保険営業は生保と損保どちらを選ぶべきか?経験者が違いを解説。

保険営業への転職を考えている方は、生保と損保のどちらがよいか迷うことが
あります。世間から見ればどちらも保険です。
しかし実際に現場に入ると、生保と損保はまるで別の業界です。

私は保険を買う側になった今でも、生損保両方の営業現場を見てきた経験から、
同じ保険という言葉で一括りにしてよいものではないと思っています。

生保と損保は区別して考え、相談する相手も分けて考えなくては適切な
アドバイスは期待できません。

柔道と剣道くらいは違いますから、勝ち負けを競う点では同じですが
ルールも仕組みも道具も違います。

保険営業として長く生き残りたいなら、この違いを知ったうえで
自分に合った世界を選ぶべきです。

■保険営業はやめた方がいい?向いている人・向いていない人を元営業が解説。

◆ 生保営業と損保営業は似ているようで別物。

保険営業という仕事だけを見れば共通点はあります。

お客様に会いリスクを説明するのですが、その先が違います。
生命保険は人の人生を扱います。一方損害保険は事故や財産を扱います。

そのため必要な知識も営業スタイルも大きく異なります。

生保営業は、人を対象とする保険なのに対して
損保は物を対象にした保険です。同じ保険営業でも見ている景色が違います。

◆ 入りやすい損保、入りにくい生保。

昔から言われていることですが、損保は入りやすく、生保は入りにくいと
言うことがあります。それは生命保険は診査があり、告知があります。
健康状態が問われますので健康でなくては契約できません。
契約時には多くの書類も必要になります。

ところが保険事故が起きれば、保険金は比較的スムーズに支払われます。

死亡したりがんになったり、病気で入院したりすれば、保険金や給付金は、
迅速かつスムーズにでることが多いです。生命保険の事故は、比較的シンプル
ですから診断書さえあれば、問題なく支払われます。

一方の損害保険は加入するときのハードルは低いものです。
保険料を払い契約すれば加入できます。

しかし事故が起きると話は別です。保険金支払いの条件は細かく、
ケースごとの判断になります。火災ひとつとっても原因はさまざまです。

自動車事故も過失割合で揉めます。この辺は損保の難しさです。

ですから、生保は入りにくいが出やすくて損保は入りやすいが出にくいと
言われるのです。

もちろん契約による話ですが、営業として関わるとこの違いは大きいのです。

◆ 出やすい生保、出にくい損保。

保険営業をしていると、お客様が喜ぶ場面と苦情になる場面があります。
生命保険では保険金支払いの場面で感謝されることが多くあります。

損保営業は契約を取って終わりではありません。
損害保険では事故対応そのものが仕事になることがあります。

ただ最近では、代理店や保険営業が事故対応をするということは
あまりなくなりました。保険会社の自己対応窓口がやってくれます。

私はこの辺が、生保営業と損保営業の最大の違いだと思っています。

◆ 生保は一発勝負、損保は積み上げ型。

営業スタイルも違います。生命保険は法人などでは大型契約があります。
一件で大きな成果になることもあります。

その代わり契約が取れなければゼロです。

極端に言えば毎月リセットされる世界です。
保険営業の厳しさはここにあります。

一方の損保にも大型契約がありますが、契約は一年更新が基本です。
契約件数を積み上げていけば、継続収入になります。
派手さはありませんが、しかし安定感があります。

長く業界を見ていると、地道に損保契約を積み上げた代理店の方が
経営は安定しているようにも見えます。

しかし注意すべき点として、小さな損保の代理店は大手に統合され、個人代理店
はほぼなくなりました。大手損保代理店に所属するか、損保会社の営業になるか
の選択になりそうです。生保では、保険会社の営業職員になるか代理店の社員、
あるいは保険ショップの店員になるかになりそうです。

◆ 生損保兼営代理店の現実。

現在は生損保兼営代理店が珍しくありません。
しかし現場経験から申し上げれば、両方で高い専門性を維持するのは
簡単ではありません。

生保も損保も募集資格をとることはそれほど難しくはありません。
ただ資格を持っていることと、本当に詳しいことは違います。

損保中心の代理店で生命保険を扱うことはできます。
しかし力が入るのはどうしても本業です。
逆に生保系代理店では損保は付随的な扱いになりがちです。

何でもできるというのは、それは聞こえはよいのですが、
時として何も極めていないという結果になることがあります。

耳の痛い話ですが、保険業界だけの話ではないと思います。

◆ 保険営業として転職するならどちらか。

転職の際のアドバイスとして言えることは、人と深く関わりたい、
相続や事業承継も勉強したい、
さらには経営者と話したいと言う方は生命保険です。

一方、事故対応が苦にならない、長期的に顧客を積み上げたいなどと
いう方は損害保険が向いているかもしれません。

どちらが優れているという話ではありません。
これは好みの問題だけでなく、向き不向きの問題です。

◆ 生保と損保、まとめ。

保険営業として成功したいなら、生保か損保かを先に決めることです。
両方できれば理想ですが、現実には得意分野ができます。

生損保共に販売する商品特性や分野により得手不得手があります。
得意分野に特化しないと十分な顧客サービスが提供できないという面があります。

私自身、保険業界を長く見てきて思うのは、
保険営業で生き残る人は、自分の土俵を見つけ、
その中の商品を極めた人だということです。

生保なら生保に損保なら損保に、
中途半端に広げるより、自分の得意分野を作った方が強いと思います。
生保も損保も本気になると奥が深いので、エキスぺーとになるには、
どちらかに絞った方が効果的です。

平成8年の相互参入で「何でも扱える時代」になりましたが、
皮肉なことに今は「何が得意なのか」が問われる時代になったように思います。

保険営業への転職を考えているなら、まずは自分がどちらの世界で
戦いたいのかを考えることから始めてみてください。

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