生命保険相談のツボを買う側の専門家が指南。
保険は相談するな!と大見得を切っておきながら保険相談のツボを解説しようと言うのは矛盾があるようですが、この切り口こそ言いたいところです。
生命保険は、提案書を見ただけでは理解できるほど単純ではありません。またご自分のリスクを金額に換算する必要保障額と、払える保険料とのバランスということもあります。
また医療保険が必要かどうか、定期保険だけでなく終身保険まで考えるかどうか、人それぞれの家族の事情と経済力が違います。少なくとも生命保険の相談では、最初に保険提案ありきでないことは言えると思います。
実は、この記事は保険営業向けに書いています。売る側の視点と買う側の視点の大きな違いを理解することが大事です。
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◆ 生命保険の相談相手は難しい。
生命保険の相談をする場合、保険のことをよく知っている人に相談します。よく知っている人とは、保険を販売する営業や保険ショップの店員ということになります。知り合いの税理士の先生などが、詳しい場合がありますが、やはり部分的な知識にとどまります。
保険を販売する人に相談すると、ライブプランや必要保障額の説明がありますが、必ず保険商品の説明から売り込みに変わります。
ファイナンシャルプランナーに相談する場合でも、保険を売るファイナンシャルプランナーとコミッションに依存しない相談フィーだけの人がいます。そこを区別して話を聞かなくてはなりません。
生命保険の相談で、本当に中立な立場でアドバイスできる人はいないと考えるべきです。さらに中立な立場と言っても、人それぞれの価値観があり保障に対する考え方も異なります。そのアドバイスが、ご自分の考えに合うとは限らないのです。
その結果「保険は相談するな!」などと申し上げているわけです。
◆ 保険相談無料は、無料ですがタダでは済みません。
保険相談無料というサイトや保険ショップの窓口、保険相談の資格者としてFPがいます。ただほど高いものはないと言いますがそれはその通りです。
厳密に定義すると、保険相談無料の本音は「保険提案無料」「保険見積無料」ということでしょうか。これなら無料が当たり前ですね。
保険設計に至るまでの基礎的な情報として、家族状況や収入、将来設計のヒヤリング、ライフプランまで相談に含むとなれば、それに対するアドバイス料金がかかるはずです。いわゆるフィー(相談料金)が発生してこそフェアーな相談が可能になると思います。
保険の見積もりありきでは、ライフプラン設計も形だけのものになりそうです。フィーを前提とするFPの相談であれば、資産運用を含めて広範囲の将来を見据えた提案になります。
保険販売をボランティアでやっているところは、世界広しといえどもに一つもないわけですから、必ず収益源はあります。
買う側としては保険を売る側、つまり代理店や営業職員が販売手数料で生活していることは、当然理解しています。
保険は、売れなければ手数料収入はなく持ち出しだけですから、営業として当たり前なのです。客引き目当てで、相談無料などと言わずに堂々としてればよいだけだと思います。
◆ 生命保険相談のツボを解説。
保険は相談するな!と言っても相談しないわけにはいきません。相談相手の立場や生命保険の一般的な知識をある程度押さえて、自分なりの考えをもったうえで相談することが大事だと言えます。
生命保険相談においての基本は、情報収集による基礎知識の習得、GNP(義理・人情・プレゼント)に左右されないこと、複数の保険商品の比較購買、そして最終判断は自己責任です。
そのためにはセミナーに参加したり、関連書籍を読んだり、ネットで検索したりして基本的な知識を押さえてください。できれば、経験のある知人にセカンドオピニオンをお願いすることもよいと思います。
◆ 生命保険相談のツボ、まとめ。
生命保険は金融商品といいながら、人生模様商品のような特性があり、最終的にはお金の多寡が生き様や人間関係に影響をあたえます。
まさに人の生老病死がお金に絡んで、保険金となり喜怒哀楽に変化していきます。正解はひとつではないのです。生命保険の場合、価値観が変われば正解も変わります。必要保障額も家族構成や考え方、契約時の年齢、子供の教育方針や配偶者の収入などにより大きく変わると考えてください。
生命保険を相談のツボを絞り込むならば、人任せにしないということに尽きるでしょうか。
・ご自分のリスクを箇条書きにして、自分でしっかり理解する。
・生命保険の基礎知識をわかるまで検索し、情報を収集する。
・複数の相談相手に納得するまで説明を聞くことが大事です。
生命保険は、一度契約して終わりではありません。家族の事情が変化していきますから、リスクも変化していきます。定期的に見直すことも必要です。そこまでの面倒を見てくれる相談相手を見極めることも、生命保険相談のツボと言えるかもしれません。
保険営業にとり、保険相談は最初のコンタクトです。顧客の視点を理解すれば、売らんかなの営業に、何が欠けているかわかってくると思います。
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