生命保険業界2018年総まとめ。

生命保険業界様変わり、2018年総まとめ。

法人保険に関わっていると個人保険と異なり決算前がピークになります。そもそも法人保険と個人保険では保険の加入動機が一致しません。

CIMG3094事業保障や家族の保障という点では同じ万が一の保証を保険で確保すると言うことは変わりませんが、契約者が法人、保険金受取人も法人となるのがほとんどですから、個人契約とは本質的に異なるといって良いでしょう。

もう一つ法人保険独特の目的は利益を繰り延べするという点にあります。出口対策
組み合わせることで節税効果が期待できます。

2018年は生命保険業界に大きな動きがあり、新商品も数多く発売され、法人保険、個人保険とも従来の保険の考え方が様変わりしたのを感じます。

大きな影響を与えたのは2017年の4月に保険料算出の予定利率に影響を与える標準利率が引き下げられ2018年の4月には標準生命表が11年ぶりに改訂されました。この動きにより生命保険業界は生命保険の種類により販売中止になったり保険料が改訂されたりしました。

◆生命保険の予定利率が史上最低に|生命保険業界裏表。

◆保険料が下がる?!ウソホント。[標準生命表改訂]

大雑把に申し上げると標準利率の引下げは保険料の値上げにつながり標準生命表の改訂は死亡保険の保険料の値下げにつながりました。医療保険は逆に値上がり傾向になります。

差し引きプラスマイナス調整できたようなところもありますが、貯蓄型の保険と掛け捨て型の保険では影響が異なります。特に法人保険では新商品ラッシュになりました。

その結果、国内生保も含めて金利の高い国で運用する外貨建て保険が増加し、相続に対策に活用され、貯蓄型の学資保険は採算が取れなくなり代替商品が増えることになりました。

◆ 法人保険の傾向をまとめると。

1)国内生保をはじめ数社から新しい全損型の保険が発売され解約返戻金の返戻率競争になりました。後出しジャンケンのごとく後から発売する保険会社の返戻率が良くなり企業の保険担当者を悩ませました。

2)逓増定期の名義変更スキームが拡大し、対応逓増定期を扱う保険会社が増加しました。複数社を組み合わせて一気に資金移動を提案する代理店が増加しました。

3)長引く低金利の影響で金融機関の保険代理店の活動が活発化しました。融資や手数料だけでは儲からなくなり取引情報をもとに法人保険の販売に攻勢をかけてきました。

◆ 個人商品の傾向をまとめると

1)貯蓄型の保険が少なくなり掛け捨て型の定期保険や働き盛りの世代の就業不能を保証する商品や重大な病気に備える商品が増加しました。

2)健康な人ほど保険料が割安になるリスク細分型の保険商品が増加しました。非喫煙優良体や引受基準緩和型医療保険でも健康割引の適用があったりします。

3)トンチン保険(長生きするほどもらえる年金が増加)のような高齢化に対応する新しいタイプの保険が登場しました。また介護に関しても保障が充実した商品が増加し、これまで敬遠気味だった認知症に対応する保険が登場しました。

◆ まとめ

生命保険は様々な要因と改訂が絡み複雑化します。プロの力を借りないと理解で出ない保険商品が増加してきました。今後もこの傾向は避けられそうにないと思います。

法人保険も個人保険もどんどん進化しますが、保険の本質は変わりません。

基本はあとに残された家族や社員が無事に暮らしていくための資金を確保することです。

最近の生命保険のバリエーションや保険のネットショップ販売などで本当に保険の相互扶助の精神が生き延びていけるのか、はなはだ心もとない気がしています。

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