医療費控除の確定申告をe-Taxでやってみた。

医療費控除の確定申告をe-Taxでやってみた。

CIMG3469医療費控除と言えば保険がからむ関係で医療費控除の確定申告にまつわる情報を発信してきました。

昨年から医療費のまとめ方やe-Taxの簡便化が進み、どんどん仕組みが変わり、使い勝手がよくなっています。

新しい方法で確定申告にチャレンジしてどうだったかをまとめました。ご参考までに。

 ◆ 医療費の明細書を先に作成すると便利。

医療費の領収書を人ごとに、そして医療機関ごとに分けて金額を集計する必要があります。確定申告のサイトでは領収書を1枚ずついきなり入力することもできますが、自分でまとめておいて集計結果を人ごとと医療機関ごとに入力する方がスムーズにできます。自動的に医療費控除の明細書を作成してくれるのでとても便利になっています。

 ◆ 医療費の通知書があれば領収書を紛失しても大丈夫。

協会けんぽなど、健康保険の保険者から2月頃に医療費の通知書が届くと思います。領収を集めてこなかった方や紛失された方にはありがたい通知ですが、一年分が区切りよくまとめられているわけではありません。前後の足りない部分や余分な部分は医療費控除の明細書で整理する必要があります。

結局、医療費だけでなく保険外診療や鍼灸などの治療費、薬局で買う医薬品や医療機関までの交通費などがある場合は、すべての領収書を整理集計して医療費の明細書を作成することになります。きちんと医療費の領収書を整理してきたような几帳面な方には医療費の通知書はそれほど役にたつわけではありません。

 ◆ 税務署で発行するe-TaxのIDとパスワードでOK。

e-Taxの簡便化に伴い、税務署からe-TaxのIDとパスワードを発行してもらった方は、医療費控除の確定申告はとてもスムーズです。源泉徴収票も送付不要ですから、医療費控除の明細書を入力するだけで郵送するものもありません。

完成したデータを送信するだけで申告が完了します。ただ医療費の通知書を利用した入力を選択すると医療費の領収書を保存する必要はなくなりますが、医療費の通知書を税務署に送付する手間が発生するようです。ご注意ください。

◆ e-Taxソフトもカードリーダーも不要のe-Tax。

税務署でIDとパスワードを発行してもらうとそれだけで簡単にe-Taxが使えます。確かに大幅に簡便化されています。税務署では利用者識別番号などとわかりにくくしていますが、要するにID番号です。

これまでのようにe-Taxソフトも不要ですからセキュリティーの設定のようなわずらわしさやカードリーダーも不要です。国税庁の確定申告コーナーでe-Taxを選択しIDとパスワードを入力すれば画面に沿って入力するだけで簡単に確定申告が完了します。

ただIDとパスワードをお持ちでない場合は税務署に出向き、本人確認の上IDとパスワードを発行してもらう必要があります。それが面倒くさいという方はe-Taxではなく確定申告書を作成後、プリントアウトして郵送することが次善の策というか、手元で確認できますから確実で便利です。

 ◆ 国税庁の確定申告書等作成コーナーをフル活用。

国税庁の確定申告書作成コーナーは改善されわかりやすくなっています。申告書を作成すCIMG3470る側が使い慣れてきたということもあるかもしれませんが、随所に慣れない方向けの解説や仕組みがあります。

昨年度に申告された方には税務署から申告書が郵送されてきます。パソコンがなければ手書きでも提出することができます。

また申告期間中は税務署の確定申告書の相談コーナーなどで専門の税理士が相談に応じてくれます。

ある程度資料がそろっており、相談が必要でないシンプルな申告は国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用されるとよいと思います。医療費控除の確定申告をe-Taxでやってみた実感としてよくできた仕組みです。

 ◆ まとめ

医療費控除の確定申告をするなら、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うととても便利になりました。手間ですが思い切って税務署に出向いて16桁の利用者識別番号とパスワードを決めてくるとあとあとホントに便利になります。

もちろんe-Taxを無理に使う必要はないので従来どおり申告書を印刷して郵送しても受け付けてくれますから、平日に税務署なんか行ってられないという方はご自由にと申し上げておきます。ただ、確定申告書等作成コーナーでは入力途中で入力できない現象が時々発生しました。原因は不明です。ネットワークの不調か国税庁のサーバのキャパオーバーかわかりませんが、しばらくすると入力できるようになります。イライラせずにお待ち下さい。

節税保険、自粛か、販売停止か、売り放題か。

節税保険の混迷と出口を買う側で見ると。

日本経済新聞の2月14日の「節税保険」の販売停止という記事から始まった生命保険会社各社のドタバタ劇場は、まだ先が見通せないばかりか収束する気配がありません。

買う側にいると代理店や保険会社から続々と情報が入り概要が見えてきます。代理店によっても保険営業によっても言うことが異なります。

売らんがために適当な話をでっち上げる代理店まで出現しました。節税保険では過去に同様の事態がありましたが、今回は国税庁の姿勢が急激かつ強硬です。

買う側として気になるのは、果たして全額損金のまま駆け込むことができるのか、将来の税務調査で駆け込み契約が安全なのか、はたまたグレーな手法に乗るとヤバイのか、買う側にとってお得な選択肢を探ります。

 ◆ 生命保険会社各社の動きとドタバタ。

CIMG3467日経の記事が掲載された14日は、朝から大変でした。代理店や各社の保険営業から携帯やらメールで情報が入ってきます。当日アポの金融機関系保険代理店もありました。

保険会社各社ともに朝から会議で情報収集に追われていたようです。即日販売停止などと言われても相手がある話ですから売るべきか自粛すべきか判断できない状態です。すでに提案済みのもの、診査中のものなど状況はさまざまです。自粛と言われれば、新規の提案を自粛するということは可能ですが、実際は保険会社各社の判断に任せるほかないところです。

記事だけを読むと即日販売停止のようでもあり自粛のようでもあります。国内生保と外資系とは対応が分かれたようです。このドタバタは来週も続くと思います。話が急なだけに節税保険を検討されていた会社には、微妙な心理的変化が生まれたと言えるのではないかと思います。

 ◆ 代理店のリスク回避と念書の無意味。

代理店にすれば主力商品を封じられるわけですから存続に関わる一大事です。しかし売れるものなら駆け込みたいところです。怖いのは販売した後に網がかかって全額損金という経理処理が認められなくなるような事態です。全額損金を認めない通達が出るようなら責任問題になります。

買う側としてはそのときは代理店が責任を負い契約がなかったことにできる念書を書いてほしいところです。ところが代理店にすればリスク回避のため通達により取り扱いが変わっても責任は顧客にあるという念書を提示しようとします。

そのようなスタンスでは、買う側としては提案書を見るまでもなくお帰りいただくしかありません。かと言って取り扱いが変わる前に入らないと既得権は確保できないというジレンマがあります。

仕掛け人と噂される国内大手生保が全額損金商品の申込書を持参しましたが、急に仕立てた念書付きでしたのでお引き取りいただきました。

◆ 売り続ける外資系の太っ腹。

外資系はどうも情報がバラバラです。即日販売停止にした会社、売り続ける会社、提案書が出ているものは20日までの申し込みでOKとか、まさに各社さまざまな対応です。外資系にしても顧客が責任を負うような念書さえもらえれば売り続けることは問題にはならないでしょう。来週にはもう少し統一のとれた状況に落ち着くのではないかと思っています。

 ◆ 14日以降は販売停止をタテに強行売り込み。

なかには新聞記事を使い強行に本日限りで販売停止、最後のチャンスですと売り込む強引な代理店もありますが、話だけ聞いてお帰りいただきます。顧客もバカではないですから、ネットや保険会社のネットワークで情報は手に入ります。都合のよい話を仕立てて売り込んでもそうは問屋が卸しません。ご本人は嘘のつもりはないでしょうが、偽の情報は判断を誤らせますから信用は喪失します。

 ◆ 20日までは受付の保険会社、保険料は各社各様。

来週には状況が変わる可能性はありますが、総合的には20日までの申込書受付は念書付きでOKという感じです。

この手の保険は巨額でなければ告知扱いが多いのですが、診査告知まで済ませておいて保険料の振り込みだけを先送りします。保険料の支払リミットは各社各様です。なかには3月でも良い会社がありますから、申し込むだけ申し込んでおいて国税庁のスタンスが決まってから保険料を振り込むか、契約を流してしまうかを決める手もあります。それなら念書に印鑑を押しても問題はないわけです。

16日の日経新聞では5面に小さな記事ですが、「現時点では顧客への説明が難しい」という生命保険協会の稲垣精二(第一生命社長)氏のコメントが掲載されています。

普通に売り続けるのは怖い話です。国内生保の普通の営業職員にすれば手が震えるような申込書になります。それが決まらないのは明日が見えない不安です。この気持ちはよくわかります。

 ◆ パブリックコメントは月末、通達は来月の予測。

別のルートからの情報では各保険会社にアンケートを実施し、その結果を見てパブリックコメントに進むそうです。とすれば結論が出るのはもう少し先かもしれないですね。いずれにしても通達の内容は予測不能。過去の事例が参考になるかどうか、今回は難しい気がします。既契約をさかのぼって見直すようなことにはならないと思いますが、消費税増税前の神経質な国税庁がどこまで踏み込むか、買う側としてはもう少し様子を見ることになりそうです。

◆ 庶民感覚では許しがたき節税保険。

国税庁がむきになるのは法人税収減という理由だけではなく、租税負担の公平と言うこともあります。法人だけが節税保険で節税できるのは、給料から有無を言わさず源泉徴収として天引きされている庶民感覚では許しがたき脱税です。

また生命保険の本来の趣旨は相互扶助です。その精神はかけらもなく、死亡保障などまったく見ていません。解約したとき1%でも一円でも多く返ってくる保険を選びますから、形は保険でも節税を目的とした金融商品に他なりません。法人保険に関わる立場ではとても良い保険に見えますが、見方を変えると脱税の権化のように見えるわけです。

◆ 節税保険+グレーテクニック。

ネットで検索してもまだヒットしませんから、まだあまり広がっていないとおもいますCIMG3468が、節税保険+告知テクニックという裏ワザがあります。

どこの保険会社でもできるわけではありません。保険料は倍増し事務手数を加味すると単純返戻率は100%近くなります。おいしすぎるのですが、真面目な若手経営者だと加入をためらうこともあります。

ここではあまり触れません。お聞きになりたい方はお問い合わせにでもお問い合わせ下さい。

◆ 節税保険で節税はできない。

節税保険とは呼ばれていますが、契約した時点で節税できているわけではありません。利益を繰り延べているだけですから、よくよく考えれば節税保険という表現は適切ではありません。5年後か10年後の解約返戻率がピークの時に解約返戻金が雑収入となります。ほとんどの企業はとりあえずの利益の繰り延べでしょうから、いずれ繰り延べた利益にも税金がかかるときがきます。

そのとき資金需要があったり退職金を支払うなら利益の繰り延べ効果があったことになりますが、それは問題になることではないはずです。先の資金需要に備えて貯金しているわけですから企業防衛です。国税庁は目算が狂いますから、むきになるのは仕方がないと思いますが、国家権力の落としどころを間違わないで欲しいものです。

◆ まとめ

節税保険は脱税のように言いながら、最後には擁護しています。もちろん我ながら自己矛盾は承知しています。hokenfpとしては今は買う側にいますが、売る側の事情もよくわかりますから保険業界のドタバタは気になります。網がかかると当面保険営業は売る商品が限られ苦しくなりますが、今後も新手の保険商品が開発され同様の網掛けが繰り返されると思います。

節税保険は保険料を全額費用化します。企業にすれば、それでも赤字にならないからできるのです。赤字で節税保険に入る意味はありません。景気回復による中小企業の利益が回復していることの証左です。

簿外に蓄積された利益は企業の貯金ではありますが、ある意味では国税庁の簿外の貯金です。そのうち出口対策ができていない契約は、とりあえず繰り延べた利益が表に出てきます。いずれ税金を払う羽目になるのは、中小企業の知恵のないところです。国税庁としては中小企業あっての税金ですから、当面、税金が少なくても目くじら立てないでお待ちください。

法人保険は事業承継の裏ワザ|400号到達。

法人保険は事業承継の脇役、裏ワザフル活用。

CIMG3465「保険は相談するな!」足かけ4年半400号到達で思うことはいろいろあります。ずいぶん勉強もさせいただきました。

今が法人保険を通じて事業承継・相続設計の全体像が一番よく見渡せているような気がしています。

法人保険の有効性をテーマに書き続けてきましたが、400号を機に法人保険を活用した事業承継・相続設計の裏ワザというかテクニックを項目ごとに簡単にまとめました。

 ◆ 法人保険は事業承継と相性が抜群。

法人保険の目的が多彩であることは幾度も申し上げてきました。事業保障や利益の繰り延べによる節税などが華々しいところですが、それだけにとどまりません。

法人保険はその機能をうまく活用することで事業承継や相続設計に組み込むことができます。

事業承継と相続設計はある意味では資金の引き継ぎでもあります。資金移動が円滑にできないと後継者は難儀することになります。それを税金というコストを最小限に抑えて可能にできるのが法人保険なのです。

多少の知識とテクニックは必要になりますが、法人保険を事業承継は相性が抜群に良いと申し上げることができます。以下にいくつかの法人保険の活用パターンを簡単なまとめとしてご案内します。詳細は個別ページを検索いただくとよろしいかと思います。

 ◆ 退職金準備

法人保険では事業保障と退職金準備を兼ねるケースがほとんどです。保険料を費用で落とし税金を回避しながら簿外に資金を蓄積していきます。解約するとそれまでに払い込んだ保険料が解約返戻金として雑収入になります。

この雑収入を役員退職金にあてればものの見事に出口対策となっています。法人保険の大きな目的のひとつが経営者の退職金準備です。

◆ 後継者への資金移動

事業承継では後継者にいかに資金を集めるかが重要になります。経営するには自己資金が豊富でないとどうしようもありません。金融機関の信用だけでなく資金の裏付けがないと打つべき手が滞るというものです。

後継者に資金を集中する基本的な手法は役員報酬の増額ですが、一気に移すことはできません。この問題をクリアして法人保険で後継者へ資金を移動する方法はいくつかあります。

このサイトでも何度か紹介していますが、逓増定期の名義変更というスキームはまだ有効です。何本かの逓増定期保険を複数社で契約すれば数年でまとまった資金移動が可能です。一時所得を得た後継者は確定申告を忘れずに行うと同時に、次の保険加入を検討し逓増定期の名義変更を連続させます。できれば税務調査が予想される年には名義変更が起こらないよう調整に配慮いただく方がよろしいようです。

もう一つの方法はどこの会社でも昔の保険契約を何本が抱えているはずです。なかには払い込みを終えた保険もあるかもしれません。また払い込みが続いている保険は払済にしてしまいます。この時点では契約者は法人、被保険者は現経営者、受取人は法人となっていると思います。この保険を解約返戻金相当額で後継者に譲渡します。受取人も後継者に変更します。買い取り資金は会社が貸し付けるか逓増定期の名義変更を活用した資金を利用します。

これで相続発生時に後継者が死亡保険金を一時所得で受け取ることができます。解約返戻金と死亡保険金との差額が儲けというか税的には一番お得な一時所得となります。ミソは相続発生時に資金に変わりますが相続税の対象ではなく、後継者の個人的な資金となります。古い保険ほど予定利率が高くレバレッジが効いているので差額が大きくなり資金移動としての価値が高くなります。

◆ 相続税対策

上記のように法人保険を使った後継者への資金移動はそれだけで相続税の納税資金対策になっています。換金できない自社株を引き継がなければならない後継者には納税資金として保険金というキャッシュが必要なのです。

相続税対策とは相続税の節税より納税資金確保を優先すべきです。とくに中小企業の自社株は換金性がありませんから、業績好調な企業は相続の時バカ高い評価に苦しむことになります。借金をして納税しなくてはならないのでは後継者の意欲もなえると言うものです。それゆえあの手この手で後継者に資金を集中し納税資金をしっかり確保することが大事かと思います。

◆ 争族対策

後継者が買い取りきれない現経営者が被保険者の法人保険は役員退職金として現物支給すCIMG3466ることもあります。会社としては引退する現社長の生命保険を持っていても仕方ないところもあるでしょうから、できれば退職を機に譲渡したいと思います。

引退する現経営者が退職金として生命保険を現物支給されると、契約者が会社から引退する現経営者に変更となり相続発生時に保険金が相続財産に合算されます。

受取人を会社から相続人に変更することになりますが、ここで受取人を指定すると生命保険金は相続財産からはずれ(相続税の課税はあります。)受取人の固有の財産となります。これで経営に関与しない他の相続人の遺留分を満たすことができます。

うまく使えば保険は争族対策の手段としてもすこぶる優れものなのです。

◆ まとめとして「保険は相談するな!」足かけ4年半400号到達で思うこと。

2014年の7月に「保険は相談するな!」を開設し仕事を別に持ちながら足かけ4年半、週末に書き続けて400号に到達しました。ブログという形態はとっていますが、法人保険や相続・事業承継関連の情報発信サイトとして実務に即した内容を心がけてきました。

これまでの文字数はざっくりですが80万字、単行本5冊分に相当するコンテンツに育ちました。

さすがにジャンル拡大しカテゴリー枠にはまりきらなくなり無理がでてきましたが、  ① 事 業 承 継 ② 保 険 余 話 ③ 法 人 保 険 ④ 相 続 と 保 険 ⑤ 節 税 保 険    ⑥ 経 営 と 保 険 ⑦ 贈 与 と 保 険 の7分類をとりあえず守っています。

基本的なターゲットは中小企業のオーナー経営者としていましたが、読者の主力はどうも保険関係者のように感じています。最近では医療費控除の確定申告関係の読者が急増しています。継続は力なりと申しますが続けるためには相当の情報収集能力と気力を必要とします。

また自分の自由時間を削り書き続けるには多大なエネルギーを必要とします。ただひたすら、どこかで誰かのお役に立っていると信じつつ今後も続けて行く所存です。ご愛読賜ればこれにまさる喜びはございません。

医療費控除の確定申告で補聴器が使えない理由。

医療費控除の確定申告で補聴器が使えない理由。

CIMG3460まもなく確定申告の時期になります。多くの税務署では2月18日(月)から3月15日(金)までの間に自主的に申告することになっています。

サラリーマンをしていると会社が税金を給料から天引きし、年末調整で生命保険料控除までしてくれますから、他に収入がない限り確定申告をすることはあまりないと思います。

しかし家族の医療費が合計で10万円を越えると医療費控除の確定申告をすることで、税金が戻ってきます。

これまで医療費控除の申告に使える医療費に補聴器の購入費用は含まれませんでした。昨年からようやく補聴器の購入費用が医療費控除の対象として認められるように変わりましたが、手続きがまだ浸透しておらず結局使えなかったという事例を実際の体験をもとにまとめました。

◆ 医療費控除は結構なお小遣い。

医療費控除の確定申告をすれば、支払った医療費分が所得から控除されますから、控除された所得に課税されていた所得税が還付されます。それの伴い所得税に連動している住民税も翌年分が減額になります。

所得税率が人により異なりますので、いくら還付されるかは国税庁の確定申告サイトでご確認ください。大体の感じでは医療費の1割から2割程度が還付される感じです。支払った医療費が大きい場合は結構な還付金となり、お小遣いというより生活費の足しになります。

家族の医療費が10万円以上あれば申告できるのですが、あと少し足りないと言うこともよくあります。ましてや補聴器は高額な買い物ですから、医療費控除の対象となったことは大きなことです。もったいないですから、面倒くさがらず医療費控除の確定申告をおすすめします。

◆ 補聴器はなぜ高額。

補聴器は高額です。ちゃんとした音域の調整ができる耳穴にぴったりはまるオーダーメイドの補聴器は片耳だけで20万弱します。これでも補聴器の性能から見ると安い方です。片耳30万から50万の補聴器もあります。両耳だとこの金額が倍になるわけです。

補聴器が高い理由はいろいろありますが、機械本体より継続的なサポート料が含まれているということです。補聴器は眼鏡のように買いっぱなしではなく、幾度となく補聴器店に出向き調整したりクリーニングしたりします。調子が悪いときや、故障することもありますから、販売店とは縁が切れないのです。

また加齢とともに難聴の度合いも進みますのでどうしても調整が欠かせません。補聴器が高額になる理由はそんなところにありそうです。

医療費控除が適用できる高額な事例としては、インプラントも補聴器顔負けの価格です。

◆ 「補聴器適合に関する診療情報提供書」が必要。

補聴器の購入費用を医療費控除に加算するCIMG3462ためには、指定された補聴器相談医に診察を受けて「補聴器適合に関する診療情報提供書」を書いていただき、補聴器販売店に持参し、必要な情報を追記してもらい、その上で補聴器を購入する必要があります。

補聴器を購入した領収書だけでは医療費控除が認められないのです。

いますぐ補聴器が必要な人にはそんな時間がありません。しかし先に補聴器を購入してから医療機関に行っても「補聴器適合に関する診療情報提供書」は書いてくれません。

普通の難聴を抱える人は眼鏡を買うときと同じで、病気だとは思っていませんから医療機関には行かずに補聴器販売店へ行きます。補聴器専門店にしても貴重な顧客を医療機関に戻したら他を紹介されるかもしれないというリスクがあるでしょう。

せっかく補聴器の購入費用が医療費控除の対象に承認されたにもかかわらず、適用を受ける手順が実態とはかけ離れているので、うまく使えないのです。

難聴で補聴器が必要な人は、補聴器購入費用が医療費控除に使えるから補聴器を買うのではなく、今困っていて生活するために必要だから補聴器ができるだけ早く手に入る補聴器専門店に行きます。

この仕組みは知らなければ、後からは使えない制度です。「補聴器適合に関する診療情報提書」を断った医師はネットで調べた補聴器相談医でしたが、書き方をよく知らないという感じでした。「次回、購入するときに書きましょう。」と慰めのように言われましたが、補聴器は高額なものですから度々買い換えるようなものではありません。10年近くも大事に使いますから、慰めにもなっていない、むなしい言葉です。

詳しい内容と「補聴器適合に関する診療情報提供書」「補聴器適合に関する報告書」は下記にありますが、結構ややこしい書類です。

■一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会

◆ 利用者の立場になっていない適当な仕組み。

今回、補聴器をやむなき事情で購入しましたが、今回の制度は使えませんでした。まったく仕組み自体が補聴器購入者の立場になっていないのです。使えない仕組みを厚生労働省や財務省が承認したということになりますが、困ったものです。その理由をいくつかあげました。

1)情報が周知されていないので、補聴器販売店も医療機関も知識が中途半端で対応できない。

2)補聴器を買いたい人や買い換えたい人は、医療機関ではなくまず補聴器店にいくので、指定された手順とかみ合わない。

3)買い換えたい人は、故障して困っているから補聴器店にいくので、即日手配を希望する。医療機関に差し戻すような手間はだれも望まない。

4)自分の難聴を病気とは考えていないので、補聴器を希望する人が医療機関に行くとは限らない。

5)補聴器相談医や認定補聴器専門店・認定補聴器技能者がどこにいるのかわからない。

6)「補聴器適合に関する診療情報提供書」は耳鼻咽喉科専門で内容が複雑すぎて理解できない。

いろいろ不満を含めて書きましたが、腹立たしい思いでした。たまたま医療費控除に関する情報を発信している立場ですので、ひょっとしたら補聴器も使えるのではないかと思い検索してみたのがきっかけです。

その時すでに遅く手元には補聴器の領収書がありました。SASで定期的に通っている医療機関の医師がたまたま補聴器相談医のリストに載っていたのでお願いしてみましたが、上記に書いたとおり軽くあしらわれました。これでも情報は早いほうだと自負していますので、補聴器を購入されるご予定の皆さんには、少しはお役に立つのではないかと思っています。ちなみにシーメンスからPHONAKに乗り換えてハウリングがなくなり快調に聞こえています。

◆ まとめ

生命保険料年末調整で所得から指定金額を控除する仕組みがあります。セルフメディケーション税制まで創設されたというのに補聴器はおいてきぼりでした。

せっかく補聴器の購入費用が医療費控除に使えるようになったというのに、歯がゆい仕組みです。補聴器専門店でも医療機関でもまだ実績がないようで、きちんと説明できないどころか敬遠気味でした。

お上が作る制度というのは往々にして不完全なものが多いようです。できれば当サイトのような意見を取り上げていただき、使い勝手の良い利用者の立場に立った制度に改めていただくことを切に希望するものです。

補聴器を必要とする人は、生活を改善するためになくてはならないから、たとえ高額でも買わざるを得ないのです。ファッション性の高い眼鏡や美容整形とは違った生活の質を改善するための補助具なのです。それを考えれば、領収書だけで医療費控除ができるように改善すべきところです。

保険情報専門サイトではありますが、ネタ枠が拡大してしまい医療費控除のサイトの様相を呈しています。あしからずご了承ください。