます。受取金額や受取割合の指定もでき、相続での割り振りは容易です。また法定相続人以外の孫(相続税2割加算)や内縁の妻(条件有り)などを指定することもできます。ただし認知していない隠し子は法的に他人ですから受取人指定はできません。

■生命保険の受取人変更12の実務ポイントをどこよりも詳説。

■生命保険の受取人指定は遺言書より確実な理由。

3)加入時から満額の死亡保障。

生命保険は貯蓄と言うより保障を買うものです。「預金は三角、保険は四角」と言われるように、預金は貯めるのに時間がかかりますが、保険は加入時から満額の生命保険金が約束されます。生命保険の保障機能は早期の死亡事故にも満額対応できるところが強みです。

4)相続税の死亡保険金控除が500万/一人。

保険金の非課税制度として受取保険金は「500万円×法定相続人数」があります。例えば相続人が3名いれば相続税がかかる相続財産から1500万円が控除されます。これはとても大きなメリット、有価証券や預金などにはない生命保険だけの優遇制度です。

■ガンでもはいれる相続保険で非課税枠ガッチリ。

5)生命保険金は取人の固有財産。

これは何度か記事にしていますが、生命保険契約で指定されている生命保険金は受取人の固有の財産です。相続放棄しても受け取れますから、これは本当にすごいことです。普通に考えれば被保険者が契約者ですから、相続財産として分割することが妥当に思えますがそうではなく、判例があり受取人の固有財産という考え方が定着しています。受取人の固有財産ですが相続財産の一部には違いありませんので相続税の対象になります。さすがにまる儲けとはいきません。

■親の借金は相続放棄しても受け取れる保険金の有り難さ。

◆ まとめ

過去の記事ながらよく踏み込んで書いているものもありますが、長年書き続けていると重複部分も散見されます。その点は、googleさんは容赦しないそうですが、継続的にお読みいただいている方にはほどほどに読み飛ばしていただければ幸甚です。

生命保険は確かに売る方も買う方も、節税と言う視点ではもはや出口のない行き止まりです。生命保険の原点に返り、保障と言うことを強みとしてそれを必要としているターゲットを見つけることです。

相続では、生命保険はまだ他の金融商品より有利な強みがいくつもあります。その強みを整理してみました。すでにご承知の情報もあるかもしれませんが、項目ごとに整理して見直すことで理解が深まります。頭に入っているつもりでも、肝心のときに出てこないのは理解が浅いことが原因です。

多くの営業が自社の強み、自社商品の意味合いと狙いを失念して愚痴ばかり並べている場面に出会うことがあります。保険営業として生き延びるためにはもう一度足元を見直す必要がありそうです。