生命保険業界2018年総まとめ。

生命保険業界様変わり、2018年総まとめ。

法人保険に関わっていると個人保険と異なり決算前がピークになります。そもそも法人保険と個人保険では保険の加入動機が一致しません。

CIMG3094事業保障や家族の保障という点では同じ万が一の保証を保険で確保すると言うことは変わりませんが、契約者が法人、保険金受取人も法人となるのがほとんどですから、個人契約とは本質的に異なるといって良いでしょう。

もう一つ法人保険独特の目的は利益を繰り延べするという点にあります。出口対策
組み合わせることで節税効果が期待できます。

2018年は生命保険業界に大きな動きがあり、新商品も数多く発売され、法人保険、個人保険とも従来の保険の考え方が様変わりしたのを感じます。

大きな影響を与えたのは2017年の4月に保険料算出の予定利率に影響を与える標準利率が引き下げられ2018年の4月には標準生命表が11年ぶりに改訂されました。この動きにより生命保険業界は生命保険の種類により販売中止になったり保険料が改訂されたりしました。

◆生命保険の予定利率が史上最低に|生命保険業界裏表。

◆保険料が下がる?!ウソホント。[標準生命表改訂]

大雑把に申し上げると標準利率の引下げは保険料の値上げにつながり標準生命表の改訂は死亡保険の保険料の値下げにつながりました。医療保険は逆に値上がり傾向になります。

差し引きプラスマイナス調整できたようなところもありますが、貯蓄型の保険と掛け捨て型の保険では影響が異なります。特に法人保険では新商品ラッシュになりました。

その結果、国内生保も含めて金利の高い国で運用する外貨建て保険が増加し、相続に対策に活用され、貯蓄型の学資保険は採算が取れなくなり代替商品が増えることになりました。

◆ 法人保険の傾向をまとめると

1)国内生保をはじめ数社から新しい全損型の保険が発売され解約返戻金の返戻率競争になりました。後出しジャンケンのごとく後から発売する保険会社の返戻率が良くなり企業の保険担当者を悩ませました。

2)逓増定期の名義変更スキームが拡大し、対応逓増定期を扱う保険会社が増加しました。複数社を組み合わせて一気に資金移動を提案する代理店が増加しました。

3)長引く低金利の影響で金融機関の保険代理店の活動が活発化しました。融資や手数料だけでは儲からなくなり取引情報をもとに法人保険の販売に攻勢をかけてきました。

◆ 個人商品の傾向をまとめると

1)貯蓄型の保険が少なくなり掛け捨て型の定期保険や働き盛りの世代の就業不能を保証する商品や重大な病気に備える商品が増加しました。

2)健康な人ほど保険料が割安になるリスク細分型の保険商品が増加しました。非喫煙優良体や引受基準緩和型医療保険でも健康割引の適用があったりします。

3)トンチン保険(長生きするほどもらえる年金が増加)のような高齢化に対応する新しいタイプの保険が登場しました。また介護に関しても保障が充実した商品が増加し、これまで敬遠気味だった認知症に対応する保険が登場しました。

◆ まとめ

生命保険は様々な要因と改訂が絡み複雑化します。プロの力を借りないと理解で出ない
保険商品が増加してきました。今後もこの傾向は避けられそうにないと思います。

法人保険も個人保険もどんどん進化しますが、保険の本質は変わりません。

基本はあとに残された家族や社員が無事に暮らしていくための資金を確保することです。

最近の生命保険のバリエーションや保険のネットショップ販売などで本当に保険の相互扶助の精神が生き延びていけるのか、はなはだ心もとない気がしています。

医療保険はそもそも採算割れ、安心保険です。

医療保険はそもそも採算割れ、安心保険です。

法人契約の生命保険を扱っていると個人の医療保険やがん保険は無駄が多いことが見えてきます。医療保険で元を取ろうという発想が間違っていることは、少々社会保険の制度や医療費の仕組みを理解していればわかることです。

たまたま納税協会の指定商品にアフラック生命が加わるという意味不明に出くわし一言申し上げたくなりました。

CIMG3090

1)そもそも高額療養費制度でカバーが可能。

日本の社会保険制度はしっかりしています。ご存じの通り健康保険からかかった医療費の7割は自動的に出ます。

さらに自己負担分の3割も最大で8万7430円までで、それを越える分は高額療養費制度から支給されます。

要するに健康保険があれば、保険適用の範囲の医療である限り、一か月に支払う医療費が
8万7430円を越えることはないわけです。

基本的に医療費は急性期の治療にお金がかかります。病状が安定すれば医療費も比較的安定します。健康保険に加入していれば医療保険に加入していなくても経済的に破たんするようなことにはならないものです。

2)がん保険の診断給付金でも採算割れ。

毎月の保険料が仮に4000円で25年間払い続ければ総額はなんと120万円、ガンの診断給付金が100万円だとすれば、支払った保険料より診断給付金のほうが少なくなります。

普通の医療保険では損得勘定から見れば採算割れが常識です。風潮に踊らされずにそろばんをはじけば加入しない選択肢も十分あるわけです。

経済的に余裕があり、がん治療の先進医療を特約目当てに契約を考えるなら、一理あります。また医療リスクに備えて貯蓄ができるかと言えば、自信がないという御仁は採算割れ覚悟の掛け捨てでも医療保険で準備する手がないとは言えません。

3)持病があっても入れる保険は保険料が高い。

最近は告知や加入要件のハードルが低くなり引受基準緩和型の医療保険もあります。当然のことながら保険会社もリスクの高い保険契約を引き受けるわけですから保険料は高く設定します。

持病があるからと言って保険で備えるのがベストなのか、貯金で備えるのがよいのかは慎重に考える必要があります。保険会社によれば、指定の状態になれば保険料免除という特約が付いているものがありますが、同じく保険料は割高になります。

保険というのは、決して保険会社が損をすることがないように厳密に設計されています。甘い話はないとお考え下さい。

4)保険は相互扶助の精神が基本、医療保険も同じ。

生命保険は医療保険を含めて根本の精神は相互扶助にあります。たまたまそれをビジネスにして事業化したのが保険会社です。「万人はひとりのために、ひとりは万人のために 」といいますが、多くの方が保険料を負担し運悪く亡くなったり病気になられた方を支援する相互扶助の精神が根本です。

固いことを言うわけではありませんが、自分が保険料を払い、運よく健康であればお陰様でと思う心で、損得勘定を離れ人助けとお考えいただくと医療保険にも加入する意味があります。

5)医療保険は安心保険。

そう言うわけですから、医療保険で元を取ろうとは思わないでください。医療保険で費用補填しようと考えずに単なる安心保険として考えれば、納得できる部分もあるのではないでしょうか。

ただ、掛け捨てではない医療保険もあります。東京海上日動あんしん生命の「メディカルKit R」などは所定の年齢まで払った保険料が戻ってきます。その間給付金として受け取った分は差し引かれますが、掛け捨てではないわけです。言ってみれば医療貯金のような仕組みです。自分で貯金できれば同じことになります。

6)アフラック生命が納税協会の指定商品に。

一般の方にあまり関係がないかと思いきや、そうでもないのです。納税協会と保険会社の関係はこの際説明しませんが、自分の勤務されている会社が納税協会の会員であるなら、個人で契約しているアフラック生命の既契約が一定の割引を受けることができるそうです。

アフラックのがん保険はずいぶん多くの方が加入されているはずです。最新情報ですからほとんど情報が回っていないと思いますが、ルートがあればこれはお得になります。

元の金額が大きくないと思いますから、割引額はそれほど大きくないかもしれませんが、これから先支払う保険料がずっと割引になる仕組みですから一考の余地ありです。

役員退職金否認、最新判例。

中小企業オーナー経営者の退職金、否認の最新判例。

DSC00494中小企業のオーナー経営者が後継者に会社の経営権を譲り退職するということは一般人が想像するよりはるかに大変なことです。

口では引退を宣言し、形式的に退職としても、なかなか周囲が納得するような引退はできないものです。

ましてや課税当局の視点からすれば、肩書だけは会長や相談役になっていても毎日会社に出社して幹部社員にあれこれ指示を出し、後継社長そこのけで決裁権を握っているようなケースは、役員退職金の損金算入を認めることはできないというのもある意味で当然です。

◆ 中小企業オーナー経営者の引退の実態

退職金を受け取ったオーナー経営者にとれば、偽装引退のつもりはないけれど引退するとすることがないから会社に来るというわけです。終日家におられても困るのは引退した経営者の奥様ですから快く送り出されることでしょう。

会社に来たら来たで後継社長や社員は気を使います。ワシがワシがの唯我独尊は継続されて、経営会議や会計報告会などの社内の主要会議にもオブザーバーと言いながら堂々と出席し昔話と指示命令の独演会になってしまいます。

さらには、支払いは請求書をすべてチェックするし、決済印は手放さず自分が押すなど実権は手放そうとはしません。

◆ 課税当局は実質的に引退しているかどうか確認

ところが税務署は形式要件だけでなく実質をみるのです。OB税理士によっても言うことは多少異なりますが、実質的に引退して経営の実権を手放しているかどうかを問われます。

形式だけの退職はみとめられないという点を押さえる必要があります。経営側と課税当局の認識の差、見解の相違は大きな隔たりがあります。自分に都合の良い理屈は通用しないだけでなく役員退職金の損金算入の否認リスクにつながります。

◆ 審判所が実質的に退職しているかが焦点となった裁決を初公表。

週間税務通信No.3501(平成30年4月2日発行)を参考。

役員退職金裁決2018.4.2

《ポイント》

本件のポイントは、分掌変更後に役員としての地位又は職務の内容が激変し、実
質的に退職したと同様の事情にあったと認められるか否でです。形式的に報酬が
激減したという事実があったとしても、実質的に退職していたと同様の事情がな
い場合には、その支給した臨時的な給与を退職給与として損金算入できないこと
とになります。(法基本通達9-3-2)

引用[9-2-32]
(役員の分掌変更等の場合の退職給与)
9-2-32 法人が役員の分掌変更又は改選による再任等に際しその役員に対し退
職給与として支給した給与については、その支給が、例えば次に掲げるような事
実があったことによるものであるなど、その分掌変更等によりその役員としての
地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められ
ることによるものである場合には、これを退職給与として取り扱うことができる。

(1) 常勤役員が非常勤役員(常時勤務していないものであっても代表権を有す
る者及び代表権は有しないが実質的にその法人の経営上主要な地位を占めている
と認められる者を除く。)になったこと。

(2) 取締役が監査役(監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地
位を占めていると認められる者及びその法人の株主等で令第71条第1項第5号《使
用人兼務役員とされない役員》に掲げる要件の全てを満たしている者を除く。)
になったこと。
(3) 分掌変更等の後におけるその役員(その分掌変更等の後においてもその法
人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く。)の給与が激減(お
おむね50%以上の減少)したこと。

(注) 本文の「退職給与として支給した給与」には、原則として、法人が未払金
等に計上した場合の当該未払金等の額は含まれない。

この裁決が出た事例を見ても、どこにでもありそうな光景です。役員報酬を半額以下にし代表権も外し、連帯保証人の地位からも離脱し権限を後継者に委譲したとしてもまだ甘いということでしょうか。これから役員退職金を受け取るオーナー経営者にとれば、厳しい裁決だと考えなくてはなりません。親しいOB税理士によると、課税当局はこの裁決を元に税務調査を進めてくると考えなくてはなりませんとのことです。

まとめ

オーナー経営者にとれば会社は自分と一心同体ともいうべき存在です。すんなり引退するというのは病気にでもならないと難しいのではないかというのが、実感です。せっかく長年にわたり法人契約生命保険を活用し簿外に退職金用の資金を積み立ててきてた方も多いと思います。しっかり溜め込んだ解約返戻金をここぞと活用して役員退職金を支給しても損金参入を否認されれば長年の苦労が水の泡、それこそ勝手解釈はドツボにはまります。

くどいようですがオーナー経営者にとって実質的に引退することはハードルが高いのです。役員退職金が過大というならまだ過大な部分に過少申告加算税でしょうが、役員退職金そのものの損金参入を否認されると被害額も甚大です。

この際とやかく言われないためには、きっぱりと退職し会社の業務から身を引くか、引退などとできもしないことを言い出さずに、もらうべきものは死亡退職金にして堂々と居座り続けるというのも選択肢ではあります。ただ昔の結核(老害)のように忌み嫌われることは覚悟しなくてはなりません。

困ったときの保険用語集大成。

困ったときの保険用語集を作成しました。

CIMG3084保険業界は生保も損保も当たり前のように専門用語を使ってしまいます。意味がわかる方には話が早いのですが、保険ビギナーにはチンプンカンプンで不親切です。本サイトも独りよがりのところが多く、専門用語の解説が不十分で反省です。

このサイトでよく使う用語のうち生命保険に特化した言葉だけをできるだけコンパクトにまとめました。保険用語がわからなくて困ったのではなくネタ切れで困ったというのが本音かもしれません。

1《アカウント型保険》

別称では自由設計型保険とも言いますが仕組みが複雑、アカウントと呼ばれる出し入れ自由な積み立て部分と定期保険や医療保険などの特約のセットで販売されます。生命保険はシンプルがよいと考えていますのでお勧めしていません。

2《一時払い終身保険》

保険料の支払いを一時払いとする終身保険、運用が悪化し発売中止が多発、相続用に外貨建て一時払い終身保険が人気です。保障部分は少なくて支払った保険料が戻る感じの保険というより貯蓄です。

3《延長保険》

保険料の払込を中止し、解約返戻金で同額の定期保険に加入します。保険料はいらなくなりますが、特約がなくなり掛け捨ての保険になります。保険料が払えなくなっても、保障が必要な場合の最終手段です。

4《法人保険》

生命保険契約者が法人(会社)の保険、役員や従業員を被保険者とし会社の事業保障や福利厚生にあてるための保険です。法人では保険料を損金(費用)として処理できるものが多く、節税効果もあります。

5《外貨建て保険》

保険料を保険会社が外貨建てで運用する保険。運用益が得やすいので保障額や解約返戻金で有利になりますが、為替リスクを考えると長期的には必ずしも有利とは言えない面があります。

6《介護保険》

通常は公的な介護保険制度を指しますが、保険業界では介護を対象とした生命保険を指します。保険金を受け取るための要介護認定の仕組みに差があるので注意が必要です。

7《解約》

満期までの途中に生命保険を解約すること。解約すると保障がなくなり、あれば解約返戻金が支払われます。ほとんどの場合途中解約すると元本割れになります。低解約返戻金タイプは早期に解約すると解約返戻金が少なくなるので特に注意が必要です。

8《解約返戻金》

生命保険を解約すると保険会社の必要経費を引いて残ったお金が解約返戻金として支払われます。法人契約の長期の保険契約では将来のリスクに対し先払いしている保険料が多く解約返戻金も多額になります。

9《銀行窓販》

2001年より銀行の窓口で保険販売が解禁となり、銀行が最大の保険乗合代理店として参入。顧客情報を元に保険契約をすすめる仕組みが定着しました。

10《減額》

保険料負担を減らして部分的に解約すること。減額した部分に解約返戻金があれば支払われます。法人保険では段階的に減額して解約返戻金を調整しながら利益をコントロールすることも可能です。

11《契約年齢・被齢》

体を提供する被保険者の契約時点での年齢、被齢とも言います。生命保険は性別と年齢で保険料が決まりますので、契約年齢が若いほど支払期間は長くなり保険料は安くなります。

12《無選択型保険》

医師の診査や告知書による告知なし(無告知)で加入できる生命保険。または引受基準緩和型と言いますが、限定告知型の保険もあり条件が緩和される分、保障内容の制限や保険料が多少の割高な場合があります。

13《高額療養費制度》

大病をすると医療費が高額になりますが、定められた自己負担限度額以上にかかった医療費を払い戻す制度。公的な医療保険制度があることを前提に医療保険を設計することが必要です。

14《更新・コンバージョン》

保障期限が設定されている保険の場合、期限に合わせて見直すことを更新、期限以外の時期に見直すことをCV(コンバージョン)と言います。どちらも責任準備金(解約返戻金に近いですが若干多くなります。)をもとにその時点の予定利率で契約を転換することになりますので保険料が割高になり、払えないケースも発生します。

15《三大疾病保障》

三大疾病とは「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」で所定の状態になった場合に保険金が支払われる契約です。受給条件が厳しく、各社条件が異なりますので注意が必要です。

16《指定代理人請求》

被保険者が意思表示できない事情がある場合、事前に契約者が指定しておいた指定代理人が変わりに保険金請求できる制度。意思表示できない場合とは病状が重篤であったり、がんなどで被保険者に告知していない場合などが該当します。

17《終身保険》

一生涯、被保険者が死亡するまで保障が続き、死亡保険金の支払いをもって保険契約が終了する保険。一般的に貯蓄性が高く、多くの場合一定の解約返戻金があります。生命保険の基本形態のひとつです。

18《収入保障保険》

保険契約期間中に被保険者が死亡すると年金のように毎年保険金が支払われる掛け捨ての生命保険。通常は保険料が割安で、年齢とともに保険金が逓減するのが特徴です。定期保険の年金払いのような仕組みの保険です。

注意:所得補償保険(就業不能保険)は損害保険分野の商品ですので、収入保障保険とは異なるもので、死亡保険金はありません。

19《純保険料》

保険会社が受け取る保険料のうち保険会社の経費となる「付加保険料」を除いた将来の保険金支払いに充てられる部分のこと。予定利率と予定死亡率で計算されます。

20《診断給付金》

がん保険で被保険者が医師よりがんと診断されたとき受け取れる保険金。契約から90日の免責期間があります。

21《生命保険料控除》

生命保険料を支払うと一定のルールで所得税や住民税を控除する仕組み。サラリーマンは年末調整で会社に提出します。

22《積立利率変動型終身保険》

保険会社に預けた保険料が市場金利と連動して変動する商品。支給されるときの利率により解約返戻金や積立金などが変わります。利率が固定していないということはメリットでもありデメリットにもなります。

23《通院給付金》

医療保険で退院後通院した時に一定の条件で保障される支給金。

24《入院給付金》

医療保険で指定された病気で入院した時に一定の条件で保障される支給金。

25《定期保険》

一定の期間死亡保障する掛け捨て型保険の代表。契約期間を過ぎると保険金はなくなり満期保険金もないので保険料は割安となります。生命保険の基本形態のひとつです。

26《特約》

生命保険には基本となる主契約とオプションとして付加する特約があります。主契約より特約のほうが保険料が大きい場合もあります。特約を付けすぎると保険料が割高になりますので、できるだけ特約は控えめにしてシンプルに考えると保険の本質が見えてきます。

27《ネット生保》

インターネット通販のみで保険を販売している会社。人件費がかからないので保険料は安くなりますが、被保険者の確認ができないなど制約が多く家庭の柱となる保険や大事な生命保険には不向きです。

28《配当金》

保険料の運用により利益が出た場合、保険会社の業績により契約者に還元される利益のこと。配当をなくすことで保険料を安くする無配当の商品が多くなっています。

29《払済》

保険料の支払いを停止してその時点での責任準備金をもって終身保険(定期保険)に変更すること。解約せずに保険を継続できるので有利ですが特約はなくなり保障額は小さくなります。

30《変額個人年金保険》

保険会社の運用成績により個人年金保険の受取年額が変動します。運用方法も幅広いので変額保険特有の投機的リスクがあります。保険会社は一般の保険と区別して変額保険勘定で運用成績を報告する責任があります。

31《保険料払込免除特約》

保険期間中に所定の状況になった場合、以後の保険料支払いが免除される特約です。保険業界ではP免などと呼びますが、その分の保険料は上乗せされていますので特約として付加するかどうかは判断が必要です。

32《満期保険金》

養老保険などでは満期があり、死亡事故が発生せず満期になると積み立ててきた保険料に応じ満期保険金が発生します。払込保険料の合計額を超えた部分の満期保険金は一時所得になります。

33《約款》

保険会社と保険契約者との間に締結される保険契約の詳細(権利・義務・条件など)を定めた文書。「ご契約のしおり」などと書かれている場合もありますが、一読されることをおすすめします。

34《養老保険》

貯蓄型の死亡保障が付いた定期保険。満期保険があり支払った保険料はほぼ回収でき、通常はいくばくかの一時所得が期待できます。その分保険りぃうは割高に設定されています。貯蓄型が得とか掛け捨てが損だとか言うことはなく、好みと選択の問題です。養老保険は生命保険の基本形態のひとつです。

35《予定死亡率》

統計資料から年齢別・性別に死亡する人の数を集計したもの。生命表とも言う。先頃標準生命表が11年ぶりに改訂されました。保険料を算定するための基礎的な資料となります。

36《リビングニーズ特約》

医師より余命6か月以内の宣告を受けると生前に3,000万円の保険金を受け取れる特約。通常無料でリビングニーズ特約を付加できます。

37《連生保険》

親子や夫婦など被保険者を2人以上で契約する生命保険。単身の契約よりは保険料が割安にはなりますが、離婚などの場合契約変更などが必要ですのであまり一般的ではないように思います。

とにかく必死のパッチで思いつく保険用語を37個まで解説しました。思い出しながら、調べながらの紆余曲折です。こうしてみるとまだまだ用語が網羅できているとは言い難いことに気づきます。

暇を見つけては書き溜めていくよいうに心がけたいと思います。

逓増定期の名義変更が安全な根拠をOB税理士に確認。

逓増定期保険の名義変更プランのメリットとリスクを本気で調べました

CIMG3082逓増定期保険の名義変更一時所得のスキームは単なる節税効果だけでなく後継者に資金を集中することが可能になるため事業承継に使える法人保険のウルトラスキームと言えると思います。

一時期、逓増定期保険商品的には選択肢が少なくなった時期がありましたが、ここにきて保険会社の逓増定期ラインナップが充実してきました。条件が合えば全額損金可能な逓増定期保険の設計も可能ですが、現在では基本的に半損と考えてよいと思います。

逓増定期保険の名義変更プランと呼ばれるスキームですが、メリットとリスクを踏み込んで調査しました。逓増定期は本質的に契約満了まで保持することはありません。解約を前提とした法人契約向けの保険です。

◆  逓増定期保険の名義変更のリスクと判例。

これまで法人で契約した逓増定期保険を個人に名義変更し解約したときに、一時所得の申告を行えば問題なしとされてきました。

事例として保険契約の譲渡議事録も整備せず、一時所得の申告もせず、巨額の逆養老保険を何本もかけた事例が否認され、最高裁で敗訴した判例があります。このケースは逓増定期保険ではありませんでしたが、保険の名義変更で一時所得を得るという点では同じスキームに属します。

逓増定期保険で法人から個人へ名義変更し、解約後一時所得の申告を行い、取締役会の保険譲渡議録を整備しておけば、少なくとも逓増定期では問題になった事例は今のところありません。

◆  逓増定期保険の名義変更は、役員報酬の第四ルート。

しかしこれまで逓増定期の名義変更プランを問題なしとする保険代理店のうまい話に乗ることに抵抗があったのも事実です。

本来経営者や役員が会社からお金を受け取れるルートは役員報酬、役員賞与、配当金以外は存在しなかったはずですが、逓増定期の名義変更プランは報酬の第四のルートができたことになります。これが極太のルートなのです。

それも半端な金額でないまとまったものを数年で一気に渡すことが可能です。

もちろん逓増定期保険の名義変更を使えばその間役員報酬を取りつつ、その上に資金移動ができるのです。

◆  逓増定期保険の名義変更プランの安全性をOB税理士に確認。

CIMG3083逓増定期の名義変更プランが一般的になってきて、すそ野が広がることで課税当局が網をかけてくる懸念がないとは言えないのですが、逓増定期の名義変更プランが当面は問題にならない、安全な手法であるという根拠を確認しました。

もちろん平成20年2月28日付けで国税庁から出された、逓増定期保険の取り扱いに関する改正通達に従い適正な経理処理を行っていることが前提です。

一般の税理士さんでは逓増定期の名義変更をすすめることにためらいもあるでしょうから是非を答えることは出来ないでしょうが、そこはOB税理士です。課税当局の内情やら現時点での根拠法を示して当面問題がないという判断情報をいただきました。

OB税理士いわく逓増定期保険の名義変更が適法とされる根拠は、所得税法基本通達36-37です。そのOB税理士の知る限りでは、現在までのところ逓増定期保険がこの通達の取り扱いを受けられないという規定、実例は知りませんとのことです。一言補足すれば今や多くの会社がこの逓増定期保険を使っていますので、極端なことをされなければ、現在のところ問題視されることは少ないとの判断です。

所得税法基本通達(保険契約等に関する権利の評価)
36-37 使用者が役員又は使用人に対して支給する生命保険契約若しくは損害保険契約又はこれらに類する共済契約に関する権利については、その支給時において当該契約を解除したとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合には、これらの金額との合計額)により評価する。

解説:使用者が契約者として保険料を払い込んでいた生命保険契約の契約者又は保険金受取人を役員又は使用人に変更し、その保険契約上の契約者又は保険金受取人たる地位(権利)を付与するような場合がある。
 本通達は、使用者が役員又は使用人に対し支給する生命保険契約等に関する権利の評価は、その支給時において解約したとすれば、生命保険会社などから支払われることとなる解約返戻金の額(解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合には、これらの金額との合計額)により評価することを明らかにしたものである。

◆  後継者に1億2億移転するには逓増定期保険は最適手法。

実際のところ経営者の家族の範囲であれば、逓増定期の名義を変更(契約者変更)し、受取人を身内に指定しておけば保険としてのモラルリスクも問題にはならないと思いますから、経営者と配偶者、後継者と配偶者を被保険者にして複数の保険会社でMAXの逓増定期保険をを契約します。普通なら5年後に別枠で1億2億後継者に資金を集中することは難しくありません。

現在のところ名義変更に使える落差の大きい逓増定期は国内生保や損保系生保も参入しましたので5社から6社ぐらいあります。総合的な乗合代理店なら逓増定期保険の各社比較表を作成して提案してくると思います。

うまくすれば、診査を複数の保険会社で共用することも可能な場合があります。

◆  雲行きが怪しくなれば法人で解約。

法人で名義変更を意図した逓増定期の契約をして、数年後に国税庁の判断が変わるようなことがあり事情が許さなくなれば、法人で解約して解約返戻金を受け取れば、普通の逓増定期保険となり何の問題もありません。その期間の事業保障もあり、課税の繰り延べができています。

◆  逓増定期の名義変更スキームは事業承継の資金移動に有効。

事業承継では早めに後継者に資金を移動し経営の実権を移していく必要があります。この逓増定期の名義変更プランが事業承継の資金作りや相続対策にとても有効になります。

新米の後継者は株を買うにも、相続税を払うにも、経営者として資金がないので信用が形成されません。資金がバックにあっての経営者なのです。むやみにお贈与税を払ったりするくらいなら逓増定期の名義変更プランがよほど有効だと言えると思います。

逓増定期の名義変更は経営する会社に毎年一定以上の利益が出ることが前提です。

儲かっていないと逓増定期保険の名義変更はできる相談ではないのです。儲かってさえおれば、必要以上の税金を払うことなく有効に企業の存続に必要なポイントに資金を集中すべきところです。

OB税理士の見解にあったように現状の法体系では問題はないわけですから、いつか網がかかる日が来るかもしれませんが、それまではせっせせっせと逓増定期の名義変更を活用することが経営の要領かと思います。

◆  まとめとして自己責任について。

過去の事例から言えば、問題のなかった法人保険のスキームに網がかかる歴史でした。かっての全額損金の逓増定期の時代はもっと美味しかったのですが、それも変わりました。

不穏な課税当局の情報をキャッチした時は速やかに本サイトでご案内を差し上げます。

また逓増定期保険の名義変更では名義変更や解約時期の取り扱いがかなりタイトです。

逓増定期保険の名義変更プランに関しては資金運用的な側面があります。間違いを起こさない管理がとても大事になります。信頼できる代理店にお願いするにしても基本は自己責任で管理する心掛けが必要です。

ここを間違うとせっかくの逓増定期保険の名義変更プランも笑えない失態を招くことがリスクと言えます。方々慎重に選択をお願い申し上げます。